平成22年12月8日知事会見記録

ID番号 N4966 更新日 平成26年1月16日

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平成22年12月8日 10時30分から11時04分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
まずは、「コミックいわて」の出版について発表します。来年1月28日金曜日、株式会社岩手日報社と共同で全国初の県に焦点を当てた地域マンガ本「コミックいわて」を出版、全国の書店で発売します。このコミックは、「いわてマンガプロジェクト」の中核事業として、本県ゆかりの著名な漫画家の皆さん9名にご協力をいただき、またマンガコンテスト、「いわてマンガ大賞」の受賞作品も収録しました。本県の豊かな自然や文化、暮らしやおもてなしの心などについて、マンガを通じて全国に情報発信することを目的として出版します。
今回、本県ゆかりの漫画家の皆さんが趣旨に賛同され、通常お付き合いのある出版社の枠を越えて、今回のために作画をいただき、一つの単行本して出版できることは、新しいマンガの形態を形作る取組であり、全国に誇れる岩手のソフトパワーの発信になると考えています。
マンガという訴求効果の高い出版物を通じて、本県の新たなファン層を開拓することが期待できるほか、新たな観光客の誘致、県産品への関心の高まりなどが期待されます。また、県内においても、県民自身がマンガを通じて子供から大人まで、世代を越えて岩手を再発見し、地元に誇りを持つ、そういう契機になると思っています。
県では、これまで子育てハンドブックのマンガ版の作成や、職員のマンガによる似顔絵名刺の作成など、マンガを活用した取組を進めてきており、今後もマンガによる本県のソフトパワーの発信に力を入れていきたいと思います。
発表の2つ目は、いわて花巻空港発着の冬季チャーター便についてですが、台湾の中華航空が、来年1月21日金曜日から2月14日月曜日まで、合計12便の国際チャーター便を運航することが正式に決定しました。台湾からの冬季におけるいわて花巻空港への国際チャーター便は、2年ぶり2回目となります。台湾からの冬季チャーター便の実現に向けては、従来から官民挙げて一体となって取り組んできたところですが、台湾での岩手を舞台としたテレビドラマの放映を契機として、10月に谷藤盛岡市長と永野前盛岡商工会議所会頭が、そして11月には上野副知事とおかみ会がそれぞれ台湾を訪問し、航空会社等への働きかけを行ってきていました。
今回の冬季チャーター便で台湾からお越しになる方々は、約900名で台湾スキー協会の方が中心と伺っています。素晴らしい雪質を誇る岩手のスキー場を満喫していただくとともに、豊富な岩手の観光資源やその魅力についても十分アピールし、台湾からの観光客及びチャーター便の誘致拡大を図って参りたいと考えています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
それでは、今の発表事項について、各社から質問があればお願いします。

記者
花巻空港の国際チャーター便についてですが、今回台湾便が2年ぶりに決まったということで進んでいると思うのですが、先日の韓国のLCC(格安航空会社)の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

知事
韓国のチャーター便については、韓国側の販売体制などの調整があり、当初計画どおりの運航は厳しい状況と聞いています。一方、韓国の航空会社や旅行会社に対し、花巻空港へのチャーター便運航の働きかけは平素から行っているところであり、今後も続けていきたいと考えています。

記者
今後、知事が韓国に行ってPRされる機会はありますか。

知事
今そういう予定はありません。

記者
「コミックいわて」の件についてお伺いします。知事は、もう既に読まれたのでしょうか。読まれたのであれば、感想をお願いします。

知事
作品、漫画家とタイトルのラインアップは見ていますが、大変素晴らしいラインアップで、この人の作品が載っているだけで、そのファンの人が買いたくなるような有名な方に参加していただいており、また、ある特定の出版社以外に書かれたことがない有名漫画家の方に書いていただくなど、本当にかつてないような良いものに仕上がりそうな感じがしています。
それから、マンガコンテスト「いわてマンガ大賞」の最優秀を受賞した作品は、私も読んでいますが、大変岩手らしい雰囲気と、マンガとしてのクオリティーの高さで大変素晴らしい作品ですので、これが載るというのも楽しみにしています。

記者
関連してなのですが、この「コミックいわて」の製本の時期は、いつごろをめどにされているのでしょうか。

知事
1月28日発売ということで、それに間に合うようにつくると理解しています。

幹事社
それでは、ほかにないようですので、幹事社を代表して質問します。
事前の通告では、知事選への対応で、態度表明の時期と再選出馬の考え方を伺うということでしたが、その後の一部報道もあり、今後の流れについても若干明らかになっています。知事の知事選への対応について、お伺いします。

