平成22年7月20日知事会見記録

ID番号 N4994 更新日 平成26年1月16日

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平成22年7月20日 10時30分から10時56分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事、お願いします。

知事
今日の発表事項は、「企業ネットワークいわて2010 in 東京」についてです。県では、首都圏の企業を対象に、岩手県の立地環境や産業振興施策を紹介し、岩手県への工場や開発拠点の新規立地等を図ることを目的として、7月22日木曜日に東京帝国ホテルにおいて、「企業ネットワークいわて2010 in 東京」を開催します。
今年度は、対象となる企業の業種として、新エネルギー関連企業を主な対象とします。当日は、本県の人材育成をはじめとする産業振興の取組みやグリーンデバイス開発促進施策、新エネルギーのシーズ等、岩手の先進的な新エネルギー分野の取組みを紹介するとともに、これまで以上に企業誘致に力を入れていくことをPRさせていただきます。
講演では、岩手にゆかりのある企業として、株式会社東芝の幹部の方から「スマートグリッド」をテーマに講演をいただきます。
このイベントを通じて、岩手県の立地環境や産業振興施策等をPRし、これまで岩手県に工場や研究開発機関などの拠点を設けていない企業の進出を実現する契機としたいと思います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項につきまして、各社から質問がありましたら社名を名乗ってからお願いします。

記者
「新エネルギー関連企業」とありますが、ターゲットとする企業や分野とかがあれば教えてください。

知事
岩手に既に立地しているある大きいものづくり企業の幹部の方と話をした時に、岩手では新エネルギーはどのようになっていますかという話を聞かれ、会社のエネルギー源としてどこか新エネルギーをやっているところがあればそこを利用したいという意向だと感じました。そういう意味では、エネルギーのユーザーサイドも含めれば、ありとあらゆる業種が対象になると考えています。
新エネルギーについては、木質バイオマスとか、風力、水力などがあり、あとはスマートグリッド的な送配電部分とかいろいろあると思います。そういったところで、できるだけ視野を広く、いろいろな可能性を考えながら取り組んでいきたいと思っています。

幹事社
この質問に関連して、ほかに質問はありませんか。
ほかに各社から質問がないようですので、幹事社から県政記者クラブを代表して質問いたします。1問あります。
宮崎県の口蹄疫の関連ですが、青森県が先日、県産の代表的な種雄牛「第1花国」の精液を宮崎県などの要請があれば、無償などいろいろな形で提供したいとの意向を知事が示しておられました。岩手県も子牛の取引頭数、年間1万頭を超える名だたる畜産県であります。肉牛も多数います。県産種雄牛も何頭か抱えていらっしゃるようですが、要請があれば無償提供などに応じる考えがあるのか、お聞かせ願います。

知事
青森県は今回、青森県の「第1花国」という牛の凍結精液を無償提供するということなのですが、過去、青森県は「第1花国」を宮崎県に提供し、また宮崎県からは「安平」という牛の凍結精液を受けて、交換した経緯があり、「第1花国」の子の種雄牛が今回すべて殺処分になって全滅してしまったので、今回「第1花国」の凍結精液を無償供与するというような経緯があると聞いています。岩手としても、困った時はお互い様ですので、宮崎県に聞いて、要請があれば県有種雄牛の凍結精液の提供ということも行いたいと思います。

幹事社
ということは、県の要請があれば前向きに検討したいと。

知事
岩手もかつて宮崎県との間で県有種雄牛の凍結精液の交換を行ったことがあり、何かゆかりのあるようなところで、こういうことをして欲しいとか、そういうことがあれば提供していきたいと思います。

幹事社
この質問に関連して各社から質問はありませんか。
それでは、このほかに各社から質問があればお願いします。

記者
17日に岩手町を中心に発生しました豪雨災害についてですが、床上、床下浸水で大きな被害が局地的ではありますが発生しているようです。県の今の対応と今後の住民への支援体制など、考えていることがあればお聞かせください。

知事
土木、林務、農業のそれぞれの担当が、関係市町村と連携をしながら被害状況の調査を進めるなど、復旧に向かって取り組み始めているところです。避難されていた住民の方は、昨日の朝時点で何人かいらっしゃいましたが、昨日中には戻られて、今現在は避難中の方はいないと聞いています。かなり局地的ではありますが、大きな被害が出ていると聞いていますので、被害状況の把握を進め、復旧に向けて市町村と連携しながら、県としてもしっかり取り組んでいきたいと思っています。

