平成22年9月13日知事会見記録

ID番号 N4980 更新日 平成26年1月16日

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平成22年9月13日 10時30分から11時04分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表はございませんので、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
本日の幹事社質問は1件です。
平泉の文化遺産についてですが、イコモスによる現地調査が先週の8日、9日に実施されました。知事は、調査に当たったワン・リジュン委員とお話しされたとのことですが、今回の調査の成果と、平泉の「真実性」を伝える今回のねらいが実現できたのか、お聞かせください。

知事
ワン・リジュン先生は、率直かつ誠実な方で、大変良い人に現地調査に来ていただいたなと思いました。
イコモスの指針として、調査員は資産の評価については言わないことになっていますので、ワン・リジュン先生からの評価のコメントというのはないのですが、今回の調査に当たって県としては、文化庁、平泉町と関係市町、地元の関係者の皆さんと十分に連携しながら準備を重ねて、可能な限り丁寧な説明を行い、担当からの報告によるとワン・リジュン先生は推薦書の中身を十分読み込まれて、非常に丁寧で詳細な調査や質疑がなされたと聞いています。
今回の現地調査に当たってご協力をいただいた地元の皆様、関係機関の皆様に厚く御礼を申し上げますし、大変良い現地調査ができたのではないかと思います。

幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いします。

記者
まだ今の段階では難しいかもしれませんが、2回目の挑戦に向けた手ごたえ、見通しなどがあれば一言お願いします。

知事
まず、着実に前進しているなというように思っています。

記者
このたび報告書を説明されたと思うのですが、今の段階で追加の説明とか、そういうものが必要だと感じられた部分はございますか。

知事
技術的、事務的に何かやりとりはあるかもしれません。ただ、推薦書については、しっかり読み込んでいただいていて、今の段階で何か推薦書を補足するというような形での追加説明は要らないのではないかと思っています。いろいろな技術的、事務的な質問があり、それに答えなければならないということは一般論としてあるようですので、そういうことは起きるかもしれません。

記者
ワン・リジュン委員の印象の中で、推薦書を読み込んでいらっしゃるようだというところは、どのようなところからお受けになったのでしょうか。

知事
担当からの報告で、そういうことでした。

記者
具体的なお話は特にありませんでしたか。

知事
全体として、そのような印象が持てるようなやりとりがあったということだと思います。

幹事社
この質問に関してほかにないようであれば、このほかに各社から質問があればお願いします。

記者
岩手競馬についてお伺いします。2期目を終えて、売上げ、販売額が1億円弱計画値から下回っており、2期終了後もコスト調整が必要な状況だと思います。まず、今期のこのような売上げの減少状況について、どのように知事は受け止めていらっしゃるのかお願いします。

知事
前年度に比べての売上げの落ち込みは歯止めがかかっているというか、底を打ちつつあるような状況であり、また週によっては計画の100%を超える成績も収められているが、全体として100%に達しなかったということだと思います。こういうことを3年間続けてきているわけですが、コスト調整という形で売上げに応じた財務構造にして赤字を出さないようにするということだと思います。

記者
コスト調整を収支均衡というものを決めてからずっと続けてきているわけですが、今後このように売上げがなかなか伸び悩む中で、ずっとこういう形を続けていけるのかどうかについて、また違う方法が必要なのか、見通しとしてはどのようにお考えでしょうか。

知事
日本の長期不況やリーマンショックもあった中で、民間経済のあらゆる分野で コスト調整的なことが行われ、いろいろな商品とか、食べ物のメニューを安くしていくようなことは広く行われていますので、特別異常なことをしているという感じはありません。ファンの期待に応えながら、同時に県民の信頼に応えていくというやり方はきちんととっていきたいと思います。

記者
コスト調整の幅が、なかなかもうないのではないかと、基金なども取り崩して、もう限界なのではないかというお話もあるようですが、今後、売上げが下がるようであれば、やはりそういったコスト調整を続けていくしかないという状況ということでよろしいでしょうか。

知事
もうこれ以上できないとは思っていませんし、赤字を出さない形で続けていきたいというのは、これは競馬関係者共通の思いだと思っています。

記者
抗生物質がほとんど効かない多剤耐性アシネトバクターについてお伺いします。
まず、岩手医大附属病院でも検出されたということが、テレビ等で報道されています。このことについて、まず知事として、どうお感じになっていらっしゃいますか。