知事
来年春の岩手県知事選挙への対応についてですが、今現在、今の任期4年間に集中していくという気持ちで働いているところですが、現在、後援会の皆さんに集まって相談していただく場を設けることで調整していたのですが、来る12月18日の土曜日に達増拓也後援会連合会と民主党岩手県連の合同役員会を開催していただくことになりました。その場で今後の方向について話し合い、そして決定して発表するということにしていきたいと思っています。

幹事社
今この場でどういうお考えかというのは、まだ申し述べられないということでしょうか。

知事
平成19年の選挙に向けての身の処し方など、みんなで話し合って決めたということもあり、まずは後援会の皆さんと相談して、あと民主党岩手県連の意見も聞きながら決定したいと思っています。

幹事社
この件について、各社から質問があればお願いします。

記者
18日の役員会で協議するということですが、知事ご自身の考えとすれば、この約4年間を振り返ってやり残したことがあるとお考えなのか、あるいはやりきったとお考えになりますでしょうか。

知事
任期をいただいて働く者の務めとして、その任期中にきちんとやるべきことはやるというのが基本原則だと思っています。そういう意味では、やり残しがある、ないという問題よりも、来年の4月末からの新しい4年間、岩手をどのようにしていくべきか、その中でみんなでどう力を合わせて行っていくかということを考える中で、自分自身の対応も決めていくのではないかと考えています。

記者
知事は、岩手のことはもちろん、国政のことにも常に興味、関心が高いと思われます。国では統一地方選と衆院解散、ダブル選挙という可能性もささやかれていますが、もしそういう状況が来た場合、18日に判断するかと思うのですが、その判断に影響するのでしょうか。この可能性、ダブル選挙はいかがでしょうか。

知事
今は、解散総選挙とかをしている場合ではないと思いますし、きちんとした政府与党の体制ができれば、解散とかという話はなく、国政は進んでいくのだと思っています。

記者
仮定になってしまいますが、解散でダブル選挙になった場合、国政にすごい興味というか、立候補の可能性もあるのかと思うのですが。

知事
ダブル選挙とか、あるいはそういう解散の可能性については、全く視野に入れていません。

記者
少し質問が重複するかもしれませんが、もちろん後援会の皆さんのお考えを聞いた上でということになると思われますが、知事ご自身のお考えとして、もう一期務めて岩手のためにやってみたいというお考えは今のところお持ちでしょうか。

知事
平成19年の知事選に向けては、当時の民主党岩手県連代表として、党として誰を擁立するかという中で、私自身を擁立というか、達増が立候補ということをいわば党主導で決定し、後から後援会関係の皆さんに理解をいただくという順番になったこともあり、今回はまず後援会の皆さんと相談するところから始めたいと思っています。

幹事社
それでは、これ以外に各社から質問があればお願いします。

記者
先日、国から来年産米の生産数量目標を都道府県別で示され、岩手県は前年から4.5%減となったのですが、全国平均の約2%を大きく上回っての減反になるのですが、このことへの受け止めをお願いします。

知事
前年度に比べてあのくらいの減少ということで、県内の稲作農家に大きな影響を及ぼすものと受け止めています。生産数量目標については、全国の需要の数字と、各都道府県の前年米の在庫量といった数字などを使って計算して出す中で、あのような数字になったと思いますが、私も政府与党に直接この目標達成県に対するメリット措置というのをきちんと実施して、配慮すべきということを言っていたのですが、それが今回反映されなかったということで、やはり米生産農家が生産数量目標の達成ということに、本当に心を込めて行っていくためにも、この目標達成県に対する配慮というのは非常に大事だと思っています。今、どういう形で国に対してアピールしていくか、事務方に検討させているところですが、何らかの形で引き続き国に対して、訴えていきたいと思っています。

記者
確認ですが、国に求めていくというのは、目標達成県への配慮やメリット措置を講じてほしいということで求めていくということですね。

知事
そうです。

記者
関連する質問なのですが、今のお話を聞いていますと、目標達成県に対するメリットがない今回の配分方法は、知事にとっては個人的に言うと非常に不満であるということなのでしょうか。

知事
非常に厳しい数字であり、特に岩手は今年、異常な猛暑の中で量も多く、質も高い米づくりの実績を示したわけであり、やはり一生懸命取り組んで成果も上げて、ルールも守っているというところが厳しい減産を強いられるということは、やはり生産者の皆さんが納得して取り組んでいくという必要性に関して、大変問題があると思っています。

