平成22年8月30日知事会見記録

ID番号 N4984 更新日 平成26年1月16日

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平成22年8月30日 10時30分から11時17分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は、知事からの発表はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
それでは、幹事社から県政記者クラブを代表して質問します。
「北海道・北東北知事サミット」につきまして、先週の25日、今年で14回目となる「北海道・北東北知事サミット」が秋田県において開催されました。改めて今回のサミットの成果と今後の展望について知事の考えをお聞かせください。

知事
今回のサミットでは、「スポーツ振興による地域の活性化と交流・連携の拡充に向けて」をテーマに活発な意見交換が行われました。そして、「北海道・北東北『北のスポーツ王国』行動宣言」について合意がなされ、またそのほかにも地域医療の確保であるとか、交通ネットワークであるとか、共通課題について決議事項を取りまとめることができました。
知事同士が率直な意見交換を行うことができ、4道県の連携が更に深まったと感じています。特に、冬季国体について、開催できる自治体の負担が大きくなってきて、そのあり方について、連携して検討していくことなどの具体的な合意を得られたことが良かったと思います。それから、岩手県から地方競馬、馬産地活性化について協力を呼びかけたところ、前向きな力強い意見が他の道県からも出て良かったと思います。

幹事社
この質問に関連して、各社から質問があればお願いします。

記者
「北海道・北東北知事サミット」ですが、今回で14回目を迎えて、毎回テーマを絞ってやっているわけですが、これからのあり方として、一つのテーマもある程度成果を上げて、合意事項もあってできたのではないかという部分がありながら、できていない部分もあるのでしょうけれども、こういう形がいいのか、もしくはまた違った形が良いのではないかとも思うのですが、その辺はどのようにお考えですか。

知事
国家間でやっているサミットプロセスと同じで、実際、直接4道県知事が会って会議を持つサミットというのは、年に1回行われていますが、その準備の段階でそれぞれの行政当局がいろいろな広範なテーマについて密接な協議を進め、人事交流などとも相まって、非常に層の厚い、かつ、その時々の4道県が直面している重要課題について、的確に対応できる仕組みになってきていると思います。もちろん、いろいろ改善とか発展の余地があれば、工夫していかなければならないと思っていますが、基本的に良い形ができていると思っています。

記者
そうすると、今後も今までのような形で、テーマを決めてやっていく形で問題ないのではないかというお考えでしょうか。

知事
そうですね。医療とか交通ネットワークとかは、昔からの懸案でもあり、そしてまた、その都度新たな課題についても丁寧に対応しており、それらを更に時間をかけて議論というよりは、新しい切り口を開いていくような発展、可能性を広げるアプローチが近年とられているのですが、良い方向性だと思っています。

幹事社
ほかに各社さんから質問があればお願いします。
ないようであれば、ほかのテーマで各社から質問があればお願いします。

記者
先日、県議会会派の民主党とゆうあいクラブさんが合流することになりました。知事就任以来、初めて民主党系の会派が、単独で過半数を占めることとなったということです。今後の県政運営への影響は、どのようにお考えでしょうか。

知事
県執行部全体としてですが、特定の与党、野党が議会会派にあるとは考えていません。すべての会派、また会派に属さない議員の皆さん、それぞれが県民を代表していますので、条例、予算の提案はきちんと説明し、理解を求め、皆さんに賛成していただけるように努めていくということで行っていますので、そうした観点からは今までどおりのアプローチをそれぞれの会派にしていくということに尽きるのですが、一方、県議会の過半数を超える会派の誕生ということは、非常に大きいことだと思います。その会派には、大きな責任があると思いますが、今までこの日本全体の激動の政治の時代においても、地方自治の発展、新しいデモクラシーの発展のために尽力してこられ、さまざまな成果も上げてきた皆さんで新しく過半数の会派という形になっていますので、私としては心配していません。むしろ岩手県議会の更なる発展のために、しっかりした県議会におけるリーダーシップを発揮して、より良い岩手県議会にしていただけるのではないかと期待をしています。

記者
リーダーシップを発揮されてほしいというのは、そのとおりだと思いますが、今まで過半数いなかった時は、医療の問題で再議を迫られたなど厳しい議会運営を迫られた時もあったと思います。基本的に同じ民主党という枠内で、知事を支持してくれる方が過半数になったということは、知事としてはやはり心強いのではないかと思うのですが、率直な心境としてはいかがでしょうか。

