平成23年3月16日知事会見記録

ID番号 N4940 更新日 平成26年1月16日

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平成23年3月16日 17時29分から17時44分

広聴広報課
ただ今から知事会見を行います。

知事
本日、私の方から発表事項はありません。

広聴広報課
それでは、皆さんの方から質問があればどうぞ。

記者
では、改めて今日、被災地に行かれましたが、感想などをお聞かせください。

知事
態勢の問題については、先ほど災害対策本部会議の中で話したとおりです。現地の様子ということで言えば、避難所を幾つか訪問しましたが、予想していたよりは避難されている皆さんが元気そうな顔をされており、また笑って遊んでいる子ども達もいて、非常に心強いなと思いました。さまざま炊き出しとか、物を運ぶなど、地域の皆さん、それから中高校生も受付の係とか避難所のお手伝いをしていて、そのような助け合いの形がしっかりとできているなという印象を感じました。
それから、大船渡の方では、かなり瓦礫に近いところまで行きましたが、多くの皆さんが地域、古里への思いを持って生活し、そして仕事をし、また学んでいたところが、本当に想像を絶するような姿になってしまったのを目の当たりにしましたが、それまで頑張ってきた志が失われないように、しっかり引き継いで、守っていかなければならないという思いをしました。

記者
被災者の方とは、どのような話を、若しくはどのような要望があったのでしょうか。

知事
要望で多かったのは燃料の話でした。これは県でも、全県的な最優先課題ということでしっかり取り組み、八方手を尽くしているということをお伝えしました。あとはほとんどが、「いろいろと良くしていただいてありがとうございます。」とか、「本当にお世話になっています。」とか、そういったお礼の言葉ばかりで、むしろこちらの方から「何か足りないものがあればどんどん言ってください。ほしいものがあればどんどん言ってください。」と、こちらの方から声をかけるやり取りが多かったです。

記者
今の質問に関連しますが、避難所だけではなく自治体関係者ともお会いしたかと思いますが、自治体関係者からはどのような要望があったのでしょうか。

知事
やはり、燃料の問題です。まだまだ届いていない、そして足りないという状況であるのと、あと医薬品関係もやはりさまざま具体的にこういうものが足りない、ああいうものが足りないという状態で、そこは命にかかわることなのでしっかりお願いしたいということでした。

記者
今日は陸路で高田、大船渡に向かわれたと思うのですが、その陸路を通って行く中で、一番は燃料がないということが大きいと思うのですが、物資運搬する上で何が障害になっていると知事はお考えになっていますか。

知事
燃料が足りないということが、やはり大きいと思います。一方、自衛隊の車両で、岩手まで届いているものについては、かなり大規模に沿岸の方に送られていますが、燃料を含め岩手に届いていないということが非常に大きく、これは内陸市町村においても、物資不足は課題としてありますので、やはり県外から岩手に運んでいただくようなところは、国の指導力、調整力を発揮して取り組んでいただかなければならないところなので、この辺りを繰り返し重ねて国に要望していきたいと思います。

記者
当初は15時10分くらいに県庁へ到着予定だったと思うのですが、1時間ほど現地でじっくりご覧になられ、その分到着が遅れたと思うのですが、どの辺りを長くご覧になってきたのでしょうか。

知事
予定になかったものとしては、大船渡の振興局も回ることができましたので、労をねぎらいつつも市町村のキャパシティをはるかに凌駕する事態に直面していて、本当に県が支援していかなければならないので、これまで以上にもっと市町村に寄り添って、市町村の対策本部にきちんと詰めたり、市に職員が実際に行ったり、既にかなりやってはいますが、それをもっとやっていかなければならないというような話をして来ました。

記者
今日、現地をご覧になって遺体の収容という問題が出てきていると思うのですが、その点はどのように感じ、これからどのような課題が出てくるとお考えなのかお聞かせください。

知事
県の側で対策チームを作って、さまざまな制度をおさらいしながら、市町村に対して、各市町村共通で助言ができるようなことを取りまとめている最中であり、県と市町村が一緒になって取り組んでいかなければならないと思っており、両市長さんにもそのように伝えてきました。

記者
何か要望はありましたか。

知事
大変になりそうだということで、県の協力をお願いしたいと。それから、内陸市町村の方が、そういったことも含めて協力してくれれば、本当にありがたいということでした。

記者
先ほど国の態勢として、復興院を作るなどという話がありましたが、より具体的に県や市町村のキャパをはるかに超えた状態で、現地や東京でどうしてほしいということがあれば、何か具体的なものがあればお願いします。

