平成24年2月16日知事会見記録

ID番号 N4842 更新日 平成26年1月16日

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平成24年2月16日 10時30分から10時55分

広聴広報課
ただ今から、記者会見を行います。
最初に、知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。

知事
今日の発表事項は、「コミックいわて2」の出版についてです。
県では、平成24年3月30日、株式会社岩手日報社と共同で、岩手県に焦点を当てた地域マンガ単行本「コミックいわて」の続編、「コミックいわて2」を全国の書店で発売します。
今回の「コミックいわて2」は、前作同様、岩手ゆかりの漫画家の皆さんに協力をいただき、復興元年のシンボルの一つとして、岩手の自然・文化・暮らしなど、岩手の魅力を全国に再びアピールすることを目的に出版します。
震災からの復旧・復興の取組の中で、岩手とつながりが生まれた全国の皆さんに、「マンガ」を通じて岩手に親近感を感じてもらい、県内の方や県出身者の方にも、岩手の思いを改めて共有してもらえればと考えています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項につきまして、各社から質問があれば、社名を名乗ってからお願いします。

記者
「コミックいわて2」ですが、1に比べ作家さんも更に豪華になって、充実した内容になっているかと思うのですが、この2にかけた思いをもう少し詳しく教えてください。

知事
県としても大震災津波の発生を受けて、さて今年度はどうしようかということを考えたのですが、まず漫画家の皆さん方もそれぞれが大震災津波とどう関わっていくかということを考えられ、直接関係するような作品を書かれる方もいるし、また、関係ない作品で自分にできるのはやはり漫画を書くことだということで、大震災津波を意識しながら、それに直接触れない作品を書くというような方々がいて、いずれこういう状況の下では、漫画家の皆さんのクリエイティビティー、創造性というものは大きな力になると思いました。
そして、読者の側からも昨年度出た「コミックいわて」が、岩手の自然や文化、風土、県民性などなど、大震災津波発生以降、読むといやされるとか、力になるとか、元気が出るとか、そういう声を聞き、それでここはやはり2を出そうと決めたところ、協力してくださる漫画家の方も前回以上の数になり、いい本ができたと思っています。

幹事社
他に質問がないようであれば、幹事社から県政記者クラブを代表して質問します。
今日の午後、県議会2月定例会が始まります。本会議で知事が演述するわけですが、それに込めた思いを聞かせていただきたいと思います。

知事
分かりやすく言えば、1に復興、2に復興、3、4がなくて5に復興ということで、今年が復興元年であることや、新しい年度の予算を中心に県の施策を述べるものです。復興は被災者、県民が、それぞれ直面する課題に応じて多くの分野に及ぶものですので、そうしたものをきちんと述べて、それぞれに関係する皆さんがこういうふうに進んでいくのだなということが分かって、頑張ろうという力に、そして希望につながっていくように準備しているところです。

幹事社
この質問に対し、各社から質問があればお願いします。
ないようであれば、他に各社から質問があれば社名を名乗ってお願いします。

記者
先日、知事がJRに大船渡線と山田線の復旧の要望に行かれました。それで、昨日のJRの会見では、BRT(バス高速輸送システム)での仮復旧ということも明言されたようですが、改めてどのように被災地の知事として受け止めていますか。

知事
県、市町村、地元としては、あくまで鉄道の復旧を求めるということです。

記者
具体的には、例えば何年以内とか、要望する側のスケジュール感というのは、どのようにとらえていますか。

知事
早ければ早いほど助かるわけで、もちろんそれぞれの市町村のまちづくりの内容が固まらないと着工できないというところもあるのだと思います。そういう意味では、具体的な数字は、市町村の計画との関係で決まってくると考えています。

記者
BRTでの復旧というのは、あくまで今の段階では仮となっていますが、もちろん地元としては、それが恒久的なものになるという懸念があると思うのですが、仮であることに関してはどういう評価をしていますか。

知事
大事な問題なので、言いたいことは直接相手に言うようにして、この間本社まで行って直接言っているわけですから、JR側も言いたいことはきちんと直接言ってほしいと思います。

記者
今の質問に関連してですが、JRのBRTに対する考え方というか、対応が二転三転していることに対して、知事がどのように思われているのかお聞かせください。

知事
内部で検討中であるということ、そして今後、当事者・関係者との間で話し合っていきたいということは一貫していると思います。内部の検討状況について、いろいろ聞かれる際に答えているのだと思いますが、関係者・当事者との話し合いというところが我々との間の関係ですので、そこは直接やりとりできればいいのではないかと思っています。