知事
会派の議員の皆さんは、それぞれ達増県政を基本的に支持はするが、議会の議論は是々非々であって、内容によっては批判をしたり、独自の意見を言っていくということで行っていらっしゃると思うので、そういう意味では今までと本質的に変わることなく、丁寧にきちんとすべての会派に、そして会派に属さない議員さんにも対応していくということに変わりはありません。

記者
その会派に属さない方なのですが、議会内外に与党というか、知事を支持する人が多数を占めたということで、完全に数に頼った政治をされてしまっては困ると思っている方も多いと思います。県議会内には多様な意見があるわけで、多数を握ったということで、今まで以上に他会派の人たちに対する姿勢も大事になると思うのですが、その辺はどのように臨まれようということでしょうか。

知事
繰り返しになりますが、岩手県の執行部としては、どの会派が与党、どの会派が野党ということはなく、すべての会派と、また会派に属さない人にもきちんといろいろな提案や説明をした上で理解をいただいて、賛成していただけるように努めていくということに変わりはありません。

記者
今の話とも少し関連すると思うのですが、他県のことで恐縮ですが、名古屋市の河村たかし市長が議会の解散請求の先頭に立って今活動しています。それから、有名な阿久根市長が副市長人事の専決処分などをした結果、この間の臨時の市議会で承認されなかったということがありました。そのような地方自治の現象について、議会でも今まで話されたと思うのですが、二元代表制と民意の観点から、両市の状況について、知事はどのような見解をお持ちかお聞かせください。

知事
阿久根市のケースは、あれはやはりまずいと思っていますし、かなり法律の趣旨に反する運用が市長さん側からなされているのだと思いますし、法律に違反すらしているのではないかという指摘もあり、良くないことが進んでいるのではないかと見ています。
名古屋市の場合は、細かい事情については知らないので、制度の趣旨に沿った形になっているのか、制度の趣旨に反しているのか、明確にこうだと分からないところもあるのですが、いずれ民意を大事にしていかなければならないというのはそのとおりだと思います。民意を明らかにして、きちんと民意に合わせた執行部や議会の体制をつくっていくような努力であるのであれば良いのだと思いますが、逆に殊更に民意を引き裂いていくような、阿久根市の場合はそうなってしまっているので、そういうのは良くないと思います。

記者
名古屋市は、市長の進めようとしている政策に対して、議会の多数が反対という中で、ある意味市長与党をつくろうとしているというようなところも手段としては見受けられるのですが、先ほどの質問とも絡むかもしれないのですが、そういう議会の構成のあり方に行政の長というか、選挙民に選ばれた人なのですが、そういうところに介入していくというのをどのようにお考えでしょうか。

知事
もう少し踏み込んで答えますと、河村市長の改革の方向性には多くの市民の皆さんが賛成して、河村市長が圧倒的勝利をしたのだと思います。議会もそれを真っ向から否定するのではなく、議会で議員さんたちがそれぞれ民意を吸収しているところ、市長さんと100%一致しない部分について、やはり議論を通じてすり合わせて、それで良い形で議会の決議に基づいて執行部が事務を執行していけるようにできれば良いのだと思っています。市長さんが、議会の解散を求めるリコール運動をしていくというのは、イレギュラーで異常なことであり、異常なことはやらずに済むならやらない方が良いと思います。ただそれをやらなくて済むようになるには、議会側の歩み寄りも必要だと思いますので、市民の民意を最大限生かすような形で市長さんと議会が協力、連携、対立点を否定はしないのですが、最後は一つに決めなければならないので、議論の段階では分かれていて違いがあって良いのですが、最後は一つに決めるということが議会にとっても執行部にとっても任務ですので、民意を最大限生かす形に、一緒に一つに決めるように頑張ってほしいと思います。

記者
高齢者の所在不明問題が全国で拡大しています。100歳以上の超高齢者で、戸籍上生存していることになっていて住民基本台帳に載っていない人たちが、すごい数で見つかっています。県内の全市町村では、まだ出そろっていないと思いますが、何百人という数字が報告されています。死亡後、年金が支給されているような事例もほかの都道府県では見つかっていて、当初それほど大きな問題ではないように見受けられましたが、結構ここに来て大きな問題かと思います。国の対策もあまり良く見えていませんが、知事がこの問題に対して、県内の市町村でも見つかっているということで、どのようにお考えなのかお聞かせください。