知事
この多剤耐性アシネトバクター・バウマニというのは、患者の体から検出されることが時々起きることだと聞いています。問題は、それが院内感染にならないようにすることで、岩手県の場合は今回のことも含めて、きちんと院内感染状態にならないように封じ込めに成功しており、その患者さんの治療できちんと対応されていると思っています。

記者
今の質問に関連ですが、県内には県立病院がたくさんありますが、これまで県としてはどう対応されてきたのか。それから、今回のことを受けて、先日通知も出されたようなのですが、これからどう対応していくかというところをお願いします。

知事
(多剤耐性アシネトバクター・バウマニは、)体の中に入ってしまうと薬が効かなくて大変というものなのですが、外に出ている分については普通の消毒薬で消毒できるとされています。ですから、新型インフルエンザ対応で、手洗いの励行に始まり機器の消毒とか、そういうのをかなりしっかり行う体制になっていると思います。あとは、特に何か湿った場所を好むとか、アシネトバクターなりの特性もありますので、そのようなことを今改めて関係機関に徹底して、院内感染を防ぐようにきちんと体制ができているところだと思っています。

記者
最後に確認ですが、現時点で県内では院内感染、それからほかの病院から菌が検出されたという話はございませんでしょうか。

知事
今回の患者さんは、その方お一人であり、院内感染は発生してないと聞いています。

記者
県立病院で同様の事例はございませんか。

知事
今現在、その患者さんは岩手医大にしかいないと聞いています。

記者
今、知事は、院内感染防止対策について主に話されましたが、そもそも多剤耐性菌がなぜ発生するかというと、抗生物質の安易な使用、また症状が治まったと思って途中で止めてしまったりすると耐性菌が残ってしまったりするということなのですが、県立病院等で多剤耐性菌をそもそも生み出さないようにする対策について、今後何か講じるお考え等はございますか。

知事
そこはやはりお医者さんを中心として、医療専門家の皆さんが今でも、そして今までも真剣に考え、検討しながら行っていらっしゃるのではないかと思います。なるべく薬は使わない方が良いというような一般論はあり、他方、最近薬を使わなければならないのに薬を使わずに治すみたいなことで、うまくいかないことが起きているということも広く報道されており、そういう中で個々の患者さんにどう対応していくかというのは、それぞれ現場で悩み、工夫しながら真剣に対応されていると思うので、行政として何かああせよ、こうせよということは今のところ考えていません。

記者
明日、民主党代表選挙の国会議員による投票、開票が行われます。メディアでは、菅首相有利という報道もなされていますが、知事はどのように見てらっしゃいますか。

知事
まず、党のルールで選挙権を有する人たちが参加する等の代表選挙ということで、私は生情報にほとんど接していませんので、票読み的なところについては分からないというところが実態です。マスコミでは、菅総理優勢とか拮抗とかという報道がありますが、インターネット調査などによっては小沢氏圧勝とか、そういう情報もあるところです。
そういう中で、私が関心を持っているのは、私が「オザワ現象」と呼んでいる民主党代表選挙の合同記者会見とか、立会演説会とか、それぞれの候補者の生の言葉、生の姿を見聞きした人たちの中で圧倒的な小沢氏支持の動きが出てきて、ネットの中でもそれが広がっているということです。自分で見聞きし、自分で考え、その考えをまたほかの人にも伝えていくというような、民主主義をしっかり支える土台となるような行動様式が、今回の代表選をきっかけに日本に広がっているというのは、大変良いことだと思っています。

記者
明日の国会議員投票で議員の方々が、そのように自分で見聞きし、考えて投票するかどうか分かりませんが、どういう投票に至る考えというか、行動、元同僚も含めて国会議員の方々に期待したいですか。

知事
国会議員たるもの、やはり自分で見聞きし、考え、そして自分で判断して行動してもらいたいと思います。こういう切羽詰まった時に、人間論一般として、損得で判断しようとするパターンがあり得るのですが、損得というのは計算の世界で、これは間違うことが多いと思います。一方、自分の意思を固めていくということは、自分の意思は、そうと決めればどんな攻撃があっても動かさないことができる。だから、そういう一般論からしても損得で判断するのではなくて、しっかりとした自分の考えで、自分の意思で、つまり筋論ですよね。人間こういう時はこうするべきだという筋論で投票してほしいと思いますし、まして政治家が、日本の総理大臣を選ぶという大事なことに参画している以上、損得で判断するのではなくて、自分の信念で、筋論という意味の信念で投票してほしいと思います。