記者
先ほどの大船渡線や山田線のことですが、先日、知事がJRの社長に要望に行った際には、「BRTの話は気仙沼線の話で岩手とは関係ない」とか、「岩手の話を言っているわけではない」という趣旨の発言をされたと聞いています。その会談の中では、今回のようなBRTで大船渡線、山田線の仮復旧という話は出なかったということでしょうか。

知事
事実関係として、岩手県の山田線、大船渡線に関してBRTという提案は、その時もありませんし、今もありません。
繰り返すと、内部で今さまざま検討中であると。そして、復興調整会議とか話し合いの場、当事者・関係者との話し合いの場があるので、そこでしっかり話し合いをしていきたいということがJRと岩手県関係者との間で話として出ているのであって、その内部検討のことについてマスコミに聞かれたからいろいろ話されているのだと思いますが、それは交渉の外の話であって、こちらでも内部で検討していることはいろいろありますが、それをいちいち相手に直接言えるだけの熟度が熟していないようなことを途中で言えば言うほど、事がややこしくなるから、我々はそうしていないということです。

記者
知事は先ほど、直接言ってほしいというような話もされましたが。

知事
それは、(言って)ほしいというか、当たり前のことでしょう。

記者
知事が直接要望に行った際に、そういう話をされずに何日か後の会見で突然というのは。

知事
それはマスコミの皆さんに聞かれたから答えたので、それはマスコミとJRの間の関係のことだと思っています。

記者
突然、次期社長の会見で、そういう話が出たことについてはどうですか。

知事
マスコミの皆さんは、それで非常にありがたいと思っているのでしょう。だから、その中でそういう関係があるのだというように見ています。

記者
今後、再度要望に行く考えはありますか。

知事
この間、直接話を本社でしたのは非常に重いことだと思っており、それを踏まえて内部検討を進め、そして、それを踏まえて話し合いをしましょうということを言っています。

記者
では、先ほど直接話をすべきだという話をされましたが、JRの方から直接こちらに来てきっちり説明してほしいということでしょうか。

知事
JRの内部検討のありようについて、こちらからとやかく言うつもりはありません。

記者
ちょっと話を戻してしまうのですが、鉄道というのはつながっているということが、一つ重要なことだと思います。三陸鉄道については、県、国の支援で早期に復旧を決めたという経緯があります。大船渡線と山田線の復旧を求めるというのは、三鉄がもう既に復旧させると決めたことが大前提になっているのでしょうか。

知事
やはり鉄道の方がいいと思いませんか、復旧していくに当たって。だから、さまざまな他の交通機関との関連とか、また、それぞれの市町村のまちづくりとの関係も踏まえて、そう主張しているというのはその通りです。

記者
今後、更にJRに鉄道での復旧を要望する際に、客観的に鉄路で復旧することによる効果のようなものを示していくということは、かなり重要になってくるかと思うのですが、そこら辺のデータ的なことや、どういう戦略で要望していこうとしているのか、どう考えていますか。

知事
先方からは、特にそういうものを出してくれという話は、今来ていないと理解しています。

記者
ちょっと同じ質問の繰り返しになってしまうかもしれませんが、先週行って直接相手に話を伝えた直後に、こういう形で聞いた話と違う話を言ってしまうJRの対応について、率直にどう思われますか。

知事
タイミングの問題は、記者会見の機会が頻繁にあったが故だと思っており、そこはマスコミとJRの間の関係のことと理解しています。

記者
先週の土曜日に、大槌の仮設住宅で凍結防止のヒーターが焼けるという火事がありました。知事として、率直にどのように受け止めていますか。

知事
余ったヒーターの線をぐるぐる巻きにして束ねていたことで、これは熱を持ちやすい危険な状態でしたので、そういうことは二度とないようにと思っています。

記者
基本的には、施工業者の問題なのかもしれませんが、一応設置者は県であり、火事で怖い思いをされた方とか、もしかしてうちも同じような火事が起きるのではないかと不安になった仮設の皆さんに、知事から言葉があれば一言お願いします。

知事
当該業者に対しては県から厳しく指導していきますし、類似の施工したところがないか調べさせ、あればそれを直していくようにさせていきますので、安心してほしいと思います。

