平成23年3月23日知事会見記録

ID番号 N4928 更新日 平成26年1月16日

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平成23年3月23日 18時14分から18時27分

広聴広報課
ただ今から知事会見を行います。今日、知事からの発表事項はありませんので、皆さんの方から質問事項があればどうぞ。

記者
今日の会議は非公開でしたが、どのような内容の話し合いをされたのでしょうか。

知事
内閣府副大臣の発言については、対外的にはきちんと総理や官房長官の発言と擦り合わせる必要があるということで、私からはコメントを控えさせていただきます。
ただ概要は、毎日(報道機関の皆さんにも)見てもらっているような各担当部長からの報告をいつもより少し丁寧に行って、岩手が直面しているこの災害の状況を包括的かつ詳細に説明し、だいぶそこは(副大臣に)把握いただいたと思っています。そして、改めて東北、東日本全体の大災害の中で岩手の特殊事情が良く分かったと、そしてまた岩手においても、本当に大きな被害で大勢の皆さんが、今大変困っているということも良く分かったので、政府として全力でそれを助けていきたいという趣旨のことをおっしゃってくれました。

記者
会議が非公開だった理由は、先ほどおっしゃったように総理や官房長官の発言との擦り合わせの必要があるからという趣旨からということでしょうか。

知事
政府の、しかも内閣府の人が入ると、結局そういうことになるわけです。

記者
向こう側の希望だったということでしょうか。

知事
(会議室に)入る前に、そういうことですよねということを(副大臣に)確認してから入りました。

記者
沿岸市町村の行政機能が著しく低下しているということで、県の方からいろいろと応急的にも、これから恒常的にも職員の支援体制が必要になると思います。一方で、県全体の問題として、今後の行政機能あるいは災害復興・復旧に向けて、マンパワーを国の方から手厚く派遣や常駐してもらい、そういう対応に当たっていくという手法も考えられると思うのですが、その辺のことについて、今日、もし知事の方からそういう要請されたとか、過去にされたとか、あるいはそういう必要性を感じているとか、その辺のところの考えがあればお願いします。

知事
今現在も小森(内閣府)参事官のチームがこちらに常駐して、いろいろとやっていただいているところであり、さまざま各省庁からある行政目的のために応援に来ていただいているということは、小森チームのほかにもあり、そういうものは随時、お手伝いいただくような格好になるのかと思っています。先ほどの会議の中でも、私の方から復興に当たって、津波対策ビルとか、津波対策住宅とかの話をしていますが、ただそういったことについて県は県で調査するなどし、その調査に基づいてビジョンを描いていきたいと思っているのですが、やはり日本を代表するような専門家の皆さんにも、協力していただかなければならないと申し上げ、そういったところは将来こちらの方に来ていただいて、お手伝いいただくようなことになるのではないかと思います。あとは、例の平成23年度の仕事の中身を4月いっぱい目途で決めていく際に、それは県の機構の見直しの作業にもなりますので、そういう中で国の方から来たこういう人達にはずっといてほしいということも確認されていくと思います。

記者
今日、人事の一部追加の発表がありましたが、暫定的に沿岸部に職員を止めおいて(災害対策を)やるという対応がありましたが、その先には長期的なビジョンで沿岸の復興に向けた組織の見直しも必要と思われるのですが、1カ月がひとつの区切りになるのだと思うのですが、そのあたりで何か出てくるのかと思うのですが、どうお考えでしょうか。

知事
やはり4月いっぱいで行う平成23年度の事業の基本方針づくりという中で体制の変更についても、見直していく格好になると思います。予算と同じであり、来年度予算というものは、それはそれで決めていただいて、あとは補正予算でどんどん対応していくということです。来年度予算をいきなり組み替えの作業して、地震に対応した新年度予算を作り直すということは作業上、無理なことです。人事とか機構も、まず今決まっているところへの人事異動を軸にしながら、そこに補正予算ならぬ、補正人事という形で体制を作っていくというのが基本になっていくと思っています。

