平成22年6月14日知事会見記録

ID番号 N5002 更新日 平成26年1月16日

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平成22年6月14日 10時30分から11時00分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
幹事社から県政記者クラブを代表して質問いたします。
岩手、青森、秋田の北東北三県の北海道合同事務所が、今年度末をもって廃止する方向とのことですが、その理由について、改めてお聞かせください。

知事
岩手県北海道事務所は、北海道における物産振興や観光宣伝、出稼ぎ労働者の援護等を目的として昭和41年に開設されました。そして、平成14年には、北東北三県の連携による特産品の販路拡大や観光客の誘致拡大など、機能強化を目的として秋田県、青森県と事務所機能を統合して、北東北三県北海道合同事務所を開設したところです。
北海道合同事務所は、北海道における北東北の情報発信拠点として一定の効果を上げてきましたが、北海道・東北地方知事会の活動や、北海道・北東北知事サミットの共同事業を通じて、ともに協働するというパートナーシップがつくられ、県本庁の間で調整を行うという緊密な関係もできています。
また、北海道合同事務所は、物産振興や観光宣伝等の業務を主としていますが、インターネットや旅行代理店等の代替手段の活用等によって職員を常駐させなくてもこれまでと同じ程度の効果が維持できるものと考えています。
今後、三県の県人会などと十分に調整した上で検討を進めることとしています。

幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いします。
ほかに各社から質問があればお願いします。

記者
岩手・宮城内陸地震の発生から丸2年が経過しました。現地は、復興がだいぶ進んではいますが、いまだに避難生活をされている方もいらっしゃいます。今後、県として、どのような取組で復興に向けて努力していこうとお考えでしょうか。

知事
この前、国道342号線の開通の式典に出席し、須川温泉まで行き秋田県知事さんと握手したりなどして来ましたが、だいぶ地元の復旧、復興の盛り上がりというのを感じたところです。
ただ、一方で道路や河川など県民生活に関係するところ以外の土砂崩れなど、地震の爪跡というのは2年前のままというところがあり、改めて地震の大きさや衝撃というものも痛感したところです。
また、自分の家に戻れないでいる方々もまだいらっしゃいます。そうした方々のケアをはじめ、物質的、精神的な地震の衝撃というのは、まだまだ地域に残っています。それをきちんと県としても支えながら、地域が経済的にも社会的にも、地震前の元に戻す以上により良い地域になっていくように支援していくことが大事だと思っています。

記者
奥州市とかで仮設住宅に避難されている方がいらっしゃるのですが、その使用期限が来月末で切れる。ただ、生活再建のめどがまだ立ってない方もいらっしゃるので、使用期限の延長を求めているという、地元の自治体ではそのような状況なのですが、そのことに関してはどのように対応されるおつもりでしょうか。

知事
まず、地域でよく相談していただきたいと思いますし、また県に何か相談等があれば、いつでもそれは受けたいと思っています。

記者
今日、議会では議会運営委員会が開かれて、いよいよ6月定例会も近づいてきているのですが、今回、通常であれば行われる予算査定が行われていないようなのですが、6月定例会へ補正予算は出されるご予定はあるのでしょうか。
あと、参院選に伴って県議会の補選も行われるようなのですが、そちらへの予算対応はどういう形でされていくおつもりなのでしょうか。

知事
6月補正予算は、むしろない方が普通であり、知事選挙直後、旧体制で調整した骨格予算に肉づけをするということで4年に1度本格的な6月補正が行われていたわけですが、私の2年目、3年目には地震の対策であるとか、また緊急経済雇用対策的な6月補正が例外的に続いたところであり、今年度は平時に戻って、6月補正予算というのは編成しない予定です。
県議選補欠選挙経費については、正式にあるということが決まっていないため、当初予算では用意をしていなかったのですが、先ほど盛岡選挙区の県議さんが辞表届を議会に提出されたということを口伝えで聞いたところであり、事務的な確認はまだしていませんが、そういうことがあれば6月議会に追加提案をしなければならないと思っています。

記者
見当ではどれぐらいとか、そういう規模感などは、どうでしょうか。

知事
これはよく言われているとおり、ほかの選挙との日程の兼ね合いでいろいろ数字が変わりますので、県議選補欠選挙があると正式に決まった段階で調整していくことになると思います。

記者
地震の話に戻るのですが、最近もまた地震が頻繁に起きています。これによって宮城県沖地震の関係で今後の防災体制のあり方について、改めてお聞かせ願いたいと思います。

知事
大きい地震が、非常に高い確率で起きる可能性があるとされている宮城県沖地震であり、県としても、油断なくしっかり防災体制をとっていかなければならないと思っております。沿岸の地域の皆さんはじめ、住民レベルの防災対策も非常に意識高く行われていると思っていますので、2年前の岩手・宮城内陸地震のその教訓も踏まえて、きちんとした日ごろの準備を整えていきたいと思います。

