平成21年4月1日知事会見記録

ID番号 N11775 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年4月1日 10時30分から11時4分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
最初に、知事から発表があります。
それでは、知事お願いいたします。

知事
今日の発表事項は、いわて花巻空港の新ターミナル供用開始式等の実施についてと台湾でのトップセールスについてです。
いわて花巻空港の新ターミナル供用開始式等の実施についてですが、来る4月9日の木曜日、いわて花巻空港の新ターミナルが移転オープンいたします。お手元に配付の資料のとおり、オープン当日は1番機歓迎セレモニーや新ターミナル供用開始式を行います。当日は名古屋からの1番機が9時に到着します。化学消防車の放水アーチによる歓迎を行い、1番機のお客様の歓迎セレモニーを行います。この1番機で名古屋から「なぞの旅人フー」という中部国際空港のイメージキャラクターが新ターミナルオープンのお祝いに来ていただき花巻空港の「はなっぴー」と会う予定になっています。
また、1番機歓迎セレモニーに引き続き、新ターミナル駐車場の多目的広場において、いわて花巻空港新ターミナルの供用開始式を行う予定です。関係者の皆様と新しいいわて花巻空港の出発をお祝いするとともに広く県内外にPRしたいと考えています。
そして、台湾でのトップセールスの実施でありますが、4月15日水曜日に台湾へのチャーター便が新ターミナルオープン記念として運航されます。このチャーター便を利用して私も台湾を訪問し、同行のミッション団とともに台湾現地での観光PR、またチャーター便誘致拡大のためのセールス活動を行って参ります。
今回のミッション団は、私が団長になりまして、岩手県観光協会の佐藤理事長様をはじめ県内の観光関係者や宿泊関係者など総勢20名で構成されます。台湾の政府関係機関や観光関係機関、航空会社等を訪問して台湾から本県への誘客について働きかけを行って参ります。
また、現地で旅行会社やマスコミ関係者を招待して観光説明会も実施します。豊富な岩手の観光資源やその魅力についてアピールし、台湾からの観光客とチャーター便の誘致拡大を図って参りたいと考えています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの知事の発表事項について各社から質問があればお願いいたします。
無いようですので、次に移ります。
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありません。ほかに各社から質問があればお願いいたします。

記者
昨日、都南川目道路の件で知事コメントはいただいたのですが、県民生活や経済、社会活動で、具体的にこの道路が整備されることによってもたらされる費用便益比(B / C)以外の効果について、どのようにお考えなのかお聞かせください。
それと盛岡市とか宮古市の市長は要望に行くようですけれども、知事は今回のことに対して何かアクションを今考えていらっしゃるのかお伺いします。

知事
具体的なアクションについては、これからの検討になりますけれども、東北自動車道盛岡南インターのところから国道106号線に直結していく非常に大事な道路だと思います。沿岸と内陸を結ぶかなめになる道路だと思いますし、盛岡競馬場にも盛岡南インターのところからすぐ行けるようになるというメリットもあります。内陸と沿岸を結ぶということについては生活道路、また産業振興という効果もあるわけですけれども、今宮古病院から盛岡への救急搬送が非常に多くなっています。そういう命にかかわる緊急道路としても非常に重要だと思っていますし、災害などのいざというときのライフラインとしての機能もありますので、費用便益比(B / C)の数字だけで決められる道路ではないのではないかと私も思っています。

記者
そもそも今回の全国一律で出したということについて、そのあり方について、地方は多分不利になるのではないかということが考えられるのですけれども、この評価のあり方についての見解をお伺いします。

知事
色々な要素の中、B/Cも参考にすべき数値の一つなのだとは思いますけれども、きちんとした戦略といいますか、日本にどういう改革が必要なのかということを考えるときに、内需拡大型の地方が主役になるような経済、社会構造にしていかなければならないというはっきりとした国家戦略のようなものにおいて、それが日本全体のためにもなるわけですから、道路政策というのをもう少し戦略的に策定していかなければならないのではないかと思います。

記者
医療局の新経営計画が今日からスタートになります。また、今日から岩手の医療を守る取り組みというのが始まると思いますので、その初日にあたりまして、知事から改めて決意、お考えをお聞かせください。

