平成24年3月21日知事会見記録

ID番号 N4838 更新日 平成26年1月16日

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平成24年3月21日 10時30分から10時54分

広聴広報課
それでは、ただ今から記者会見を行います。
最初に知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。

知事
「コミックいわて2」の出版についてです。平成24年3月30日発売ですが、初版部数を当初予定の1万部から5,000部増やして1万5,000部に増刷します。全国の書店からの注文状況が当初の想定を上回るペースとなっています。
なお、「コミックいわて2」の売り上げの一部については、復興支援として県に対する義援金に充てられます。
それから、明日の3月22日から25日まで、東京ビッグサイトで東京国際アニメフェア2012が開かれますが、そこで「コミックいわて2」の複製原画展及び先行販売を実施します。東京国際アニメフェア2012で、震災復興支援をテーマとしてさまざまな復興支援プロジェクトが実施される一環として、アニメフェアの実行委員会から依頼があって行われるものです。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項につきまして、各社から質問があれば、社名を名乗ってからお願いします。

記者
「コミックいわて2」ということで、東京国際アニメフェアへの出展、先行発売という新しいニュースもありました。非常に復興支援という意味でもありがたく喜ばしいことだと思います。そこで、改めて知事の所感をお願いします。

知事
復興というのは、地元の底力と、そしていろいろなつながりの力の両方で進めていくものだと思います。お金や物等いろいろなつながりがあるのですが、「コミックいわて2」については、心のつながりというところで、義援金、寄附金にもつながるのですが、つながりの力を更に強化し、岩手に対して全国から心を寄せていただく、そういったところに大きく役立つのではないかと期待しています。東京国際アニメフェアでの出展についても、そういうことに大きく役立つのではないかと期待しています。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がございません。各社から質問があれば、社名を名乗ってお願いいたします。

記者
がれきに関してですが、先日、静岡県の島田市ががれきの受け入れを正式に表明されて、試験焼却も終わってこれから本格的に受け入れていくことになると思うのですが、まだまだがれきというのは受け入れ先が必要だと思うのですが、その動きを受けて知事の所感をお伺いしたいと思います。

知事
岩手県のがれき435万トンで、その約6割はそのまま資材にしたり、燃やしたり、正規の処分場に埋めたりとかしなくていいのですが、4割はきちんとした処理をしなければならず、またその4割のうちのさらに3割の57万トンを県外で処理していただかないと、3年以内の処理がおぼつかないということで、東京都のほか、青森、秋田、山形という近県の動きに加えて、島田市が大きく踏み出してくださったというのは、全国的にこの広域処理の取り組みが広がる大きなきっかけになると期待をしています。島田市でいろいろ反対意見を持っている人たちとのやりとりとか、全国的にも注目される中で、国も総理大臣が先頭に立って全国自治体にきちんとお願いをしよう、また法律も作って、基準の問題、安全性の問題を国が責任を持ってきちんと対応しようということになったのも、島田市に頑張っていただいたということがそのように政府を動かし、大きな全国的な流れになり、今どんどん名乗りを上げてくださる県や市が出てきていると思っていますので、この調子で前進させていくことができればと思っています。

記者
広域処理しなければいけない量からすると、まだだいぶ東京都や島田市の量も足してもまだなかなか足りないというのが現状だと思います。3年間の処理計画を見ても、このままいくとなかなか3年間で処理が終わらないのではないかという見通しもあるのですが、そこについてはいかがですか。

知事
がれきの存在が、被災地、被災者の皆さんにとって将来不安や、復興が遠いという気持ちにさせるということが発災直後からあったのですが、今でもそういう声が私のところにも届いてきています。やはり、早期にがれきを処理するということが、復興全体の中でも大きな要素を占めていると思っており、その中で広域処理、確かに軌道に乗せていくのはまだまだこれからなのですが、ただ軌道に乗せていく段取りはだいぶ固まってきたところがあると思いますので、一昨日の国の復興推進委員会でも野田総理は、これから復興を加速していかなければならないということをあいさつの中で述べていたのですが、まさに広域処理についても、国が先頭に立って加速していってもらわなければと思っています。