記者
知事としては、今後、農家が生産調整に協力しなくなる、要するに生産体制が崩壊するということの懸念があるということですね。今の状態、いわゆるメリット配分がないということは。

知事
サンデル教授ではありませんが、やはり正義ということが日本にとって大事で、日本全体がきちんと正義の感覚を大事にする中で、岩手としても誇りを持って生産していきたいということです。

記者
先日の県議会常任委員会に出たのですが、県庁の部局の2階と8階のフロアの交換が、内部で検討されているということでした。これについて、実施するとすれば、きちんとした説明が必要だという声や十分な意味が分からないというようなお話もあったのですが、知事はどのようにお考えで、今後どのように対応される予定でしょうか。

知事
仕事をやりやすくするために庁舎の使い方について、いろいろと検討しているということは承知しています。これは、さまざまな要素を勘案しながら、総合的に判断して、かつ、きちんと県の体制として県民にきちんと応える仕事をしていくという観点から合理的に決定されれば良いと思っており、事務方の検討に任せているところです。最終的に決めるに当たっては、きちんと報告を受けながら、私からも指導していきたいと思っていますが、今は事務方の事務方の検討段階というところです。

記者
入れ替える場合には、費用も掛かるわけですが、県財政も厳しい中でどれぐらいの、例えば1,000万円という話も出ているのですが、それが妥当なのかどうかについては、どのようにお考えでしょうか。

知事
それこそ費用対効果ということなのだと思いますが、合理性と、県民に対してきちんと良い仕事をしていくという総合的な判断から決めていけば良いと思っています。

記者
米の話に戻りたいのですが、国の減反政策、こうした都道府県の生産数量目標を発表していく制度と、一方で民主党の重要政策の戸別所得補償制度が生産数量調整制度への参加を条件としているということで、これまで行ってきた制度と今新しく出てきている民主党の戸別所得補償制度の減反の考え方が、どのように整合性が保たれているのか、農家の方々もよく分からないような状況になっていると思います。このような米の減反政策について、事務方に検討、指示とおっしゃっていましたが、大まかな米の方向性についてお考えがもしありましたらお聞かせいただけますでしょうか。

知事
一定の量を決めて、その量を生産するということに関しては、きちんと所得を補償するというのが、この所得補償制度の基本だと思います。そういう趣旨を明らかにして分かりやすい制度で実施してもらえれば良いのではないかと思います。

記者
広域連合についてお伺いします。先月の会見でお伺いした時は、まずは関西と九州の動きを見たいとおっしゃっていました。今月1日、関西広域連合2府5県が発足しました。防災や医療など7分野で連携していくようですが、この発足した関西広域連合についての評価とご所感をいただけますでしょうか。

知事
協力するそれぞれの分野で、どのような形で取り組んでいくのかを事務方で調べて勉強しようと、それを北海道と東北6県プラス新潟県で一緒に取り組んでいこうというように決めていますので、そこで皆で調べて勉強していけば良いと思っています。

記者
本県では、例えば医療分野などでは、県境の運用やドクターヘリの運用などでも連携で期待が持てそうな気もします。統治の形がどうあるかは別として、どのような分野で連携のプラス効果が見込めると現時点でお考えでしょうか。

知事
例えばドクターヘリの問題については、関西圏の場合、大津、京都、大阪、兵庫のあたりというのが、岩手を横にするとすっぽり入るわけで、実は関西で広域で共同で当たるエリアというものを岩手の場合は1つの県で行っていかなければなりません。そういう中で、岩手の場合は、青森との県境とか秋田との県境とか、県境における連携、調整をどうしていくかという個別の体制づくりが課題になっていたりしますので、そういう意味で、まさに関西は一体何をどう協力していこうとしているのかということを勉強してみなければというところです。

記者
県内では、7年前に県職員で北東北三県道州制、三県合体案みたいなものができました。奇しくも今年がその三県合体の当時はめどとされていたわけですが、まずは連携や地域主権の議論の中身ありきという話だと思いますが、現時点で連携の統治の形として、例えば道州制だとかミニ東北、北東北など、あるべき統治の形について、現時点でのお考えをお聞かせください。

知事
その精神は大いに生きており、まず知事同士の連携、それから職員の交流、そして連携と大変うまくいっていると思います。そして、観光とか、産廃処理問題とか、あとは地方債を共同で発行するとか、そういう具体的な協力案件はどんどん進んでおり、また増えています。今回の東北新幹線新青森の開業に当たっても、北東北三県が全国から注目を浴びるチャンスであり、そこでもまたいろいろな取組が進んでおり、そういう意味ではその精神は大いに生きており、どんどん連携が深まっていると思います。

