平成22年11月1日知事会見記録

ID番号 N4972 更新日 平成26年1月16日

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平成22年11月1日 10時30分から10時56分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、地方自治法施行60周年記念貨幣及び切手に係るデザイン素材案の募集についてです。県では、今日から11月21日の日曜日まで、地方自治法施行60周年を記念して平成23年度後半に発行される本県オリジナルデザインによる貨幣及び切手のデザインとしてふさわしい素材案についての意見を募集します。
募集内容は、「『平泉の文化遺産』をテーマとした素材」と「広域振興圏を代表する素材」です。
「『平泉の文化遺産』をテーマとした素材」は、中尊寺金色堂内陣とか、毛越寺延年の舞とか、「平泉の文化遺産」における全国に誇り得る文化、歴史遺産、建築物、風景等を募集しており、記念貨幣と記念切手1枚、そして余白シートに使用することを想定しています。
「広域振興圏を代表する素材」は、県央の八幡平から望む岩手山、県南の早池峰神楽とか、4広域振興圏における全国に誇り得る自然、文化、歴史遺産、建築物、風景等を募集しており、記念切手4枚に使用することを想定しています。
募集期間は、今日から21日までの3週間、募集方法は、住所、氏名、電話番号及び素材案を明記の上、郵便はがき、ファクス、電子メールのいずれかの方法で岩手県政策推進室あて応募いただくこととしています。
素材案は、より多くの方に応募いただけるように、写真やイラスト、具体のデザイン等ではなく、文字で応募いただくこととしています。
また、より多くの応募と普及宣伝を通じた本県の地域振興に資するため、応募者の中から抽選で合計43名の方に県内協賛企業、団体等からの提供商品を贈呈します。
応募いただいた素材案については、県が国及び郵便事業株式会社に提出する素材の選定に際し参考とします。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いします。

記者
記念貨幣及び切手の素材案を応募するということですが、それぞれ募集内容(1)、(2)のテーマを設定したねらいを教えてください。

知事
募集要項に関することについては、事務的に確認できますので、そちらの方に問い合わせをお願いします。

幹事社
ほかに質問がなければ、幹事社から県政記者クラブを代表して質問させていただきます。花巻空港の路線縮小と減便について、2点お伺いします。
10月末から花巻空港の路線が縮小、減便になりました。このことについて知事の所感をお願いします。
それからもう一点は、名古屋便も含めて、今後、県として復便や座席数の拡大にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。

知事
JALの新しい路線の計画については、古い機材の大量退役に伴う全国的な機材不足の中で行われていると聞いています。機材の小型化や減便による輸送力の縮小は、団体観光客や修学旅行客、年末年始における帰省客等への影響が懸念されますので、今後のダイヤ改正などの機会に回復をしてもらうよう要請を行っています。
それから、名古屋線については、前のとおり中部国際空港から再開してもらえればそれが一番良いのですが、日本航空が中部国際空港からの運航は当面困難としている中、早期再開のニーズはありますので、そのニーズに応えていくには緊急的に県営名古屋空港、いわゆる小牧空港を受け皿にせざるを得ないと考えています。ということで、今、一刻も早い運航再開に向けて関係方面に調整お願いしているところであり、今後とも名古屋線については、関係するほかの県とも連携し、また大阪線や札幌線については、一層の利用率の向上に努めながら増便やより大きな機材への変更などについて、日本航空等に働きかけていきたいと思います。

幹事社
幹事社から1点追加します。今の話の関連で、先週だったと思いますが、愛知県がその調整に乗り出すという動きがありました。こうしたことを踏まえて、県としてこれから具体的にどうしていくのかというところで、もう少し深くお話しできればお願いします。

知事
関係する県との連携という中で、愛知県も大きい当事者の一つであり、岩手としてもいろいろと連携して取り組んでいるところであり、利用者のニーズにきちんと応えるよう利用者本位で取り組んでいかなければという方向での愛知県の姿勢は、非常にありがたいと思っています。

幹事社
この質問に関して各社から質問があればお願いします。

記者
先週の29日に本県からも名古屋線復帰に向けて、愛知県と青森県の関係者とともに要望という形で行かれたと思うのですが、今後、知事が直接日航と国交省に向かわれる予定はございますか。

知事
既に何度か行っているのですが、あらゆるパイプを通じて働きかけとか、調整をしたりとか、またお願いしたりしているところであり、今、具体的に私の日程としては(予定は)ありませんが、知事も含めていろいろなルートから働きかけるということで取り組んでいます。