知事
今年度、県の予算全体を逆風に立ち向かう逆風立ち向かい予算と呼んでいるのですけれども、この新しい経営計画のもとでの県立病院の経営もやはり逆風に立ち向かっていくことだと思っています。全国的に医療崩壊の危機が言われる中で、岩手も例外ではない危機的状況にあるわけですけれども、岩手の地域医療というものが全面崩壊しないようにしっかりとみんなで手をつないで逆風に向かっていく、そういう体制はおかげさまでつくらせていただいたと思うので、そういう意味ではここからが本当の勝負だと思っています。効率的で、かつ患者さんの必要に応じた医療をきちんと提供していける、そういう体制をもちろん医療局、県が責任を持ってつくっていかなければならないわけですけれども、同時に県民一人一人にも地域医療を守る責任があるということ、これは1年前に出た県の医療計画の中で、初めて明記されたわけでありますけれども、今日からスタートする医療局の新しい経営計画もそういう考え方のもとでの今日が第一歩になるわけですので、県民みんなで支える岩手の地域医療ということを進めていきたいと思います。

記者
議会が終わってからということでしたが、知事が地域診療センターがある市町村に出向いて説明するというスケジュール今はどうなっているのか、またそれが確定していなければ少なくともいつごろまでには出向きたいというお考えなのかお聞きします。

知事
今、医療局と市町村の間で調整進めてもらっているところです。調整でき次第すぐに行きたいと思っていますけれども、もちろん相手があることですので、いつまでというような感じにはできませんので、ちゃんと行く先の地元側が納得できる形で、きちんとした形で進めていきたいと思っています。

記者
医療局の計画に関してなのですけれども、先日行われた県立病院の経営委員会で、3年後の黒字化についてどだい無理でしょうという声がかなりあったのですが、その中では計画が1年後、2年後の段階でその数字から変わるようであればすぐ見直さなければいけないでしょうと。5年前にも同様の議論があって見直しをすぐに進めなかったことが今回の事態を招いたのではないかという指摘もありました。黒字達成についてどういうふうに考えるか、それから見直すことなども含め検討に入るのかどうか、事態、状況によっては1年後に見直しするということもあり得るのかどうか、その辺をお伺いします。

知事
県立病院のシステムが県の財政を破綻させるようなことがあってはならないというのは戦後最初の知事さんから一貫して引き継がれてきた岩手県としての最重要事項の一つでありますから、私の代においても効率化ということについてはしっかり取り組んでいかなければならないと思っていますので、黒字化というのはできる、できないの問題というよりは、代々の知事の引き継ぎ事項としてしっかり進めていかなければならないことだと思っています。ただし、この国の診療報酬の改定で大幅なマイナスになったこととか、国の政策の誤りによる医師不足問題とかが県立病院の大幅な減収要因になったりしましたし、そこは今後も予断を許さないところがありますので、そういう意味では目的を達成していくためにはこの5年間の中でも臨機応変に対応していくということについてはやぶさかではないと言えると思います。

記者
その場合に、この5年間の中で無床化になったのが沼宮内含めて6施設、ほかのところは22病院を維持するという計画になっているわけですけれども、そういった病院体制の見直しということもあり得るのかどうかということはいかがでしょうか。

知事
基本は、今日4月1日時点の体制を守っていくということが今の経営計画の骨子でありますので、それをベースに臨機応変な対応ということも考えられると言ってよいと思います。

記者
今日から新年度ですけれども、今年度知事が最も力を入れたい部分というのはどういうところになるか改めて教えていただけますでしょうか。

知事
この世界金融危機に端を発する雇用と経済の危機に対してきちんと対応して、職を失っている人たちが働けるようになり、また地域経済の落ち込みを極力防いでいく、そういうことがまず喫緊の最重要課題だと思っています。
それから、並行してこの岩手というところで将来にわたって安心して暮らしていけるのか、そういう不安が県民には広くあって、それで医療問題についても政策課題として県民の関心が一番高いことにもなっていますし、そういう医療も含んで保健、福祉、そういった広い県民の命や健康を守っていく、そして安心して将来も暮らしていける体制をきちんとつくっていくということも非常に大事だと思っています。
そういう中で、今年度は新しい長期計画を策定する1年でもありますので、将来に向かって希望が持てる、そして安心して自分が暮らしていける、孫子の代にもきちんと引き継いでいける、そういう岩手の見通しというものを県民みんなの知恵と力を合わせてつくっていきたいと思います。

