平成22年5月17日知事会見記録

ID番号 N5010 更新日 平成26年1月16日

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平成22年5月17日 10時30分から11時04分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
まず、最初の発表事項は、平成22年度県勢功労者の決定についてです。昭和55年度から県勢の発展に多大の功労があり、その事績が極めて顕著であって県民の模範とする方々を県勢功労者として顕彰してきました。
今年度の県勢功労者については、さきに県内各界の代表の方々で構成する県勢功労者顕彰選考委員会にお諮りし、このほど決定をいたしました。
本年度の顕彰は、まず岩手県薬剤師会会長等として本県の薬事衛生の向上に貢献された村井研一郎様、岩手県教育委員会委員長等として本県の教育の振興に貢献された箱崎安弘様、在京岩手産業人会代表幹事等として本県の産業の振興に貢献された梅原誠様のお三方と決定しました。表彰式は5月25日午前10時半から知事公館において行われます。
発表事項の2つ目は、「県北・沿岸移動県庁」の実施についてです。平成20年度から県北・沿岸圏域の振興のため、「県北・沿岸移動県庁」を実施して来ましたが、今年度においても6月第1週と第3週に実施します。今年度の移動県庁では、県北において岩手の未来を切り拓く6つの構想の1つである「元気になれる岩手構想」を議題として、「県北・沿岸振興本部会議」を開催します。また、「いわて県民計画」の実質的初年度ということで、その取組方向を地域と共有するための「県北・沿岸振興セミナー」を実施します。また、地域資源を生かした観光産業や食産業などの振興に取り組んでいる皆さんとの意見交換、コミュニティFMへの出演、岩手県立大学宮古短期大学部での「希望郷いわてキャンパストーク」などを行います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いします。

記者
県政功労者に関して質問します。それぞれお三方とも著名な方々ですけれども、功労者に選ばれた方々に功績も含めて受け止めなり、祝福の言葉を一言いただければと思います。

知事
それぞれ専門的な分野において、長年にわたって岩手に大きな貢献をしていただくとともに、また、専門と違う県政全般についてもいろいろな貢献をしていただいております。
村井、箱崎両氏については、この岩手において、さまざまな貢献をしていただいているわけですが、梅原さんについては、在京岩手産業人会の代表幹事ということで、東京をベースにしながら全国区においてこの岩手への企業立地の推進や、そのための環境整備などで非常に貢献をしていただいたところであり、それぞれの皆さんに感謝しながら県勢功労を差し上げたいと思っています。

幹事社
ほかにありませんか。
本日は、記者クラブを代表して幹事社質問の用意はありませんので、ほかに質問がありましたら、各社さん社名を名乗ってからお願いします。

記者
15日ですが、奥州市において国際リニアコライダーの講演会が開催されました。知事も出席されたかと思うのですが、地質調査も7月から始まるということで選定に向けた動きがいよいよ本格化するということで、そのリニアコライダーの選定に向けて、知事の期待と、それに向けた今後の県の取組について教えてください。

知事
素粒子物理学の最先端を切り開いていくための実証的な研究をする場ということで、今ジュネーブにある円形の加速器の次世代の直線型加速器を世界のどこかにつくらなければならないという方向で専門家の皆さんがいろいろ議論される中、岩手県南の岩盤、地盤がそうした施設に適していると聞いています。それを裏付けるようなデータが採れれば、専門家の皆さんの議論の進捗に大きく役に立つと思いますし、また国際的な意思決定に向けても参考になるのではないかと期待しています。

記者
選定は専門の委員会の方々がやられるということで、県も東北大学と連携して調査を行うということなのですが、そのほか選定にかかわる方々の支援として具体的に何かできそうな部分、考えている部分はありますか。

知事
平泉の世界遺産登録と同じで、本当に良いものであればそれを世界が認めて評価するということだと思っていますので、地元でいろいろ準備できるデータなどは準備したいと思っています。また、専門家の皆さんが、いろいろ調査したいのであれば、全面的に協力していきたいと考えています。

記者
関連なのですが、この前の講演会でも分科会をつくって、誘致に向けて、例えばどのようなものが必要かということについて話し合うというお話がありましたが、県としてのスタンスとして、今後そういった整備に関してどのようなスタンスで臨まれるかお聞かせください。

知事
基本は理解を深めていくということだと思っていますので、国際的な学術都市としてどのような環境が必要なのか、ほかの国とか、ほかの分野ではどういう例があるのかといった調査、研究等をこの東北加速器基礎科学研究会では分科会をつくって研究するということで、県としても協力していきたいと考えています。

