平成24年1月6日知事会見記録

ID番号 N4852 更新日 平成26年1月16日

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平成24年1月6日 11時30分から11時51分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
それでは、幹事社から代表して2点ほど質問します。
まず、年頭の定例会見ということで、今年1年の抱負についてお聞かせ願えればと思います。
そして、もう1点が、一昨日、昨日と2日間、沿岸で視察されてきたと思いますが、その所感についてお聞かせください。よろしくお願いします。

知事
今年の抱負は、やはり復興を力強く進めるということです。県の復興計画に加えて、沿岸の津波被災市町村の復興計画も出そろいましたので、これらの計画を着実に力強く進めていく一年にしたいし、またしなければならないと思います。
そして、今年は、いわて県民計画の第2期アクションプランをスタートさせる年でもあり、この復興計画と、いわて県民計画アクションプランを車の両輪として、県政を進めていきたいと思います。
また、今年は観光について、「いわてデスティネーションキャンペーン(DC)」が行われる年です。昨年、平泉が世界遺産登録になり、平泉をはじめ岩手の観光に関する地域資源を更に発掘し、磨き上げて、そして岩手全体をDCキャンペーン会場として観光振興を力強く進め、それが復興の支援にもつながっていくようにしていきたいと思います。
いわて県民計画では、「ゆたかさ」、「つながり」、「ひと」という3つの視点をうたっているわけですが、この「つながり」に関連して、復興も地域の底力を発揮していくとともに、地域内、地域外とのつながりの力を育てていく、この底力とつながりの力で復興を力強く進めていくことが基本戦略だと思っています。去年も今までないようなつながりが地域の中に、また地域の外との間にどんどん生まれましたが、今年も更にそのつながり力を伸ばしていき、地域の底力と共にオール岩手で復興に進んでいきたいと思います。
次に、昨日、一昨日の沿岸視察の所感ですが、県の合同庁舎で職員向けに訓示などをしたほか、仮設の診療所やケアセンター、商店街を視察しました。それぞれ仕事が始まっていて、仮設なので常設の施設とは違う不自由さはあるのですが、それでも力強く地域の生活を支え、仕事を回転させていく機能をしっかりと果たしていることを頼もしく思いました。やはり、被災者の方々、そして被災者を支える皆さんが、一日一日をしっかりと過ごしていくことが、復興に向かって一歩一歩着実に進んでいくことになるという思いを新たにしました。そして、その一日一日というのは、決して容易なものではなく、仮設住宅で生活をしていくということもそうですが、その一日一日をしっかり過ごし、まずは被災者ご自身の安全と健康をしっかりと守り、またさまざまな社会活動、経済活動を一日一日しっかり行っていくということが、本当に大切なことだと改めて感じ、私も今年、一日一日を大切にしながら進んでいきたいと思います。

幹事社
今の質問に関連して各社から質問があれば、社名を名乗ってお願いします。

記者
抱負について、追加で質問します。訓示の中でも具体的な政策課題を挙げて、防潮堤の整備とか、被災者の住まい、住宅再建などを説明されていましたが、具体的な政策課題に取り組む意欲を、例を挙げるのは難しいかもしれませんが、具体的にお話し願います。

知事
要は、「安全」の確保、「生活」の再建、「なりわい」の再生という三原則に沿って、それぞれ具体的な事業をしっかり進めていくということであり、数え方にもよりますが、300くらいの事業がありますので、これをしっかり進めていくということです。

幹事社
他に各社から質問があれば、社名を名乗ってからお願いします。

記者
今年は復興元年ということで、復興に向けた具体的な事業がどんどん加速していく年だと思います。その中の一つで復興特区を活用した特区事業というものが、今後、1月から早々に動き始めると思うのですが、県も一部の特区を集中的に展開するというような報道もあります。県が市町村をサポートしていく形になると思うのですが、今のところどのようなスケジュール感を持って展開していく予定なのか、検討状況についてお聞かせください。

知事
今、県のそれぞれの担当のところで分野ごとに法律に合わせた特区申請の準備を整理していくということと、市町村と相談をしながら、それぞれの市町村が必要としているような事業を特区にどういう形で計画化していくかということを並行して進めています。これは、それぞれ準備が出来次第、どんどん提案していくということで、いつまでに何個とかというやり方でやっていくというよりは、それぞれ県の復興計画、市町村の復興計画で大まかな方向性、イメージはできていますので、あとはそれをどんどん制度に落として、出来次第、提案していくということになると思います。

記者
年末に動きのあった消費税の増税について伺います。野田政権で消費税を増税する法案の素案が固まり、2014年に8%、15年に10%と段階的に引き上げる案が示されました。まず、消費税を増税することについて、率直に賛成か反対か、その理由をお聞かせください。

知事
復興財源の時にも話していたのですが、まず被災地にとっておよそ増税というのは復興にとって非常に足かせになりますので、消費税も含めて増税は困るということがまずあります。そして、日本全体にとっても経済が鈍化するような増税をすると、復興支援に水を差すことになるわけで、日本経済全体が落ち込むような増税をしないでほしいということが基本スタンスです。
復興財源を巡る議論の中では、すぐに消費税を上げるわけではないということで、また今回も当の民主党の議論の中では、経済を鈍化させてはならない、ある種条件付きで消費税の引き上げをやるのであれば、できるような経済状況の下でやるのだという議論があると理解しており、議論のたたき台が1つできているということです。段取りとしては、他党との協議もしながら、大きくは国会という場の中で議論されていくと思われますが、国会全体の中には、やはり拙速な消費増税は良くないという声の方が多数なのではないかという感じがしており、そういう意味ではむちゃな消費増税にはならないのではないかと期待はしています。