記者
今年に入って、このような局地的な豪雨が、全国的にも本県でも多々見られるのですが、対策として県でどのようなことを今後新たに取り組まれたりするのか、今何かお考えがあればお伺いしたいのですが。

知事
道路であれ、河川であれ、災害に強い形にしていくということは、県全体の基本方針としてあります。ただ、ハードについては、一斉にすべてを改修することは難しく、順番を決めながら取り組んでいるわけです。一方、ソフト面では、気象情報が地域単位だったものが市町村単位になったり、きめ細かくなってきており、そのような気象情報をきちんとキャッチしながら大雨洪水被害が起きそうな時には、警戒態勢をとっていくような対応をきちんとしていくということが大事だと思っています。

記者
最近、県の教職員の不祥事が相次いでいます。先日、宮古工業高校の教員が威力業務妨害で逮捕されたほか、沿岸南部の高校の教員が在学中の女子生徒と性的関係を持っていたというような疑いも浮かんでいます。教員のことではありますが、どちらかというとモラルとか、コンプライアンスの問題であると考えますので、県も他人事ではないと思います。今こうした不祥事が相次いでいることに関しまして、知事としての所感と、県として何らかの対策を講じる考えがあるかお尋ねします。

知事
大変良くないことだと思っています。それぞれ許されることではありませんので、こういうことがないようにしていかなければならないと思います。それぞれの職場、学校単位、あるいは教育委員会の単位等々、いろいろな再発防止とか、ほかのところを参考にして自分のところで起こさないための工夫とかが行われると思っていますが、県としても状況を注意深く見ていかなければならないと思います。
また、世の中全体が、経済の停滞により社会の混乱につながり、いろいろな技術の発達で、今までできなかったようなことができるようになり、学校でも今までなかったようないろいろな問題が発生するといったような、外から学校に対する悪しきものが及んでくる傾向があると思っています。やはり学校現場においては、教職員が中心になってそういったことをはね返していかなければならず、生徒たちをしっかり守っていくためにも、教職員が率先して社会の害悪と学校現場を遮断することに責任を持ってやっていかなければならないと思います。それは、すべての教職員に頑張ってほしいと思います。

記者
行政委員の報酬の件でお尋ねします。先週、知事も出席された全国知事会で、行政委員会の委員の報酬を月額から日額に変えることも含めて見直しをしていくということを決めました。一方、県内では、市民団体が行政委員の報酬をめぐって監査請求して、退けられはしましたが、裁判で争う構えを見せています。これを受けまして、改めて県の行政委員の報酬を月額から日額に変えることについてどうお考えか、改めてお考えをお聞かせください。

知事
岩手県としても、現在、月額報酬としているところを日額化すべきかどうかということも含めて、行政委員の報酬のあり方について検討を行うこととしていますので、全国知事会での発表と平仄(ひょうそく)を合わせて、岩手においても見直しの作業を進めていきたいと思います。

記者
全国知事会の関係でもう一点なのですが、都道府県職員の天下りの見直しについても、今回の中間報告で示されたと思うのですが、本県の対応と知事のお考え、今後見直しに当たるのかどうか、その辺をお聞かせください。

知事
全国知事会での取りまとめに当たっては、岩手からも本県の現状について情報提供し、また取りまとめていくプロセスの議論にも参加していて、基本的に岩手が既にやっているやり方と同じ内容の改革の方向性を打ち出したと思っています。それぞれの項目については、岩手も既に取り組んでいるのですが、それらを後戻りとか、改悪させていくのではなく、きちんと前の方向に向かって岩手においても進めていけばというように考えています。

記者
現在、岩手県の職員で、早期退職された方も天下りというか、別の団体に転職されているケースがあると思うのですが、それらについて今後早期に見直すとか、あと早期勧奨退職を見直すなど、今どのようにお考えですか。

知事
在職時より高い報酬をもらうとか、あるいは高額の退職金をもらって歩くとか、中央省庁で問題になっているいわゆる天下りと同じ問題は、現在はないと理解しているのですが、今後そういうことが発生してこないようにきちんと見ていかなければならないと思っていますし、そういう改革マインドは持ち続けていかなければならないと思っています。

記者
先週、脱ダムの関連で国土交通省の有識者会議が、建設中のダムの検証に関して見直す指針というか、方針案を示しました。その案をご覧になっての知事のご見解を伺えますか。

