平成22年4月1日知事会見記録

ID番号 N5022 更新日 平成26年1月16日

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平成22年4月1日 10時30分から11時18分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、岩手県の上海万博への共同出展及びプーアル市との友好協定についてです。
まず、上海万博への共同ブースについて、上海万博の共同ブースのデザインとオープニングセレモニーを5月1日に開催することが決定しましたので、お知らせいたします。
また、私が上海を訪問する前に中国の雲南省プーアル市を訪問し、プーアル茶の産地と南部鉄瓶の産地とがお互いの特産品を紹介、宣伝する内容の友好協定を締結するということで、プーアル市側との協議が整いましたので、あわせてお知らせいたします。
共同ブースについては、これまで岩手、大可堂、プーアル市の3者で協議を重ねてまいりまして、本日初公開であります。
共通テーマは茶文化、チャ・ウェンホアですね。茶文化です。茶道具としての南部鉄瓶とプーアル茶それぞれの伝統と文化を理解し、尊重し合うことが基調となっております。
共同ブースの概要は、上海大可堂、張会長の配慮によりまして、南部鉄瓶を中心とした展示になっています。
岩手県南部鉄器協同組合連合会のご協力により、鉄瓶、ティーポット合わせて75個を展示します。そして、中央には水沢鋳物工業協同組合のご協力を得まして、高さ167センチメートル、直径1メートル、重さ210キログラムの富士型鬼霰南部大鉄瓶を展示することといたしました。これは、南部鉄器伝統工芸士の佐藤秀次郎さんの作品で、平成16年に2つ製作されたうちの1つであります。
また、共同ブースの側面に直径4メートルの円形LEDディスプレイ1台を設けまして、岩手県の歴史、文化、自然等の観光資源、南部鉄瓶をはじめとする農林水産物等も含む県産品について映像で紹介することとしています。このほか大鉄瓶の上方に30インチ液晶テレビを6台、もう一方の側面に2台設置しまして、南部鉄瓶の製造過程や本県の観光地を紹介するDVDの放映を行うこととしています。
5月1日の万博開幕時には、共同ブース前でプーアル市長、張大可堂会長をはじめ関係者によるテープカットなどのオープニングセレモニーを実施します。出席者による観光物産パンフレットの配布を行って、オール岩手の取り組みとして、県の観光及び物産をPRすることとしています。
次に、中国雲南省プーアル市との友好協定についてですが、今回、共同出展者であり、またプーアル茶の産地でもあるプーアル市と南部鉄瓶の産地である岩手県とがそれぞれの特産品を相互に紹介、宣伝する内容の友好協定を締結することとしました。調印式は上海市を訪問する前に、プーアル市においてプーアル市長と行う予定で調整中です。また、プーアル市長とともに前市長で、私も去年お会いしている共産党プーアル市委員会書記の瀋培平氏も立ち会う予定であります。
最後に、今後の展開について。この出展によりまして、中国企業との連携、上海万博への出展、そしてプーアル市との友好協定の締結という3つの事項の相乗効果によって、中国での飛躍的な知名度の向上が図られ、観光客の誘致や県産品の販路拡大が期待できると考えています。特に南部鉄瓶については、上海大可堂と大連経済事務所とが連携を図りながら中国国内での販路拡大に重点的に取り組んでいくこととしています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問あればお願いします。

記者
プーアル市との友好協定についてですが、お互いに普及・宣伝するという項目書かれていますが、具体的に雲南省のプーアル市だけの宣伝になってしまうのでしょうか。雲南省ですとそこまで人口も多くないのかなという印象はあったのですが。

知事
基本的にそれぞれの場所でお互いのものを宣伝するというのがまず基本になります。プーアル市も毎年プーアル茶祭りというのをやって世界からお客が来たりとかしていて、プーアル茶というのはそこでしか生産してない、できないものでありますので、プーアル茶が好きな人、プーアル茶ファンにとってはかなり重要な場所だと思っております。
あとは、今回の上海万博のように第三の地といいますか、それぞれのプーアル市、岩手県以外の場所に共同で出ていくということも上海万博だけで終わりにするのではなくていろいろとやりたいと思っています。特に具体的な企画はまだないのですけれども、例えば東京で何か一緒にやるとか、そういうことも視野に入れております。