記者
知事は国会議員経験もあり、そういう意味では政策通だと思うのですが、復興にお金がかかるというところで、将来世代に負担を先送りしてはいけないというところもあると思うのですが、なかなか答えは難しいと思うのですが、その辺りについてはどうすべきだとお考えでしょうか。

知事
ここ10年、20年の日本のデフレ傾向とか、格差社会化とか、そういう中で経済の低迷によって結婚もできない、子供も産めない、子育てもできない、というように将来世代が消滅してしまうような経済状況を放置したり、更に悪化させたりすれば、負担してくれる人がいなくなるという、もう日本全体がひっくり返るような話になるわけです。これから生まれようとする未来の日本国民に、これから生まれてこないという選択肢と、生まれてきて親や祖父がいろいろ築いたものの負担をある程度分かち持つのとどっちがいいかと聞けば、みんな生まれてきて、ある程度の負担は分かち持つという方を選ぶと思います。そういう生まれてこれるかどうかという選択が突きつけられているのですから、まず日本経済を自立的な経済成長軌道、そんなバブルみたいなことにする必要はないので、持続可能な世代交代というのか、そういう人間がきちんと後につながっていくような形を作るということを優先させて、お金のやりくりを工夫すれば良いのだと思います。

記者
消費増税のことに絡んで、政治向きの話になるのですが、与党民主党から消費税の増税とかTPPの問題について反対の意向を示して、民主党から集団で離党していることについて、知事は元民主党の衆議院議員ということもあり、どのように捉えているかお聞かせ願います。

知事
詳しい主張の内容とか、これから何をしようとするのかについて、詳しく承知していないのですが、大まかに言って3年前の衆議院議員選挙での民主党の公約をしっかり守っていくということで、それが「生活が第一」、だから「復興が第一」という復興優先の政策の実現ということであれば、被災地にとっても、日本全体にとっても大変結構なことだと思います。

記者
関連して、3日に小沢一郎元民主党代表が、被災地を回りました。その際、現政権、政府への批判や消費税問題について語っていたわけですが、その小沢元代表について、離党して新党を結成してほしいというような声も上がっていると思います。小沢先生について、その辺の期待とか、どのように動いてほしいかと思っているのかお聞かせ願います。

知事
小沢一郎さんに離党を勧める声を私は聞いてはいないのですが、話している内容は政権交代を実現した時のマニフェスト、公約をきちんと守ろう、そして、この大震災という非常事態において、まさに通常の行政のやり方とは違う思い切ったやり方をやるというような行政の根本的な改革を一気に進めて、地方が活力を持って進んでいくことができるような日本にしようということなので、これは大勢の皆さんが賛成できるし、今すぐ行動に移さなければならないことだと思います。ですから、志ある国会議員、特に政権交代の時の総選挙でそういう約束をした人たちは、直ちに一緒になってその実現を目指していけば良いのだと思います。

記者
知事としては、党内に残ってそういった志ある人たちを結集してというか、糾合して、国民の生活が第一というような原点に戻った政策を実現してほしいというお考えでしょうか。

知事
例えば、「野田総理がやはりマニフェストの原点に立ち返ることが大事だし、そうしなければならないということが分かりました、自民党にも同じような考え方の人がいて、他の党にもたくさんいる、そういう意味で『復興党』というような新党を立ち上げるので、是非その代表に(小沢氏に)なってください」という形だってあり得るわけです。それを民主党の中に残ると言うかどうかは、表現の問題なのだと思います。
いずれやらなければならないことは、復興が一日も早くきちんと進んでいくよう日本国政府として実行する体制づくりであり、それがひいては、この21世紀の国際経済も危機的な状況の中で日本がしっかり前に進んでいくということになるので、そのことをやれば良いと思っています。

記者
今の質問に関連してですが、3日に小沢県連代表がいらっしゃいましたが、今回震災後初めての沿岸入りということで、小沢県連代表が来たことに対する知事の感想というか、この時期に来たことの意味というのはどのように考えているのかというのが1つと、あと「復興党」というのは、知事が年末の会見でもおっしゃっていましたが、その先頭に立つ、リーダーになるにふさわしい人は誰かというのをお聞かせください。

知事
まずは、発災当初から小沢一郎さんが力量からしても土地勘からしても、復興の最先端、最前線というか、最頂点に立つのがふさわしいと思っており、今でもそう思っています。
それから、突然TPPへの参加をぶち上げ、また突然消費税を参院選の公約にして大敗北を喫した菅内閣が去年もそのまま存続し、そして、そういう体制のままで震災対策、原発事故対策を行っていて良いのかという一大疑問の中で、政権のあり方をチェックしながらあるべき政権の形をつくっていこうという動きは東京にいなければできない話です。菅内閣、菅首相の退陣は、そういう小沢一郎さんの考えるあるべき政権の形をつくっていかなければ駄目だという強い意思と行動があったればこそ実現したもので、その後の野田内閣が菅内閣と同じような方向に行ってしまわないかどうかを見て、そうならないようにいろいろと手を打つということは、被災地のためにも、日本全体のためにも必要であったし、そういうことを他にやれる人がいなかったので、ずっと東京にいたということは意味があったと思います。お正月休みという国政に動きがない貴重なタイミングで地元被災地を回ってもらったということは、本当に良かったと思っています。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は1月16日(月曜日)の予定です。

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