平成22年4月26日知事会見記録

ID番号 N5014 更新日 平成26年1月16日

印刷

平成22年4月26日 10時32分から11時18分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
最初に、知事から発表があります。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、三陸振興応援の取組みについてということで、県北・沿岸振興のためのいわて三陸ブランドの強化に向けた三陸振興応援促進の取組状況を取りまとめましたので、これを発表します。
先般のチリ中部沿岸の地震による津波によって養殖施設等を中心に被害を受けた本県三陸地域でありますけれども、これを総合的に支援するために水産分野のみならず、さまざまな分野での支援策について、目に見える形で本庁各部局、広域振興局とが連携しながら取り組むことによって、県北・沿岸振興のための「いわて三陸ブランドの強化」の促進を図っていくことといたします。県北・沿岸振興のための「いわて三陸ブランドの強化」ということで、現在35事業を展開予定です。三陸地域への誘客促進や三陸地域からの情報発信、三陸地域産物の流通販売促進など、一つ一つユニークかつパワフルな内容であります。
主なものを紹介しますと、三陸地域への誘客促進関係では、旅行商品販売店の窓口社員を対象としたモニターツアー、旅行エージェントとの情報交換、旅雑誌への沿岸エリア特集記事広告のための「沿岸地域誘客支援事業」といったものがあります。三陸地域からの情報発信の関係では、アンテナショップ、店舗、ホームページから「三陸の旬な情報」を発信する農林水産部が実施する「三陸いわてブランド運動展開事業」があります。
三陸地域の産業振興に向けた取組みの関係では、生産者と地元加工業者の連携による高付加価値化の取組促進のためのマッチング、加工ニーズに対応した農産物供給に向けた栽培実証、加工適性調査実施のための沿岸広域振興局が実施する「みやこ農産物地域内消費拡大推進事業」、三陸地域の産物の流通販売強化に向けた取組みとしては、毎月第4金、土、日のいわて食財の日に合わせ、地産地消への関心が高い量販店等において県産水産物の告知販売を実施するために農林水産部が実施する「岩手の海族DAY」などがございます。
そのほかに県が開設したブログ、ツイッターを活用した三陸のPR、ゴールデン・ウィーク、夏休み等に県職員が率先して三陸地域を旅行するような呼びかけ、各部局が所管する会議の三陸地域での開催、職員から事業化のアイデアを募って地域振興推進費の活用によって事業化するといったことをそのほかに予定しています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
それでは、今の知事の発表に関しまして、質問がある社はどうぞお願いします。

記者
今、35事業とありましたが、そのうち一部新規を除く19が新規という形になっていますけれども、財政的にはどの程度の予算措置になりますか。

知事
今手元に詳しい資料がないので、後で担当に確認してください。

記者
確認なのですけれども、これは補正とかではなくて、本年度当初予算の中でこういった事業ですよということでいいのですか。

知事
そういうことです。地域振興推進費の活用による事業化というのは、予算提出時にはまだ決まっていなかったので、どれが今回の完全新規になるのか、またどれが既に予算、22年度の中に盛り込まれていたかというのは担当に確認してもらえればと思います。

記者
もう一つ、このように県庁全部挙げて、今まで水産とかその地域のものだけではなくて総合的にやろうという取組みについて、改めてその意気込みをお聞かせください。

知事
今回の津波は、総額約18億円ということでかなり大きいダメージを岩手県沿岸地方に与えました。それは、沿岸だけのダメージではなく岩手全体のダメージでもあります。浜が元気であることが岩手全体の元気にもつながりますし、今までの県北・沿岸振興の基本方針の線にものっとりつつ、今、特にこの「三陸」、「岩手の沿岸」というのを元気にしていかなければならないということで、特にこのような形で総合的に取り組んでいくとしたところです。

記者
考え方の問題なのですけれども、三陸といった場合に陸前から陸奥まで、いわゆる3県にまたがると思うのです。その中で、特に岩手を中心に訴えることの難しさみたいなものがあると思うのですが、海産物でも例えば「三陸産」という言葉がむしろ全国的には陸中とか陸前というよりはメジャーだと思うのですけれども、その中で特に「岩手」というものを突出してアピールするための大変さというものがあると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

知事
今の質問の中にもあったように、「三陸」という言葉は広く認知されていると思います。「岩手の沿岸」というときに「三陸」という言葉でやっていく、その効果というのは大きいと思っていますので、今回も「いわて三陸ブランドの強化」というタイトルにしているところです。