知事
戦後の混乱の中で事務が滞ったというようなやむを得ない事情もあるみたいですけれども、そうではないケースもあり、また亡くなっているのに年金を遺族が受け取り続けている、法律に違反すると訴えられるようなことも起きていると聞いています。要はお年寄りを大切にし、家庭内はもちろん、地域の中でもお年寄りを大切にし、一緒に暮らしていく、仕事をできる人には活躍してもらうというようなことが地域の中できちんと行われていればいいのだと思います。その点、岩手県は、市町村で確認し、振興局で手渡し丁寧な対応をして、市町村でもそれぞれいろいろな敬老の行事でかなり努力していると思うし、また町内会、自治会等のコミュニティー、老人クラブの活動でも、敬老の日の行事だけではなく、1年を通じてお年寄りに地域の中で名誉ある地位を占めてもらえるような努力が非常に強く、全県的になされていると思います。その点は、非常に岩手の中はいいなと私は思っており、いろいろと他道府県の事例が報道されていますが、他山の石として、そうならないように引き続き頑張ってもらえればいいなと思います。

記者
この問題の国の対応について、注文とか、こうしてほしいというようなお考えありますでしょうか。

知事
岩手の例を見ていますと、地域の自助努力で悪くならないようにきちんとやっていますので、本来地域の自助努力で、生きているのか、亡くなっているのか分からないようなお年寄りの存在が起きないようにするのは、家庭、地域の務めなのではないかと思っています。日本全体でそういう異常な事態が発生しているところに国として問題意識を持ってもらうのは大変良いことだと思っているのですが、ただ何か予算を使って事業をするのは、もう少し地域で悩んだり、努力したりするのを待ってからでも良いのではないかと感じはしています。

記者
今の問題に関連にします。もう少しポイント絞りますと、全国だけでなく岩手でも、要は死亡しているのに戸籍が残っているお年寄り、例えば一関でも147歳になる人が残っているということがありました。年金受給とかそういう面では問題はないみたいなのですが、そもそも岩手でも同じようなこうした事例が起きているということについては、知事はどう考えていらっしゃいますか。

知事
一連の問題の本質は、お年寄りは尊重されなければならないのに、生きているのか、死んでいるのか分からないお年寄りが存在していることが問題の核心部分であり、亡くなっているとはっきり分かっている人について、そうではないような行政文書が残っているというのは、気が付いた時点で直せばいい話で、それほど深刻なことではないと思っています。

記者
併せて確認しますが、今、県内の市町村でもそのような戸籍が残っていることについて、どうするかを法務局とやりとりしているようですが、県として例えばアシストといいますか、どうするというお考えはあるのでしょうか。

知事
かなりお年寄りを尊重するということについては、それぞれの市町村で良くやられていると思います。ただ、事務手続とかで国との関係で良く分からないこととか、そういう相談はどんどん県にしていただければと思います。

記者
27日に宮崎県が口蹄疫の終息宣言を出しました。今後、宮崎県は畜産再建という課題に向かうわけですが、岩手県などで協力体制の話は、何かその後進んでいますか。

知事
それぞれ担当レベルで、いろいろやりとりをしているところだと思います。具体的な協力要請があれば、どんどん前向きに対応していきたいと思います。

記者
今回の口蹄疫の問題の中で、ずっと宮崎県と国が対立を続けてしまったように見えたのですが、農林水産業の災害や問題に関して、地方と国の連携のあり方というか、そういうものについてどのようにお考えになりますか。

知事
危機管理で、現場で対立が生じたりするのは、良くないことなのですが、火事の現場でも本気で事態を解決しよう、助けようとする時に、「どけ、おれがやる」とか、「何、もうあっちの方がそこに飛び込んでいたのか、聞いていないぞ」とかということは、危機管理の現場では、それぞれが善意で動く中で起こることはあるのかと思っています。ただ、現場での対立というのは、往々にして混乱とか解決の遅れに結び付いたりもしますので、やはり事前にマニュアルをきちんと整備しておくとか、訓練を実施しておくとか、国と地方とでやはり今まで以上に強化していかなければならないと思います。

記者
民主党代表選に絡む動きですが、ここ数日の間で、主に首相サイドからのアプローチだと思うのですが、対立回避に向けた、融和に向けた動きというのが鳩山さんを仲介人としてなされています。具体的に言ってしまえば、多分小沢さんの出馬を翻意してもらおうという動きともとれるのですが、こうした今現在の状況についてどうお考えでしょうか。

