平成22年8月2日知事会見記録

ID番号 N4990 更新日 平成26年1月16日

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平成22年8月2日 10時30分から10時50分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は、知事からの発表はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
幹事社から県政記者クラブを代表して質問します。
県議会議員釜石選挙区補欠選挙の結果を受けて、一言、所感をお願いします。

知事
当選されたお二人には、お祝いを申し上げたいと思います。今週は、閉会中の委員会審査もあり、早速、県議会議員としての活動が始まるものと思いますが、盛岡補選、釜石補選が終わり、定数が充足された状態となりますので、執行部としても、県議会としっかり力を合わせて県勢の発展に努めて参りたいと思います。

幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いします。
特にないようですので、ほかに各社から質問があればお願いします。

記者
国土交通省が、重点港湾に本県の大船渡港などを選ぶ方針を固めているという報道がありました。正式発表は明日のようですが、その大船渡が今進めている国際港湾で、貨物量がなかなか伸び悩んでいるのではないかと認識しています。その整備も大切だとは思うのですが、その活用もまた大事ではないかと思います。今後、県として大船渡の港湾活用をどのように振興していくお考えなのか、お尋ねします。

知事
重点港湾の発表は、明日ということしか国からは聞いていないのですが、大船渡港については、地元の経済界のイニシアチブでコンテナに対応したクレーンの整備や、外国貿易コンテナ船の寄港、また、大型客船「飛鳥II」などの寄港もあって、大都市、県庁所在地ではないタイプの地方港湾のある種、国の代表のような形で海フェスタを主催して大きな成功を収めた実績もありますので、そういう地域に根差した地方型の港湾としての発展ということで、今後も順調に進んでいってほしいと思っています。

記者
それに関連して、本県は今、重要港湾を4カ所持っています。県財政も厳しい中、この4正面作戦というのは、なかなか厳しい部分もあるのではないかと思うのですが、特に大船渡を見ても、道路を整備して内陸部ともう少し物流を良くしないとなかなか使ってもらえないとか、いろいろな課題もあると思うのですが、知事として今後の本県の港湾整備の大きなあり方、ビジョンをどのようにお持ちでいらっしゃるのか、お聞かせください。

知事
岩手の4つの重要港湾は、住民の皆さんや地元の経済界と一緒に今まで発展してきた歴史もあり、それぞれ重要だと思っています。今質問にあったように、港湾としての発展を期するには、道路等の陸上側の交通ネットワーク等のインフラ整備も重要であるというのはそのとおりだと思っています。県としても、それぞれの港湾がばらばらではなく、きちんとより広い地域の中で役割を果たしていくことができ、また、このネットワークは広く北東北とか東北とのつながりを持っていくようなものですので、そうした県以上の広域も視野に入れながら整備に力を入れていきたいと思います。

記者
県以上のつながりを持ってということですので、例えば自動車産業とかいろいろあると思うのですが、これはあくまでも4港湾すべてにおいてという考え方を今のところされているのでしょうか。

知事
それぞれが今までいろいろな実績を持っており、また、将来へのビジョンもありますので、しっかり支援していきたいと思っています。

記者
国の地方分権、地域主権改革の一環で地方整備局など国の機関の地方への権限移譲の骨子が先週まとまりましたが、その内容に関して知事のご見解等、県としてどのように活用できるかというところをお伺いします。

知事
どこが出した文書になりますか。知事会は知事会で議論を進めており、政府でもいろいろなところで議論していたと思うのですが。

記者
政府の8府省13機関を対象とした内容のものです。

知事
個々の省庁の方針は、詳細には把握していません。

記者
花巻空港の名古屋便の件ですが、先日、日航が花巻・青森を結ぶ2路線について、愛知県営名古屋空港からの運航ならば黒字化は可能だと説明されたという報道がありました。そのとおりなのだとは思うのですが、あちらの地元の経済界の方々や、中部経済連合会とか中部空港の方々は、一元化ということで県営名古屋空港を使うことには反対されているようであると。青森県と連携しながらになるのかと思うのですが、あちらの地元の経済界の方々に県として何らかの働きかけを今後されるお考えはありますか。

知事
今までもJALや国交省に対して、それから愛知県知事さん、名古屋市長さんにも面会をして岩手の考え方は伝えてきています。それは、基本的にビジネスユースのニーズがかなりあるということ、そして、観光についても平泉世界遺産登録との関係で将来性が高く、JALの足を引っ張るより、むしろ黒字を増やすことに貢献できるだろうということ、そういう中でやはり利用者本位に考えていただいて、一日も早く復活させてほしいということを言っています。
そのような中で名古屋側というか、愛知側というか、どの空港を使うかということについては、JALの経営判断とか、地域のいろいろな事情もあり、岩手としては利用者のニーズに応えてもらえれば良いと思っています。どちらの空港がどうだということについては、地元中心に議論をして、基本は企業の経営判断で決めてもらえば良いと思っていますが、中部国際空港の発展ということは、それはそれで大事なことだと思っています。花巻空港から行って便利であり、さらにそこから国際線にも、東南アジア方面への接続もあり便利だと思っています。ですから、本質的には、国内路線の発展や中部国際空港の発展は、いろいろな政策手段等を用いるほか、地元経済界のいろいろな運動や地域の運動等々でそれぞれ盛り上げていけば良い話で、どちらを採るかという話ではないと思っております。
繰り返すと、基本的には市場経済のルールを元に自由な経済社会をベースとしている日本国としては、やはり利用者本位ということで利用者のニーズということが顧みられないようでは、これはあってはならないことだと思っております。そこをきちんと実現してもらった上で、セントレアの発展、振興については、花巻空港にセントレアのマスコット、なぞの旅人フーを呼んで、セントレアも盛り上げようという運動を花巻でやった実績もありますし、岩手もどんどん協力をしていきたいと思っています。