記者
愛知県内での調整が進んでいるということでしたが、愛知県側から、先日の報道以降で何か進展があったような報告はありましたでしょうか。

知事
愛知県内といいますか、JALとか、国交省とか、また青森県も大事な当事者なのですが、それぞれ共通認識はどんどん深まっていると思います。

幹事社
ほかに各社から質問があればお願いします。

記者
米の関係で伺いたいのですが、2010年産の新米の相対価格が岩手分の発表はまだですが、全国的にかなり前年よりも落ちていて、米価の急落が進んでいる状況です。その中で来年度に本格実施される戸別所得補償に関してなのですが、予想を上回る米価の急落で赤字が補てんし切れないという農家の方の声や、あと卸業者の買いたたきで更に米価が下がっているとの指摘もありますが、そうした制度の課題点を知事はどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。

知事
それぞれの課題にきちんと丁寧に対応していけば良いのだと思っています。ですから、まず戸別所得補償、米価下落の際には所得補償するという仕組みそのものをきちんと決められたとおりに発動していく。そのようにならないのではないかという不安感が生産者の側に大きいので、そうした不安を持たれないようにきちんと対応するということとか、あとは今回のことは制度ができる前の去年のお米が生産の計画よりも多く、それが今年の方にも、去年の米の在庫量が今年の値下げ圧力にもなっているという特殊事情もあると思いますので、それで特別の棚上げ買い上げの前倒しのような非食用米として政府が買い上げるような措置をお願いしているところです。あと、そのクオリティーにふさわしい代金で買っていただけないという問題は、これは常にある話で、そこはやはり消費者サイドへの働きかけであるとか、もちろん流通関係への働きかけであるとか、特に岩手のお米は今年も一等米比率は全国的にトップクラスであり、その質にふさわしい価格で消費者に利用していただけるよう働きかけていきたいと思います。

記者
今の質問に関連してなのですが、そうした農家の不安の声に丁寧に対応していくということであったり、消費者に働きかけていくというのは、県のスタンスとしては、例えば国の施策のフォローに回っていくということなのか、それとも国に先駆けて岩手県から何か独自の米の振興策というのを発信していくということなのか、どちらの方に重きを置いていかれるのでしょうか。

知事
全農も含め、あるいはそれぞれ単位農協とか生産者ご本人、またインターネットを通じての販売もありますし、実は生産の現場に近い方からそういうアピール、働きかけは常に行っており、そちらを県が支援していくということで、後から国が付いて来るというのが構造的になっているのですが、普段行っていることをきちんと行っていくのにプラスして、今は国がもっと思い切って早目、早目にいろいろと手を打っていかなければならないということだと思います。

記者
最後に、岩手県の水稲というものを県の産業の中で、知事はどのように位置付けて、考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
そもそも世界全体の中で、イコール日本の中で大変クオリティーの高い優れたお米を生産できる岩手県ですので、それをきちんと作って消費者へ届けていくということは大きな責任だと思っています。また、生産者はもちろんですが、流通とか、加工とか、いろいろな関係者、さらには観光のような分野も含めて、県にとっては重要な産業であると考えています。

記者
先日、福島県知事選が行われ、民主党出身の佐藤雄平知事が再選されましたが、その件についてご所見をお伺いしたいのですが。

知事
祝電を出す手配をしたところであり、たくさんの得票により大きな負託を得ての当選ですから、そういう負託に応えて、どの都道府県でもいろいろと大きな課題に直面しているところですので、そこにしっかり対応されることと、また東北といった広域的な連携について、いろいろなことを一緒に行っていきたいと思います。

記者
もし今、具体的に何か福島県では、産業でもいろいろな企業を誘致されていますので、具体的に連携していきたいというようなことはありますでしょうか。

知事
知事が直接集まって取り組んでいて、注目されていることとして東北の自動車産業集積の連携の取組があります。それから2年前には東北観光の官民の枠組みもできて、観光についても一緒に取り組んでいるところです。そういった先端産業とか、観光とかを、まず今は重点に置いて連携していきたいと思います。

記者
最後に、今回、佐藤雄平知事は県民党という、もともと民主党出身でありながら、自民、公明など幅広く支持集めて圧倒的な勝利をされたわけですが、そういったやり方というのは岩手のやり方と全く違うと思うのですが、そちらについてはどのように思われますか。

知事
具体的にどのように行われているのか、つまびらかにならないところでもあり、47都道府県それぞれの知事、あるいは知事を目指そうという人たちが地域の中で、どのように行っていくかは、それぞれの自由だと思います。

記者
毎回おなじみの質問で恐縮なのですが、昨日、民主党県連の会見の中で知事選について、幹部が達増さんは当然出るもので、民主党県連としてもそのつもりで準備しているというような話がありました。改めてですが、知事選への知事の去就についてお伺いしたいと思います。