知事
今まで民主党で代表選挙を行う時に、小沢一郎さんが無競争で代表にという流れになりそうな時には、「みんなで選挙をしなければ駄目だ。対立候補を立てなければ駄目だ。菅君、立ちなさい。」というのは、渡部恒三さんが、かつて前原代表が辞めた直後の状況の中で言ったせりふです。2年に1度行うと決まっている代表選挙ですから、民主党のガバナンスの問題として2年に1度、その時その時で誰が一番代表にふさわしいかということを決め直していきましょうと党則で決めて、全国の党員サポーターも巻き込んで行う話ですから、それを何か調整して実施しないことにするというのは妙な話だと思います。代表が辞めて、急遽次の代表を選ばなければならないという時に、幹事長が中心になって選挙をしないで次の代表を決めるというのは、菅直人さんがかつて代表を辞めた後、岡田さんが代表に選ばれるプロセスで、岡田幹事長が周旋して自らが代表になるというパターンであったことなのですが、2年に1度の代表選挙はきちんと行うのが原則だと思いますし、まして今現職で代表をしている側が、ほかの人が立候補するのをつぶしにかかるというのは、これは権力の濫用以外の何物でもない、めちゃくちゃな話ですので、そうなることは望ましくないと思います。

記者
今回の民主党代表選が、小沢さんと菅さんの対決になるとされる根本は、そもそもは菅さんの小沢外しというのが1つあったと思うのですが、逆に小沢さんが総理になられた場合、人事の処遇で、菅さん又は菅グループ等について、どのように扱えばいいと思いますか。

知事
全然心配していないのですが、まさに小沢、菅で代表選挙を争った、前原代表が辞めた直後の局面で、小沢代表になって、菅さんが代表代行になり、鳩山さんが幹事長になり、トロイカ体制で、それで参院選にも勝利して、政権交代への流れをつくっていったという例がありますので、小沢一郎代表であればきちんと適材適所、人を生かしながら党勢の拡大、そしてそれがひいては日本全体を良くしていくということを力強く進めることができると思います。過去にそういう実績があるわけで、全然心配していません。

記者
つまり菅さんをきちんと処遇してあげることができるということでしょうか。

知事
ただ、去年のマニフェストを1年もたたないうちにやめてしまおうとか、党内の合意もないのに消費税アップを決めて打ち出して選挙で大敗するとか、そういう人を、そういうことにかかわるところで遇するのは常識から考えると難しいのだと思います。まさに適材適所、その人に合ったところで、中長期的に税のあり方を考えるところのトップとかは良いのかもしれません。そのように適材適所で行えば良く、今まで偉かった人をこれからも偉いままにすればいいというものではないのだと思います。

記者
今、世論調査等がいろいろなところで行われていますが、大方の予想どおり小沢さんよりは比較的菅さんにシンパシーのある結果が出ていると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

知事
インターネット上の世論調査では、読売オンラインが小沢さんの出馬を支持するかで、支持するという人が圧倒的、スポーツニッポンの菅、小沢のどちらが良いという調査で小沢さんが圧勝と、ネット世論調査では小沢さんの圧勝というのが出ていると聞いており、そうするといろいろと知っている人は小沢さんを支持しているということなのだと思います。逆に言うと、大手新聞社や通信社等が行っている世論調査では、その対象となっている国民がいろいろなことを知らされないまま答えてしまっているのかと思います。政治と金の問題とか言いますが、いろいろと有名なネット論客の人たちの発言、それがツイッターで普通の人とかともやりとりされている中では、もう政治と金の問題というのは検察がつくった虚構であると。そもそも西松事件も村木厚生労働局長の事件と同じように、検察側が呼んだ証人が検察に反する証言をしていて、無罪になる可能性が高く、陸山会問題も逮捕や起訴に相当するような訴因ではないと。更に言うと、検察審査会の今やっている審査を申し立てた人というのが、外国人の権利に強く反対するという外国人排除的な政治運動を行っている人が申し立てたのであって、かなり小沢一郎は左翼で駄目だ、中国に甘いから駄目だみたいな中で、検察が暴走してこういうことになっていることが、インターネットの中では広く知られるところとなってきているのだと思います。国民全体に知らせるのは、マスコミが報道ぶりを転換すればすぐできるかもしれないのですが、今までのようなマスコミの報道ぶりですと、そういうネット上では共有されている大事な知識、情報を国民にきちんと伝えていくには、2,3年かけて志ある人たちが国民一人ひとりに直接伝えていくということをやらなければならないのだとは思うのですが、今回は民主党の国会議員さんと地方議員さんと党員サポーターですから、2週間あればかなり真実は浸透するのではないかと思っています。