記者
改めて米の生産目標についてお伺いしたいのですが、国の方針が変わって大幅な生産量の減少になりましたが、これから12月には市町村の目標についても発表されるということで、それについては国の方針が変わったことで県が何か改めて今年変えるようなことはあるのでしょうか。

知事
当事者間で、かなり過去の経験に基づいた合意形成の実績があり、きちんと目標を達成するという全国に誇れる生産の形をしっかりととっていますので、尊重し大事にしながら取り組んでいかなければならないと思っています。

記者
実際に来年度になると、米の生産量が減るということで、県としてはどういったことをサポートするのか、あればサポートする内容とかは今お考えなのでしょうか。

知事
まず、米の需要の中長期的な低下傾向というのが一つあるわけであり、これを何とか歯止めを掛けていこうということがあります。
それから、去年、岩手の米にかなりの在庫ができてしまった。ただ、それは今年になりさばけてはいるのですが、リーマンショック以降の経済、雇用の危機が大きかったと思うのです。そういうこともあって米でも低価格志向が見られたとか、また、県庁とは限らず、いろいろな民間企業の職場の昼休みをちらっと見る機会があるのですが、弁当の代わりにカップラーメンを食べているということをよく見ます。カップラーメンが本当に好きで食べることは、自由だし、生産している皆さんもいるわけであり、絶対駄目とは言いません。でも本当は、御飯を食べたいのにお金がなくて昼御飯に100円ぐらいしかかけられないとか、そういうことが広まっているのだとすれば、やはり経済全体がもう少し回復してくる中で、例えばお昼御飯でもきちんと米の飯が食べられるようになっていけば、また岩手にとっては良い環境になっていくと思います。そういう経済の回復というのは、国に対しても強く求めなければならないし、岩手においても経済・雇用対策本部で取り組んでいるのですが、去年の在庫が大きく増えたことに関しては、その影響が大きいと思っていますので、きちんと景気回復に戻していきながら、あとは長期的な米離れトレンドを解消していくような消費刺激策とか、食育的な活動とかを進めていくことで対応していければと思っています。

記者
農家に対しては、実際に減るということで、どういった対応を来年はされるとお考えでしょうか。

知事
一方、今は、比較的市場志向の話をしましたが、生産面では今年はプレミアム米というものを大々的に販売するということで、こういうご時世だからといって一気に低価格路線に切り替えていこうという話ではなく、やはり岩手は全国トップクラスの米どころだということ、今年の猛暑の中でも量、質ともにトップクラスだったという実績を背景に、「実は岩手こそ米どころ」、「当然岩手は米どころ」、そういうコンセプトの下で、生産でもやはり食味ランキング特Aになるようなお米の生産であるとか、むしろそういう売れるお米の生産に力を入れてもらいながら、前向きな形で米の生産に取り組んでもらうという基本方針の米の生産戦略というものを、これは県の中だけではなくて農協とか、全農とか、関係機関も一緒になり、そういう戦略の策定を進めているところで、来年春を迎える前までには戦略を決定する予定になっていますが、そこは撤退戦を逃げ切るという姿勢ではなくて、むしろ岩手にとってはチャンスなのだという考え方で前向きに向かっていこうというところです。

記者
今議会で「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」が成立する見通しなのですが、その中で県の責務についても盛り込まれています。この条例の成立を受けて、県の取組方針、その具体的な方向性をお聞かせいただければと思います。

知事
条例の趣旨に従って、きちんと取り組んでいきたいと思います。大変良い条例ができたと思っていますので、大切にしていきたいと思います。

記者
職員の育成や具体的な財政の支援等も盛り込まれていますが、具体的にどういったところに力を入れて取り組みたいかというところをお聞かせいただければと思います。

知事
条例の趣旨に従ってきちんと取り組んでいきたいと思います。

記者
花巻空港の関係で、名古屋線再開に向けた現在の取組状況と、国際線の今後の誘致策についてお願いします。

知事
名古屋線に関しては、特に新しい動きはないのですが、いろいろなパイプを通じて関係者に働きかけているというところです。
それから、国際線の誘致は、これも台湾、韓国はじめ、どんどん増やしていきたいということで、その受入体制の整備と宣伝活動を進めているところです。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は12月20日(月曜日)の予定です。

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