平成22年5月31日知事会見記録

ID番号 N5006 更新日 平成26年1月16日

印刷

平成22年5月31日 10時31分から11時16分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
幹事社から県政記者クラブを代表して1つ質問します。
先週の知事の高知県訪問に関しまして、さまざまな場所を視察されての感想、そして、高知県知事とどういうお話をされたのか、さらに、高知との交流事業の今後の展開、抱負などについて、お聞かせください。

知事
高知県では、今年1年を「龍馬イヤー」と位置づけ、高知県全体を舞台にして「土佐・龍馬であい博」という博覧会をやっているわけでありますが、私は、坂本龍馬という人物は、この人がいるといないとでは、日本の歴史全体の印象が変わってくるくらいの日本史上重要な人物だと思っています。それだけの人物を地域を挙げて顕彰し、あるいは親しみ、学ぶというような県全体としての取組が非常にうまくできていて、そこに岩手も一部参加させてもらう格好になり、本当に良かったと思っています。その具体的な参加の形として、高知県立坂本龍馬記念館で「龍馬と啄木展」を3カ月間も開催してもらうということ、その企画展の一環として岩手・高知両県知事の対談を行ったのですが、それもうまくいって良かったと思います。
「龍馬と啄木展」のきっかけとなった啄木父子の歌碑を高知駅前で見てきたのですが、駅前の一等地の本当にいいところに立派な歌碑を、きれいな石でつくってもらっていて、石川啄木出身県の知事としては本当にありがたい思いがしました。
その企画展での対談も含め、高知県知事とどういう話をしたかということですが、グローバル化の時代に地方が生き残り、発展していくためには、地方と地方が直接交流したり、協力・連携していくことが非常に大事なので、そういうことを岩手・高知両県でやっていこうと、そして物産展の相互開催や、さらには共同でどこか別のところで物産展を開くというようなこともやって、両県の暮らしや経済を向上させていくような、成果が上がるような取組をやっていこうという話をしたところです。そういう交流と連携のキャッチフレーズとして、高知の「K」に岩手の「I」、「K・I」と書いた「高知・岩手“K・I(かい)”援隊」とすることで意気投合したところです。
今後、物産とか、観光とか、経済・産業に関わる分野に加えて、「龍馬と啄木展」のような文化交流も併せ、総合的に連携・協力していきたいと思っています。これは、高知において坂本龍馬というソフトパワー、岩手においては石川啄木というソフトパワー、そこがきっかけとなってこういう連携・協力ができているわけですが、お互いのソフトパワーを、岩手においては岩手のソフトパワーをますます伸ばしていきたいと思います。来年は、平泉の文化遺産の世界遺産登録も見込まれているところでもあり、改めて岩手のいろいろなソフトパワーの発掘、そしてそれを地方間交流、地方間連携につなげていくような工夫をこれからどんどんしていきたいと思います。そういったことが軌道に乗っていくと、地域主権改革の中身を充実させていくことにもなると思っています。制度改革も大事なのですが、地域主権改革というのは制度を変えるだけでは駄目で、実態として地方が自由に、主体的に自分たちの暮らしや経済を向上させていくことができるという中身が伴わないと駄目だと思っているので、そういう地域主権改革の中身の充実ということを進めていきたいと思っています。

幹事社
この質問に関連して、各社から質問があればお願いします。
ほかにないようでしたら、各社からこの件以外で質問があればお願いします。

記者
社民党が、米軍普天間飛行場移設問題をめぐる福島みずほ党首の罷免を受けて、連立政権から離脱したことについての受け止めをまず1点。
連立政権から離脱を受けて、岩手県の社民党県連合で参院選に独自候補を擁立することを決定しましたが、このことについての受け止めをお願いします。

知事
やはり福島大臣の罷免ということがまずかったと思います。連立内閣をつくるということで3党の党首、代表が入る、そういう内閣をつくるのに先立って、3党で連立に当たっての協議を行って、政策合意がなされた上で3党の連立内閣がスタートしているわけであり、やはり政策合意をきちんと連立内閣で推進していくという形の中で罷免したということは、連立をやめてしまうという話ですから、良くないことだなと思っています。