記者
あともう一点、岩手県の方でプーアル市やプーアル茶を宣伝する場合というのはどういったものが想定されるのでしょうか。

知事
まず、岩手県として南部鉄瓶を宣伝するときに上海万博にプーアル市と一緒に出ていますとか、上海で大可堂というところがプーアル茶と南部鉄瓶をセットで売っていますというような宣伝を岩手においてやっていくのが基本になるのですけれども、プーアル市の方で、岩手に来て宣伝するというようなことも具体的な計画はまだないのですが、そのようなことも視野に入れてやっていきたいと思っています。

記者
先ほどの話に関連して、中国での知名度向上と謳われています。これはプーアルにとどまらず、中国の広い市場をねらってというものだと思うのですけれども、そういった展開をどのように考えておられるのか、あとそういう方針に向かってプーアルと友好協定を結ぶことでのどういったメリットがあるのかといったところをお聞かせください。

知事
中国の上海や北京などの大都市では、富裕層を中心にプーアル茶ブームのようなことが起きています。特にプーアル茶というのは100年前のものでも飲めるし、またそういうものの価値が高く、100年前のプーアル茶だと1かけ五、六人で何杯ずつか飲むくらいで、日本円にして20万円とか30万円とか、日本で言うと昔ドンペリをあけるという、そういう1本二、三十万円するシャンパンを一晩でみんなで飲むとかというのが流行ったことがありますけれども、それに似たようなことが中国中でプーアル茶についてブームが起きていて、一種ワインのような、何年ものは高いとか、そういうのは一過性のブームではなく定着していくと思っております。そういうプーアル茶を飲むのに一番いいのが南部鉄瓶だというのを上海大可堂の会長さんが先頭に立って宣伝してくれていまして、それを一緒に岩手県としても上海から始めるわけですけれども、基盤のある大連とか、あるいはその中間で人口の多い北京とか、そういったところにも売り込んでいこうということであります。

記者
今回は、そういう意味では茶文化ということなので、要するにプーアル市がお茶を出し、岩手県が南部鉄瓶、茶器を出しということで展示をするということで、実際岩手の食とかを映像で流すということなのですが、そういったものは岩手に来ていただきたいという観光誘致も兼ねているということなのでしょうか。

知事
観光誘致の宣伝はどんどんやりたいと思っていまして、その場で映像が見られるほかにパンフレットも中国語版パンフレットをたくさん用意してどんどん配っていく予定です。

記者
もう一つ、それに関連してなのですけれども、ということは実際に食べ物については持っていくのではなくて、来てもらって食べていただくという考えでやっていくということですね。

知事
この展示は、まさに展示でありまして、特に物産関係など、肉や野菜や魚などを持っていってその場で食べてもらうということではありません。万博というのは、そもそも展示商談会でありますので、ここに連絡してくださいというような感じで個人、個人にアピールしていくのはもちろんですけれども、できればバイヤーさんとか、あるいは旅行代理店とか、そういう専門家の人たちにもどんどん宣伝をしていきたいと思っています。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問が特にありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
91社の談合問題の対応について伺います。
公正取引委員会から県内建設業80社に対して審決が出されてから1週間以上経ちました。県は、直後に対策会議を開かれ、対応を本格的に検討されたと思いますが、指名停止措置を含めて対応なり方向性が固まりつつあるのかどうかということと、仮にもし固まっていないとすれば時間がかかっている要因は何なのかというのを教えてください。

知事
段取りに従って、きちん、きちんと手順を追って作業を進めているところであり、審決の内容の分析をまずやっているところであります。また、岩手県の経済、雇用情勢の現状の分析ということも並行して行っており、県としての処分の決定という作業だけではなく、県の経済、雇用情勢を踏まえての様々な対策的なことも同時に発表するような形にしていかなければならないと思っていますので、その準備作業を進めているところでありますが、なるべく早くと思っているのですけれども、そういう総合的な作業でもあるので、遺漏なく、拙速にならないようにしっかり作業を進めているというところです。