知事
政党の組織として、支援というか、応援というか、そういうことを示していただいていることについては大変ありがたいと思っています。今の任期の中で、県内のいろいろな政党にご理解、ご支援、ご協力等々をいただきながら県政を進めているわけですが、任期が終わった後のことについては、私からのコメントは控えさせていただきたいと思います。

記者
だんだん4月が近づくにつれ、県民の関心も高まっていくとは思うのですが、いつごろをめどに態度表明されるのか、お考えがあればお願いします。

知事
そのことも含めてコメントは控えさせていただきたいと思います。

記者
今日、メドベージェフ大統領がロシアの大統領として、初めて北方領土を訪問されましたが、それについて知事はどのように考えていらっしゃいますか。

知事
日本の領土を日本政府の理解、了解のない形でロシアの代表の人が訪問するというのは、やはり困ったことだと思います。

記者
先ほどの米の価格下落で関連すると思うのですが、環太平洋連携協定、TPPへの参加に関して、農村部を中心に(米価の)下落もあって反発が強くなっていますが、政府としてはどういうふうに対応するというか、どういう決着が望ましいとお考えになるのか、産業と農業とありますが。

知事
参加をするというのであれば、それは国民的な理解を得ての参加でなければ駄目であり、特に農業関係者が歓迎するような形でなければ駄目なのだと思います。

記者
知事として、例えば具体的にこういうふうにしたら良いのではないかという提案的なものというのは何かございますか。

知事
農業関係者が歓迎するような形ということで、ただいろいろなやりようがあるのだと思います。農家、あるいは農業従事者、そういう担い手の皆さんが、希望を持てるような仕組みを作っていけば良いのだと思います。

記者
特別会計を対象とした事業仕分けの第3弾が終わりましたが、それについての知事の評価を教えてください。

知事
お疲れ様でしたということで、一つの見直しの作業ということでやろうとしていたことをやられたのだと思います。

記者
三陸ジオパークの関係でお伺いしたいのですが、県でも県北・沿岸振興の一つとして、今年から研究会を立ち上げて取り組まれていると思うのですが、中間報告がまとまり有識者の方は(沿岸の地質や地形資源が)非常に価値はあるだろうと(高く評価した)。今後、推進体制など、例えば観光ツアーなど、そのようなものの体制をどう沿岸13市町村で作り上げていくかということが課題になるというお話がありました。これには県として強力にリーダーシップが必要なのではないかというお話もあったのですが、知事として取り組まれる今後の姿勢について、どうお考えかお願いします。

知事
北上高地から三陸海岸の南部にかけてのこの大きな塊というのは、北上島と呼ばれるような、日本列島の起源となったような塊で、中生代から、さらに古生代までさかのぼれる大変古い地層ということで、日本列島が形成されるはるか前から存在した地質的にはものすごい存在で、琥珀も出れば、古生代のウミユリの化石も出る。あと恐竜の化石も出たりしており、語れば本当に尽きない、そういう命あふれる石灰質も多い山であり、海岸線なので、木もよく生えて美しくなり、またマツタケとかキノコも生え、そして土砂が流れて海に入れば、日本一のアワビも採れれば日本一のワカメも採れるという、地球の歴史からしても、そして今の地球の生態系からしても国立公園に指定されていたり、既に高い評価はされてあり、本当にすごいところだと思っており、そうした認識というのはどんどん深まり、また広まっているのだと思います。
ジオパークについては、ただナチュラルに良いということだけではなく、それを教育とか、産業とか、地域振興的にさまざまな活用が行われているということが要件になっているので、地元のそういう具体的な活動の方向性というのが必須ということで、いろいろな話し合いが重ねられ大きく前進していて、大変良いことだと思っています。県としても、そういう場の設定であるとか、いろいろな科学的な知見に関する協力とかを惜しまずに、地域の皆さんの希望がかなっていくように努めていきたいと思います。

記者
先日、民主党が党本部への企業献金を再開する方針を打ち出しましたが、知事個人として企業献金というのは必要なのかどうかも含めてご所感をお聞かせください。

知事
決め方の問題であり、どのように政治資金に関するルールを作っていくかということは国によって違っており、一種のルール設定の問題であり、いろいろなやり方があるのだと思います。ですから、党としてのルールということであれば、党の中で話し合って決めていけば良いのではないでしょうか。

記者
岩手県連は、従来から企業献金を禁止すべきと強く主張していると思うのですが、そのこととの兼ね合いはどのようにお考えでしょうか。

知事
そういう意味では、党内的に意見が一本化してないということだと思います。企業献金を受けましょう、解禁しましょうということについて、党内の意見が一本化していないということであり、もう少しきちんと議論されれば良いのではないかと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月15日(月曜日)の予定です。

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