記者
連立政権からの離脱を受けて、社民党県連合で参院選の岩手選挙区に独自候補を擁立ということを決めましたが、そのことについてはどのようにお考えですか。

知事
3党連立の原点に返れば、それは去年の衆院選での争点でもあった格差社会を是正する、働く人たちの暮らしや仕事を守り、地方の切り捨てといった政策も是正して、生活をきちんと保障していくということを実行しようということで、去年、多くの国民の支持を得て連立政権が発足したのだから、その原点に立ち返って協力して進めていくのが筋なのだと思います。

記者
そうすると、社民党は離脱することなくこれまでのように3党でやっていった方が良いと今はお考えですか。

知事
3党の政策合意を形成するに当たって、社会民主党、国民新党はそれぞれの党首が参加し、民主党からは当時の岡田幹事長が参加して協議をしました。そこで、普天間基地の問題についても見直すということを合意して、3党連立がスタートしていると思います。それがおかしくなったというのであれば、そもそもおかしくさせてはいけない話で、ちゃんと約束したことを実行すればいいのであって、だから連立内閣の運営からして罷免という話は出てき得ないはずです。
では、何で罷免しなければならなくなったかというと、政策協議、3党連立をつくるときの政策協議の仕方に問題があったのではないかという話になっていくと思うのです。当時、新しい幹事長に小沢一郎さんがなることが決まっていたのですが、私は、その頃小沢一郎さんに会って、新政権の幹事長おめでとうございますというような話をし、「テレビを見ていると岡田さんが3党連立の協議を進めていますよね。」と言ったら、小沢一郎さんが「そうなんだよな、おれも何でか分からないんだよな。」と言っていました。普通は党の代表が新しい幹事長を決めれば、そこから新しい幹事長の仕事が始まるはずなのになと言っていました。今思えば、本来小沢新幹事長が3党合意の政策協議も仕切ってきちんとした約束を結んで、そのとおりに連立内閣を運営していればこういうことにはなっていなかったのではないかと思います。
新しい幹事長に政策協議を任せなかったのもまずかったと思うし、またその時には岡田克也さんが幹事長ということで、3党の政策合意の最終調整を行っていたわけですが、やはり幹事長はいろいろな場面で政策の司令塔になり、最後の仕上げとか、詰めの調整とかを行わなければならないのに、3党連立内閣が始まってから民主党の幹事長は政策にはタッチしないという体制はあり得ないと思います。そういうあってはならないやり方でスタートし、あってはならないやり方で8カ月過ぎてうまくいかなかったということだと思います。だから、本来どうすればいいのかということをもう一回考え直し、国民の生活を守る、そういう国民に期待され、国民に選ばれた体制をきちんとつくり直してやいけばいいということだと思います。

記者
今の質問に関連してお伺いいたします。小沢幹事長が連立3党の協議で絡めば良かったという趣旨のご発言ですが、2点お伺いします。仮に小沢幹事長が当時話し合いに参加していたとしたら、どういうふうな結果、合意になっていたかということをお伺いするのと、あと先週金曜日でしたか、普天間の移設に関して日米合意の確認が出ましたけれども、この決定についての評価をお伺いしたいと思います。

知事
小沢一郎さんは、民主党と自由党が合併し、新しく大きくなった民主党の中で一番右の方だと目されていた旧自由党関係者と、また一番左と目されていた旧社会党関係者との間で安全保障の基本原則について一緒に勉強して、国連中心の安全保障基本原則の方向性について一致をさせた。ともすれば、ばらばらになりがちな民主党をしっかりと束ねて政権交代にまで持ってきた、政策できちんと端から端まで束ねてきたというところが実績だったと思うのです。3党連立についても、きちんと安全保障の基本原則について方向性を一致させて、普天間の基地をどうこうするという各論は基本原則の下で調整されていけばいいと思うのです。本当は基本原則をきちんと国連の下でほとんどの国が合意して平和や安全を守ろうという活動には日本も参加する、非戦闘地域でなければ行けないという変な理屈はやめるとか、そういう合意をきちんとしていれば、普天間米軍基地問題のあとの調整とかは外務省の北米局長とかに任せていてもいい方向に進んでいたのではないかと思います。