記者
審決が出されてから労働団体とか、経済団体とか、改めて寛大な措置なり、建設業協会も含めて求めております。知事が今おっしゃったとおり、雇用情勢が厳しい折ということで、審決が出た後ということで、改めて、いわゆる建設業協会なりが求めている寛大な措置というのは期間短縮とか、下請受注を認めるという余地の用意はあるのでしょうか。

知事
まず、公正取引委員会の審決の内容に沿って反省すべきところはきちんと反省してもらわなければだめだと。そういう審決があったことについては、県としても遺憾であると受けとめていますので、きちんと反省すべきところは反省してもらわなければならないと考えています。
一方、様々な県内の経済関係団体、その当事者も含めてでありますけれども、今岩手の経済、雇用情勢、このように厳しい状況にある、苦境にあるといったそういう生の声、そういうのはそういうものとしてきちんと受けとめて分析しているところです。

記者
県内の市町村の入札の対応としては、滝沢村が県内一番乗りで指名停止処分決めましたけれども、大抵の市町村は、県の対応に準じて決めるというところが多いようです。この前の労働団体の要望なんかでも県側の対応とすれば速やかにというお話がありましたけれども、対応を決める、発表する目途はいつ頃になりますか。

知事
そんなに遅くなってはならないとは思っているのですけれども、今日、明日とか、週明け早々とか、そういう段階ではまだちょっとというところでありまして、経済団体等からの要望の形で今こういう状況になっているというような、最近になって追加的に県の方に寄せられたところもありますので、この辺もしっかり踏まえて、県として責任ある決定をしていかなければならないと思っています。そういうバランスの中で日にちが決まるということで、今は何日までというような明確な締め切りを持って作業しているわけではないということはご理解いただきたいと思います。

記者
最後です。県は審決出てから、落札手続に関して、対象業者が入っているものについては手続を凍結して、事実上の指名停止状態に入っているということになっています。指名停止措置決まるまでに随分時間が、もう少しかかりそうなのですが、そうすると原則12カ月という措置ですけれども、審決が出てから指名停止措置するまでの期間はその12カ月に含めるのかどうかというのはどのように対応されるのでしょうか。

知事
現在の凍結は審決ということを受けて、緊急的に行っているものでありますが、それを指名停止期間に算定するかしないかということについては、最終的に処分の内容を決める段階で決定されることになると思います。

記者
続いて、91社の審決の関係なのですけれども、今業者に対して反省すべきは反省してもらわねばならないというふうにおっしゃいました。業者の建設業界の方では、いまだに談合はなかったというような反論をしているわけですけれども、この点は知事から見て反省しているかどうか、どのように映っているのでしょうか。

知事
公正取引委員会の排除勧告の中にあるのは、まず91社のグループ、そういうグループを二度とつくらない、そういうのは解散するといったことをきちんと対外的に約束する、きちんとやるというのがまず最低限だと思います。それに加えて、対外的な信頼を回復するための様々な取組みというものも必要だと思っております。そういう中で、県の建設業協会会長辞任ということは、先ごろ県の方でも報告を受けたところであり、まだそういった報告を受けながら、状況を見ている段階であります。そして、県による処分というもの、これもそういった反省を担保していく重要な材料だと思いますので、これについては県の方できちんと決定をしていきたいと考えています。

記者
続いて、県の措置とか処分に関して、知事は従来、県として2つの責任があるとおっしゃっていました。公正な発注を担保する責任と、一方で経済、雇用を守る、県の2つの側面があるというようにおっしゃいました。これは、処分は処分として行って、経済対策は経済対策として別に行うというような考えでの発言なのでしょうか。

知事
2つというのは分かりやすく整理すると、この事案については、特にその2つの役割があるということで、県の役割は教育とか福祉とか広範にわたり、そのすべてに対してあらゆる事案について、きちんと責任ある対応していかなければならないのでありますけれども、特に今回の事案は関係する企業の数が多いということで、公正取引の問題としても大きな問題だったと思います。また、今のような経済状況の中で、ペナルティーということが県の経済、雇用に対しても大きな問題になると、そういったところを総合的に勘案して、県として判断をしていかなければならないと考えています。