記者
「小沢一郎総理の実現で日本一新を目指す岩手県民の会」の代表世話人として、明日までに何かやり残したことをなさるのか、どのようにお考えですか。

知事
今は特にこれというのはなく白紙です。ここに来て誤解を招くようなことをしないというのも一つの判断かもしれないし、誤解を恐れず何かするというのも判断かもしれないのですが、政治家としての活動は自由に行うという中で判断をしていきたいと思います。

記者
前原国交大臣が、「小沢さんが総理になったら国会は1センチも動かない。」と、かなり厳しい指摘をなさっていますが、こういう発言については、どのように思いますか。

知事
ねじれ対策という意味で、過去の歴史をひもときますと、海部首相の時、自民党幹事長として当時のねじれ国会を切り盛りして、PKO法案の成立とか、普段でさえ難しいような法案の成立などをなし遂げた有数の実績があります。参議院が果たすそういう役割の重要性ということをここ数年一番よく分かっていて、ある時は野党時代に毅然とした態度をとり、ある時はそういう大連立というねじれ対策に真剣に取り組むとか、そういった過去の経緯を考えれば、むしろ小沢一郎さん以外にねじれ国会を適切にさばけるリーダーはいないのではないかと思います。

記者
前原さんは、「政治とカネの問題で追及を受け過ぎて進まない。」というニュアンスだったと思うのですが、その辺はいかがですか。

知事
いわゆる西松問題とか、陸山会の問題については、かなり多くの有識者の方が検察のでっち上げだとか、秘書を不当逮捕した話であって、本人の起訴は、これはもうあり得ない話だなどの認識が広がっていると思います。最近、ブログなどで見ていて感心したのは、ブロガーの人が今回のことで改めて、今回の民主党代表選をきっかけに改めて裁判関係の書類とか、いろいろな資料を自分で精査してみた結果、小沢一郎さんに政治とカネという問題は何もなく潔白であることが分かったというような、まさに自分で調べてみた結果、問題がないということが分かったという、そういうブログもあり、それがツイッターで広く紹介されたりしています。ですから、正義と真実の追究という国会のそういう筋論をきちんと行っていけば、むしろ今まで1年半にわたって誤解が広がっていたことを是正して、日本の政治をあるべき姿の中できちんと強力に進めていくことが、国会でできるのではないでしょうか。

記者
引き続いて代表選ですが、知事ご自身は、11日に締め切られた投票に投票したかどうかという点と、あと言わずもがなかもしれませんが、明日の選挙の結果がどのようになることを期待していますか。

知事
「小沢一郎」と書いて投票をしました。明日、決まるのは代表の部分ですが、小沢代表となればいいなと、ならなければ駄目だというように思っています。

記者
前日の今の心境というのは、直接の当事者ではないのですが、どのように感じていますか。

知事
前原代表が辞めた直後に、小沢さんが初めて民主党の代表に選ばれたことは臨時のものでしたが、小沢氏対菅氏の代表選挙があり、その時は渦中にあって票読みとか働きかけとかを盛んに行っていたのですが、それでも最後の瞬間まで分からないものです。やはり、最後の2人の演説を聞いて決めるという人は、当時もかなりいたし、今回もかなりいるみたいです。
そういう意味では、結果うんぬんを考えるよりも、そもそも何のために私は政治家個人として、小沢一郎さんを応援しているのかといえば、それは官僚主導から政治主導への日本の政治を大きく転換し、その中で地方分権ということを徹底させていく、安全保障でも日本の自立ということと国際社会との共生ということをしっかりやっていく。あと地方分権に関していえば、地方が日本経済成長の原動力になっていき、地方経済から日本経済が強くなっていくために今までずっと一緒にやってきて、あるいは離れたところから応援したりとかしてきたのであって、要は政治家個人として、自分も自分なりにそういう日本のあるべき姿を推進していくことを行っていきさえすればいいのだなという思いを強くしています。
今回、ネットを大きく巻き込みながら、著名な有識者や、あるいはそうでない普通の人たちの間にも、今私が言ったような日本のあるべき姿を胸に抱き、その実現のために頑張らなければという動きが広がっていて、それを「オザワ現象」と私は呼んでいるのですが、これは本当に日本のために良いことが起きているなと思っていて、今日の今の時点の感じとしては、日本について楽観的になりつつ、自分もしっかりやっていかなければならないという思いを持っているところです。

記者
先週の環境審議会でCO2の削減目標が、現行の8%から2020年度までに25%に上乗せされるという方針が示されましたが、その実現性についての所感を一言お願いします。