記者
先週金曜日の政権の決定に関しての評価はいかがでしょうか。

知事
何がどう決まっているのか、細部についてはよく分からないところもあるのですが、何かいまだ冷戦時代の思考にとらわれていて、冷戦時代の米軍の役割、自衛隊の役割、日米の関係というようなところから脱皮できていないような感じがします。

記者
それと先ほどの質問の中で、小沢幹事長だったらどうだったかという質問をしたのですが、もうちょっと具体的に言いますと小沢幹事長が参加していれば最低でも県外移設とまでは明確に打ち出さなかったとお考えなのかということと、先ほどの発言の中で北米局長に任せていてもいい方向に進んでいたと思うという趣旨の発言がありましたが、これは政治主導という民主党の原則と矛盾はしないのでしょうか。

知事
その任せ方は、政治主導で任せればよく、日米安全保障条約を国際平和協力条約のような、いざ有事の時には国連の枠組みの下で諸外国が協力し合い、その中で日米も一緒に行っていくのだというように、日米安保条約を改正せよというような指示を出せばいいのです。

記者
関連してなのですが、そもそも3党決定のプロセスに与党の幹事長が入らないのがおかしいので、結果的に罷免に至ったということですが、現実問題として普天間問題が出てきた時に対応するに当たって罷免はそもそもよろしくなかったというお話ですけれども、罷免以外にはどのような道があったとお考えでしょうか。

知事
決めたことは最後まで守るというのが唯一の道だと思います。ただ、その決めたことについては、3党合意の中で確かに見直すという言葉で書かれていたわけですから見直せばいいだけの話で、今回の政府案について、社民党は見直したことになっていないと言うわけですけれども、なるほどそうだろうなと思います。当初、連立内閣がスタートしてすぐ岡田外務大臣も嘉手納統合という形で普天間に、辺野古に基地をつくらなくてもいいような案の検討をスタートさせていたわけですから、約束の中身は辺野古に移さないようにするという約束をしたのではなかったでしょうか。ただ、そこは当事者の問題ですから、いや、辺野古に移さないとは約束していない、自民党政権下でつくった案を見直して、沖縄の人たちにも納得できるような形にすればいいのだから、これで納得してくれと言って社民党が納得し、また沖縄の人たちもそれならいい方向であり納得できれば約束は守られたことになり、だから約束を守るというのは、約束をした当事者たちの思いで約束が守られたかどうかが最終的に決まるわけですから、そういう持っていき方も含めて約束を守るようにしさえすればいいことだと思います。

記者
全国の話が続いて恐縮なのですが、関連してあともう一問伺います。今日の各紙の世論調査で内閣支持率がおおむね20%台割れしてきまして、一部では自民党の支持率が民主党の支持率を逆転したというところも出てきました。過去の政権を見ますと、20%を割ると政権浮揚に成功した例というのはなかなか少ないと思いますが、今後鳩山総理の政権運営に当たってどのような、普天間の対応にも問題があったという話でしたが、どのような形で修正すべきかということ、打開策があるのかどうかというのを伺いたいのですが。