記者
関連してなのですが、今回県の工事での談合ということだったのですけれども、県に先駆けて滝沢村が指名停止3カ月しました。知事の率直な感想をお願いします。

知事
発注者として責任ある対応をしていくという中で、滝沢村さんとしての判断なのだと思います。ですから、県の方からどうしろこうしろ、ああすべき、こうすべきということはありませんので、村として責任ある対応をという中で判断されたのだなと受けとめております。

記者
続けて、滝沢村の指名停止については、県の方の判断材料となり得るのでしょうか。

知事
発注者それぞれが、自分のところの分については自分の責任で判断していくところでありますので、そういう意味では県は県としての判断をしていかなければと思っております。

記者
続けて談合ですが、先ほど反省すべきところは反省との一方で、雇用への配慮というのは、手法はいわゆるルール自体に手をつける形と、関連企業の支援とか、そういう補足的な支援と2通りあると思うのです。そういったルールには全く手をつけるつもりはないというようなお考えなのでしょうか。

知事
ルール云々というよりも、まず公正取引上の県としてのしかるべき対応ということで作業を進めており、そして経済、雇用の対策という観点からの検討も進めており、ただ県でやっていることでありますので、それぞれが完全にばらばらにやるわけではなく、相互に調整をしながら今作業を進めているということです。

記者
反省を促す意味でも、原則どおりしないと反省にはならないではないかと見ている県民の方もいるわけです。そこの部分に関してはどのように見ておられるのかということです。

知事
そういうご意見があるのは承知しております。

記者
関連です。県の指名停止措置の基準ですと、原則12カ月ということですけれども、ほかの自治体では1カ月ないし2カ月から十数カ月とか、割と幅を持たせた期間を設定していると思います。つまり事案の内容を精査して、その内容に応じて決めるということだと思いますが、県の原則12カ月というのはかなり厳しい基準だと思いますが、例えば今回のようなケースというのは、つくったときは想定してなかったと思いますが、ルールを見直すという考え方は今のところないでしょうか。

知事
先ほど市町村との関係の話でも申し上げましたけれども、発注者がそれぞれ自分のところで判断してやることですので、他の都道府県等がこうだから岩手もこうという発想ではありません。でも他の都道府県や国等がどういった基準でやっているかということについては、県としても把握はしているところであります。
今行っている作業は、今回の事案に関しての県の対応を決定していく準備の作業をやっておりますので、ルールそのものを云々という観点の見直し作業は今やっていないところであります。

記者
今やっていないというお話しでしたけれども、もちろん今回は今の基準にのっとって処分を検討されると思うのですが、今後の見直しの必要性、つまりこれほど大規模な事案があって、基準をつくったときは想定していなかったような事案が起こり、今後見直しの必要性という意味ではどうお考えでしょうか。

知事
入札制度については、絶えざる見直しは行っていて、今は低入札問題への対応というのが緊急課題になっていますので、そこの制度改善に県としては取り組んでいるところであります。
それから、今回のようなことは二度と起こってほしくないと思っておりますし、そういう何とかグループみたいなものをもう二度とつくらないようにしますということをちゃんと誓えというのが排除勧告の内容なわけですから、そこを本当に徹底してもらわなければ困るし、徹底させるよう県としても指導していきたいと思います。

記者
本日から県の広域振興局体制がスタートしたわけですが、地域経済が疲弊する中で、改めてそのねらいと取り組み方をお伺いします。

知事
県の分野ごとの、いわゆる縦割りの地域振興、産業振興推進体制というのはきちっとしたのがあるわけですが、そういう縦のアプローチと並行して横のアプローチ、エリアごとにそこの県民の暮らしや仕事がどうなっているのかをちゃんと見て、そして必要なことを行っていくという、そういう縦、横で県民の暮らしと仕事にアプローチしていくことが必要だと考えておりました。今日から広域の体制がスタートするわけであり、既に先行的に実施している県南、そして元の体制がそのまま移行する県央については、やはり広域のアプローチで産業振興の分野でも業績が上がっていますので、是非沿岸と県北においても新しい地域視点での産業振興というものが進んでいくようやっていきたいと思います。