知事
単なる節約とか我慢とかではなくて、生活や産業構造の大規模な転換ということが必要になってくると。それは、低炭素型社会への更なる移行ということは、基本的に良いことだと思っており、CO2削減という観点からも良いことなのですが、より人間らしい経済社会構造にしていこうということですから、その実現を目指していくというのは非現実的ではないし、望ましいことだと思っています。

記者
具体的な方策としては、県内で県民とか、行政とか、事業者とか皆さんが、一緒になって目指していこうというお話だったのですが、実際に国との目標を同一にして目指していくということで、非常に厳しい状況にあると思うのですが、具体的にこれを一番中心に取り組んでいきたいというものはありますか。

知事
それは、既に企業の方からもさまざまな新製品であるとか、新しいエネルギーのつくり方の提案であるとか、いろいろな工夫の動きが出ているので、そういった企業や個人や団体のいろいろな動き、イニシアチブを尊重しながら進めていけばいいと思っています。

記者
知事は、小沢さんに投票なさったということでしたが、いつ投票なさったのか。その時の思いと、あと残り1日ということで、これまで国会議員の方々にも知事として働きかけ等があったのかについてお願いします。

知事
先々週の週末、家にはがきが届いていたので、すぐ書いて出したというところです。
あと国会議員への働きかけというか、常日ごろから民主党の国会議員さんとは電話とかメールとかのやりとりをしており、その中でいろいろと代表選の話をしています。

記者
関連して、知事ご自身も投票なさったということで、今回の代表選のシステムは、党員・サポーターが300票、地方議員が100票で、残り国会議員が411人掛ける2票で1,222票ということですが、先ほど知事は、報道等では菅総理が優勢という状況がある一方で、ネット等では小沢現象が起きているということでしたが、投票なさったご自身の感想として、今回の投票システムがバランスのとれたシステムだとお考えでしょうか、あるいは改善点があるとすればどのような点だと思いますか。

知事
選挙制度には絶対のものはなくて、国によって国政選挙のルールもそれぞれ違いますし、いろいろなやり方があるのだと思います。僅差の時に、これでいいのかという議論が出てきそうな制度ではあるなという感じはします。大きく差がつくような場合には、あまり問題が感じられない制度なのだと思うのですが、僅差になってくるとそういうポイントバランスでいいのかとか、いろいろと議論になりそうなルールではあると思います。

記者
普天間移設問題に絡みまして、昨日、名護市議選で移設反対派が過半数を獲りました。市長も反対派で、市議会も反対派と、地元の民意としては反対の民意が示されたわけですが、新代表、新首相はそうした民意を酌み取ってこの問題に対応すべきだとお考えでしょうか。

知事
やはり、日米合意どおりには、そう簡単にはいかないということだと思うのですが、そういう意味では、日米合意をこう決めたのだから、こうやれという押しつけ型の進め方は、ますますかえって事態を悪化するということになってきたのであり、名護市を含めて沖縄の人たちと政府との話し合いを丁寧に行っていく中で、アメリカとも話し合って事態を解きほぐしていくという作業が、必要になってくるのだと思います。

記者
先週、元厚労省局長の村木さんが無罪判決を受けましたが、これについても一言コメントをお願いします。

知事
ひどい話だと思います。そもそも石井一さんという村木さん逮捕の時に民主党の選対本部長をしていた国会議員で、衆院選直前だったわけですが、その人が依頼して何か不正を働いたということで逮捕されているのですが、非常に単純なアリバイが石井議員にはあり、逮捕や起訴の根拠になった石井一議員の依頼とか要請、そういう証言があり採用されているのですが、明らかな事実誤認というのですか、事実と違うものであったという。それで、国民のために必死に働いて役に立つことを行っていた人を逮捕、拘留して、無罪でしたということになっているのですが、本当にあってはならないことというか、関係者一同頭を丸めても済まない、本当に取り返しがつかないことをしてしまっているわけです。
そういう意味で、判決が比較的淡々とした内容であるとか、その後、検察の側から反省の意とか謝罪とかのたぐいが全然ないとか、またそういった状態がマスコミの報道等でも比較的スルーされているというのは異常だと思います。やはり究極の国家権力による人権蹂躙、かつ国家の仕事自体を邪魔する、国家が国家を壊してしまうような、まさに戦前の日本で起きていたようなことが起きているのだから、もっともっとこれはあってはならないことだということで、国民全体として肝に銘じていくようなことをしなければならないのだと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は9月24日(金曜日)の予定です。

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