平成22年8月20日知事会見記録

ID番号 N4986 更新日 平成26年1月16日

印刷

平成22年8月202日 10時29分から11時06分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、副知事選任の同意に係る臨時県議会の招集についてです。
このたび、現在2名の定数に対し、1名の空席となっている副知事を新たに選任することについて、県議会の同意を求めるため、来る9月1日、臨時県議会を招集することを本日決定しました。
選任の候補者については、現在、財務省大臣官房参事官の職にある上野善晴氏、51歳とする考えです。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項に関しまして、各社から質問がありましたら、社名を名乗ってからお願いします。

記者
副知事を1人増員ということですが、このねらいと、来年の4月に知事は改選期迎えますが、なぜこの時期になったのかというのを教えてください。

知事
上村出納長が辞職して、同時に出納長職が廃止され、いわゆる三役が知事と副知事の2人だけになったのですが、やはりトップマネジメントを遂行していくのに3人いないときついなと感じていました。地方自治法が改正され、出納長職がなくなった分、副知事を複数にしていくという制度が全国的に定着してきていますが、そういう意味では上村出納長が辞職して、出納長職が廃止になった時にすぐ副知事を2人にすれば良かったのかもしれないのですが、ただあの時は急な辞職でもあり、その後、岩手・宮城内陸地震や原油高からのリーマン・ショックとか、いろいろとトップマネジメント部分がまさに忙しくなってしまい、なかなか調整できずにいましたが、ようやく今回議会にお諮りできるところまで持って来られたということです。

記者
現職の副知事である宮舘副知事との役割分担がどうなるかということと、それからなぜ中央省庁から招聘されるのかを教えてください。

知事
議会の同意をいただいて、正式に辞令交付してから役割分担も詰めていければと思っていますが、大ざっぱには農林水産業、商工観光、それから県土整備も含めた経済産業関係を新しい副知事に担当してもらい、そのほかは宮舘副知事と思っています。
過去に岩手県で大蔵省から副知事に来てもらっていた時に、企業誘致の大きな案件が進んだりしたことがありました。千田正知事が、岩手の経済発展、地域振興ということに力を入れて行く時に、大蔵省から副知事に来てもらったという過去の歴史もありますが、今回は制度的に財務省あるいは広く国の省庁から副知事をサイクルとして岩手に来てもらうということではなく、今の状況の中で適材適所の候補者として上野善晴氏を関係者の同意も得て来てもらうよう調整ができたということであり、財務省でなければ駄目とか、国の省庁からでなければ駄目という考えではありません。
上野氏は、熊本県の企画担当の部長をやったり、九州の福岡財務支局長をやったりとか、地域経済振興に造詣が深く、実績もあり、地域研究に関する文章を雑誌に載せたりもしており、リーマン・ショック以降の景気回復がなかなか地方で進まず雇用の危機的状況も続いている中で、こうした危機を克服して、中長期的にも足腰の強い経済、社会体制を構築していくには、今可能な中ではベストの人材ではないかと思っています。

記者
知事は、上野さんにこれまでにお会いになったことが、今回の副知事の人選に当たってではなくて、それ以前に面識があったのかということと、あと上野さんに行き着いたその経緯を教えてください。

知事
今回のいろいろな調整の中で初めて知り合った人であり、何か個人的なつながりがあってということではありません。

記者
今回の副知事の候補者選びの中で、民間人という選択肢はあったのでしょうか。それも含めて今回の上野さんになったのでしょうか。そこら辺の経緯を教えてください。

知事
どういう職業の人でなければ駄目とか、幕末の言葉を使えば身分とかでこうでなければ駄目というのは全然なく、まさにI援隊的に何でもありの中からいろいろ調べたり、調整したりして、上野氏に来てもらえることになったということです。

記者
選定作業自体は、何月ぐらいから、何人ぐらいを候補者に立てて、それで今回の上野さんとなったのでしょうか。

知事
その辺は、人事の作業のことでもあり、まずは今回の9月臨時会において、上野氏の同意提案をさせていただくというところで事情を理解いただきたいと思います。

記者
今回、副知事をもう1人増やすということなのですが、これまでの県のスタッフだけでは足りなかった、もう1つ補強しなければならないという思いがあったのかと思うのですが、どういう点で足りない、補強しなければならないと感じていたのでしょうか。