知事
今のままだと、連立内閣を発足させた時の3党合意の約束というものが、破られた格好で今に至っていると思います。これは、もう今の鳩山内閣の存立基盤自体が崩壊しているということになってしまうので、なかなか今のままでは高い支持は期待できないのだと思います。ですから、約束をきちんと守るか、あるいは約束をし直すかということだと思います。その原点は、先ほどから言っているように国民の生活を守り、そういう格差社会を是正し、地方切り捨てを是正していくというようなことをきちんと進める。地方分権関係とか、地方関係は180度舵を切って切り捨ての反対方向に進んでいるし、格差社会是正関係では子ども手当とか、生活を保障していく政策も進んできているので、もう一回そうしたことをきちんと一緒に行っていくという形をつくり直すことが必要なのだと思います。
世論調査でちょっと気になったのは、罷免ということについてある社の世論調査だと、50%が罷免して当然で、40%ぐらいが罷免は良くなかったと出ていましたが、私は罷免というのは穏やかではないし、まずいと思っており、世論がぎすぎすしている感じがします。人心がすさんでいる、それが内閣支持率というところにも出たり、いろんな数字にも影響していると思うのです。これは非常に良くないことであり、民意には従わなければならないけれども、世論というのは変える対象、動かしていかなければならないものなので、もっと人心を和ませるような政策なり、体制の立て直しなりを政権はきちんとやっていかないと駄目だと思います。

記者
宮崎の口蹄疫も、いよいよ殺処分が一斉に10万頭規模で始まっておりますけれども、実は岩手県内も調べてみますと国や独立行政法人の試験機関とか、研究機関が盛岡市郊外に集中しておりまして、そこには岩手県の畜産研究所もあるという大変な畜産のキーストーンみたいなところのエリアが広がって、さらには畜産県であることもあって、よく言われるのですけれども、いざというときに備えて、例えば種畜の、ほかの県でももう、島がない県でも疎開を考えているのだから考えたらどうだという声があるのもまた事実ですし、また逆に疎開先として、そういった独立行政法人なんかの疎開先としても考えられている可能性があると思うのですけれども、その辺の移出入について、知事としては今どうお考えなのかお示しいただきたいのですが。

知事
今担当のところで、専門家の意見も聞きながら、研究してもらっているところです。ただ、宮崎県のように具体にこの地域に感染、発症があるという状況にはなく、地域別の危険度の違いは岩手県内においては今のところ全然分かりません。どの地域が特に危険とか、どの地域であれば安全というのがないため、なかなかどこが安全と決定できないのではないかと思います。ただ、岩手の牛を守る中で、種雄牛の安全を確保することが極めて重要であり、常にその状況に対応して、より安全な格好に出来るような体制が今は出来ていると思っています。

記者
普天間の関係なのですけれども、小沢幹事長が福島さんに「あなたの言っていることが正しい」とお電話なさったそうなのですけれども、それについて知事がどう思っていらっしゃるかということと、あと民主党内に鳩山おろしの声も出ていますが、知事のお考えお聞かせください。
あともう一点なのですけれども、全国知事会で鳩山首相が米軍の訓練の全国分散を要請しましたが、それについてのお考え、以上3点お願いします。

知事
v小沢さんと福島さんとの間のやりとりは、事実かどうかちょっと分からないところもあるので、ノーコメントですけれども、要は約束した中身を約束した当事者間できちんと確かめ合いながら約束は守るという方向できちんと行っていくというのが大事だし、当事者間でも約束はもう破綻しましたねと確認したとしたら、いい約束を守れる人たちというか、守ろうという、生活保障、生活を守っていくという志の人たちで改めて約束をし直すということが必要なのだと思います。私は社民党の人たちは、もともとそういう志を持っているのだから、排除する必要はないと今でも思っています。
米軍基地の移転とか、あるいは機能の受け入れとかということについては、まず私は知事の一存でそういう大事な問題を決めて名乗りを上げたりしていいものだろうかという疑問を持っているので、何か県議会はどういうふうに関与すべきかとか、平時において何か米軍の基地を新しく受け入れるとか、そういう決定をした地方自治体の前例を調べるようにということを、今担当に指示しているところです。

記者
今の質問でお答えになっていない部分と重複するところなのですけれども、今回の世論調査で内閣支持率が大幅に下がると今後鳩山首相に対して辞任論というのは更に強まると思うのですが、知事はこのまま鳩山首相の続投で参院選戦えると思いでしょうか、それとも交代すべきだとお考えでしょうか。

