平成22年4月12日知事会見記録

ID番号 N5018 更新日 平成26年1月16日

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平成22年4月12日 10時30分から10時54分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、平成22年度第1回岩手県経済・雇用対策本部会議についてです。本日、この記者会見に先立ちまして、平成22年度第1回岩手県経済・雇用対策本部会議を開催しました。次の3点について、取組方針の確認や決定を行いました。
まず第1点目、平成22年度の雇用創出計画の進捗状況等についてです。2月に当初予算に併せて策定した雇用創出計画では4,142人の常用雇用の創出を見込んでいました。4月1日現在、具体的な事業内容が決定し、新事業創出、経営支援や企業誘致等の産業振興施策によって1,022人、緊急雇用創出事業やふるさと雇用再生特別基金事業の雇用対策基金事業によって2,924人、合わせて3,946人の常用雇用を県、市町村で創出することとしています。雇用対策基金事業は、今年度が2年目になりますが、盛岡市の伝統芸能継承活用事業や映画振興事業、また九戸村の結婚相談嘱託員設置事業など各地域において工夫を凝らした事業も見られるところであります。今後とも県と市町村が一体となって、更なる事業化を進めるとともに、計画した事業については、迅速かつ適切に実施しながら着実に雇用を創出していきます。
2点目、今年3月に就職未定のまま卒業した若者に対する支援の状況についてです。これらの皆さんのうち3月末時点においてジョブカフェに登録した方は125人となっていて、県では今後、就職相談や就業体験などの支援を行いながら即戦力としてできるだけ早く社会に出ていくことができるよう取組を進めていきます。
4月23日には、ジョブカフェいわてが主催して「働くチカラ塾」を開催することとしています。私も参加しまして、若者への応援メッセージを伝えながら、今後の就職活動を応援していきます。
3点目、今年度の就業支援体制についてです。これまでも各地域において国や市町村等と連携しながら生活・就労相談等を行ってきたところですが、今年度は相談員等を12名増員するなど体制強化を図ったところです。特に花巻市においては、市が設置主体でありますが、新たにジョブカフェ花巻を設置して、県からも就業支援員等を配置しています。また、北上市においては、県の合同庁舎内に市や公共職業安定所等と連携し、生活・就労相談等をワンストップで行う北上就労生活支援フロアを設置したところです。今後とも地域における福祉分野と雇用分野の連携体制の構築を図りながら、失業者に対しそれぞれの実情に応じたきめ細やかなセーフティーネットの充実を図っていきます。
なお、詳細については担当部で記者発表を行いますので、よろしくお願いします。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、各社から質問がございましたら社名を名乗った上でお願いします。
質問がないようですので、幹事社から県政記者クラブを代表して1点質問いたします。
いわゆる91社問題について、県の対応に伴う県内の経済、雇用への影響について、先日の記者会見でもおっしゃっていましたが、どの程度だと見ておられるのか、影響があると見ておられるのでしょうけれども、それにつきまして影響度合いの試算を改めてするお考えがあるかどうかということを伺わせてください。

知事
まず、背景的なお話しからしますと、ここ3年間、平成19年から平成21年までの状況を見ると、建設業の倒産は毎年30から40件発生しています。そして、県の入札参加資格があった企業で倒産した建設業、企業の従業員数合計は300人から400人、負債総額は50億円から80億円となっています。ここ3年間というのは、公共事業関係予算については比較的横ばいであったのですが、一方で設計、構造問題によって住宅需要が落ち込むなど、そういった背景の中で、ただでさえ厳しい状況にあるということであります。そして、平成18年に発生した大槌町発注工事における談合事件で県12カ月、国2カ月、市町村が5カ月から12カ月の指名停止を行った際には、指名停止を受けた業者の中で人員整理であるとか、倒産をした事例があります。
そうした中で、今回指名停止を行った企業76社の平成20年度における県工事の受注実績は普通会計ベースで約169億円、そして、その従業員数は約3,300人というスケールであります。もともと今回のいわゆる91社問題がなかったとしても、これは建設業界のみならず、岩手のあらゆる経済関係が去年でいえばマイナス成長になっていますし、また雇用面でも厳しい状況の中、できるだけそういったところを下支えしていこうということで経済・雇用対策を種々行っているわけであります。今回の指名停止等によって、さらに状況が悪化する可能性があることを視野に入れて既存の経済・雇用対策についても、より建設業界に目を向けて、きめ細やかに対応していこうとしているところであり、したがって今回の県の対応以外のマイナス要因が大きくある中で、それに対するプラスの方向への経済・雇用対策というものが今回のことがなくても行われ、また今回のことがあったということで、より強化されていく、そのせめぎ合いの中で個々の会社の経営判断でありますとか、個々の働く人たちの自己研さんでありますとか、また周辺の産業の動向でありますとか、そういった要因の中でどういう結果になるかが決まってくるということと認識しております。

幹事社
この質問に関連して、各社さんから質問があればお願いいたします。
では、質問がないようですので、この点以外に各社さんから質問があればお願いいたします。

記者
過日、作家の井上ひさしさんがお亡くなりになられたということで、「吉里吉里人」をはじめ岩手にも非常にゆかりの深い方であったということだと思います。県民の中にも親しい方がかなりいらっしゃったと思うのですが、知事の今のご心境はどのようでしょうか、お伺いいたします。