記者
もう一つ別の件で、一関市の花泉診療所なのですけれども、この春に民間移管されて、ただ現時点で常勤医さんが実質的にいない状態であり、入院も今のところゼロということで、ベッドを守るという本来の趣旨を未だ果たせずにいるのですが、県としてはどのように指導されていくのでしょうか。

知事
ベッドが欲しいという地元の期待に応える形で、民間の参入という経緯だったわけでありますから、地元の期待にも応えられるように入院、受け入れ可能な態勢というのを早くとってもらえるように指導していきたいと思います。

記者
医師がなかなか確保できないということで、事業者もいろいろ苦労されているとは思うのですけれども、県も市も何かそういう面で後押しというか、そういうつもりは今のところないでしょうか。

知事
県立病院もやはり医師の確保、医師の支援については、なかなか厳しい中全力を尽くしているところで、民にできるところを民が頑張ってやるということが趣旨だと思っていますので、そこは民独自のネットワークとか、力とかに期待したいと思います。

記者
宮古病院の件もそうだったのですけれども、医師不足の偏在が厳しい中で、先週も出たのですけれども、国に対して必要な法整備等を求めていくということなのですが、具体的にはどのような仕組みができれば、多少なりとも医師の不足とか偏在が解消できると、国にどのように具体的に求めていくつもりでしょうか。

知事
地域や診療科目ごとに、このくらいの人数が必要だというガイドラインのようなものを国できちんと定め、そしてそのガイドラインに達しない診療科目、達しない地域については、国として医師の確保を図っていくということが大きい仕組みになると思います。全国的にそういう仕組みをつくるということが必要だと思いますので、既に去年から働きかけているのですが、今年も働きかけていきたいと思っています。

記者
花泉診療所に関連してお伺いします。先ほどの質問にもありましたように、実質的に非常勤医だけで回していて、非常勤医の方も辞表を出されるという苦しい状況ではあるわけですが、当初こういうような状況になるということは想定していたことだったでしょうか、想定外だったのでしょうか。

知事
お医者さん同士いろんな意見があり、また話し合いによる克服が模索されたり、辞表は提出されたけれども、まだ辞職までは決定してないとも聞いており、経営していく上で自由な発言とか、議論とか、いろいろなやりとりがあることは、特に民間の場合には、公以上にあるのではないかと思います。
入院できる体制がまだ整わないということについては、やはり入院できるということが地元の期待として大きかったわけですから、早くそうなるようにしてほしいと思っています。

記者
医師確保に県立病院が苦労している中で、集約化ということで進めてきたわけですが、民間移管という手法についての考えを沼宮内でも模索されていますが、改めて民間移管という手法についての考え方をお聞かせください。

知事
民間移管というか、日本の医療、民の分野で非常に大きくあるわけであり、都会では民を中心にして非常に高度な医療が提供されていたり、いろいろな医療ニーズに対応できていたりもするわけです。だから、公を民に移していくという民間移管ということではなくて、公は公でその充実強化を図り、同時に民との連携、民の力もこの岩手というフィールドで、民にも活躍してもらうことで力を合わせて地域の医療ニーズに応えていくことができればと考えています。

記者
宮古病院の関係で、県としての対応は今後いくつかの選択肢があろうかと思うのですが、1つは警察に被害届を出す、あるいは刑事告訴をする、あるいは民事的な賠償を求めるとか、現時点での県の方針というのはどのようになっているのでしょうか。

知事
今医療局で弁護士さんにも相談しながら、いろいろ対応を検討していると報告を受けています。それから、再発防止的な、より良いと言うか、医師確保をより確かにしていくための働きかけ方の工夫などについても、今医療局の中で検討していると聞いています。

記者
再発防止的な部分で言いますと、まだ検討中だと思うのですが、どういった部分で手を打つというようなお考えなのでしょうか。

知事
この機会に今までそれぞれノウハウの蓄積があると思うので、こういう方法でやるのがうまくいくとか、こういう方法で行った方が良いと思っていたとか、そういう現場の情報を共有してもらうことで改善が進んでいけばと思います。