知事
去年の3党合意の中身というのは、おおむね総選挙で国民に約束をしたことをそのまま3党合意にしたのだと思っているのですけれども、そういう国民への約束をきちんと形にしていくためにどうすればいいかということを、改めてそれぞれの政党の中で検討しなければならないのだと思います。3党連立が今終わった格好になっているわけですから、改めて原点に立ち返って、民主党は衆院選で圧倒的に半数を獲得したわけですから、やはり民主党はきちんと国民との約束、3党合意で目指そうとしたものを改めて確認しながら、それを一緒にやれるほかの政党と改めて約束をつくり直していく。それを誰が先頭に立ってやるのか、誰が司令塔になってやるのかということは党の中で決めればいいのだと思います。

記者
今のお答えだと、鳩山さんはそのままやるべきかどうかということについては、私はよく分からなかったのですが。

知事
そういうのは、まず政党の中で決めることなのではないでしょうか。

記者
地域主権改革について伺わせていただきたいと思います。今の国会で地方主権一括法など関連3法案が成立する見通しとなっています。国が政令とか省令で縛っていたものが、基礎的自治体などで自由に切られるようになるということではあるのですけれども、ただその中ではまだ従うべき基準だとか、標準だとか、相変わらず国がルールをつくって縛ろうとする部分がかいま見れる。その県なり市町村が決めるべき基準というものは、だいぶ少なくなるのではないかと見られています。官僚の抵抗もかなり厳しいようですけれども、今政治主導がこの分野で果たされているとお考えになるのかというのが1点。それから、特に本県において実効性について、どの程度担保されると知事は現段階でお考えでしょうか。

知事
ちょっと時間がかかっている感じはします。ただ、もっと小さいことを決めるのに2年も3年も審議会、有識者と官僚との間の綱引き、あるいは官僚と六団体、地方団体との綱引きを延々放置していた前政権に比べればスピーディーに進んではいると思うのですけれども、できる限り地方が自由にやれるようにした方がいいと思っています。そういう流れをつくっていくためにも地方の力量というものを実績として示していく必要があり、私も国に頼らずに地方が自己責任で基準も決めれば、何かあっても自分たちでそこは何とかするというのはそう簡単ではないと思うのですけれども、ただ住民の力も合わせて、事が起きている現場に近いところで検討して決めて、実行していく方がいいということがほとんどであり、そこはやはり地方が頑張っていかなければならないところだと思いますし、岩手県はそういう力量はだいぶ高まってきていると思います。

記者
それで、今回第1段が百二十何項目で、県に関係あるのもあると思うのですが、どの程度施行後、本県の場合は生かしていけると今の段階ではお考えでしょうか。

知事
大ざっぱには、自由にやらせてもらえばやらせてもらうほどいいと考えているのですけれども、知事本人の頭の使い方からすると、制度の細かいところのここまでは譲ってもらわなければ駄目だとか、そういう官僚が法令協議の細かいところを詰める「てにをは」までやるような作業に時間をとられていくよりは、私がやるべきは県職員の力量を高め、そして県職員と職員以外の県民、企業とか、団体とか、個人とか、そういう人たちと連携を強化して、そういう力量を高めていく中身の改革に集中というか、ウエートを置く方がいいのではないかと思っており、そういうところで実績を見せていけば制度の交渉でも有利になるだろうと思っています。

記者
普天間のお話に戻って恐縮なのですけれども、先ほど知事は志のある人たちが改めて話し合うべきだとか、3党連立の再構築ということだと思うのですけれども、しかし、鳩山総理に対して社民党というのは信頼感を失っている。3党連立とは別ですけれども、沖縄の県民も非常に憤りを感じているという現状を考えたときに、確かに党で決めるのが当然の話ですけれども、党籍をお持ちの知事として改めまして、鳩山さんは進退について今どういう対応すべきなのか、もう一回お聞かせいただけますでしょうか。