知事
井上ひさしさんには「吉里吉里人」、これは私も読みましたし、そういった小説でいろいろ岩手ゆかりのものを書いていただいています。また、劇の方でも宮沢賢治を題材にした「イーハトーブの劇列車」とか、「泣き虫なまいき石川啄木」といった劇も創っていただいていて、本当に岩手県民にとってかけがえのない方であると思います。そして、岩手県としても平成14年10月から平成18年10月まで在京岩手県人連合会の第5代の会長を務められ、会員の親睦と福祉の増進に活躍していただきました。井上ひさし先生のご逝去は、本当に残念でならならないと思っておりまして、改めて心からご冥福をお祈りしたいと思います。

記者
「吉里吉里人」をお読みになったということで、私も大分前に読んだのですが、いずれ医療とか、あと金の保有だとか、軍事だとか、いろいろ独特の国家観を持った小説だったと思うのですけれども、振り返って、今の県政に生かせる要素がもしあれば、どんな部分を参考にしたいと思われますでしょうか。

知事
あの本の主題でもある自立、地方の自立という、そういうコンセプトですね、これは本当に参考になると思います。そのためにいろんな地域独自の産業を興していく、それで自立をしていくということは非常に参考になると思っています。
また、あの作品の中で、吉里吉里語の国語の教科書という描写が延々と続くところがあるのですけれども、そういう自分たちのことを知るという、そういう感覚も非常に参考になると思います。

記者
高速道路の上限料金制について、民主党は高速道路無料化をマニフェストに掲げていましたが、知事の評価と岩手県への影響についてお尋ねします。

知事
高速道路の無料化は、岩手県のような地方にとって、人や物の行き来が盛んになって、地域の発展に役立つことが期待される政策であります。料金上限制ということで、盛岡から県北や、盛岡から南のほうに行く場合もその上限を超える距離になりますし、さらに北から南というとかなり料金が下がると思いますので、いい方向性の制度改正かなと考えております。

記者
マニフェストとの整合性について、知事はどうだと思われますか。

知事
今より無償化の方向に進むマニフェストに沿った政策と受けとめています。

記者
先週6日、県立花泉診療センターが本県では初めて民間移管されて、花泉診療所と特別養護老人ホームとして再スタートされましたと。それで、受託した事業者の方も一生懸命経営されているということなのですが、やはり現在常勤・非常勤合わせ5人の医師を確保されているということなのですけれども、それで果たして十分かというと必ずしもそうでない部分、現場で私が取材した部分では感じられました。民間病院ではあるのですけれども、県も地域医療を守るという責任は変わらないものだと思いますので、県として今後花泉地域や、これから民間移管を考えているところの支援をどのように行っていこうと思っているのかお聞かせください。

知事
民間委託、民間移管がなかった場合、無床診療所として県が経営していくということでしたが、今の経営計画の中においては、それに相応する責任は県にもあると思っております。民間に移管されたことで、民間の持っている力や主体性、それと県の持っているものがあわせてプラスになっていくということで、より良い地域医療の提供体制になっていると思うので、まずその協力、連携関係はしっかりやっていきたいと思っています。
また、地元の地域も当該民間事業者や県ほどの直接的な経営の関与というのは法律、条例上はないわけですが、ただ実質的な地域医療をつくっていく役割という点からは、民間事業者は、県に勝るとも劣らぬ重要性があると思っていますので、やはりそういう地域の主体性や、また地域の力というものとも一緒になって地域医療というものをしっかり支えていければと思います。

記者
先ほど高速料金の価格の上限の話が出たところでもう少し教えていただきたいのですが、知事はマニフェストの方向に基本的に向かっている、いい方向にいっているというようなお話だったと思うのですが、距離が短ければ値上げになる区間もあるかと思うのですけれども、これがマニフェストに沿う方向に向かっているとは私は思えないのですが、その辺りはどのようにお考えなのでしょうか。例えば、今までの値段より週末だと1,000円で行き来できたところがそれ以上になったりというような形で、必ずしも2,000円のもとをとるためにはかなりの距離を走らないといけないというようなことは言われているわけですけれども、それが無料化を掲げるマニフェストの方向とどう沿っているのかというのは、私にはよく分からないので、もし何か特別なお考えがあるようでしたら教えていただきたいのですが。

知事
週末一律1,000円という麻生内閣の時にできた制度は、臨時、特別の措置だったのではないでしょうか。また、実施してみて観光面でのプラスの効果もありましたけれども、他の交通分野に対して致命的な悪影響もあるということで、議論の対象になっていたと思います。ですから、高速道路は距離に応じて料金を設定するという制度の基本があったものを麻生内閣の時に週末一律1,000円という例外制度を設けたわけですけれども、今の鳩山内閣で平日も時間的な違いも設けないで、一律に2,000円を上限にするということは、別の形で高速料金無料化の方向に向かって進む政策ということだと思います。

記者
「たちあがれ日本」が結成されましたが、それについて一言いただければ。

知事
一言ではなかなか難しいですね。いろいろな論点とか問題点、課題とかがあるとは思うのですが、私は政治の世界で経験を積んだ、いわゆるベテランの皆さんが必死になって何かされるということは、謹んで受けとめなければならないものがあるなと感じておりまして、その向かう先の善し悪しとは別にああいう真剣さというのは学ばねばならないなと思っております。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月19日(月曜日)の予定です。

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