記者
そうすると、利用者のニーズを最優先で考えて、あちらの地元の方々が、また企業がそれぞれ判断してくれればいいということかとは思うのですが、日航さんの場合は県営名古屋空港に関して採算がとれるという判断ですので、岩手県としてはセントレアも大事なのだとは思いますが、名古屋空港の活用に地元の方々が理解を示していただかないと、なかなか話が進まないのかと。特に、地元の経済界の方々に、また岩手も名古屋系列会社の工場が結構ありますので、もう少し強くアピールしてもいいのかと思うのですが、知事ご自身としては何か経済界の方にもう一押ししてみようという考えはありますか。

知事
中部国際空港の振興についても、岩手としてやれることはやっています。一方、今岩手から各方面に要望しているのは、JALとしては小牧空港の方で採算がとれるし、そちらでやりたいということなので、そうさせてくださいということであり、やはり利用者本位に考えた時に今はそれが第一なのだと思っています。
そして、先ほども言いましたが、セントレアの振興にはいろいろなやり方、手段があるはずで、そこで何万という数に上る利用者が犠牲にされることがあってはならないということは機会あるごとに述べ、主張していきたいと思います。

記者
念押しみたいになってしまうのですが、知事のおっしゃる利用者本位というのは、これは先ほど国際線への接続というお話があったのはセントレアという意味かと思ったのですが、今の話だと小牧ということでしょうか。

知事
それは、いわて花巻空港と名古屋というか、愛知というか、東海地域の利用者ということです。

記者
路線復活につながるのであれば小牧でいいということでしょうか。

知事
そこは、JALがそう主張していますし、そうしたいという意向ですので、それを早く実現してほしいということを岩手から言っています。

記者
知事としては、理想であればセントレアでの路線の復活というのを望んでいらっしゃるのでしょうか。

知事
前のとおりにしてもらえば、いいと思っています。

記者
あとはもう一つ、リージョナルジェット、小型機での復活について、そこに関しては別に構わないという感じですか。

知事
要は何万人もの年間利用者がいらっしゃって、今はその何万人もの方々が不便を感じているわけであり、その人たちの要望に応えるということが最優先だと思っています。

記者
一昨日、岩泉町のJR岩泉線で脱線事故がありました。原因は、今もまだ分かっていませんが、この事故ではけが人も出ました。事故があったということについて、一言お願いします。

知事
被害を受けた、けがをされた皆さんには、お見舞いを申し上げたいと思います。特に、県外から観光や乗車体験でわざわざいらっしゃった方が事故に遭遇ということで、本当にお気の毒だと思いますし、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
そして、かつて岩泉線が経験したことがないような土砂崩れだったということで、やはり最近のいわゆるゲリラ豪雨による大雨被害の一つなのだと思っています。今まで例のないような災害に、県としてもしっかり対応していかなければならないという思いを新たにしたところです。

記者
今、県としてもしっかり対応とおっしゃいましたが、復旧作業はまだですが、知事が今おっしゃった県として具体的に今後こうしていくというお考えはあるのでしょうか。

知事
JR東日本の資産でありますので、何か高度な技術を要する復旧の作業については、いつでも相談に乗り、また必要であればお手伝いしたいと思っています。

記者
今の点で確認なのですが、お手伝いというのは技術面ということを指しているのでしょうか。

知事
今はJR東日本さんの現状調査等が進んでいる状態ですので、今後の復旧のあり方については、まずJR東日本さんに取材していかなければなりませんので、詳しいことについてはいろいろなことが分かってからということだと思います。

記者
それから、あの辺りは車の便があまり良くないと聞いていて、今JR線が不通となり、代行バスが走っているのですが、地元の方と復旧作業を行うJRに対して一言お願いします。

知事
過去に国鉄時代、赤字ローカル線廃止の議論があった時に、バスなどで代替できるところは廃止するというような原則がありました。あそこは並行して走る国道があるのですが、やはり狭隘でバス路線による代替ができないこともあって岩泉線が存続したという経緯があります。そういう意味では、あの鉄道がないと非常に地域の皆さんは不便をしますので、観光資源としての存在でもあるのですが、生活路線でもありますので、そういう地域振興的な観点から県としても地域の皆さんにそこはしっかりと対応していきたいと思っています。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は8月9日(月曜日)の予定です。

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