記者
改めて菅総理の所信表明演説の感想をお伺いしたいと思います。友愛路線から強い経済、財政、福祉、そして最少不幸社会とかキーワード出ていますけれども、そういったものと達増知事が目指す岩手県政との兼ね合いも含めてお願いしたいと思います。

知事
基本的には、生活が第一というスローガンの下で去年の衆院選挙に向けてつくられたマニフェストの光の当て方が、鳩山内閣と違いますが光を当てている中身は基本的に同じなのかなと思いながら聞いていました。
あとは草の根運動の活動家から総理大臣になられたということで、そういうトーンが所信表明演説の随所にあらわれていましたので、非常に新鮮で、また日本の政治の新しいページが開かれたなという印象を持ちました。

記者
最少不幸という菅総理お気に入りのフレーズについては、どうでしょうか。

知事
リーダーシップの原点というのは、動物の群のリーダーにあって、いわば危機管理能力です。群に危険が来てないか、群の中で病気や何かで困っているものはいないかとか、そこにリーダーシップの原点があるということと相通じるものがあると思っています。日本なら日本という中で、困っている人はいないか、苦しんでいる人はいないかという観点が、やはり国家経営には大事なのだと思います。

記者
北教組の委員長代理が、今朝、札幌地裁から執行猶予付きの有罪判決を受けました。小林千代美議員は、記者会見をして辞職を表明する意向なのですが、政治と金の問題も絡んでの小林議員の責任のとり方に対して、知事の考えを教えてください。

知事
政治と金の問題というイメージで、進退の問題を、特に民意を反映して選ばれた議員に対して大ざっぱに取り扱うことは良くないと思っているのですが、それぞれ個別具体的な事情があるのだと思います。北教組の問題について、私は詳しくないのですが、小林議員から見れば、支援団体の北教組と結局連座になることから辞職するということでしょうか。そういう司法的な問題と自分の政治責任というものを、きちんとリンクされて判断されたのだと思います。

記者
小鳩体制崩壊は、政治と金だけではなくて、一番大きなものとしては普天間があったと思うのですが、新体制というか、菅内閣に対して普天間の取り扱いでどう期待されているでしょうか。

知事
普天間問題で行き詰まったのは、党と内閣を変に2つに分けた二元体制になっていたことが理由だと思っていました。本来、重要な政策には深く関与すべき幹事長が、政策から外された格好になっていたこと、またそれと裏腹で党の代表でもある総理大臣が、党務は幹事長に任せると言ってあまり関与しなかったということが、普天間の迷走につながったと思います。菅内閣においては、きちんと枝野幹事長が内閣と政策に関与するということであり、そして、党のあり方について総理大臣も責任を持っていこうという真の一元化の体制で鳩山内閣発足時から行っていれば良かったと思うのですが、そこは良い方向に変化しているのではないかと思っています。普天間に限らずあらゆる政策課題について、真の一元化の方向で臨んでもらえれば良いのではないかと思います。

記者
あと、参院選の勝敗ラインについて、首相は単独過半数に届かない50議席を目標としていますが、これについてはどう評価されますか。

知事
私からすれば、国民がこの機会にいろいろなことを真剣に考えて、ベストの投票ができれば良い選挙だったと評価して良いと思います。そういう勝ち負けの問題については、それぞれの当事者にお任せしますという感じです。

記者
もう一つだけ、今国会では郵政改革法案を見送って、臨時国会などで通していく考えなのですが、それについては急いで今国会を延長してでも通すべきだったと考えるのか、V字回復して、やはり参院選に臨みたいという、そちらの考えを理解される方が強いのか、どちらでしょうか。

知事
連立内閣発足時、鳩山内閣発足前の3党協議でどういう話し合いをしていたのかということまでさかのぼる話なのだとは思うのですが、約束したことは果たしていくべきというのが基本であると思っています。
一方、総理大臣の交代という、予期せぬ事態の中で、国会日程は与野党の相手がある中で決める話ですので、審議未了になってしまうということはあり得ることだと思います。ただ、本質的な問題として、小泉内閣での、いわゆる郵政民営化によって、できた郵政会社が非常に脆弱な状態に陥っていて、うっかりするとアメリカ資本に買い叩かれて貴重な日本人の貯金とか、簡易保険だとかが、極端に言えばアメリカ資本によってサブプライムローンに突っ込まれたりという危険性がある状態なので、これは一日も早く是正しなければならないと思います。

記者
いわてNPOセンターについてお伺いします。現執行体制の方々が先日会見して、すべての事業から撤退する、また前理事長さんらの原因者責任を追及するというような姿勢を示されました。県としては、今後いわてNPOセンターさんと契約も残っているようですけれども、どのように対応されていこうとお考えでしょうか。

知事
新しい理事長さんがNPOの精神にのっとって、いわば善意で引き継いだが、引き継ぎの際に明らかにされていなかった問題点が次々に発見されている。それは、県にとってもそうであり、報告を求めたのにきちんと報告されていなかったような問題点が、またさらに明らかになってきているという中で、県としてもそこはきちんとけじめをつけて、契約の取り止めであるとか、また契約の募集対象としては認めないとか、そういった厳しい対応をきちんとしていかなければならないと思っています。