知事
県の経済関係の皆さんに会う機会や、経済団体と知事の正式ないろいろな意見交換の場で、企業立地推進や観光振興といった対外的なトップセールスの面で2人目の副知事を早く任命、選任すべきだということを言われていました。トップセールスをはじめとするトップマネジメント部分について、いろいろな危機的状況に直面し、それを克服しながら、中長期的に足腰の強い岩手の経済、社会をつくっていくという観点から、いわゆる三役と呼んでいたところに3人いないときついなということを常々感じていたところです。

記者
従来の職員だけでは、それは賄い切れないというご判断でしょうか。

知事
トップセールス、トップマネジメントの部分ですので、つかさの職員の活躍プラスアルファの部分が効果を持つというところがどうしてもあるなと考えています。

記者
副知事の任期は4年ということになるのでしょうか。あと、この際確認したいのですが、知事ご自身、来春の知事選に出られるおつもりがあるのかどうかというのをお願いします。

知事
その質問については、ノーコメントということでご理解いただきたいと思います。

記者
副知事の任期についてもですか。

知事
宮舘副知事の前任の竹内副知事も含め、過去の副知事のほとんどの方が、知事の任期をまたぐ形で副知事をされていて、それは普通のことだと理解しています。

幹事社
ほかに質問はありませんか。それでは、質問がないようですので、この件に関しましては一旦置きます。
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があれば、社名を名乗ってからお願いします。

記者
民主党の代表選が9月12日に迫っていますが、民主党県連の小沢代表が立候補をするかもしれぬということが報道されています。小沢県連代表が代表選に出馬することへの期待感と、代表選の争点はどういったものになるのか、どのようにお考えでしょうか。

知事
私は、小沢一郎さんが総理大臣になってほしいという希望を今までも隠さず遠慮なく述べてきたところであり、こういう時期に来て、ますますその思いは強まっているところです。
争点は、選挙に参加する人たち一人ひとりが持っていればよく、ここで岩手からぜひ総理をということも、あっていいのだと思いますし、私は岩手県人だからということだけではなく、政権交代で日本が新しい政治のステージに入って、今まで以上に力強い、諸外国に遅れをとらない、単に新しいだけではなくて、力強く機能する、そういうデモクラシーを日本に実現するための政権交代だと思っています。鳩山内閣にせよ、菅内閣にせよ、そうした形での組閣に失敗したと言っていいと思います。ここで本当に挙党一致、政権交代に期待した国民の思いを全面的に受け止める体制を作って、そしてどんどん形あるものにしていく、一言で言えば実行力と言っていいかもしれません。そういう実行力という点で、小沢一郎総理大臣にやってもらわなければ駄目だなと考えています。

記者
今の件に関連してなのですが、仮に今回の代表選で小沢県連代表が当選しますと、当然総理になると。その場合、旧自民党政権の時に、4年間の間に小泉、安倍、福田、麻生と4人が総理をやりましたが、その間、野党時代の民主党は解散せよと訴えてきたわけです。今回、そうすると1年の間に総理が3人目になってしまう。その場合、衆議院は解散すべきだとお考えでしょうか。

知事
まず、総理大臣がころころ代わってきたということについては、参議院の過半数の支持を得られない総理大臣は、日本では機能しないという一大法則と言っていいと思うのです。それで代々の総理が、民主党プラスが参議院の過半数になったにもかかわらず、そこを敵視して、次々に国会運営に行き詰まってしまったという経緯があり、鳩山内閣も菅内閣も参議院を軽視したが故に行き詰まっているのです。そういう意味できちんと参議院を大事にし、参議院の過半数にきちんと支持されるような体制を作らないと日本の統治機構は機能しないので、そういう体制を小沢一郎さんには作ってほしいと思っています。
そして、民意との関係なのですが、小沢代表時代にほとんど中身を決め、基本方針も決めたマニフェストで戦って、去年政権交代が起きたにもかかわらず、鳩山内閣をつくる時に政策面での小沢外しのようなことが行われ、菅内閣に至っては全面的に小沢外しというような、それこそ民意に反する組閣、政権の体制作りが行われていたわけですので、まさに原点に戻って、去年の8月30日の選挙の際の民意をきちんと政権の形にする作業の中で、小沢一郎総理ということになれば、あえて解散総選挙をすぐに行わなければならないということにはならないのではないかと思います。

記者
先日、日本航空から花巻空港の大阪、札幌線を縮小するという方針が県に伝えられていたという報道がありました。名古屋線の廃止に続いて、相次ぐ縮小ということになるのですが、県として日航さんの方針についてどのように対応するお考えでしょうか。