記者
ブランド強化ということなのですけれども、知事からご覧になって、「いわて三陸ブランド」というのは端的に言ってどういうものだと外の方に説明されますか。

知事
世界三大漁場の一つとか国立公園もある、それから、どの教科書にも小学生、中学生ぐらいで日本国民誰でもリアス式海岸の代表、「三陸海岸」と学びますので、既に「三陸」の認識枠組みというのは、広く日本国民の中にあるのだと思います。あとは、その中にサケとか、アワビとか、ホタテとか、カキとか、具体的な商品、また三陸鉄道を活用したいろんな市や町村をめぐる旅のイメージ、そういった中身をどんどん入れて、認識枠組みを膨らませていくことがブランド強化の基本戦略だと思っています。

幹事社
では、続いて幹事社から1問質問させていただきます。
知事ご存じのように、事業仕分けが23日から始まったかと思うのですが、今回対象となる独立行政法人の事業に関連しまして、本県の事業又は本県に関係する事業の影響の有無について、どうお考えになっているか伺いたいと思います。

知事
各部局で情報収集と分析に当たっているのですが、まだ今回の事業仕分けが始まったばかりで、今の段階では詳細が明らかとなっておらず、今後、情報収集と分析を続け、本県の事業に影響が生じることがあれば、必要に応じて適切な対応をとっていきたいと思います。

幹事社
この質問に関連して、各社から何か質問があればお願いします。
特になければ、ほかに各社からご自由に質問があればお願いします。

記者
日本航空の経営再建問題について、2点質問があります。
県としては、愛知県の小牧空港を視野に入れて花巻空港と名古屋を結ぶ路線の存続というものを訴えてこられたと思うのですけれども、先日、JALが愛知県に対して小牧からの路線撤廃を段階的なものでありますが、伝えたことについてどう受けとめていらっしゃいますかというのが1点目。また、今後の県としての姿勢について、2点目としてお聞かせください。

知事
今回の名古屋小牧をめぐる発表については、2つの要素が入っていると思っています。
1つは、今名古屋小牧を使っている9のルートを廃止するということと、プラス中部国際を利用している幾つかの地方路線を名古屋小牧に移そうと思っていたが、調整がつかず今回の発表にはそれを盛り込まないということです。
まず、全体として地方空港というものは、地方と地方を直接結ぶ重要なものであり、地域振興、特に日本の経済、社会の構造改革のためには地方が活性化することが大事という観点から、全体として本当にそれでいいのかという問題があり、今日、その関係する16の道県で政府やJAL、民主党幹事長室に緊急要望を提出する予定となっていますが、まさに16道県全体としての地方空港の切り捨てこれでいいのかという問題意識からです。
もう一つの中部国際から名古屋小牧にスイッチすることで何とかペイするのではないかという中で、今回、青森、仙台、鹿児島の3路線が発表されているのですが、いわて花巻もそこに含まれるのだと思っています。これについては、名古屋小牧に移せば採算がとれると思うのでやっていきたいというJALの判断はあるものの、中部国際と名古屋小牧の2つの空港の役割分担をめぐる議論がまだ完全に整理されておらず、そういう決定ができなかったと理解しています。会社が再建をかけて、空港は違う空港を使うけれども、路線としては維持したいということなので、ここは利用者本位に考えてそういう方向で実現してほしいと思っています。

記者
今後としては、今日は16道県全体としての要望になりますけれども、今後、県単独で要望するということはあり得ますでしょうか。

知事
青森、仙台、鹿児島と同じ問題を抱える県が4つになっていることもありますので、16道県の動きも大事なのですが、先ほど言ったように論点が基本的に2つありますので、2つ目の論点に沿った要望・提案についても検討していきたいと思います。今具体的な予定が決まっているわけではありませんが、検討しなればならないと思っています。

記者
JAL側としては、花巻・小牧間というのが採算が合うという見解であるというようなことをお聞きしましたけれども、県としてもそういった姿勢で花巻・小牧間を結ぶというところを第一の視点に置くという方向で検討しているということでよろしいのでしょうか。

知事
岩手県南の大きな工場の生産も回復してきていますし、主な工場は更にそれを大きくするとか、そういう計画もあるわけですし、プラス来年平泉が世界遺産登録の会議にかかるというところも視野に入れると、中部圏と花巻を結ぶ路線というのは将来性があると思っていますので、そこをどんどんアピールしていきたいと思います。