記者
県も、先ほど知事のおっしゃられたとおり、報告を求める中において、違法行為、また不法行為を確認されている部分もあるかもしれないのですが、それがあるかどうかというのが1点。
また、あった場合に、告訴権者は多分NPOセンターなのでしょうけれども、県として何か法的手段を考える可能性はあるかというのをお伺いします。

知事
県としての契約をどうこうする前提となるための判断材料はそろってきていると思っていますが、捜査権限を持ってきちんと捜査しないと明らかにできないような問題点も、少なからずあるという認識であり、そこは司直の手にゆだねるという方向で調整していかなければならない状況だと思います。

記者
地震の件で、先ほど奥州市の仮設住宅で期限切れが迫るということで、県としても、地元から相談があれば対応したいということなのですが、住民の方から住みたいという切実な要望があれば、期限を延ばすなど前向きに検討するという理解でよろしいのでしょうか。

知事
元の生活に戻るのが基本だとは思っています。ですから、そういったことがどのくらい可能になってきているのかというのは、やはり地域の中で調整されていくべきだと思いますので、基本的には市当局とよく話し合ってほしいところです。県としては、一般的にそれをきちんと支えていくというのが基本スタンスだと考えています。

記者
NPOセンターの関係で確認ですが、司直の手にゆだねる方向というのは、県が警察なり検察に対してアクションを起こす方向ということなのでしょうか。

知事
NPOセンターの現理事長さんも記者会見の中で告発を検討したいと言っているので、NPOセンターとも相談して、まず司直の手にゆだねること自体の必要性を相談して決めていかなければならないと思いますし、またいざ必要と決まった時の段取りも相談して決めようと思います。

記者
先日、「地域政党いわて」が8つの基本政策ということで発表しましたが、あちらはご覧になりましたでしょうか。

知事
報道されている概要について、ちらっと見たところですが、地域を良くするためにいろいろな工夫がなされていくことは良いことだと思いますので、ぜひ切磋琢磨していただければと思います。

記者
新内閣の首相の所信表明の中での経済成長戦略のあり方について、これまでを踏まえて第1、第2の道ではなくて第3の道という表現をなさいました。その評価と、もう一方、この時期に消費税の議論を深めましょうという話になってきました。このタイミングと、それから今の地方経済の実態を踏まえて、知事はどのように評価されているか、2点お願いします。

知事
正直言って第3の道という言葉は、右でも左でもない第3の道、市場原理主義ばりばりのそういう自由主義でもないし、また社会主義でもないというのを第3の道、社会性を重視した自由主義とか、市場原理を重視した社会民主主義的手法とかを第3の道と呼ぶのに個人的には慣れているので、新しい言葉の定義については、むむっという感じです。ただ、そこで言わんとしている中身、大規模公共事業で成長していくのではなく、また純粋市場原理で成長していくのでもない、マンパワー、人の力というのを最大限掘り起こし、発揮してもらうような成長の仕方というのは良いことだと思います。

記者
消費税の議論の関係についてはどうでしょう。

知事
消費税については、上げた方が良い、上げるべきだというのは、世論調査で5割、6割を超えたりしているのですが、ただそこで賛成している人たちは、例えば今この瞬間に消費税を引き上げればまず確実に日本の成長率はまたマイナスに落ち込むであろうというのを前提にして、そうしろと言っているわけではないと思うのです。今は円が高くなり、株が安くなっている。円が、これはドルやユーロに比べての話にはなるのですけれども、信頼されている。円が信頼されているというのは、日本は借金だらけだから、このままでは円の信頼が失墜するというのは正反対のところにいて、今の日本の借金状態というのは金融市場からは、まだ大丈夫と言われていると言っていい状態にあります。一方で、株価が安くなってきているというのは、経済成長の見通しについては悲観的であって、景気はこれから悪くなるのではないかということをマーケットが予測しているということです。ですから、今の日本の経済は、借金を減らすことよりも景気を回復させること、成長を少しでもプラスにさせていくことを優先させるべき局面なのだと思っており、そういう意味では、消費税を引き上げて、それで借金を減らそうとすると、日本経済というのは一気に悪化していくという、そういう局面にあると思います。

記者
口蹄疫の関係ですが、先週、宮崎県境でも発生しました。県でも、さまざま危機管理体制について、確認されていると思うのですが、改めて取組について知事からコメントをお願いしたいと思います。

知事
非常にゆゆしき事態だと思います。県内でも消毒の体制を強化して、いざという時の県の種雄牛の危機管理体制なども専門家の意見を参考にしながら、リスク軽減の段取りについて、詰めの作業を行っているところです。宮崎への岩手から専門家である獣医師の派遣も引き続き行い、まずは宮崎県内で沈静化が一日も早くなされることを希望しているところです。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は6月22日(火曜日)の予定です。

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