知事
日航さんの経営立て直しの中で、大型機を多数保有していたものを小型機に切り替えていくことは、経済的な効率性を高めていくという中でのことと理解しています。ただ、飛行機を小さくすれば、1機当たりのお客さんの数は減ってしまうわけで、そういう意味で花巻発着便のキャパシティーが減ってしまうということになります。ビジネスユースとか、単独の利用などについては、ニーズに応えられるのだと思うのですが、大型観光とか、修学旅行といった大人数が一度に移動するというニーズがありますので、これに対応できる形はとってもらうよう要望していかなければならないと思っています。

記者
関連してですが、日本航空さんは、どんどん飛行機を小さくしてコストを下げようとしている。ただ、花巻空港の整備自体は、滑走路を延ばしたり、またエプロンを広くしたりと中型機にも対応できるような整備を今までやってきたかと思います。航空会社の事情と今までの県の整備方針が合わなくなっている面があると思うのですが、その点についてはどうお考えになるか、また、これからどうされようとお考えかお聞かせください。

知事
JALさんの経営の行き詰まりということは、これは異常事態であり、また、20年間、日本経済がゼロ成長ということも、これはあってはならない異常事態なのだと思います。アメリカ、ヨーロッパ並みの経済成長を続けていれば、地方と地方を飛行機で結ぶニーズは、高い水準をキープしていた、あるいは更に増えていたと思います。また、中国では、少し前まで国内旅行は、大体鉄道と相場が決まっていたのですが、中国においても国内線のネットワークがどんどん発達していて、それが延長していく形で日本の地方空港ということで中国の航空ネットワークの中に結びついていくことが、これからのトレンドだと思います。国内的にはそういう異常な厳しい状態にあるのですが、海外に目を向けると、やはり大きいジェット機が離発着できるという形にしておくことは、そういうニーズにきちんと応えていくことになって、地域振興の観点からも役に立っていくと思います。

記者
今もアジア各国などとチャーター便を一生懸命飛ばそうという努力をされているかと思うのですが、ある程度効果は上がっているのですが、ただ、かけたコストに見合う分の効果が上がる見通しがあるのかというと、また厳しいのではないかとも思います。やはり定期便がないと、なかなか議論としては厳しいものになるかと思うのですが、例えばどこかと定期便をという希望も今の段階ではお考えでしょうか。

知事
台湾とのチャーター便は、年に50とか60とか、そういう水準になっていて、これは平均すれば週1便あるようなものであり、かなり定期便的なところまで来ているのだと思います。ただ、季節で集中していますので、定期便にはなっていないのですが、台湾に関しては、定期便を視野に入れたやりとりを台湾のそれぞれ幾つかある航空会社と行っているところですので、アジアとの定期便化は、きちんと今も視野に入っています。

記者
山田町の公共工事に絡む談合事件を受けての所感と、県としての対応についてお知らせください。

知事
これは、あってはならないことですので、それぞれ関係者に猛省を求めたいと思います。また、91社問題との関係で、県の建設業界全体として深く反省をして体制を立て直していくという中で、ある1つの町の中とはいえ、こういうことが行われていたというのは、非常に遺憾なことだと考えています。
県の入札は、今回の山田町の指名競争とは違って一般競争になっており、また予定価格についてはあらかじめ公表するようになっているなど、そもそも不正が起こりにくいような形になっていますが、今回山田で起きた事件について、捜査の進捗状況も見守りながら、どういったところに課題があるのか、県としても気をつけなければならないところはないかということについては、きちんと見ていきたいと思います。

記者
来週25日に秋田県で北海道・北東北知事サミットが開催されます。今回のテーマは、「スポーツ振興による地域の活性化と交流・連携に向けて」ということですが、このサミットへ向けて知事のねらいと、どのようなことを連携していきたいか、お考えがあればお聞かせください。

知事
3県共同開催のインターハイもあり、また4道県がそれぞれ地域におけるスポーツ振興にいろいろと取り組んでいますので、1つは4道県の連携を更に発展させていく契機にしたいということと、もう1つはそれぞれが独自に取り組んでいるようなことについて、お互い改めて紹介し合って、シナジー効果といいますか、お互い参加者になったり、お客さんになったりというような、そういう広い形での連携で、それぞれの独自の取組も発展させ、また4道県一緒にやっていることについても発展させていくという、そこが今度のポイントになると思っています。