記者
昨年度に着工が延期になった北上市の東芝工場なのですが、無期限延期ということになって、現在着工の見通しが全く立っていないということだと思うのですが、今年度県としてどのように働きかけ等を進めていくお考えなのかお聞かせください。

知事
西田社長からは、これは凍結ではないのだと、あくまで延期にすぎないのだということで伺っておりますし、新しい社長さんも基本的に西田社長の戦略や方向性を踏まえてやられると理解していますので、西田社長との間に構築してきた信頼関係や、また将来に向けてのビジョンの共有といったことを新しい社長さんのもとでも、それはトップ同士はもちろんですけれども、それぞれ事務レベルとか、あと県だけでなく北上市、北上商工会議所など色々なところでそういう体制をつくってしっかり取り組んでいければよいのではないかと思います。

記者
春のセンバツ高校野球で県代表の花巻東が二十数年ぶりのベスト4進出で、今日決勝戦進出をかけて戦います。知事はご覧になり応援する時間がおありでしょうか。そして、花巻東ナインにエールをお願いしたいと思います。

知事
まず、ベスト4に残ったということでも、ものすごく大変すばらしいことだと思っています。色々な危機に直面する岩手県民にものすごい勇気と希望を与えてくれていると思っています。そして、さらに今日の準決勝の試合に勝てば、明日は決勝ということですので、試合を直接テレビで見るかということについては、仕事優先にはなるのですけれども、やはり念力は送りたいと思っていまして、ぜひ決勝進出、そして行けるところまで行ってほしいという思いです。

記者
仮に全国制覇を果たした機には県として何かお祝いとか考えていらっしゃいますか。 

知事
今の段階ではプレッシャーをかけるのもどうかというか、見ているとプレッシャーをあまり感じていないというか、すごい伸び伸びとプレーしていてすごくよいと思います。あれは本当に学ばなければならないと思っていて、本当に目の前の一球一球に集中して、今はこれをやるのだと、そういうことに集中しているところがすごいなと思っています。ですから、その結果に応じて県としてどうするかということは、結果が出た時点で検討されていくと思いますけれども、今本当に目の前の一球一球に集中して伸び伸びプレーしてほしいと思っています。

記者
花巻空港の新ターミナルとのコラボレーションというか、何か連動した動きとかもできる気もするのですけれども。

知事
私も色々と想像はすごく膨らんでいるところなのですけれども、それは大人の世界の話ですから、まずは高校球児としてベストを尽くしてほしいと思っています。

記者
北朝鮮の弾道ミサイル関連で、県のほうで今段階でどこまでどういう準備が進んでいるのかということと、落ちる可能性は低いとは言われていますけれども、県民に対する心構えなどといった部分について改めてお知らせいただけますでしょうか。

知事
基本的には防衛省、自衛隊のほうできちんと作業していますので、県として何か特別に協力活動をしているという感じではありません。いざというときに備えての連絡体制の構築ということで、県から市町村とか、そういう連絡がスムーズにいくような体制の構築、そして国からの必要な情報を県でちゃんと受けられるようにという情報連絡体制の構築というところが今の県としての主な取り組み事項です。
そして、今回の自衛隊の対応は国民の安全と財産、そして自由を守るということだと思います。防衛というのは安全、財産とか生命、財産とか守ると言われますけれども、究極的には民主主義の価値、理念、憲法価値を守る、自由を守るというところが大事だと思っていまして、そういう意味では基本的にふだんどおりの仕事や生活をするということが大事なのではないかと思っています。

