平成23年1月24日知事会見記録

ID番号 N4954 更新日 平成26年1月16日

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平成23年1月24日 10時31分から11時02分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、「いわて県民計画マンガ版」の制作についてです。岩手の未来の担い手であります岩手県内の子どもたちに対して、「いわて県民計画」を広く知ってもらい、子どもたち自らが、自分たちの未来、岩手の未来について真剣に考えてもらうための副読本として、「いわて県民計画」の「マンガ版」を制作しました。「いっしょに育む希望郷いわて 10年後のボクたちへ」というものです。雫石町在住のそのだつくしさんがペンを執り、県内各小中学校を通じて県内の小学校5、6年生と中学生に配布します。
県民計画の逐条解説というようなものではなくて、そのスピリットをグッとつかんで、マンガにしたものであり、非常にマンガそのものとしても読み応えがあるとともに、読み終わると県民計画の精神が自分のものになり、希望を持って前に進もうという気持ちになるのではないかと思います。
今週は、1月28日に「コミックいわて」が出ますし、また既に子育てマンガが制作されております。このマンガを活用した分かりやすい県政広報について、これからも力を入れていきたいと思います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
まず最初に、今の発表事項について質問があれば、各社からお願いします。

記者
今回、県民計画の推進ということで、こういう小学校5、6年生向けのマンガということなのですが、対象をそこに絞ったことと、改めてそのねらいをもう一度お願いします。

知事
小学校5、6年生と中学生が対象なのですが、県民一人一人が希望を持てる希望郷いわてというのを目指していく時に、いわゆる子どもが大変大事で、鍵になると思っています。また、10年後の岩手を考えれば、既に大人になっているわけであり、希望を持って大人になっていく、希望を持った大人になれるように、県としてもしっかり働きかけていくことが大事ではないかと考えています。
また、子どもたちがこれを家に持ち帰って、家の方と一緒にまた読んでもらえれば、大人たちもまた違った角度から県民計画について理解してもらえるチャンスになるのではないかということも期待しています。

幹事社
こういう行政の計画をマンガで作るということは、全国的にはどうなのでしょうか。

知事
富山県で平成14年度に作っているのと、あと北海道が平成19年度に作っている例があるそうです。

幹事社
形式は大体このようなマンガの形ですか。

知事
見たことがないので、担当に問い合わせてください。

幹事社
当然、知事はもう全部お読みになったと思いますが、どこがいいという表現は別にして、これで子どもたちにスピリットが伝わると思っていますか。

知事
マンガとして大変良くできているというのがまず1つ大きいのですが、あとは岩手に住んでいる家族が主人公で、岩手が舞台になっていて、岩手にこういうところがあるのか、こういう仕事や暮らしをしている人たちがいるのかということを改めて知ることができる内容となっており、興味深く、また読んで大変ためになると思います。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問を受け付けたいと思います。社名を名乗ってからお願いします。

記者
花巻空港の路線の関係でお伺いします。花巻・名古屋線なのですが、これまでも県で3月上期からのダイヤ復活を要望してきたのですが、それが難しくなったということが先週分かりました。この路線については、産業界からも非常に再開要望が強いものがありますが、今後の県の対応策をお聞かせください。

知事
春のダイヤ改定に間に合わなくなってしまったことは、残念に思っています。これは、利用者本位に考えてもらい、利用者本位の航空業の経営、そして利用者本位の航空行政といった観点から関係者の皆さんにきちんと考えてもらえれば、10万人の実績のある路線であり、再開という方向に向かっていくと思っていますので、繰り返し粘り強く、基本は利用者の声ということを県からも関係者に訴えていくことだと思っていますので、きちんと対応していきたいと思います。

記者
これまでJALの路線再開を目標にしていたと思うのですが、今後、例えばフジドリームエアラインズや他の航空会社に働きかけるという方向転換を考えることはあるのでしょうか。

