平成23年3月30日知事会見記録

ID番号 N4920 更新日 平成26年1月16日

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平成23年3月30日 10時35分から10時49分

広聴広報課
ただ今から知事会見を行います。今日、知事からの発表事項はありませんので、皆さんの方から質問事項があればどうぞ。

記者
先ほど、県民消費生活についてのお話がありました。もう一つ、被災地での企業は当然なのですが、県全体とし盛岡あたりの企業が特に停滞している状況だと思います。そういう意味では、出来るところから気持ちを切り替えて産業活動していかなければならない状況だと思いますが、その辺について、知事の方から企業人や労働者の人達に向けて、どういった思いで活動してほしいかという点をお願いします。

知事
まず、実務的な話から入ると、4月いっぱいをかけて、平成23年度の県の事業を見直していくという作業を通じて、災害対策としての粗い年間の見通しと、それと同じくらい力を入れて行っていくべき県の事業を確定していくわけですが、災害対策と密接に関わるわけですが、経済・雇用関係の政策はしっかり、きっちり行っていき、災害の応急措置から復旧・復興という流れを力強いものにしていくためにも、経済・雇用の力強さということが大事なので、今、そういう方向で担当も準備をしてくれていると思います。

記者
具体的にはどんな活性化策となるのでしょう。先日、県議会議員さんたちからは、瓦礫の撤去などを県内の建設業者などに発注して、日雇いでも被災者の方が日銭を稼ぐという手段にするべきだという話もありましたが。

知事
実は、平成23年度は骨格予算と言いつつ、経済・雇用ついては、かなり国の事業を活用した底支えをしっかりやっていくような事業は既に予定はあるわけで、その中で活かしていけるものはどんどん活用し、災害対策と連動させることで効果があるものについては、そこは積極的に連動させていく方向で調整していくと思います。

記者
先日の陸前高田市で避難されている方とお話をさせていただきました。その際に、岩手県の方でも、国の方でも構わないのですが、陸前高田市の町の状況があのようになっていて、復旧・復興の際に、また同じ場所に住むことが出来るのか、もしくは別の場所へ新たに町をつくっていくのか、そういったグランドデザインを早く示してほしいといった声が多数聞かれました。現時点で、どこまで復興のビジョンを示すことが出来るのか、お聞かせいただきたいと思います。

知事
月曜日に早速、斉藤徳実岩手大学名誉教授の率いるチームが調査に入ってくださっていますが、県としてのきちんとした調査、そして復興ビジョンの策定というのは4月中にはスタートさせていかなければと思っています。そして、年度の前半中には、中間報告的なものが出来るようなタイミングで取り組まなければならないと思っています。

記者
大槌町長が亡くなって、遺体が発見されましたが、それに伴って死去後50日といった新しい町長選挙などに関してのスケジュールは、今どのようになっているのでしょうか。

知事
ちょうど担当(部長)がいますが、統一地方選挙がもともと大槌で行われる予定でしたので、その統一地方選全体の延期の法律の中で、今、延期されることが決まっているということです。

記者
先ほどの瓦礫の処理のことで、地元雇用ということでしたが、県土整備部の復旧事業の中で被災者の方を雇用するようにという要請というか、契約の中でやるということを決めて方針を出して、これから動くわけですが、復旧工事、いわゆる入札による工事等に関しての全庁的に被災者雇用とか生活支援の面ということになると思うのですが、そうした方針を全庁的に広げるお考えは今のところありますか。

知事
二つの大きな原則として、被災者の方々の幸福追求権の保障、その中身は暮らし、学び、仕事の確保であるということ。もう一つは、犠牲になられた方々のふるさとへの思いをしっかり継承するということなのですが、私からはこの原則に従って、うまい仕組みを作ってくれということを頼んでいるところで、さまざまな工夫が4月中に決まっていくと思います。

記者
県の事業について、新年度分を見直すということで、大きなもので新年度にこれは止めようという事業は、具体的に出ているものはありますか。

知事
人事も大きく動きますので、4月1日以降の体制の中で考えてもらおうと思っています。

記者
目立ったものはまだ出ていないということでしょうか。

知事
4月1日以降の体制の中で考えてもらおうと思っています。

記者
先ほどの、グランドデザインの質問に関わると思うのですが、今回の津波で巨大な防波堤が壊れてしまうなど、想定されない状況ではあったと思うのですが、考え方によっては防波堤というものが出来ない状況で新たに町づくりを行って、また津波が押し寄せてしまったらという状況があるかもしれないですし、どのような発想になっていくのかと思いまして。まず、防波堤をつくってから町づくりを再建していくのか、それとも先ほどおっしゃったように、そこにはつくらずに別のところにという考え方もあると思うのですが。防波堤について、どのようにお考えかお聞かせください。