記者
今日から診療所で入院受け入れが中止される件について改めて伺うのですけれども、先ほど、今日から実施するにあたっての決意というところを伺ったと思うのですが、知事のおっしゃった話の中で県民も努力していかなければいけない、一体となって医療を守っていかなければいけないというお話がありました。一方で、今日から体調を崩しても近くの診療所には入院できないという方々が大勢いらっしゃるわけですので、そこに県としてどのように責任を果たしていくのか、県の計画によって影響が生じる人たちに対してどのように手を差し伸べていくのかというところをお伺いします。

知事
まず、外来診療は行っていますので、具合が悪ければ遠慮なく行っていただきたいと思います。そして、入院が必要な場合には、今までも重い症状の場合には中核病院に行っていたわけでありますし、最初から救急車で中核病院直行というパターンも多かったわけでありますので、そういう中核病院での対応をきちんとやっていくことが大事だと思っています。
そして、今までは医療としての入院は必要はないのだけれども、家族の安心や、また本人の安心もでありましょうけれども、医療入院の枠外での入院ということが行われていて、それが行われなくなる不便さ、不安さというものがあるのだと思いますけれども、その辺については、医療ではない介護の部分の充実、これは県だけではだめでありまして、市町村、民間も含めて地域で、市町村や民間がこの介護の体制づくりというのはやっていかなければならないですし、また在宅で安心を得られるための仕組み、これは県でも地域包括支援センターの充実を支援することとしており、センターでは特に高齢者の皆さんを対象にしてそこに相談していただければ、これは病院、これは介護施設、あるいはこれは在宅のまま色々なサービス受けられるという紹介機能も今充実させて言っている最中でありますから、そういう分野と、県、市町村、民間、そういった主体の連携の中で県民一人一人の命と健康を守っていくという工夫と努力を今日から更に高めていかなければならないというところだと思います。

記者
日曜日に千葉県の知事選がありまして、民主党の推す候補者が自民党の一部が支援する候補者に敗れるということがありましたが、その点について小沢代表の秘書が逮捕されたという問題がどのように影響したと見ていらっしゃるでしょうか。

知事
千葉県民の選択でありますから、そこにとやかく言うのはどうかと思いますけれども、森田健作さんは知名度も高く、前回選挙でも100万票ぐらいの投票数の選挙の中で6,000票差で非常に惜しかったわけですので、森田健作さんが知事に選ばれるということには何の不思議もないと思っています。

記者
世論調査でも小沢代表が辞任すべきというような意見が高まっていますけれども、千葉知事選の結果を踏まえて、改めて知事の見解をお伺いします。

知事
そうですね、深夜に行われる討論番組で4時間賛成、反対、かなり議論が出尽くしたその最後に見ている人たちが答える調査では60%以上が辞めなくてよいと答えていたと聞いています。それから、色々と情報を積極的に、主体的に入手した上で自分の意思で意見を投稿するネットアンケートでも半分以上が辞めなくてよいというふうに答えていると聞いています。ですから、いきなり調査機関から電話がかかってきて、「事情がよくわからないけれども、何か辞めろ、辞めろと騒がれているから辞めたほうがよい。」という、そういう感じで答える人が多い調査においては6割ぐらいの人が辞めたほうがよいという結果になっているのでしょう。しかし、この事の重大性とか、政治絡みのことについて今までこんなに出たことがないのではないかというくらい多くの検察批判も出ている中で、そういうふだんどおりの世論調査の数字だけに基づいて日本の運命を決めてしまうのはいかがなものかと思っています。

記者
北朝鮮のミサイル発射問題をめぐって、少し古い話になるのですが、東京都の石原慎太郎知事が27日の定例記者会見で、稚拙な技術で打ち上げて変なものが間近に落ちたほうが日本人は危機感というか、緊張感を持つのではないかという発言をしているのですが、達増知事は率直にこの発言についてどのように思われますでしょうか。

知事
私はほかの知事さんの発言ということについてはとやかく言わないようにしているのですけれども、国民の生命、財産、そして自由を守るのは、これはもう憲法上の国の務めですから、それは絶対やらなければならないことなので、それはやってもらわなければならないし、また我々も県民であると同時に国民ですから、国の対応に協力をしていくということで、県としてもそういう対応をとっているということです。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月13日(月曜日)の予定です。

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