平成23年12月19日知事会見記録

ID番号 N4856 更新日 平成26年1月16日

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平成23年12月19日 10時30分から10時41分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問がありませんので、質問がある社は社名を名乗ってから質問してください。

記者
来年度の予算要求額が公表されました。過去最多の規模になると思われますが、まずこの金額について、それと、これから知事査定もあると思いますが、予算編成の方針などについてお聞かせください。

知事
必要に迫られて大きくなっているということで、特に復興関係はそれぞれ所要額を提示するようにという方針に沿って積み上げられていますので、そのぐらいの額になります。基本的に復興に関しては、必要なことは予算を確保してやっていかなければならないと思っていますので、ここ数年のトレンドからすると非常に大きな本予算になるような要求額になっているのですが、まずやはり復興第一で取り組んでいきたいと思います。

記者
津波のシミュレーションについて伺います。先日、河川課から公表されて、すごく役立つ情報だとは思うのですが、公表が少し遅かったのではないかという声も一部にあります。この点についてはいかがでしょうか。

知事
もともと県と市町村で力を合わせて、それぞれのまちづくりの計画を決めていくために活用するということで、それに必要な形の情報の扱いになっていたのだと思いますが、各方面から知りたい、参考にしたいという声もあり、それに応える形にして良かったと思います。

記者
今日の午後、県の防災計画を見直す会議が開かれ、そこで見直し案が示されると聞いています。改めて震災復興の初期といいますか、いろいろ問題点があったからこそ、今、見直されているのだと思うのですが、知事がお考えになっているどこがポイントかというところをお願いできますか。

知事
これだけ大きな災害、これだけ大きな被害と、そしてこれだけ大きな犠牲が、成熟した先進民主主義国において起きるということは、世界が人類が初めて経験するようなことと言って良いと思うのです。したがって、そういう事態を想定した防災計画というように今までなっていなかったところもあると思っていますので、今回の事態も踏まえながら、より防災計画を高度化していくことができれば、全国さらに世界にも貢献できるものになるのではないかと思っています。

記者
予算に関してですが、新年度は新年度として、今年度これまでずっとスピードということで逐次補正を組んできました。3次補正が確定したほかに、また少し系統が違うかもしれないですが、4次補正を国も考えているということで、県として今年度の補正について、まだまだかなりの事業化ということを考えているのかどうか、その必要性についてもお願いします。

知事
今、具体的にアイデアがあるわけではないのですが、国の3次補正についてもまだ内容が固まっていないところがあり、その固まり方によっては、年度内に県で措置した方がいいものもあれば、更なる県の補正予算もあり得るというスタンスで臨んでいるところです

記者
喫緊には、特に今のところはないということですか。

知事
今、具体的な形では、まだありません。

記者
先日、ヒッグス粒子が欧州の大型加速器で発見されたという、ほぼ発見が確実視されているというニュースがありました。発見を受けて、今後、岩手で国際リニアコライダー(ILC)を誘致するに当たり、どのような感想かお聞かせ願います。

知事
すごいことだと思っています。ヒッグス粒子という物質の質量を決める、そういう粒子が真空空間の中に実は存在するという、我々の物の見方、世界観を変えるような発見だと思います。理論物理学の世界では、この宇宙が実は4次元、5次元、6次元と多次元構造になっていて、粒子も折りたたまれているとか、それからこの宇宙の他にも新しい宇宙がどんどん生まれているという多元宇宙という世界観が理論物理学では提起されています。その証拠になるのがヒッグス粒子なので、それが本当にあるとなると、かつてニュートン力学から相対性量子力学に発展していった時に、世の中の見方が、がらりと変わったというものに匹敵する、我々人間が世の中を見る見方が大きく変わり、人間のさまざまな可能性を大いに拡大していくことにつながると思います。その更なるヒッグス粒子の詳細な研究には、線形の次世代型の大型粒子加速器が必要であるということにもなるわけであり、岩手においてILCを建設する、その必要性が更に高まったということでもあるので、うれしく感じています。

記者
そのILCの誘致に当たり、今後、岩手として課題は何が必要になってくるというお考えがありましたら、よろしくお願いします。

知事
総理大臣もILCの重要性について、はっきり発言するようになり、かなりILCの意味について日本国内で広がってきていると思いますが、今後は、いかに北上高地の南部の岩盤がそれにふさわしいかということと、この粒子加速器の実験で得られるさまざまな知見が、いかに人類に役に立つかということをやはり地元において理解し、そして(誘致の)機運を盛り上げていくことが大事だと思います。

記者
失業手当が延長されてきていましたが、1月頃から順次切れ始めるということで、被災地の方では生活保護が増加するのではないかという懸念も非常に言われています。県で生活保護の増加や、失業手当が切れることに対する何か具体的な対策というか、産業振興、雇用対策、いろいろやられていると思いますが、何が一番重要になってくるかお願いできますか。

知事
その一方で、現在、求人があるにもかかわらずなかなか人が集まらない、会社で雇いたいのに雇用保険があるが故に働き手が集まらない、という実態もあると聞いています。全体としては、それらの兼ね合いの中で、いわゆるミスマッチが是正される方向に進んでいくことを期待するのですが、ただ個別事情であり、雇用保険が切れることによって困る人が出てくるということに対しては、基本はやはり雇用のミスマッチ対策だと思っています。人が足りないという大きなトレンドがありますので、いろいろな働く場はあると思いますし、働く場が満たされて町に活気が出てくることで、更にいろいろな(人の)生活や仕事が、一体的に自立できるような可能性が広がっていきますので、まずそこが力の入れどころだと思っています。
生活困窮者に対する生活保護事業は、これは災害があろうがなかろうが、普段から行っていることで粛々と進めていけばと思います。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は12月26日(月曜日)の予定です。

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