知事
安全というものが大きな要素になると思います。今回の地震は地質学的には、千年に1度の地震・津波が日本を襲ったということなのですが、そういった中でビルが健在であったり、大船渡市の吉浜のように高台に漁村が形成されている場合は、無傷であったりした例とかが参考になるのだと思いますが、ただそういったことは既存の防潮堤・防波堤を前提にそうだったわけであり、そういう意味ではそのお陰でビルが健在であったり、吉浜の村が健在であったりしたわけですから、そこは専門家の方にきちんと調査していただかなければ分からないのですが、安全面に関しては、現状復旧的な観点からの早急な取組というものが求められてくるのではないかと思っています。

記者
これまでどおりの防波堤をまずということですか。

知事
まずは専門家による調査が前提となります。

記者
内陸移送に関してですが、今日も第2回目の移送が行われましたが、キャパシティが9,500人という中で、実際に移動なさっている方、なさる方は、まだまだ少ない状況にあります。今後の内陸移送に関して、どのように、いつごろまで対応していくか、そのあたりのお考えをお聞かせください。

知事
被災された皆さんの一人一人の思いというものを大事にしていかなければならないと思います。またそれとセットで、コミュニティごとの絆というのも大事にしなければならないと思います。そういう意味では、上の方から計画を押し付けて、この通りにしてくださいという進め方ではなく、あくまで難を逃れた方々、一人一人の幸福の追求ということに行政が寄り添うような形で進めていければと思っています。ただ内陸移送に関しても、暗雲を投げかけているのが燃料不足の問題であり、被災地のみならず盛岡市等支援する側の市町村においても、ガソリンと生活物資に関してもまだまだ改善していない状況なので、そこのところは引き続き、国の方に打開を求めていきたいと思っています。

記者
震災後に、内陸でもいろいろな自粛ムードというものがあり、経済活動が停滞していて、生活が自分たちも苦しくなってしまうという声もあるのですが、そうした空気についてはどうお考えになりますか。

知事
お悔やみの気持ちを表したいということについては、お一人お一人が、それぞれの宗教であるとか心情などに基づいて、それぞれが決められていくことだと思っています。県に出来ることは、先ほども申し上げたように、今後の見通しをきちんと決めて示しながら、また発災から1カ月が経った時には、がんばろう岩手宣言を出せるようにしていきたいという方向で準備していますし、これは北海道・東北地方知事会議でも「がんばろう東北」という形で準備をしていますので、そういったことが、色々と節目、節目となりながら、全体的に前に進んでいければと良いのではないかと思っています。

記者
個人それぞれは、心情や宗教に基づいてということでしたが、全体的なムードとしてはやむを得ないというのもあると思うのですが、これに関してはどうですか。

知事
お一人お一人の内心に立ち入るわけにはいかないと思っています。県としては、先ほど申し上げましたような、年度の事業のスケジュールを4月中に決めて示すこととか、4月11日にがんばろう宣言を出す中で、将来に向けてのビジョンやイメージを県民の皆さんに持っていただくという形の中で働きかけていくことが出来ればと思っています。

記者
子どもたちの教育に関してですが、学校を失うなどにより学び舎自体がなくなり、勉強が出来るのかという不安を抱えている子どもたちもいますが、教育に関する復興ビジョンというのは、今のところどのようなところまで進んでいるのでしょうか。

知事
まず、年度単位のことは4月中に一気に調整していくのだと思いますが、当面ということに関しては、先ほどの会議で教育長は遠慮気味に言っていましたが、まず全ての小中学校において4月中を目処に新学期を始められるようにということで準備が進んでいますし、高校は絶対にスタートします。小中学校も、まずはスタートをする。ただし、そのスタートの仕方について、学びの場である校舎等に不自由・不足がある中でスタートせざるを得ない状況だと思いますが、それをどう直していくかという方向性も4月中に決めて出せれば良いと思っています。

広聴広報課
以上をもちまして、知事会見を終わります。

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