記者
新しい視点というのは、具体的に言うとどういうことになりますか。

知事
観光で沿岸を縦一本につないでやっていく企画でありますとか、あと県北では健康な食べ物と自然環境を組み合わせた癒しの振興策といったものが今年度予算に既に事業として盛り込まれていますけれども、あとは地域振興推進費を3億円から4億円に大幅増額してありますので、そこはそれぞれ地域の中で、これからアイデアをどんどん出してもらってやっていってもらうところですので、そういう22年度予算に盛り込まれた事業プラスいろんな新機軸でやっていきたいと思います。

記者
明後日、3日から岩手競馬2010年度がスタートしますが、3年連続黒字達成で4年目の2010年度を迎えます。改めて意気込み、抱負をお願いします。

知事
この3月の水沢での競馬が非常に盛り上がって、計画値を10%以上上回るような成果が上がりましたので、是非この勢いで今日からの新しい年度に臨んでいきたいと思います。新しい計画のもとで、色々抜本的改革の模索が行われることと並行し、地道な改革改善が進んでいて、これがファンの意見に基づいたレースのメニューの色んな変更とか、新しい企画を盛り込んでいくとか、そういったことがかなり功を奏していると思っていますので、そうした姿勢をさらに今年度は強化してファンと一緒につくっていく岩手競馬、そして県民の信頼にも応えていくというふうにしたいと思います。

記者
新しい副管理者に高前田さんを起用して、抜本的な改革の方にも大きな期待をかけてらっしゃると思うのですが、一場体制への移行ですとか、新しい設備投資に向けた存廃基準の再検討ですとか、その辺の抜本的運営体制の見直しをどういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事
車の両輪のようなところがあって、現実に根差してないと抜本改革というものも文字通り絵に描いた餅になってしまいますので、そういう意味では車の両輪をしっかり進めてほしいというところを期待しています。

記者
黒字達成とはいえ、発売額は年々落ち込んでおりまして、ここを反転攻勢させる何か大きな改革というものをそろそろ断行されないとなかなか先行き厳しいのではないかという見方がかなりあると思うのですけれども、その辺りの重い決意をお願いできますか。

知事
岩手の地元の経済界の皆さんとも経済の話をする機会があるのですけれども、やはりむしろ本業の核心に立ち返って、酒屋さんであれば良い酒を造るとか、そういう原点回帰のようなことが、むしろデフレ時代の生き残りの基本という声をよく聞いておりまして、基本は我慢ということが、これはもうどの分野、どんな商売でも今の基本なのかなと思っております。ただ、インターネットの活用とか、そういうところはどんどん新しいことをやっていくべきだと思っておりまして、そういう意味で今回の五重勝のロト型の勝馬投票券の新規発売とか、この間も楽天の三木谷会長社長とも会って、また競馬担当の人にも会って新しい勝馬投票券の企画とか、今までもやってもらっているインターネット発売のこととか、さらにそこを発展させていこうという話をしてきたところでありますけれども、そういう我慢と新機軸の組み合わせということが肝心なのかなと思っております。

記者
別件で1つ、沖縄の普天間基地問題で地元市のアンケートで民主党県連が、仮に移設で岩手が候補地になったら、与党としては前向きに対応ということでちょっと話題になりましたけれども、この普天間基地移設問題に関しての知事のお考えをお聞かせください。

知事
県としては、全然米軍基地を新規に受け入れるということは考えていません。橋下大阪府知事さんが全国知事会の場でも、沖縄の基地問題を他の都道府県も自分の問題として本気で考えていかなければならないのではないか、大阪の関西空港だって使えるのではないかという議論を全国知事会の中でしていました。国民として自分のことの問題でもあるという姿勢で沖縄の基地問題を考えていこうという姿勢は大事なことだと思います。

記者
姿勢は大事だけれども、受け入れるつもりはないと、そういうことですね。

知事
そこは全く考えておりませんし、県でもそういう議論はしておりません。

記者
普天間の問題ですが、首相は腹案がおありになるということで、それは私たちはわからないわけですが、政府のほうから頼まれても訓練や機能の受け入れというのは考えないのですか。それを教えてください。