記者
具体的に、スポーツのこの分野について連携しようとか、そういうことを今はお考えですか。

知事
今回、岩手競馬について、ファンの皆さんが連携する新しい組織を立ち上げるという動きが出ているのですが、競馬は「スポーツ・オブ・キングス」というように欧米では呼ばれています。今までほかの県に岩手競馬について紹介したりとか、いろいろな支援、協力的なことをお願いしたことはなかったのですが、岩手競馬は競馬組合の名称としては「岩手県競馬組合」ですが、競馬の名前としては「みちのく競馬」、「みちのくレース」であり、福島にあるのはJRAだから、東北唯一の地方競馬ですので、東北全体の財産のように見てもらい、そういう意識を今回少し広められればいいなということを思っています。

記者
岩手県へのIターンとかUターンとかの定住者が、年々増えているようですが、知事は本県が他県から人を受け入れる魅力とか強みというのは、どういった部分だと見ていらっしゃいますか。
あと、移住してきた方々のノウハウとかパワーというものを生かしていく仕組みなどへのお考えというのはありますか。

知事
一言で言うと、「座敷わらし」や「かっぱ」といった、日本で一番いい妖怪が出ると言われ、また出そうな雰囲気が強いというところが魅力なのではないかと思います。いい妖怪が出るというのは、それだけ昔から人と自然が一体となって、人と自然との共生、豊かな自然の中で人と人との共生が、縄文以来、綿々と受け継がれてきたという、そこに人間の本当のあり方として、自然と一体になり、人と人とがきちんとつながって生きていくという、本物の生き方、本物の人生を求める人が岩手に注目し、岩手に来てくれるということになっているのではないかと思います。
そして、岩手は、義経を先頭に立てて、そういうよそから来た人をトップに据えて地域の力を高めようとか、盛岡の伝統的な商家も近江商人の皆さんが中核になっており、そういう県外から来た人に活躍してもらって、県全体を良くしていくということは、岩手の一つの誇るべき伝統でもあると思っています。今の定住者の皆さんとも、私も時々直接会っていろいろ話したりするのですが、普通に稼いでいるだけで地域に対して非常にいい刺激になり、新しい産業とか観光とかの芽となっていますので、そこをどんどん生かしていくような工夫を県としてもしっかり取り組んでいきたいと思います。

記者
先ほどの民主党の代表選のことなのですが、小沢首相がかなり現実味を帯びてきたのかなという思いもしているのですが、もしなった場合、支持率の問題もありますし、検察審査会の問題もありますので、かなり政権運営は厳しいと思うのですが、そういう政権運営について、どのようなものが必要で、どうなるのかというお考えでしょうか。

知事
去年の政権交代を実現した衆院選での民意の負託をきちんと実現していくようなことを次々に行っていけば、そんなに困ることはなく、むしろ、そういうことをうまくやれないでいた今までがまずかったし、それ故に困っているということだと思います。
それから、検察との関係については、基本的に県議会でも答弁の中で話したのですが、冷戦時代の古い思考、右と左の対立という図式の中で物事をとらえ、自由主義でいく以上、左的なものは良くない、弱者保護とか何か社会的な政策、セーフティーネットの充実とかは良くない、市場原理でどんどん自由にやれば良いというような風潮がまかり通り、元社会党の人たちと組んでセーフティーネットを充実させようという小沢一郎さんは社会主義者で悪ではないかとか、また中国にすり寄ってアメリカとの関係を悪化させて日本を滅ぼしてしまうのではないかといった、極端で間違った考えが日本の中に広がり、そういう空気の中で検察でも突出する動きがあったということだと思うのです。そういう空気で世の中が動いていき、官憲が突出して政治を動かしていくみたいになるということは、お盆にテレビで戦争関係のドキュメンタリーやドラマを見ていても思ったのですが、非常に良くないことで、小沢首相が実現するかという状況下で、やはり日本はそういうものから決別して、きちんと理屈、筋道立てて、もし水谷建設から不正なお金をもらっているとか、きちんとその証拠があり、そうであるならばそのとおりにしていけば良いのであって、ただそういう疑いで元秘書の国会議員を逮捕すれば白状するだろうとか、元秘書だった国会議員の女性秘書に証拠品を返すから来てくれと言って騙して、取り調べで子育て中の子どもがどうなってしまうかわからないみたいな、戦前、戦中に行っていたようなことは止めて、司法は司法で、また検察当局は検察当局でやるべきことをきちんと行えば良いのだと思います。それぞれが空気でふらふら動くのではなくて、あるいは空気の中で理も非もなく突出するのではなくて、あくまで国民本位に筋道をきちんと立てて行動していくような日本にしていくことができれば、決して悪いようにはならないし、日本が直面しているいろいろな課題はどんどん解決していくのだと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は8月30日(月曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。