平成23年10月5日知事会見記録

ID番号 N4870 更新日 平成26年1月16日

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平成23年10月5日 10時30分から10時50分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
最初に、知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。

知事
いわての学び希望基金給付金及び奨学金の募集開始についてです。
県では、東日本大震災津波で親御さんを亡くされた子ども達の「くらし」と「学び」を支援するため、「いわての学び希望基金」を設けて、国内外からの寄附をお願いし、また、この基金を活用した給付金事業と奨学金事業の準備を進めてきたところですが、今日から募集を開始します。
「いわての学び希望基金」は、9月15日現在で2,541件、約13億5,500万円のご寄附のお申し出をいただいています。ご寄附いただいた皆様に改めて感謝を申し上げますとともに、子ども達が自立するまで息の長いご支援を引き続きお願いします。
また、11月末までに申請していただければ、今年の4月分から11月分までの給付金、奨学金を年内に給付したいと考えています。そして、この奨学金などは返還不要です。
募集方法などについては、県公式ホームページに掲載するほか、児童相談所や学校、市町村などを通じて周知を図っていきますので、報道各社のご協力も併せてお願いします。
なお、詳細については、担当部局にお尋ねください。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、質問がある社は社名を名乗ってからお願いします。

記者
すごく良い取り組みだと思うのですが、教育はやはり大事だが、なかなかお金をかけられないという家庭も多いと思うのですが、改めて教育に対する課題の認識と、せっかくですので、もう一言利用してほしいという呼びかけの知事の声をお願いします。

知事
そもそも「いわて県民計画」でも安心して暮らせる、生き生きと働ける、そして楽しく学べるということで、学びという要素は、暮らしや仕事と並んで3本の柱の一つとして位置づけていました。特に、21世紀・高度情報化社会になってくると生活していく上でも学びの要素が重要であり、それはさまざまな防災に関する情報とか、新型インフルエンザのような新しい感染症に対する情報とか、一生涯学びということが大事になってきます。また、働くということに関係しても、世の中の変化が激しくなってきますので、学びという要素が働くということについても非常に重要です。そういう意味では、21世紀・高度情報化社会というのは、学びがすべての基本になるというところもあり、岩手県としては県民が学びの真っ最中である子ども達が、きちんと学んで未来を切り開いていくことができるということを特に重視していたところに今回の大災害が発生したわけです。
したがって、発災当初から学校の危機という状況を何とか克服していかなければならないということで、さまざま学校、また教育関係の被災者支援、復旧・復興に力を入れてきましたが、この「いわての学び希望基金」は、その全体を象徴するような事業でもあり、一番困っている子ども達に本当に勉強をきちんとやってほしい、そして、そこから自分の人生、幸福追求を立派に進めていってほしいという理念で県としていち早く設けた基金です。
先ほど申し上げたように、国内外から多くの支援を既にいただいているところですが、今の状態ではまだ足りませんので、ぜひ更にご支援、ご協力いただけるようお願いするものです。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があれば社名を名乗ってよろしくお願いいたします。

記者
県営住宅に入居されている被災者の方の件ですが、応急仮設住宅はもちろんなのですが、雇用促進とか、県が借り上げている賃貸マンションだと無料期間が2年ですが、県営住宅だけ1年と、不公平ではないかという声もあるのですが、それに関して知事のお考えを教えてください。

知事
そういう声は、私のところにもさまざま届いており、1年を超えて2年ぐらい入居することができるよう、今調整していますので、1年限りということではないようにしていきたいと思っています。

記者
1年を超えて2年というのは、家賃の無料期間が2年になるようにという認識でよろしいでしょうか。

知事
基本は災害ということで、そこに入らざるを得なかったという意味で、他の仮設住宅に入ったりとか、仮設住宅とみなされる民間(の借り上げ住宅)に入ったりとかと比べて、全然違うような扱いにはしないということです。

記者
先週の金曜日、仙台高裁で県議の政調費の返還訴訟の判決がありました。その際には、知事から談話を出していただいたのですが、改めて判決文をご覧になって、仙台高裁判決をどのように評価されているか、また今後の対応についてお聞かせください。

知事
まだ判決文の精査中ですので、対応は決めていません。早く決めるようにしていきたいと思います。

記者
ご覧になった中で感じた点とか、何か一言あればお願いしたいのですが。

知事
議会の議員の皆さんが、議員同士でルールを決め、その範囲内で個々の政治活動の一環として調査を行っていることに対して、県の主張と裁判所の判断でかなり違いがあるという印象は受けています。ですから、基本的には、県としての主張をどういう形で実現していくかという観点から、今精査しているところです。

記者
今日から県議会の9月定例会が始まりますが、2期目のスタートとして知事演述ということで所信表明をされると思います。本格論戦がスタートということで、この9月定例会に臨むに当たっての知事のお気持ちなどをお聞かせください。