知事
そこは利用者本位であり、利用者の声に応えていこうという会社があれば、どんな会社でも一緒に連携しようということになると思います。

記者
今の時点で、そういったことというのは考えて、働きかけや要望していくところまで検討しているのか、それとも、あくまでそういうアプローチがあれば考えるということなのか、どちらでしょうか。

知事
県は、日ごろからいろいろな航空会社とお付き合いする中で、情報交換とか意見交換をしていますので、そういう意味では既にJAL以外のところともいろいろなやりとりはしていると承知しています。

記者
土曜日に隣の宮城県で性犯罪根絶プロジェクトの一環で、性犯罪の前歴者に対してGPS機能を持った携帯を持たせるとか、DNAの提出などを条例で定めるなどの議論を始めようとした動きがありました。県として、そういう条例を定めることに対しては、人権の問題とか、いろいろな指摘もありますが、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

知事
岩手県においても、いわゆる声かけ事例とか、そういう類のことについて、声かけ事案というのでしょうか、まず岩手県警が強い問題意識を持って対策を講じ、そして声かけの事案情報について携帯のインターネット機能で簡単に見られるようにするとか、あと学校関係にもすぐ連絡が行くようにするとかの対策を講じていると承知しています。そして、県の安全で安心なまちづくり推進協議会や、いろいろな防犯に関する県の協議会でも、地域の力とか、企業やいろいろな団体の力を合わせて対処していこうということで、さまざまな取り組みが行われています。基本的にそうした取り組みで犯罪を防止し、また体感治安を良くしていくということは、岩手においては、基本的には軌道に乗って進んでいると理解しています。

記者
村井知事は、宮城県で事例をつくって、それを国に発信していきたいというお考えのようなのですが、それに対して有識者の方からは反発とかもあるのですが、知事としてはどのように課題についてはお考えでしょうか。

知事
防犯というのは、本質的にローカルなもので、都道府県なり、さらには地域、コミュニティーの中で取り組まれていくものであり、まずは岩手の中でしっかり取り組んでいくことかと思います。

記者
隣県でそういった動きがあるということについては、どうお考えでしょうか。

知事
警察組織も県ごとに分かれているわけであり、また地域防犯組織はコミュニティー単位で作られたりしていますので、まずはそういったところを通じて県内、そして県内の各地域の実情に合わせた取り組みをしていくことが基本と思っています。

記者
先週、災害復旧の関係で国に要望されました。改めて先方の反応とか、手応えも含めて要望についてどうだったかというご感想をお願いします。

知事
農林水産業、また公共インフラ、いろいろと広範な範囲にわたり、多様な被害が生じている今回のこの災害の中で、岩手はかなり被害額が大きくなっているという実態について、政府・与党の理解をかなり深めることができたと思っています。さまざまな被害で困っている人たち、生産活動に困難を感じている人たちに対するさまざまな救済措置について、国でもしっかり取り組んでもらえるという手応えを得ることができましたので、良かったと思っています。

記者
1つ具体的なテーマで、定置網の災害復旧があるのですが、現状の激甚災害法では対象に含まれないという問題があります。先日も内閣府(特命担当)大臣ですか、防災担当大臣に要望された時に、努力はするということもお話しされたのですが、その一方で変えたばかりですぐの変更は難しいというご発言もありました。これについてはどのように受け止められましたでしょうか。

知事
その言葉どおりなのだと思います。今すぐ制度を変えるという返事はもらえていないのですが、一方、被害の実態にきちんと対応していかなければならないという問題意識は持ってもらったと思いますので、そこに期待をしたいと思います。

記者
そうしますと、漁業者に対してどうするかという問題になるのですが、例えば県の支援ですとか、もうすぐ2月県議会もありますが、まずは県としてこれからどのように生産者を支援、フォローしていくのかというところについて、現在のお考えをお願いします。

知事
国、そして市町村、それから漁業であれば漁業団体、そういう関係団体と連携をしながら、今ある制度で対応できるところはそれをフルに活用し、それで足りないところはそれぞれ協力しながら補っていくということが基本になると考えています。

