平成24年1月30日知事会見記録

ID番号 N4846 更新日 平成26年1月16日

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平成24年1月30日 10時30分から10時48分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問がありませんので、質問がある社は社名を名乗ってから質問してください。

記者
復興特区とがれき処理について、2点お伺いします。
まず1点目の復興特区について、岩手県における県や市町村の具体的な計画申請の状況について、お聞かせ願います。

知事
幾つかの分野ごとにまとめて特区申請する方向で今調整しているのですが、「保健・医療・福祉」関係と、それから「産業再生」関係については、もうすぐに出せるような状況になっていますので、すぐに出すようにしていきたいと思います。

記者
すぐに出せるというのは、その2つを盛り込む、載せるということでよろしいでしょうか。

知事
早目に出せるものについては、早目に出す方がいいということで、出せるものはどんどん早く出していくという中で、その「保健・医療・福祉」関係と「産業再生」関係はもう大体できているので、すぐに出す方向だということです。

記者
もう1点ですが、交付金事業計画の岩手県の現在の状況についてはいかがでしょうか。

知事
すぐに出すという話は、特区の今言った2分野のものについてですが、他のものについても適時適切に提出していく方向で調整中です。

記者
次に、がれきの広域処理についてですが、先週、静岡県の島田市で試験処理という段階ではありますが、本県の災害廃棄物を受け入れることを市長が表明されました。本県にとっては、東京都に続く東北以外での事例になるわけですが、広域処理の具体的進展が期待できる状況になってきたと思います。市民を含めた島田市に対する知事のメッセージと、島田市の決断による今後の広域処理への展望についての知事の所見をお願いします。

知事
近隣県、また関東地方を越えて、まさに広域処理というような形で静岡県の島田市から受け入れを表明されたことは、大変すばらしいと思います。また、東京都以外で本格的な表明は初めてということで、東京都以外の市町村のいわば先駆けとして非常にありがたいと思っています。
また、こうした広域処理をきっかけとして、さまざまな自治体間の相互理解や交流が深まればとも思っており、島田市はお茶の産地と聞いていますので、岩手県庁でも島田市のお茶をどんどん飲むとかを通じて、心と心の交流みたいな次元も発展させながら、この東日本大震災津波(からの復興)に自治体が協力して取り組んでいく形が進んでいくようにしていければと思っており、そういう意味で重ねて感謝を申し上げたいと思います。

記者
お茶の話が出ましたが、静岡県も放射性物質のことで影響を受けました。今、県庁でもお茶を利用してというお話がありましたが、それ故に放射性物質に対する不安は島田市民にあると思うのですが、岩手県の災害廃棄物の除去について、市民に向けてお願いできますか。

知事
島田市のお茶については、基準から問題がないと聞いていますので、岩手県の皆さんにもどんどん利用していただきたいと思います。また、岩手からの災害廃棄物についても、基準に照らして問題がないものをお願いしますので、そこは島田市の皆さんによろしくお願いしたいと思います。

記者
最初の方に質問したのですが、今回の決断が今後の広域処理についてどうなるかという展望をお聞かせ願えますか。

知事
東北、関東を越えて、さらに全国的に広域処理が広がっていくということ、また東京都のような大きい自治体以外の市においてもそうした受け入れが行われていくという、その2つの点で可能性が大きく広がったと感じています。

記者
大きく3点お伺いします。
1点目です。県発注の建設工事で入札の不成立、不調が増えています。これまでの県の取組も含めて、知事がどのように感じているかを教えてください。

知事
東日本大震災に関する復旧・復興という中で、仕事の量が増えたり、また国、県、市町村の発注が今までないような形で重なったりとか、さまざまな要因があると思っていますので、そういったところを円滑に受注が行われて、復興ができるだけ早く進んでいくように県でもさまざま工夫をしていきたいと思います。

記者
これまでに1社のみの入札参加でも落札を認めるとか、あと規模をまとめて入札を行うなどさまざまな取り組みをされているそうですが、さらにその上で、やはり復旧に工事が影響してはいけないと思うので、今後に向けて検討されていることなどがあればお願いします。