記者
関連してお聞きします。県で作ったがれき処理に関する3年間の計画については、今後計画どおりに進めていくのか、それとも計画の修正はお考えなのでしょうか。

知事
前倒しできるのであれば、できるだけ前倒ししたいという気持ちはあります。それは、あくまで被災地、被災者の皆さん本位で決めた計画ですので、たっぷり3年をかけなければということはないわけです。一方、この1年間の間でもいろいろ技術的な要因とか、さまざま想定しなかったようなことで遅れる要因もあったりしますので、そういう意味では気持ちとしては前倒しするくらいの気持ちで取り組む、そこにさまざまな遅らせる要因が後から出てくる、そういう中で3年という計画をきちんと達成できればと思います。

記者
県が、宮古市の閉伊川河口に整備の方針を打ち出している水門計画について、お伺いします。宮古市議会が先日、知事あてに説明責任を果たすように求めるという内容の意見書を可決しました。まず、それについての知事の受け止めをお願いします。

知事
県でも、これはきちんと説明しなければということで、既にいろいろ説明をしていたところでもあり、そういう地元の要望に応えて、これからもきちんと説明をしていきたいと思います。

記者
おっしゃるとおり、もう既に説明のために県が足を運んで行っている部分も確かにあると思うのですが、地元では市民から計画の中身に対する疑問点であったり、あるいはまだ批判の声が上がっている部分もあると。県土整備部としては、市役所と協議して了承を得ているので、要はそれが住民合意であるというような立場を崩していないという状況だと思うのです。地域の津波防災の根幹をなす水門という重要な施設を選択するという、そのプロセスとして事前に住民合意、話を直接聞いてという形がなかったという手法について乱暴だったのではないかというような意見もあります。そのことについてはどのようにお考えですか。

知事
通常の河川改修とか、県の土地の関係とか、県で決定していいようなことについては、むしろ住民の皆さんにそもそも設計段階から参画していただいて、どういう川の流れにしますかとか聞いて行ったりしますが、今回は、津波からの復旧・復興のまちづくりの中での話なので、県は県で住民の皆さんと、こう決めましたということを市とすり合わせずにやるわけにはいかず、原則、市が了解しない限り、県として勝手に決めるわけにはいかないと思っています。そういう意味で、市の了解を前提に県が決めるという仕事(の流れ)で全体を進めているところです。

記者
今後もさまざまな復旧・復興に関する県の、ハードなりソフトなりの整備事業を行われるわけですが、今回のように当初から住民から意見を聞くという場を設けることなしに進めるといった手法をとるというようなことは、基本的にないということでよろしいでしょうか。

知事
それぞれの市町村が、住民と対話をしながらまちづくりを進めていく、そこに県も参画していくということが基本的なあり方だと思っています。

記者
19日の復興特別委員会でがれきの問題がいろいろ審議され、その中で一つのアイデアとして、今、放射性の心配があって広域処理の場合は反対の声が上がっていると。安全ではあるのだが、なかなか住民の方々の納得は心情的にも難しいだろう。その場合、県内で今、余分の部分で(がれき)処理をしているわけですが、県内の一般ごみを他県にお願いをして、沿岸のがれきを県内の焼却施設で処理してはどうだと、玉突き処理という話が出ましたが、知事はお聞きになりましたか。

知事
そういう議論があったということは聞いています。ただ一方、今、日本全国非常に多くの県・市で、「うちで受け入れていい」とか、「うちで受け入れを検討する」とか、どんどん手が挙がってきている状況ですので、そちらと相談を進めながら、広域処理についても軌道に乗っていく道筋というのは今できてきていると思っていますので、そこを引き受けてもらえるのであれば、やはりそれが助かりますので、そういう方向で進めていければと思います。

記者
ただ、現実の問題として3年以内にすべて57万トンが処理できるかどうかという、先ほどから質問ありましたが、なかなか軌道に(乗って)進んできてはいるが、全体を考えた場合、そういう他の部分も考えることも必要ではないかという話がありましたが、当然それは検討する予定でしょうか。

知事
さきほど言った県内処理の前倒しということも、できる限りそれはやっていくという一般論の中で、どうすればがれきの処理が早くなっていくのかということを、いろいろ検討するということはあり得ると思います。

記者
2点伺います。BRT(バス高速輸送システム)の件です。県議会からも県がより強い姿勢で、よりリーダーシップを持って、JR側に鉄路での早期復旧を求めるべきではないかというような声が上がっていますが、これについての知事のご所感をお願いします。