知事
決算議会でもありますので、県が行ってきたことについてきちんと見ていただく。22年度決算に関しては、既に災害が発生していましたので、この大震災について、被災者支援から復旧・復興に向けて、県として取り組んできたことを振り返りつつ、既に県として策定してある(復興)計画を今後どう推進していくのかということが県民のものになっていくような議会。大震災の災害そのものの全貌、そして、それに県をはじめみんながどう対応してきたかということについては、非常に情報量が多いため、今でもさまざま報道でも検証作業のようなことが行われていると承知していますが、県民とそういう情報を共有していくことが非常に大事だと思っています。そして、過去のことも大事ですが、未来についても計画がどのようになっているのか、今後どのように進んでいくのかという情報を県民と共有することが大事だと思っていますので、そういう議会になってもらえれば良いと思います。

記者
あと今日、知事演述で所信表明ということですが、この所信表明のポイントというか、どこをポイントにご自分の気持ちを込めて作られたかというのを教えてください。

知事
被災者支援から復旧・復興というのは、これは必要に迫られて取り組むことではあるのですが、これにしっかり取り組んでいくことで被害を受けた皆さんはじめ、県民全体として暮らし・仕事・学びのあらゆる分野で大震災を乗り越えて力強く前進していく、そういう状態をつくることができる、またつくらなければならない。これは言い換えると「希望郷いわて」の実現という県民計画の推進ということでもあるわけで、そこは志を高くして積極的に前進していくべき局面であるということを伝えたいと思います。

記者
明日から民主党の小沢元代表の裁判が始まるわけですが、県選出の政治家の裁判を知事としてどのように見守るのか、またどのような結論をお望みになられているのかというのをお聞かせください。

知事
私は、特に証人として(裁判への)参加を求められたりはしていませんので、そういう形での関与は特にありません。

記者
結果に関しては、どのようなことを望まれるかというのはありますか。

知事
結果が出たら、それに対してコメントはしたいと思います。

記者
その結果が県に与える影響というのは、何か感じられているところはありますか。

知事
岩手の持っている潜在的な力、そして岩手の持っている良さというものが、きちんと世の中全体に誤解されずに、岩手の中で行われている良いことについては、きちんと世の中全体に認知されてほしいと思っています。

記者
3点お伺いします。
1点目ですが、推計人口が先日発表されました。震災後1万3,000人が減っているということでした。改めて、知事として、このことをどのように受け止めているのか、それから対策といってもなかなか難しいのですが、人口流出についてどのように取り組むのかお願いします。

知事
1つは、まず犠牲者の数ということからすれば、戦後最悪の大災害であったという東日本大震災津波の悲惨さというものを改めて感じています。
一方、人口流出については、一言で言うと県外に出られた方、震災被害を理由に県外に出られた方が約1,500人くらいなのですが、一方で人口流出が去年の同じ期間に比べれば1,500人くらい縮小しているがゆえに、ほぼ同じ数字ですが全体としての人口流出は去年より少なくなっています。これは、私が知事になった翌年から3年連続で人口流出は縮小し、今年も基本的に縮小しており、それが大震災による人口流出を相殺し、そのくらいの人口流出の縮小という成果が岩手の経済、社会には起きているということです。今後、被災者支援から復旧・復興ということがきちんと手当てされていけば、その基盤にある人口流出縮小のトレンドということが生きてきて、むしろ人口流出は今後更なる縮小に向かうことが期待できます。1990年代、この岩手において働く場がきちんとあって、適切なさまざま政策がバランスよく行われていた頃には人口流出が1,000人を切っていた時期もあり、それが98年以降どんどん人口流出が拡大していき私が知事になった翌年から縮小に転じている。これを基本的に続けていきたいと思います。適切な財政政策と精力的な産業、雇用政策をきちんとやっていけば、人口流出は縮小できるということが実証されていると思いますので、この調子で頑張っていきたいと思います。

記者
2点目です。昨日の新聞報道でメガソーラーに関する記事が載っていました。まだ具体的なことは決まってないかもしれませんが、進捗状況とか、それに対する知事の考え、取り組みなどお話しできることがあればお願いします。

知事
県としては、まず向いている場所はどんなところがあるかについて、検討を始めたということで、たくさんあるのだと思っています。被災者支援、復旧・復興という流れの中で大事な要素だと思っていますので、県としてもしっかり取り組んでいきたいと思います。

記者
メガソーラーに対する期待とか、復興に寄与する期待とか、その辺りがあればもう一言お願いします。

知事
県の復興計画の3項目に沿って言うと、まず安全という観点から安全なまちづくり、自前の発電施設を持っているということでバックアップ効果があるということが1つ大きいと思っています。それから、仕事の関係でも、産業自体が雇用の場にもなり、また生み出されたエネルギーがさまざま経済にも活用されるという可能性が広がりますので、そういうところで期待しています。

記者
最後です。今朝の報道に湾口防波堤が今年度内に着工するという趣旨の記事が載っていました。国の話なので、まだ県には下りてきてないと思うのですが、もし知事の耳に入っていれば、事実関係と期待などをお願いします。

知事
釜石(港)のケースでも、(湾口防波堤が)かなり津波の高さを低く抑えて、それが被害を小さくし、また犠牲者を少なくしたということに貢献したというように理解していますので、これはやはり復旧が必要だということを国にも訴えていましたので、できるだけ早く直してほしいと思っています。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は10月21日(金曜日)の予定です。

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