知事
全体とすれば、一言で言えば、下流におけるリスクが高まることを犠牲として、その分コストを下げるとか、あるいは環境を変えないようにするとか、そういうやり方について、これなら幾らでできるというような検討を1年間でしっかりと行って、今やろうとしているダムの方式と比較検討せよということだと思います。下流のリスクが高まる分、その危ないところに家を建てさせないようにするとか、新たな規制的なものも加えてみてはというアイデアが出てきているのですが、どこまでそういうリスクと付き合うのか、既に住んでいる人に撤去、引っ越しを迫るのかとか、基本は住民の合意に基づいて進めていくということだと思うのです。ですから、今回出てきた基準の考え方が、どのくらいの住民が賛成するのかどうかは、まだ少し分からないというように思っています。

記者
本県も検証対象の対象になっているダムを抱えていますが、それに関して従前から知事がおっしゃっているとおり、下流のリスクなどもほかの方法も勘案して決定してきているのだというお話でしたね。そうすると、今回の案と基本的にそんなに結論として違ってこないのではないかと思って見ていたのですが。

知事
よほど思い切って下流のリスクを大きく認めるようなやり方に変更しないと大きい違いが出て来ないと思います。ただそれは、本当に下流の人たちの命や財産を危険にさらすことになるので、どこまでリスクを拡大するような基準を作ってくるのかは、これから見ていく必要があると思います。

記者
関連してお伺いします。下流のリスクということですが、ダムをつくらなければ洪水時の水位が上がって危ないというのはそのとおりだと思うのですが、例えば津付ダムの場合、普通の計画どおりダムにプラスして河川改修で工事をしようとすると、100年以上完成までかかってしまうと、それもまた1つのリスクだと思うのです。この工法を検討することによって早くすることができれば、またリスクヘッジという考え方ではいろいろな考え方があると思うのですが、そういう期間のことを含めどのようにお考えでしょうか。

知事
具体的な数字を持ち合わせていないので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

記者
昨日、民主党県連が、新しい県連代表に小沢一郎前幹事長を要請することを決めました。以前、民主党県連代表であった知事にお伺いしたいと思うのですが、民主党県連としては立て直しを期待するということで要請したようですが、知事としてはどんなところに小沢前幹事長の手腕を期待するのかということと、党代表選に出る出ないというような議論や、検察審査会の事案も抱えているわけですが、そのような中で県連代表をどれぐらい務められるか、不安がないのかというところをお伺いしたいと思います。

知事
小沢一郎さんのような実力のある大物の方に県連代表をやってもらえば、非常に強力な体制になり、いろいろな方向で発展していく可能性が広がると思います。
それから、検察審査会については、司法のルールとしてそういう手続があるということなので、政治は政治、司法は司法で、それぞれやるべきことをやっていればいいのではないかと思います。

記者
今度、県議の釜石地区の補欠選挙も間もなく告示なのですが、こちらの方には候補の支援等に出向かれる予定はありますでしょうか。

知事
漠然と応援してほしいというような話は聞いています。ただ、いつ、どこで、どういうふうに、という話はまだ具体的には聞いていないので白紙状態ですが、こちらの都合と合えば、応援するような政治活動をすることはあると思います。

記者
参院選と盛岡の県議補選が終わりまして、あと今後の大型選挙というと、4月の統一地方選及びその中の知事選ということになると思うのですが、改めて知事選への出馬についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
今特にコメントはありません。

記者
先ほどの小沢さんの関係なのですが、9月に党の代表選を控えていると思うのですが、今まで小沢さんが県連代表等の役職に、県の役職に就かなかったのは、党の要職に就いていたということが1つあると思うのですが、今のタイミングで県連の代表に仮に就任することになった場合には、党の代表選ということを考えると、本来であれば、知事もおっしゃっているように、小沢さんぐらいの実力がある方なら権力の二重構造を防ぐという意味では、党の代表の方をむしろ目指してもらうべきではないかという意見もあると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

知事
自由党の時に、自由党の党首でありながら自由党の県連会長を兼ねていたことがあります。だから、そういうことはありなのかなと思っており、それぞれの日本全体での党の仕事と県連での仕事と差し支えないのであれば兼ねるというのはあり得るのだと思います。

記者
そうすると、県連代表でありながら党代表を目指すべきだと、そういうお考えということでしょうか。

知事
そうですね。私は、総理大臣になってほしいと思っています。それはイコール党の代表にということですから、それはそれで目指してほしいと思っています。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月26日(月曜日)の予定です。

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