記者
4月29日で知事の1期目の残任期が1年を迎えるということで、その件に関連して4点ほど伺います。
とりあえずこれまでの3年間を振り返った所感をまず1つ伺いたいのと、2つ目はその中で公約とかマニフェストの達成度がどの程度だと現時点でお考えになっていらっしゃるか、これが2点目です。あとは、3点目が残り1年に向けた抱負を伺えればと思います。4点目がマニフェストの中で任期は2期8年とうたってらっしゃいましたけれども、今もそのお気持ちは変わりないかということの4点を伺えればと思います。

知事
まず、この3年間を振り返ってですけれども、岩手・宮城内陸地震とか、原油高からリーマンショックへという世界規模の経済危機の勃発など、何年あるいは何十年に1度というような大変な厳しい状況が岩手にも来たわけでありますが、県民の皆さんの底力が発揮され、県民心を一つにしながらそうした危機を乗り越えていく、そういう勢いが出ていると思います。これは危機を希望に変えるというスローガンで知事選、また任期のスタートを迎えたその方向性と一致しておりまして、県民所得の低迷、雇用の低迷、地域医療の危機的状態、そういったことを克服していこうという政策について県民の広い協力、連携をいただき、県としても一緒になって力強く進めることができたと思います。
この世界的な異常な情勢ということで、当初目標としていたような数字を達成することはできていないのですが、しかし県民満足度調査などからもそういった状態について不満を言うよりは力を合わせて頑張っていこうという、そういう県民の力と県が一体になって前進しているような状況はつくれていると思っています。残り1年については、少しでもこの状況を改善していくこと、そして、目の前の危機に対応していくことが10年先を見据えた中長期的な岩手の経済、社会の足腰を強くしていくことにもつながっていくということで、それがこの残り1年の課題だと思っています。
公約の達成具合については、農林水産業や商工観光など、マニフェストに掲げたことを県の正式な計画の形にして力強く推進しており、その成果はそれぞれの分野に出ていると思っています。そして、分野横断的な新地域主義戦略、ソフトパワー戦略については、4広域圏体制のスタートとか、また、文化、芸術、さらに広く岩手のいいイメージ、これを県民が確認して外に発信していくということについても、うまくいっていると思っています。
2期8年の任期についてですが、これは知事の多選は好ましくないということで、原則2期8年までとしているものであり、3期、4期、5期といつまでも続けるのは好ましくないというのが趣旨です。知事の任期は、4年間と決まっていて、負託を受けているのはその4年間についてであり、負託いただいた4年間について全力を尽くしていくというのが基本的な考え方です。

記者
これからの残り1年の任期についてなのですけれども、いろいろ達成してきたこともありますが、例えば地域医療とかまだ道半ばのものもあると思うのですけれども、残り1年、特にこれをまず解決したいと、力を入れてやっていきたいと思えるものはどんなものなのかというのを教えていただきたいのが1点。
あと、これまでの達成度はそれぞれマニフェストによって、分野によって評価をされているのだと思いますけれども、知事の率直な自己採点でこれまでの3年間は100点満点だと何点ぐらいになっているのかを総合的に考えて、もしお答えいただければよろしくお願いいたします。

知事
地域医療問題については、大きな成果として地域医療問題の深刻さというのが県民共通の情報として共有され、県民みんなで地域医療を支えていこうという運動も始まっています。まずこういう基盤のもとで、かつ国政の方も政策転換をして地域医療を守るような、そういう予算の決め方にしているところで、まだ地方における医師の偏在調査というのは、これからやるということで具体的な成果は先のことではあるのですけれども、そういった方向性の中で一つ一つの施策を的確にやっていけば、まず事態は良い方向に進むというところまでできていると思います。
そういう意味で、あらゆる分野について、方向性としては良い方向に進んでいる。県の新しい長期計画「いわて県民計画」に沿って進めていけば、まず県民にとって良い方向に向かっていくというところまで出来ているのですが、最終年で私が1つ強調したいと思っているのは意識の問題です。今度の上海万博への出展とか、高知県と連携して「龍馬と啄木展」をはじめ両県でいろいろ連携した事業を本年度やるのですが、国に頼らずに地域あるいは地方が自由に主体的に自分たちのやりたいこと、やるべきことをやっていく、そういう地域主権改革のそういう精神をきちんと県民同士で確認し、そして県外に発信していくということを大事にしていきたいと思っています。
一方で、総務省の顧問とか、地方行財政検討会議の構成員として制度の改革ということにも関与しており、条例による法令の上書き権とか、財源、税源の移譲とか、制度の改革というのは、これはこれで進めていかなければならないと思います。ともすれば、制度の改革ができないと地方分権、地域主権というのはできないのかというイメージがあるかと思うのですが、そんなことはなく、制度の改革は制度の改革で進めつつ、できるところからどんどん地域主権的な取り組み、地方分権的な取り組みというのは実施していけるし、実施していかなければならないと思っています。そういう意味で、思い立ったその時が既に地域主権、地方分権が実現しているということも言えると思っていて、地域主権改革とか地方分権の推進というのは見果てぬ夢のような感じで地方が沈滞しているところがあると思うのですが、そうではないのだと。地域主権改革、地方分権の推進というのは、もう既にそういう場があって、どんどん進めていかなければならないことなのだと。その中で県民の暮らしや仕事が向上していくような形をつくっていくことが、この最終年の大きな課題だと思っています。
点数は、今までも機会あるごとに私はゼロか100かどちらかと言っているので、それでいくと100ということになってしまうのですけれども、ただ余りに自分は100点だと今の段階で言うのはちょっとおこがましいと思うので、採点は控えさせていただきたいと思います。