知事
全国自治体での会議名をすぐには思い出せないのですけれども、やはり橋下大阪府知事からそういう問題提起があって議論したときに私も申し上げたのですが、国民として議論するのであれば、もっと原点に立ち返った議論をする必要があるだろうと思っています。そういう中で、冷戦後の日本を取り巻く国際情勢の中で、また日本としても安全保障の基本原則を定めながらどういうときに自衛隊が外国に行くのかということもきちんと定めながらでないと、いきなり何か箱物をどこにつくればいいかという発想では議論できないだろうということを言っていました。まさにそういう安全保障の基本原則の確立ということは知事が集まって話し合うというよりは、国会を中心に国政の議論として責任ある議論をして決定をしてもらわなければいけないのではないかと言っていました。今もそのとおりだと思っています。

記者
そういった時間のかかる議論の割には、5月中というようなこともあって、そういう意味では、そこはどういうふうに考えられていらっしゃいますか。

知事
日米間のボタンのかけ違えというのが最初からあったのだと思います。日本側としても段取りをきちんと確定しないままこの問題を公の議論にしてしまったところがありますが、アメリカはアメリカで鳩山内閣発足直後にゲーツ国防長官が日本に来て、今ある計画、既存の計画がベストだという発言をしているのですが、そこはさすがにもう少し国務省とかホワイトハウスと調整していれば、日本も政権交代があった訳ですから、もう少し時間をかけて議論していいのではないかと思っています。ただ、ゲーツ国防長官が来たときに基地問題についていきなり結論を出させないというような根回しは、日本は日本側の外交ルートでアメリカ政府、国務省筋とかホワイトハウスから働きかけて、いきなり軍の論理で結論的なことを出させないというような働きかけは日本として行っておかなければならなかったことでしょうから、そういう相互作用の中で、ちょっと今ぎくしゃくしていますが、そこはお互い工夫して直していかなければならないことなのだと思います。

記者
話は変わってしまうのですが、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額引き上げについて、県内金融機関にも影響あろうかと、多少はですね、思うのですが、それについてはどのように考えていらっしゃいますか。

知事
もともとは民業圧迫問題というのがあって、それで郵貯、簡保をどうするかという議論があったのですけれども、郵政民営化は、小泉・竹中時代に決まった枠組みですが、やはり郵貯、簡保で稼いだお金で郵便事業も回していくという会社形態ができてしまったわけです。財源も人員も郵貯、簡保が非常に弱い体制になっていて、識者によっては、これは早い段階で立ちいかなくなり、アメリカ資本に売り払わなければならないようにわざとしているのだと、アメリカ資本が日本国民の三百何十兆円を自由に使えるようにしているのだという指摘もあります。そういう非常にゆがんだ体制が今の現状だと思いますので、論理的な帰結としては、今の郵便、郵政会社の体制で財源強化するか、あるいは税金投入を決断するかのどちらしかないと思っています。そういう中で、今の政権は税金投入はさすがにできないと思いますから、財務体質の強化で限度額の引き上げという判断をしているのだと思います。一定の合理性はある話だと思いますし、また現状、金融市場マーケットは、まだまだ日本では株を買ったり、そういう投資をするよりは国債を買う方がいいというマーケットの流れがあり、日本国民のそういう預貯金がまだまだ国債に使われなければならない状況ですので、そういう現状からいっても合理性はあるのだと思います。あとは地方の金融機関があおりを食って困ることにならないようなことをきちんと行ってもらう。政府によれば、集まった資金を低利で地方の金融機関に融通する仕組みとするように聞いていますので、そういったことをしっかり行ってもらえればいいのだと思っています。

記者
先ほどの91社の発言で確認なのですけれども、県の指名停止措置要領の基準の原則12カ月、今はルール云々の見直し作業やっていないというふうにおっしゃいました。これは今回の処分、措置に当たって、現在のルールの趣旨あるいは解釈の範囲内で、逸脱せずに措置をするというふうな理解でよろしいでしょうか。

知事
いわゆるペナルティーについて、どういうペナルティーをしなければならないかということについては、今回の事案について順を追って今その調整の作業をしているところであります。そして、先ほど質問にあったように、そもそも他県に比べて12カ月だ、倍の24カ月だというのは多いのではないかというような、その見直しの作業は今はしていないということであります。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月12日(月曜日)の予定です。

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