記者
県の対応、再発防止的なものはいつ頃までにまとめられるのか、あるいは今回の被害の関係の対応についてはいつ頃までに結論を出すつもりなのか教えてください。

知事
県民に適切に医療を提供していくという医療局の任務の中で、検討が進んで工夫が進んでいけばいいと思っております。

記者
話は変わりますが、小沢一郎民主党幹事長の3度目の聴取がなされました。関与は否定されましたが、改めて感想をお願いします。

知事
今具体的に身の潔白を晴らすという観点から、どういう疑惑の論点が残っているのか承知していないのですが、もしこういう疑問点がまだ解消されていないというところがあれば、そういった疑問をご本人にぶつけ、そしてご本人の回答を得て、その結果、潔白が証明されていけば良いことなのではないでしょうか。

記者
それから行政刷新会議が全国知事会も事業仕分けの対象とする方針を固めたようですが、これについて知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
事業仕分けというのは、もともとはこの事業を公がやっていていいのか、止めた方がいいのか、民間に任せた方がいいのか、ということを専門家と普通の人が一緒になって検討するということで、それを全国知事会に当てはめて検討するというのは、よく分からないところがあります。また、全国知事会は、地方自治法に基づいてできている自治のための仕組みであり、そのあり方については、まさに全国の知事から成る会議において、いろいろな決定もなされていて、今のやり方でいいのかなどということについては、ちょっと前も橋下大阪府知事が指摘して、積立金が相当あったことについては、これは持っていても仕方がないので、それぞれ還元しようというような、自己改革を行っており、団体の自治の中で自己改革が進んでいけば良いのではないかと思っています。

記者
では、事業仕分けを対象とすることはなじまないという理解、認識でよろしいですか。

知事
例えば、全国知事会の民営化を真剣に検討するのかというと論理矛盾があり変ですよね。ただ、事業仕分けというのは、民営化の可能性も検討するものなはずなので、だから事業仕分けの対象にするということで、一体何を言わんとしているのかよく分からないというところです。

記者
来週の月曜日、5月24日でチリ地震津波から50年が経過します。このことをどう受け止めておられるのかと、今年2月にもチリ地震による津波がありましたけれども、防災対策についてどのように取り組まれるかということの2点お願いします。

知事
50年前のチリ地震津波は、直接に被害を受けた沿岸の地域にとってはもちろんですが、岩手県全体にとっても悲惨な大きな出来事であり、そのことを忘れずに未来に向かって防災意識の高揚、そしていざという時の適切な対応に活かしていくことが、今を生きる岩手県民の務めであり、また行政としての務めだと思っています。一方、被害を受けた地域の住民の皆さんは、非常にその点意識が高く、毎年過去の津波のことを忘れずに防災を強化していこうという取組を続けられているので、そういう住民の皆さんの気持ちと行政がしっかりタッグを組んで防災にきちんと余念なく対応していければ、岩手県民の安全・安心を守っていくということが、かなりの程度できるのではないかと思っています。

記者
別件になるのですけれども、岩手競馬についてお伺いします。15日から盛岡競馬が開幕しましたが、水沢開催までは計画比を下回る厳しい売上げで推移しています。売上げが計画比を下回っている状況についての受けとめと、今後どのような対策なりを講じて売上げアップを目指していくかということをお願いします。

知事
いろいろな新企画を打ち出したり、またマスコミの皆さんの協力もいただいて盛り上げるということについては、去年よりもいい形でスタートしているなと思っていましたので、売上げが計画に達していないことについては、天候が不順であったことや、経済・雇用の危機的状況が影響を及ぼしているのかとか、いろいろな理由が考えられるのですが、ここは冷静に情勢を分析しつつ、まずは売上げを伸ばし、計画を達成するために様々な努力や工夫をするとともに、それでも売上げが計画値に満たない場合には、コスト調整をしっかり冷静にやっていくということだと思っています。

記者
コスト調整については、調整する部分が基金だったり、賞典費の削減などは今もう限界に来ているということなのですが、それ以外でコストの収支均衡をとっていくためには、どのようにして、今限界が来ていると言われている中で、収支均衡をとっていくことが可能なのかということについて、どのようにお考えですか。

知事
これは、売上げが低迷している時にはコスト調整をするということを決めているわけですから、関係者の皆さんにいろいろ知恵を出してもらい、協力もいただいて、コスト調整をしっかりやっていくということだと思っています。

記者
小沢一郎さんの件でちょっとお伺いしたいのですが、今回の疑惑の件について、政治倫理審査会のほうでしっかり説明を果たすというご意向であるという報道あったと思うのですが、一方ではもし正式にしっかり説明を果たすというのなら偽証罪とかが適用される証人喚問のほうでするべきではないかという意見もあると思うのですが、そちらについてはどのような所感をお持ちでしょうか。