知事
私の党籍は、秋に党首選挙があったときに1票を投票するという資格なので、秋の党首選挙あるいは前倒ししてあれば、誰に投票するかというのは、自分で決めて対応しようとは思いますが、今の私の立場から誰がいい、誰は駄目とかというのは、ちょっと僭越かなと思っています。

記者
今までの鳩山さんのこの問題に限っての対応というのは、やはりまずかったという認識でよろしいのでしょうか。

知事
連立内閣を立ち上げて行っていくという中で、罷免せざるを得なくなるというのは、これはやはり良くないことだと思います。

記者
福島党首を罷免したのであれば、職を賭してこの問題を5月末までに解決すると言った総理もきちんと責任を取るべきだというようなことを今ちまたで言われているのですけれども、そのことについてはどうお考えでいらっしゃいますか。

知事
経緯を振り返れば、3党合意の約束が破られたということが罷免とか連立離脱の原因になっているので、岡田外務大臣が、3党連立の3党合意の中身には辺野古に海上基地でもそれは約束の範囲内なのだということをきちんと明らかにして、非は完全に社民党にあるということが誰の目から見てもはっきりすれば、鳩山さんは別に辞めることはないということが明らかになるでしょう。また、約束は実現できなかった、ああいう約束をしてしまった自分が悪いのであって、かつ外務大臣としても約束を実現することに貢献できなかった自分が悪く、鳩山さんが悪いわけではないということを岡田さんがはっきりすれば鳩山さんまで辞めることはなかろうということになるでしょう。だから、どういう約束をして、それについて当事者間がそれをどう総括するかということが今問われている本質だと思います。

記者
そうすると、あまり言う人はいないのですけれども、岡田外相の責任も大きくて、むしろ岡田さんも自らの対処というものをきちんとすべきだというふうに理解してよろしいでしょうか。

知事
そこは約束の中身の問題であって、その中で岡田さんが悪いわけではなくて、先ほど言ったように福島代表や社民党の人たちの解釈が一方的に間違っているということが立証されれば、岡田さんは悪くないということになると思います。

記者
知事は、社民党の人たちの理解というのが、その時の3党合意だったのだろうというふうにお考えでおられると。

知事
約束の中身というのは、最終的な総括で確定されていくわけであって、その中で罷免という形になったのは、やはりそこは約束のつくり方にちょっと齟齬があったと推測されるなと思っています。

記者
最後に、その総括というのはやっぱり参議院総括の公示の前にきちんとやるべきだとお考えでいらっしゃいますか。

知事
それは今すぐにやらなければならないし、また総括を的確に行っていれば連立離脱みたいな話にはなっていなかったのではないかなと思います。福島さんは悪くない、社民党は悪くないみたいな形になっていれば連立離脱には至っていないし、本当に早くやらなければ駄目だと思います。やりようによっては、社民党が民主党や国民新党とパートナーになることはあり得ると思うし。

記者
その時は、日米共同宣言というものの取り消しというか、見直しというか、そういうような外交的な対応も日本としてせざるを得ないということなのですか。

知事
あれが当初の約束のとおり、約束から逸脱していないということになれば、あれはあれでいいという結論になるのでしょうけれども、だからそこをきちんと国民の前でけりをつけてほしいなと思っております。

記者
移設の関係で、平時の場合の移設に関して、今担当部署に調査させているというお話がありましたけれども、岩手県にも具体的なそういう打診がある可能性があるとお考えになるのでしょうか。

知事
いやいや、全国知事会でもすべての知事に対してそういうことを言ってくれる、我が古里にと言ってくるところはないだろうかという一種の作業依頼のようなことが内閣から出ていて、ただ本当はそういう内閣から地方自治体に正式に何か依頼する場合には公文書があるべきだと思っているのですけれども、公文書は届いていなくて、そこがちょっと「はてなマーク」がこの辺を漂ってはいるのですが、ただ無視するわけにはいかないと思い、検討の段取りというのはどうすればいいのかを調査している段階で、まだ検討には入っていないというところです。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は6月7日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。