記者
先ほど出ました地域主権のシンボルになるのでしょうか、上海万博に行かれます。改めて一言意気込みをいただけますか。

知事
地域主権改革の実践という意味もありますので、大変大事な取組みだと思っています。そして、実態としても成長著しい中国という場が、岩手にとっても大きな希望の場であると思っていますので、物産の販売や観光の誘致など、今後にしっかりとつながるような出展にしていきたいと思います。

記者
宮崎県の方で口蹄疫の問題が騒がれていますけれども、畜産を一つの大きな売りとしている県としてその問題をどう見ているか、また対策などを考えていたら教えてください。

知事
九州から岩手県に牛が導入されている実態がありますので、この3月以降に九州から岩手県内に導入された牛405頭についてすべて農場への立ち入り検査を家畜保健衛生所が行ったところであります。結果、全頭異常がないことを確認しています。
そのほかに全国一律に牛、豚等の飼養農家を対象とした家畜の健康状態の聞き取り調査も行っていまして、これでも岩手県では全頭異常がないことが確認されています。今後についても、十分気をつけてしっかり取り組んでいきたいと思います。

記者
高速道路料金の新制度の件なのですけれども、先週また改めて、さらに見直すということが決まりました。この件に関して知事のご見解お聞かせ願えますか。

知事
前にこの記者会見で質問されたときに上限2,000円にするということで、現行では距離が延びれば延びるほど料金も高くなるというところから無料化に向けて大きく前進していると言ったところですが、その中で、かえって値上がりになってしまう利用者が出てくるところが全国的に問題になり、そこにもきちんと対応して高速道路無料化という政策の推進をより確かなものにしていこうということは大変結構だと思っています。

記者
先週の会見では、そういう観点も含めてマニフェストに沿っていますかと他社から質問があったと思うのですけども、この部分との整合性はどのように考えていますか。

知事
高速道路無料化に向けての方向性は変わっておらず、今回それを更に徹底してという趣旨だと思っていますので、良いと思います。

記者
そういった理念というか、考え方があるのでしょうけれども、手法に関してちょっと全国的にはバタついた印象を与えたと思うのですが、そこのデメリットというか、ダメージみたいなものは言われていますが、知事はいかが思われますか。

知事
民主党は、プロセスを広く公開しながら進めているので、途中のてれんぱらんも見えるような格好になっているのですが、それがかえって国民的な議論となって、変えるべきものを変えるということに、良い方に作用しているのではないかと思います。関係法案が国会に提出されているのですが、その料金制度そのものは法案の中身ではなくて、予算の大まかな使い方だけ法案になっていて、どういう料金制度にするのかは伝統的には役所の中の密室で決めてしまって、できるだけ発表を遅らせる、ひょっとしたら法案ができてからの発表とかというのもあり得る話なのでしょうけれども、それを早目に公開し、また議論をして、要は法案が成立してからの話ですから、それに間に合うようにより良いものにしていくというのは大変結構なことだと思います。

記者
先ほどの口蹄疫の関係で確認なのですが、3月以降にというお話で405頭と出ましたが、宮崎で23日に疑いではなくて確認をされたということを受けて、この問題が解決するまで九州から牛を入れないとか、そういう対策をとる考えというのはありますか。