知事
技術上あるいは事務上の工夫というのは、いろいろあり得ると思うので、そこはどんどんやっていくように、今、担当に工夫してもらっているところです。

記者
2点目です。先週、福島第一原発の事故で、東京電力に1億円の損害賠償を請求されました。知事の所感をお願いします。

知事
県と市町村のものをまとめて賠償請求したわけですが、そもそもこの原子力発電という事業は、核兵器の拡散等とも関係があり、IAEAという核を監督する国際機関の下で行われている事業であり、日本としても国策として進めている事業であって、極めて重大な、大きな事故の許されない分野において、あってはならない事故を起こしたという重みをまず東京電力には深く自覚し、その事故によって起きた被害に対しては、むしろ賠償請求等、さまざまな被害者の側からのアプローチを待つのではなく、より先手先手を取って犯したことの償いや、事後処理を積極的に進めてほしいと思っています。
また、国も民間企業の事業という体裁ではありますが、やはり(原発は)国策として、国際的なルールの下で進めてきたことであり、国もまた責任感を持って自治体任せにするのではなく、この賠償の問題についてもしっかり取り組んでほしいと改めて申し上げたいと思います。

記者
出席した一関市や奥州市の首長は、平たく言えば、かんかんに怒っており、先方からは支払いに関する具体的な明言がありませんでした。そういう意味では、出席した私も不満の多い状況だったのですが、支払いに対する東京電力の意見も含めてお願いできますか。

知事
まだとんでもないことをしでかしたという自覚が甘いのだと思うので、そこを深く自覚して行動をとってほしいと思います。

記者
最後です。日本農業賞(「集団組織の部」の大賞)にJA(いわて中央)りんご部会が選ばれました。いい話だと思いますので、知事からも感想と今後への期待を一言いただけますか。

知事
岩手のリンゴは、生産者の皆さんの努力、さまざまな関係者の皆さんの協力によって、非常に質の高いものが消費者の皆さんに利用していただいていると思います。献上リンゴという形で皇室にも毎年ご利用いただいており、どこに出しても恥ずかしくない本当にいいリンゴです。今回もそうした評価がいただけたこと、そうした岩手のリンゴのすばらしさを改めて確認することができたと思います。生産者の皆さんには、更に頑張っていただきつつ、また、全国や世界の消費者の皆さんには、どんどん岩手のリンゴを利用していただくよう、この機会にまたお願いしたいと思います。

記者
県が宮古市で整備を予定している閉伊川河口付近の水門整備についてですが、市民側からは、いまだ水門以外の方向性を含めた議論を求めるという声が上がっています。それについて、知事の所感をお願いします。

知事
東日本大震災津波からの復旧・復興については、安全の確保、そして生活の再建、なりわいの再生という3つについて、科学的、技術的な必然性に基づき、そして社会経済的な必要性を加味してまちづくり計画が立てられ、そして進められていけばと思います。それぞれ市町村ごとに、とにかく早く将来のビジョンを持てるように計画を早く固めてほしいという要請と、できる限り時間をかけて議論をしたいという要請の中で、それぞれ工夫して議論を重ねているところだと思います。宮古市におかれても、そうした議論を通じ、市の中での議論を通じて科学的、技術的必然性に基づきつつ、社会経済的な必要性も踏まえたまちづくりが進むことを期待します。

記者
先ほどの復興特区のことで追加で伺いたいのですが、明日の復興本部員会議での了承を経て、国に申請なさるということを聞いています。それで、改めてですが2分野の復興特区について先行させたいという話がありましたが、国への申請で認定を受けた時、どのような効果を期待されているのかをお聞かせ願えますか。

知事
復興対策本部の議題は、直前にならないと確定しないので、いまだ調整中というように理解しています。
「保健・医療・福祉」関係の特区については、沿岸から内陸の方に介護を必要とする方々がたくさん移動し、内陸の方で、あるいは沿岸でも受け入れ可能な施設において利用者の人数が想定された以上に増えていて、平時を想定した基準の中では非常に運営が困難になっているという切羽詰まった状況などにある。また、医療施設や薬屋も含めて、さまざまな施設の復旧を早く進めていかなければならないこともあり、できるだけ早く特区が認められて、安心して生活の再建につながるような体制を作っていければと思っています。
「産業再生」についても、さまざまな税制の優遇であるとか、新規に進出しようとする企業とか、また事業の拡大、展開を考えている企業の皆さんを後押しするような特区制度として、これも早目に立ち上げたいというところですので、そのようにしていきたいと思います。

記者
先週の金曜日に選抜高校野球で花巻東の3年ぶりの出場が決まりました。前回の3年前は、菊池雄星投手を中心にして準優勝という成績を収めましたが、知事からの期待といいますか、エールのようなものをお願いします。

知事
3年前の春のセンバツ準優勝という記憶が鮮やかによみがえってくるところであり、センバツに出場が決まったというだけで非常にうれしくて、わくわくするところがあります。今年の皆さんは今年の皆さんなりに、自分たちのプレーを思い切り伸び伸びとして、そうすればいい結果がついてくるのではないかと期待していますので、頑張ってほしいと思います。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は2月6日(月曜日)の予定です。

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