記者
本県では、県連の幹部を中心に、有志の形で小沢さんを総理にするための組織というか、運動を展開しようという動きがあります。知事は、そうした動きと、またはそうした動きに並行して、どういった形で協力されるでしょうか。

知事
岩手県は、いち早く大事な情報を知った人、そして志を持つ人が多いところで、岩手から、ふるさとから総理をという気持ちの問題と合わせて、やはり使命感で、ここで日本をまともにしていかなければならないということを岩手から起こしていこうということが相談されているのだと思います。私も知事という行政の長としての立場とか、あるいは党の党員、一兵卒みたいな立場とはまた違う政治家個人としての立場で、そういう志を同じくする人たちと何か一緒にできる、行った方が良いというのであれば、行っていきたいと思っています。

記者
今の答えに関してですが、今のマスコミの報道では、なかなか一般の国民は小沢さんの本来の姿が分からないのではないかというお話だったのですが、知事から見て今のマスコミの小沢報道というのは偏向しているとお考えでしょうか。

知事
まず、報道の自由というのがあって、取材の自由とか、編集の自由とかもありますから、それぞれ書きたいことを自由に書き、出版すれば良いのだとは思っているのですが、ただそもそも今小沢一郎さんが日本の総理大臣ではないということはとても異常なことだと私は思っています。というのは、西松事件で元秘書が逮捕されて、そのことで代表を辞して、それで代表として去年の総選挙に突入することができないで総理大臣になれなかったわけですが、今やその西松事件というのはきちんと裁判していれば元秘書は無罪になるであろうということが見えてきています。その裁判を止めてしまうために、陸山会事件という別の事件でまた逮捕して、西松事件のその決着が出ないようにもなってしまっている。ということで、小沢一郎さんが本当は総理になっていてしかるべきなのに、なっていないという異常事態を引き起こす中で、マスコミはそれを防ぐ役割は果たせなかったということだと思うし、そして今現在もその異常さを是正する役割は果たしていないと思います。

記者
先般報道になった知事の公用車についてです。一部報道で、新しい知事の公用車がハイブリッド車で1,400万円だというお話がありました。率直に一有権者として高いのではないかと思うのですが、この車を購入されたことについて知事としてどうお考えでしょうか。

知事
最初に相談受けた時に、私はプリウスが良いのではないかとか言っていたのですが、ただ高速道路を移動することが多く、安全性ということを特に重視し、またエコカーへの買い替え運動を県も大いに進めて、県民的に盛り上げていこうという中で、事務方としてあれを買いたいという判断でしたので、それを尊重しました。

記者
ちなみに、1,400万円という金額についてはどう思っていらっしゃいますか。

知事
今紹介したような目的を達成していくためには、妥当な額だと思います。

記者
最後に、意思決定の過程ですとか、あと予算審議、議会に通す時は金額等が示されていなかったという話もあるのですが、意思決定や予算審議の過程に問題はなかったとお考えでしょうか。

知事
特に問題があったとは考えていません。

記者
それはなぜですか。

知事
行政目的にかなうように行政の判断で執行された予算であり、それは議会の議決に趣旨もかなっていると考えます。

記者
憲法75条と検察審査会の話なのですが、小沢首相が誕生した場合に、検察審査会で強制起訴という議決がなされたら、小沢さんはどういう対応をすべきだと知事としては考えていらっしゃいますか。

知事
そもそも検察審査会に申し立てをした人とその目的との関係で、それを受理して審査会を始めたことが本当に妥当だったのかという問題もあると思うのですよね。外国人参政権の問題とか、在日外国人の権利のことで争いたいというのであれば、それは別途国会の中の立法政策論の議論の中で争えば良いのであって、だからそもそも何のためにそういう申し立てがなされたのかということも含めて大局的に判断して、またそこで問題になっていることも土地だか建物だかの実際の取得の日と届け出の日にずれがあって、年度をまたいでいるということと、あとは銀行からの資金調達が間に合わなかったところをポケットマネーで払ったと書いていなかったと。本当にそこが問題なのであれば、それぞれ今までは自治省、総務省から直すべきなら直すべきという指摘があって、それに従って直せば済んでいた話で、そもそもそういう司法の場で争うことにはなじまないということだと思います。だから、形式で考えるのではなく、中身で国民が納得できるような形で対応がなされれば良いのだと思います。

記者
小沢首相がもし誕生したら、鳩山さん、菅さん、小沢さんと、ころころ替わってしまうことになるわけですが、知事としては解散総選挙で国民に信を問う必要はあるとお考えですか。