記者
2点伺います。1点目ですが、昨日、盛岡市で採取した水道水から、微量ではありますが核分裂生成物が検出されたということに対する受け止めと、あと今日、東京方面ではだいぶ高濃度のものが検出されて騒ぎになっていますが、政府に求めたい対応をお聞かせください。

知事
昼にテレビをつけていたところ、盛岡で基準値を大きく下回るものの、そういう物質が出たということが報じられており、心配する人もいるかもしれないと思い、自分で水道水の水を飲んでみせようかと、ふっと考えたのですが、すこしパフォーマンスし過ぎて、かえって知事がそんなことまでしなければならないほど深刻と思われても大仰だと思い、やらないことにしました。私自身、平気で水道水を飲んでいますが、そこはしっかり科学的な事実に基づいて的確な行動をとればいいと思っており、県として何か呼びかけが必要な場合には、きちんと呼びかけるような姿勢はありますが、今のところはそういった呼びかけは行わず、情報提供を行う段階だと思います。国は国で、放射能濃度の検査について、しっかりと機械を使って検査する全国的なネットワークを維持し、その情報をきちんと公表する、そして呼びかける必要があれば呼びかけるという責務が国にありますので、それをきちんと行ってほしいと思っています。

記者
2点目は、震災発生後、岩手ではそういう状況は今のところないと理解しているのですが、他県では、より環境の良いところを求めて隣県へ避難するということが出始めているやに仄聞しておりますが、岩手でこれから被災地を復興していく上では、マンパワーが必要となると思いますし、その後、復興した後も地域を支えていく上でもマンパワーが必要となります。そういう中で、今大変な時期ですが、県内に県民を止めていくために、どのような形で対策を打っていくのか、お聞かせください。

知事
岩手の災害対策の二大原則で、被災者の幸福追求権の保障と並んで、犠牲者の古里への思いの継承という、この2番目の趣旨からいって、犠牲になった皆さん方が、今までさまざまやってこられた古里というものを大事にしなければならないと思っています。そして、昨日から今日にかけて、岩手の高校入試の結果が発表される中で、本当に地元に残って働きたい、自分の古里に残って復興のために力を尽くしたいという、新高校生達がたくさんいることはものすごく嬉しいことであり、その子らが活躍できるようにしていかなければならいと思います。例えば、国の方が、どんどん県外に避難してくださいというメッセージを強く出す前に、岩手ではもう発災翌週の月曜日に内陸市町村長の皆さんに集まっていただいて、まず内陸で受け入れてくださいという、少なくとも岩手の中できちんとやろうという態勢はつくれたと思っています。あとは復興ビジョンを県内の専門家、県外の専門家の力も借りながら、復興ビジョンをきちんと作っていくことが質問の趣旨に応えて行くことだと思っています。

記者
昨日、総務省の方で選挙の延期が決定されました。知事選についての思いについてお伺いしたいのと、盛岡市議選など一部県内の(議会)選挙の延期が決まっていませんが、先ほどおっしゃったような避難者の受入など、内陸の自治体もいろいろと力を尽くしている最中ですが、知事としてはそういうところを延期するという、お考えをお聞かせください。

知事
まず自分自身については、選挙の洗礼を受けずに任期をどんどん延ばしていくということは、民主主義のあり方からいって大変申し訳ないことだと思っています。やはり、特に被害の大きい沿岸市町村の復旧・復興を急いで、早く選挙ができるようにしなければならいと思っています。
一方、統一地方選の第2陣の市町村の選挙については、基本はその市町村の選挙管理委員会の判断だと思っていて、岩手県の選挙管理委員会としては、その市町村選管の判断を尊重してほしい旨を総務省に伝えているということで、それでいいと思っています。

広聴広報課
以上をもちまして、知事会見を終わります。

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