記者
漁業団体さんからも先週要望があり、例えばホタテで育苗支援をいただきたいといったご発言もありました。前回の津波の時にもそういった支援を、例えば定置網の無利子補給でしょうか、いろいろな支援を県としてもされていましたが、今回どのようにしようというお考えは今の段階でありますでしょうか。

知事
この後も今週、漁業関係の被害に関する市町村からの要望を私が受ける機会もありますので、そういったところも活用しながら、地元や関係者の声をしっかり聞きながら、実態に即した対応をしていきたいと思います。

記者
春の統一地方選挙について伺います。県議選ですが、告示まで2カ月余りになりました。今回、政権交代後として初の統一地方選挙、歴史的な選挙ということになります。にもかかわらず、今回、県内16選挙区で行われますが、そのうち選挙戦、つまり定数を超える立候補者が見込まれる選挙区が7と半分以下にとどまっています。関係者に聞きますと、総じてこれほど低調な選挙戦というのは、異例であると口をそろえていらっしゃいます。知事は、この背景をどうご覧になるのか。それから、もし県全体的に選択肢が少ない、あるいは選挙区によっては選択肢のない選挙戦、低調な選挙戦になった場合に、県政に与える影響をどうご覧になりますでしょうか。

知事
まだ、この後も立候補予定として名乗りを上げる方々が、どんどん出てくるのではないかと思っていますが、政治参加の自由の中で立候補する人自身が意志を固め、そして自分の信条とか政策方向に合わせ、公認、推薦などを申請して、それぞれ同志、仲間と連携しながら行っていくということだと思いますので、そういう自由な政治活動の結果について有権者の皆さんが評価して、新しい議員あるいは首長を選ぶということ、その結果を尊重するということが基本のスタンスだと思っています。

記者
2カ月余りあるとはいえ、事実上、物理的に考えるとタイムリミットが迫っているという中で、有権者に選択肢を示すという意味では政党の存在が大きいと思います。今の段階では立候補者が少ないという状況ですが、今後、政党がどういった役割を果たしていくべきと思われますか。

知事
やはり、地方自治においても、政党というのは重要な役割を果たすことができるし、また一般論としては果たすべきだと思いますので、そういったことを期待したいと思います。

記者
鳥インフルエンザの関係でお伺いします。先日、福島県でも発生して、週末には宮崎県では2例目となり、処分するような大規模な事態になっています。この状態について、達増知事はどのように感じていらっしゃるのか。それから、岩手県としては、どのようにこの問題に向かっていくのかについてお願いします。

知事
宮崎県のケースは、本当に気の毒なことだと思っています。何か手伝えることがあれば、これは宮崎県さんからの要望があれば、協力したいと思っています。
一方、野鳥が伝播したりもしますので、警戒は岩手としても怠ることはできない状況だと思っています。市町村を通じて関係者に情報提供するとともに、県としても(監視体制の強化を)行っているところです。県内の(養鶏)業者さんたちは、かなりレベルの高い衛生管理、きちんと靴の裏をきれいにしてからでなければ中に入れないとか、そういうことは徹底されていると思っていますが、万が一のことがあった場合には、県で対策本部を立ち上げて、きちんと対応していかなければと思っています。

記者
国の子ども手当政策の地方財源負担の件でお伺いします。今週にも政府で来年度の子ども手当法案が閣議決定する見通しですが、来年度についても負担を地方に求めるという考えを今政府が示しています。これについて、達増知事として、県としては、どのようにお考えかというところをお伺いさせてください。

知事
アイーナ6階の子育て支援コーナーに行き、そこに来ている親御さん方と話をすると、子育て真っ最中の皆さんからは、やはり子ども手当に高い期待があると感じています。その財源をどう調達していくかについては、基本は現金給付は国がやり、サービス給付を地方がやるということが理念的にも原理原則で、また行政効率の面からも適しているということで、基本は国が財源に責任を持つべきだということが私の考えであり、県の考えでもあります。