知事
疑惑があるということは、何か悪いことをしたという疑いには根拠があるはずです。これこれこういうことをしたのであれば、それは違法であろう、実際そういうことをしたのかという質問の形式によって実態を明らかにすることができるのだと思います。だから、どれだけ適切な質問がなされるかというところに実はポイントがあって、そういう質問が出てこないのであれば、そこには疑惑はないということだと思います。何の根拠もなく、ただ悪いことをしたのだろうという決めつけがあるだけということになってしまうと思います。その違法性を証明するような事実関係を質問の形で明らかにできれば、そこでアウトということがわかるのであって、予算委員会とか、別に偽証が罪になるとかという場ではなくても質問の形で真実を明らかにしていくということはできるわけです。私がむしろ今心配しているのは、そういう適切な質問を、誰も考えつかないのではないかということです。今も疑わしいとか、どうせ本当のことは言わないのではないかみたいな、根拠のない決めつけ的な言論がまかり通っているのですが、具体的にどういうことが疑問で、どういう問いに対して答えが求められているのかという話はほとんど出てきていませんので、そういう中でただ的外れの質問がされ、的外れの質問であるがゆえにどう答えていいか分からないような、そういうやりとりが続くと、外から見ていて何も答えられなかったとか、疑惑が晴らされなかったとか言ってレッテルをまた張り続けることになることを私は恐れています。本当に論理的に疑惑の核心に迫る質問が、出てこなければ出てこなかったということで、疑いはないとみなすのが論理的だと思います。

記者
その質問に関連してなのですけれども、先ほどの地検の聴取を受けられたということも含めて、司法的に何かあるというような感じや形よりも、むしろ今回説明をされるというのは、司法どうこうというよりは国民感情の部分に配慮された部分が大いにあるのではないか、またそういう意見も出ていますね。ただ、一方で知事が懸念されているようなやりとりがなされているのではないかというふうな決めつけもあるわけで、そうするとそういった小沢さんの考え方、今回説明する考え方というのは果たしてきちっと伝わるのかどうか、これで国民の政治と金に関する関心ですね、どう変わるのだろうかという効果の部分をどういうふうに見ておられるかお聞かせ願います。

知事
人を動かす、それは突き詰めると人の心を動かすことが政治の基本ですので、それはリーダーが一人で行うことではなく、民主党だったら民主党の議員とか、関係者が日常の活動を通じて行っていく作業ですので、それぞれの選挙区の中でどれだけ国民に訴えていけるのかがその国民が持っているイメージとか印象とかを変えていけるかということだと思います。
もう一つ言うと、政治というのは、やはり論理、筋道に基づいて行われなければならないわけで、今の日本に何が必要なのか、暮らしや仕事をよくするためにはどういう政策が必要なのか、それを推進するためにどういう体制で行っていくのかということは論理に基づいて決められるべきであって、それがイメージとか印象とかによって国が動かされるようになったら、それはもうファシズムとか、そういう戦前の空気で国が動くということになってしまうということだと思います。

記者
既に民主党の各議員の方はそういった取り組みをされているという前提だと思うのですが、今回のこの2つの動きですね、その2つの動き自体の部分はどう見ておられますか。

知事
小沢一郎さん自身が、そういう空気で世の中が動いていくようではだめだなということで理屈、筋道で世の中が動いていくことに貢献できればということで、検察の聴取を受けたり、国会で説明をしたり、質問を受けたりするのだと思います。

記者
それによって参院選とか、今後の政治日程あるわけですけれども、そういった部分への影響というか、効果というか、これはどういうふうに見ておられますか。

知事
あとはそのやりとりに対して、どう報じられるのか、またそのやりとりの客観的事実に基づいて、誰がどういう感想を述べるのかというのは、それらの報道に携わる人なり公の場でいろいろと意見を言う人なりが仕分けされるということだと思います。そういう中で、根拠なく決めつけて、ムードを煽るタイプの動きもあるでしょうし、それはそういう人たちなのだと仕分けられていけばいいと思うし、論理や筋道に基づいて報道したり、発言したりする人たちについても仕分けられていけば良いと思います。そして、参議院議員選挙のような国民による意思決定の場をはじめ、そういう大事なものを決めていく場においては、論理、筋道が優先されていくようになれば良いと思いますし、私が何か貢献できる機会があれば、今記者会見の質問に答えることもそういう一環だと思うのですが、しっかりと日本の民主主義が機能して、国民が正しい決定をできるように、私も貢献できればと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月24日(月曜日)の予定です。

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