知事
まず、去年の衆院選の原点に立ち返って、あの民意に沿った体制にしていくという趣旨からすれば、あえて民意を問う必要はないのだと思います。それからもう一つ、去年、西松事件で小沢さんが代表を辞めたのは、あの時話していましたが、一切やましいところはないと、ただ党内ががたがたしているので、選挙に向かって党が一枚岩になるように辞めたということです。先ほど言ったように、あのようなマスコミ報道の中で国民に真実を伝えるには、やはり2,3年かかる局面だったから、つまり国民が間違った情報を基に選挙に臨まなければならないというのは、民意をゆがめる危険性があり、だから小沢一郎さんはそんな民意がおかしくなる、ゆがむと分かっているような選挙を行ってしまうのは、政治家、トップリーダーとして責任あることではないということで身を引いたわけです。だから、やはりそういう民意がねじ曲げられるような選挙結果になりそうな解散総選挙はしないという判断をするのではないかと思うし、それは正解だと思います。

記者
政治と金なのですが、蓮舫さんなんかは、国会で説明すれば良いのではないか、小沢先生本人もテレビ番組で話すみたいなこともおっしゃっていますが、知事としてはどういう場で、どういった説明をするのが望ましいと考えていらっしゃいますか。

知事
私は、いろいろと自分で調べて大体分かっていますから、もう説明はしてもらわなくても結構なのですが、いろいろな人がいろいろな意見を言うのは、それは人の自由だと思うのですが、内閣の一員は内閣を構成している法務省の検察当局が起訴しないと言っていることについて、起訴の可能性があるとか言ってはいけないと思います。内閣として一体となって白ということにしているのだから、そこで黒ではないかみたいなことを言い出すのは、内閣をぐじゃぐじゃにすることになると思います。内閣というのは、最強の権力機関なわけですから、その一員としてやはり言動には気を付けてもらわないと困ると思います。

記者
知事としては、今回の代表選が無投票になる可能性はあると思いますか、それともほとんどないと思いますか。

知事
菅さんが出馬しなければ、無投票で小沢一郎さんになるので、それはそれで良いのではないでしょうか。

記者
今の質問に関連してですが、民意がねじ曲がるというような、世論調査の結果ですと小沢さんに厳しいようなデータが出ているわけですが、その結果がそのまま選挙の結果に反映されるとやはり、ざっくりと言って衆院選で負けるとなると、それは民意がねじ曲げられることになると、そういうような趣旨の話でよろしいのでしょうか。

知事
ええ。しかも、ネット調査の結果というデータがあるわけです。それとネットの外でやっている世論調査での180度違う結果が出ている原因、理由を考えていった時に、それはそこに参加している人たちの性格の違いとか、何かそういう違いとかというよりは、ネットで得られる情報を踏まえて判断しているのか、そうでないのかというところがやはり最大の違いであり、今民意を形成するのに必要な情報がネットでしか得られないみたいなことになっています。そういう中で、やはり国民全体の民意を問うとかすると、民意はゆがめられてしまうと思います。そういうことは、去年の春ごろから起きているのですが、その中で小沢一郎さんは党代表を辞めるとか、今年党幹事長を辞めるとかということは、やはり選挙直前にそういう民意が大きくゆがめられる危険性がある形で選挙に突入してしまうのは、国のかじ取りをしている政治家たちとしては避けなければ駄目なのであって、自分が身を引くことで民意がゆがめられない形で国政選挙が行われるというために身を引いたということなのだと思っています。だから、そのようにして政治家の犠牲において民意がねじ曲がらないような工夫ができるのですが、ただ今回は党の中の選挙であり、さすがに議員とか党員サポーターは自ら意欲を持って政治に参加している人たちで、自分の主体的判断に必要な情報は自分の責任できちんと収集して判断をするということだから、正々堂々立候補しているということだと思います。

記者
本県ゆかりの作家の三浦哲郎さんが、25日お亡くなりになりました。作品でも二戸、金田一温泉がモチーフになるなどのそういう関連のある方ですが、亡くなったことに関する所感と作品の感想などありましたらお聞かせ願えますか。

知事
「ユタとふしぎな仲間たち」、劇団四季で少し前にも上演されたり、またその関係で三浦さんと金田一温泉の関係を扱うシンポジウムが盛岡市内で開かれたりとか、三浦さんの岩手とのつながりや業績が、県民にどんどん広がっていっているその矢先、途中でしたので、特に残念で、もっと存命して、もっと長生きしてくださればと思いました。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は9月6日(月曜日)の予定です。

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