記者
シイタケの話ですが、基準を超える放射性物質が検出されたことが分かりました。今後に向けて、知事から対応や考えなどあればお願いします。

知事
基準を超えることについては、食べる直前の状態にして測って、キロ当たり何ベクレルという基準を4月ごろに国として正式に決める方向で調整中と聞いています。そういう意味では、基準が明確でない中で消費現場の側で乾シイタケを乾燥したままで測定して、それで食品全般に関して1キロ当たり500ベクレルという数字を超えているということが問題になっており、消費者サイドとの関係で信頼性を守りながら、将来にわたって岩手のシイタケという非常に質も高くて体にいいシイタケの消費を守っていくための措置として、今、岩手においても乾シイタケを乾燥したまま測って、一定の数字を超えたものについて、出荷自粛をお願いしているところです。ですから、放射性物質の安全基準については、国でもなかなか定まらないところがあり、そこはきちんと国民に分かりやすいように定めていくことを引き続き求めていきますが、そういう混乱の中で岩手の生産物の信頼を守り、ブランドを守っていくということをしっかりやっていきたいと思います。

記者
改めて、こういうことが起きてしまったということで東京電力に対して、原発事故に対して、一言お願いできますか。

知事
出荷自粛ということで、実際の損害、実損が出ますので、そこはしっかり原因者に補償を求めていかなければならないと思います。

記者
昨日、「岩手県こころのケアセンター」が開所して、これから長期にわたる被災地でのこころのケアが本格的に始動するという体制が整ったかと思います。このタイミングで知事のこれからの県内のこころのケアにかける思いと、それから「こころのケアセンター」に期待することを一言お願いします。

知事
今回の大震災でのこころのケアというのは、専門家の皆さんの間でも今までなかったようなタイプの現象に対して、きちんと対応していこうということで取組があり、そういう専門家の皆さんの力を借りて新しい課題にもきちんと対応できるような体制ができたことは非常に良かったと思っています。全県のセンターができ、これから被災地にも支所(地域センター)ができていきますので、その体制を使ってさまざま新しい課題にもきちんと対応できるようなこころのケアをしていきたいと思います。

記者
知事のツイッターを拝見しました。『あなわん運動』ということに触れていたと思うのですが、まずはその『あなわん運動』についてお伺いしたいのと、そこから2012年度いわてDC(デスティネーションキャンペーン)に向けて、県民運動になるかと思うのですが、どういう展開を期待しているのかお聞かせ願います。

知事
「詩情豊かな岩手路」というテーマで、私が中、高校生ぐらいのころに岩手を舞台にしたデスティネーションキャンペーンがあったのですが、そこから30数年ぶりに岩手単独でのデスティネーションキャンペーンということで、岩手の観光力を高める大きなチャンスだと思っています。そして、それが復興の力にもなっていくわけであり、非常に大事なDCだと思っています。それをどんどん盛り上げ、成功させていくためには、やはり県民総参加型の取組が必要で、そこで『あなわん運動』という、あなたもわたしも「わんこきょうだい」、県民みんなが一人ひとり「わんこきょうだい」になったつもりで観光客をおもてなししましょうということです。観光というのは、直接的には外から来る人たちをもてなし、その人たちに喜んでもらう取り組みですが、それをやることによって、地域が良くなっていきます。観光的な魅力のある地域というのは、そこに住む人たちにとっても魅力のある地域になっていくわけですので、地域振興の一つの形でもあるので、ぜひ県民の皆さんには一人ひとり「わんこきょうだい」になったつもりで、道に迷っているような観光客に声をかけてあげるとか、誰かに写真を撮ってもらいたそうな観光客の方の写真を撮ってあげるとか、走っているSLとか特別列車に手を振るといったことをやってもらい、そうすることが自分の住んでいる地域の魅力を高めることにどんどんつながっていくので、盛んにやってほしいと思います。

記者
ツイッターでの発言からもう一点なのですが、今の『あなわん運動』とも関連すると思うのですが、最近ラジオ等で「わんこきょうだいのうた」という歌が聞かれていますが、その件について、知事がツイッターで原案を作詞作曲されたというような話が出ていました。歌の完成に至った経緯と、例えば原案を担当された歌詞にどういった思いを込められたのか、そういうところを少しお聞かせ願えますか。

知事
「わんこきょうだい」が、岩手の観光のキャラクターとしてデビューしたのは、いわて・平泉観光キャンペーンの時だったのですが、その時にかなり「わんこきょうだい」の人気が高まり、それが終わった後も引き続き県の観光のキャラでやっていこうという中で、県職員用の掲示板に歌でも作ろうという話を書き込み、自分で作詞して、それに曲をつけたものを吹き込んで掲示板にアップして、観光課の職員(だったと思います。)が改良を加え、そして、最後は元姫神せんせいしょんの佐藤さんに仕上げてもらい歌にしました。その歌詞の内容は、実は地産地消とか、伝統文化とか、難しい言葉もちりばめられているのですが、気軽に楽しく口ずさんで、日常的に自分のものにしてほしいという県民の皆さんへの思いを込めて、親しみやすいような歌にしたという経緯があります。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は3月2日(金曜日)の予定です。

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