知事
県は今のところ、鉄道の復旧以外のアジェンダ(協議事項)は、JRと県の間にはないという理解で、これ以上強い交渉の立場はないと考えています。JRに言っているのは、ある新しい技術体系の是非という土俵の設定ではなく、あくまで沿線市町村の復旧・復興計画の議論に参画する中で、地元が求めている形に沿った議論をして決定していってくれと言っていて、それ以上強い立場はないと考えます。

記者
2点目です。4月から放射性物質に対する食品の安全基準がかなり厳格化されるわけですが、県でもそれに対する対応というか、いろいろ準備を進められていると思いますが、基準の厳格化に対して県がどのように取り組んでいくかというところを改めてお聞かせいただけますか。

知事
現在、さまざまな品目検査を行っている中で、ほとんど新しい基準もクリアしているという結果を今どんどん発信できていると思っています。検査機器は増やしていき、関係団体と連携しながら、ますますの体制充実を図るということかと思っています。4月1日以降の基準を既にほとんどクリアしていますので、今からそういったことを発信していくことが、岩手ブランドを守り、より消費者の皆さんに利用していただくことにつながると思っています。

記者
BRT(バス高速輸送システム)の話が出たので関連して質問します。改めて、前回の記者会見から今回の会見までの間に、県がかつてJRに要望したことに対して、何らかの回答のようなものはあったのでしょうか。

知事
市町村との議論の中で、市町村のまちをこうしたいというところに寄り添って議論してくれということなので、そういう意味でいきなり県に対して、およそBRTありということを県で認めてくださいという提案はあり得ないと思っており、実際そういうことは来ていません。

記者
私も市町村に取材をしていて、JRの方から市町村に対して、個別にBRTの説明などを今行っているようなのですが、例えば釜石市は報道にもありましたが、BRTという仕組みが柔軟な仕組みで、BRTでの早期復旧について一部理解を示すような発言などもありましたが、このことについて知事はどういうお考えをお持ちでしょうか。

知事
県としては、三鉄とのつながりということもあるので、今、県が考えているのは鉄道による復旧ということです。

記者
県議会の予算特別委員会が、先週の取りまとめの段階で附帯意見の取り扱いをめぐって非常に紛糾したというか、議論が午前過ぎて1時半過ぎまで続いたという経緯はお聞きになっていると思います。それについて、議会の話ですが、知事の方で何かご感想あればお願いできますか。

知事
議会の中で、議会の自律権として過去の積み重ねの中で行っていく話ですので、執行部として特にどうこうということはありません。ただ、一般論ですが、民意の負託を得て県政の両輪として、知事があり、また議会がある。民意に応えるということを念頭に置いて行えば、そうそうおかしなことにはならないと思います。

記者
先日の(県の)復興委員会(の総合企画専門委員会)で、復興計画の実施状況の進捗状況について発表がありましたが、その中で遅れているものとか未実施のものを合わせると15%ぐらいになるというような話があって、特に住宅の再建に対する補助とか、あとなりわいの再生の部分の漁業の復興といった部分で少し遅れがあるのかと見ていて思ったのですが、知事はどのように感じていて、震災から1年たった段階で、これからどのように進めていこうとお考えでしょうか。

知事
それぞれの数字の背景になっている現実にきちんと対応していくことが大事で、住宅の耐震改修が進まないということについては、どういう理由でそうなっているのかということをきちんと見ながら、持ち主が合理的に判断してそうなっているのであれば、それを無理に動かすというのはかえっておかしなことになると思います。何か制度的なことでそうなっているのかどうか、そういったところを更にきちんと突きとめながら対応していく必要があると思います。それは、水産業の復旧・復興とか、それぞれの分野ごとに実態をきちんと把握して、それぞれにきちんと対応していく、その目安やよすがとして、そういう取りまとめがあるので、そのように取りまとめを活用していけば良いと思っています。

記者
今日、花巻東が初戦を迎えますが、それについて一言お願いします。

知事
応援に行きたいくらいですが、初戦突破(を目指して)頑張ってほしいと思います。応援しています。今日、ネクタイは花巻東カラーの紫のヤマブドウネクタイです。心は、花巻東と共にというつもりでこのネクタイを付けています。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月2日(月曜日)の予定です。

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