記者
全国を見ると、地方自治体、市町村レベルでも、政令市でしょうか、反対だということで訴訟を起こすと言っているところもあるようなのですが、例えば県で統一見解ではないですが、市町村に働きかけたり、逆に取りまとめをしたりとか、そういうことをするお考え、見通しなどはあるものなのでしょうか。

知事
岩手県内各市町村もそれぞれ住民本位にしっかり子育て対策に取り組まれていると思いますので、県としても住民本位、そして住民のためにさまざまな努力をしている市町村への支援を行うという基本的な考え方に沿って対応していけば良いと思っています。

記者
昨日と一昨日、民主党の小沢一郎元代表が来県され、陸前高田市長選と県議選の応援で入ったということだったのですが、それ以外でこのタイミングでの小沢氏の来県について、知事はどうとらえていらっしゃいますでしょうか。

知事
私も衆議院議員時代、地方選挙はすごく大事なことなので、国会議員も地方選挙にしっかりと対応して、志を同じくする人たちの活動を支援していかなければならないと思っていましたが、小沢一郎さんもまさにそういう考え方なのだと思います。日本に健全な民主主義を成り立たせていくために、地方においても政党政治が成熟していかなければならない。また、真の地方分権、地域主権改革を実現していくためにも、そういう志を持った人たちが、どんどん地方で議員や首長になって活躍してもらわなければならないということでやられているのだと思います。確かに今回の統一地方選というのは、日本全体にとっても非常に重要であり、政権交代が起きたわけですが、その政権交代が目指す日本の改革の中で、地域主権改革が占める割合は非常に大きいと思います。地域が活性化して、地域が自由に自分たちのことを決めて進めていけるようになるという改革を本当にしっかり進めるためには、統一地方選は日本全体にとっても非常に大事な選挙ですので、そういう日本全体のことを真剣に考える政治家が地方選挙にも汗を流すというのはそのとおりなのかと思います。

記者
小沢氏の場合、強制起訴を控えている中で、例えば地元の支持者に対して心配をかけたくないという心配り、配慮みたいなものが今回はあったのでしょうか。

知事
強制起訴というのは、検察組織、国を代表する司法機関が、これは起訴しなくていいというものを無理やりに起訴するという意味で強制起訴と言われているのだと思うのですが、さまざまな経緯からしても無罪であることを確認するための手続にすぎないわけであり、政治の方にはそれほど大きな問題ではないと考えます。

記者
ダムの検証のことでお伺いします。先週、簗川ダムと津付ダムの検証が行われたのですが、流域の地域住民に限って参加ということで、一部反対している住民団体とかそれ以外の住民の方は参加できなかったということがあったのですが、こういう検証方法について知事はどのようにお考えになられますか。

知事
国によるダム再検討の要綱の中で、洪水になった時の被害が想定されているような地域、流域の住民の意見も聞くようにということが書いてあり、その国の要綱に従った対応だと思っています。いずれみんなの意見を聞きながら、そして専門的に詰めるべきところを詰めて検討作業を進めていけば良いと思っています。

記者
対象者を限定したことで、国に報告する内容を県の意向に沿った形にしているのではないかというように思われることもあると思うのですが、そういった意味で、例えばもう一度意見を聞く会を開いたり、パブリックコメントは行うということですが、そういった直接意見を聞く機会を再度設けたりするということは必要あるのか、それともこれまでどおりで良いのか、その辺はどうお考えでしょうか。

知事
国からの再検討の指示がない段階から、いろいろな人の声も広く聞き、また聞きっ放しではなくて、「こういうところが問題ではないか、おかしいのではないか」ということについては、「そこは、こうなっています」とか「計算するとこうなります」という返事をきちんとしながら、そういう対話を今までずっと進めてきていると理解しています。それに加えて、今回、国の指示があったので、要綱に沿った再検討をしているということで、念には念が入っているような格好になっていると思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は1月31日(月曜日)の予定です。

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