知事
実態として、宮崎県、鹿児島県で家畜市場の開催が中止されていますので、普通に対応していれば九州の方から持って来れないのでしょうけれども、そうした市場の開催中止を受けて、岩手の関係者の皆さんは新たな牛の導入を見合わせるとか、また県内や他産地からの導入で対応していると聞いています。

記者
高速道路新料金制度なのですが、これは民主党としては、あくまでも無料化の方向というのにこだわるべきだと考えますか、それとも多少修正はされてよろしいのではないかと考えていらっしゃいますか。

知事
だいぶ前の選挙の頃から訴えていた政策で、訴えながら選挙を重ねるごとに躍進して去年の政権交代につながっていますので、政権交代後の政府与党の中で、やはり高速道路無料化の実現を目指すとしているのは妥当なことだと思っています。
そして、特に地方への効果ですね。地方の中で高速道路が利用しやすくなる、また最近は企業も高速道路のインターが傍にあるということで立地するケースが増えていますので、岩手県南の北上川流域のように、高速道路が無料化に向かっていくことで工場立地の優位性も高まるところもありますので、基本的に良い政策であり、そういう方向に進めていることは良いことではないかと思います。

記者
高速道路に関してですけれども、先ほど広い議論が行われて、民主党らしさが出ているということなのですが、最初に前原大臣が発表した後に小沢幹事長が首相官邸に行って意見を言って、その関係で変更がなされて、それに関してはまた変更がなされたということでちょっと混乱を招いているように思われて、民主党の売りの政策一元化というのにちょっと支障を来しているような部分も見受けられると思うのですけれども、それに関してはどうお考えでしょうか。

知事
政策一元化というのは、最終的に内閣の意思決定で政策が決まるということだと思うのですけれども、最終決定する前の段階で、民意を確認する作業はやはり基本的には内閣の責任において行わなければならないことだと思います。その権限を持つということは何をしても良いということではなく、その時々で、日本のため、日本国民のためのベストの判断をしなければならないという意味ですから、決して恣意的に政務三役の人たちが自由自在に何をしても良いということではなく、国家国民のためのベストな政策を決定するという責任があるわけです。それが憲法上、内閣は国会に対して連帯して責任を負うという趣旨ですし、国会で多数を占める与党が内閣を構成するということもそういう趣旨ですので、党から何か目立つ形でアクションを起こさなくても党とその党に政権を任せた有権者、国民が満足するような決定をしなければならないという意味では、内閣はもっと頑張らなければならないというのが今の実態だと思います。

記者
今の関連なのですけれども、確かに内閣にそういう問題あるかもしれませんけれども、逆に閣議決定したものに対して与党の幹部から物言いがつくということではちょっと政府与党の一体性というか、体をなしてないのではないかと。ましてや国会でその修正というか、決着ということになると多くの国民は政府与党内のごたごたに振り回されていると、こういう印象をみんな持っているところだと思うのですが、党の方には問題ないのでしょうか。

知事
今まで高速道路料金の割引に使うことにしていた予算を道路建設にも使えるという法案を閣議決定したのではなかったでしょうか。それに伴っての料金設定は、政令とか、規則とか、あるいは道路会社の経営の問題であって、そこまで閣議決定事項ではなかったような気がしています。
閣議決定事項であっても過ちを改めるにはばからずという、論語にもそういう言葉があります。国家国民のためということへの責任は一義的に内閣にあり、その内閣を構成する党にもあるわけですので、内閣の代表でもあり、党の代表でもある総理大臣が最終的には決断し、リーダーシップを発揮するということになるのだと思います。

記者
もう一つ、これは今もおっしゃられましたけれども、要するにその財源を全部割引に持っていくのか、あるいは高速道路の建設促進にも充てるのかというところだと思うのです。岩手県にとってはどちらがよろしいのでしょう。つまり、今の段階で割引の幅が大きくなる方がいいのか、それともちょっと後退するけれども、高速道路の建設が促進される方がいいのか。

知事
岩手は、沿岸を縦に結ぶ道路、そして沿岸と内陸を結ぶ道路がまだ未整備であって、これはできるだけ早く整備しなければならないということがあります。そのためのお金の集め方、財源の確保の仕方については、いろんな方法があるので、何も料金割引のための予算だけが道路財源ではないはずなので、そういう意味ではしっかりと必要な地方インフラを整備する財源の確保ということと、高速道路の無料化による地域経済の活性化ということを両立させるような予算の工夫をしてほしいと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月10日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。