知事
具体的なものは、紙にすれば分厚いものが、瞬間、瞬間に飛び交っているのですが、そういったものを国の側としても、主体的に掌握しながら手を打って行くような態勢をやはり強化してほしいということです。

記者
そのようにおっしゃるということは、まだまだ国の側に主体性が少し弱いと感じてしまう部分があるということでしょうか。

知事
批判する趣旨は全くなく、感謝の気持ちとむしろ申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、例えば燃料の不足という事態の解決は、県や市町村だけでは解決しませんので、そういうところで指導力と調整力を大いに発揮していただきたいし、それからキャパの不足ということは、これから先に行けば行くほど、どんどん高まっていくので、そういう意味で先のことを考えてみても復興院的な思い切った仕組みが必要ではないかと思っている次第です。

記者
今日の視察で一番印象に残った、あるいはショックを受けた風景などはありますか。

知事
知っている所ばかりであり、そこが瓦礫になっているのは、ことごとくショックで、あそこはああいう建物だったとか、あそこにはああいう人がいたとか、あそこでこういうことをしたなとか、次々と思い出されたことがショックでした。

記者
被災地そのものは、想像とはどの程度の齟齬というか、想像以上だったのか、それとも想像の範囲内だったのか、どうだったのでしょうか。

知事
避難している方々が、予想していたよりも元気そうだったことや、子ども達が結構、明るく伸び伸びと遊んでいたことが、予想と違っていました。

記者
統一地方選の延期が今日の閣議で決定されましたが、そのことについてご所見をお伺いしたいのですが。

知事
県の選挙管理委員会の方でも、今日で市町村選管との調整が終わり、県が関与する分と市町村が関与する分があり、情報では市町村選管の意見を取りまとめた上で、県としての見解を国に申し述べてあるという、そして県選管の見解として実施は困難である旨を国の方に申し述べたということであり、国の方の判断はありがたいと思います。

記者
明日以降も視察はされるのでしょうか。

知事
とにかく可能な限り早目に、ただし一定の時間を確保しながら、今日行ったところも含めて全12市町村を回りたいと思います。

記者
明日の予定は、もう決まっていますか。

知事
まだ私は聞いていませんが、日程は作っているかと思います。

記者
人事異動が2週間後に迫っています。県議会の方からは、災害対応に支障がないように考慮してほしいという声がありましたが、どのような方針で対応されますか。

知事
そこは、副知事、総務部長以下で職員自身に考えてもらいながら、凍結しない方がむしろ働きやすいと、私も職員自身の判断が大事だと思っていることと、異動の際に引継ぎによりダブルで一つのポジションにチェックがかかるような態勢というのは、特に今やっている災害対策関係のところについては、むしろ態勢が厚くなるようなところもあり、現場を離れられない人には何らかの形で残ってもらいつつ、次に行く人もそこに行ってもらって、手厚い態勢になるような形で、むしろ災害対策にふさわしい形で異動ができるのではないかと思います。

記者
先ほどおっしゃっていましたが、被災地の皆さんから燃料の不足が訴えられたという話がありました。ガソリンなど輸送に使う燃料、また灯油や重油など暖房に使う燃料など、両方を指しているのではないかと思うのですが、県として今の救援に必要な燃料について、どの程度備蓄があり使用が可能なのかということについて、どう把握しているのか。また、今後の入荷あるいは支援について、国に対する要望のほかに県として何かできることはあるのか、どのようにお考えなのかお聞かせください。

知事
県として、緊急的に調達できるものとしては、民間で確保してくれている量なども、瞬間、瞬間で変わっていきますので、具体的な数字は難しいのですが、足りなくなる、もう駄目だとなりそうになれば、何とかしてどこからか用意してもらっているという感じが今続いているというように理解してもらえればいいと思います。そういう意味で、送り出す側には、石油・原油の民間備蓄の解放とかもあり、それなりに量があると聞いていますので、物流ルートの確保とそこをどう通すかという意思決定ができれば、どんどん来てもらえると思っているので、そこを我々もそれぞれの手づるを通じて働きかけていますが、国の指導力・調整力もお願いしたいというところです。

記者
石原東京都知事が天罰発言をしましたが、現地視察をされた知事として、どのように思われますか。

知事
これはもう無視するというか、私の耳には入れないことにしました。

広聴広報課
以上をもちまして、知事会見を終わります。

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