平成21年4月28日知事会見記録

ID番号 N11767 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年4月28日 11時10分から11時40分)

広聴広報課
ただいまから臨時記者会見を行います。
最初に、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
本日早朝にWHOが新型ウイルスの警戒レベルをフェーズ4に引き上げたことを受け、本日岩手県新型インフルエンザ対策本部を設置し、第1回本部会議を開催しました。
会議では、県としての取り組み方針、各部局の役割、当面の対応等について確認し、今後の対応に万全を期すこととしたところです。特に当面の対応の中で、メキシコ渡航者の把握や、その方々の健康観察を実施する考えであり、4月18日以降にメキシコを出国し、現在県内におられる方については、最寄りの保健所に電話でお申し出いただきたいと思います。この件につきましては、県でもホームページ等で呼びかけますけれども、それぞれ職場や地域とかで、そういえばあなたメキシコから帰ってきたばかりではないかとか、メキシコに行っていたねとか、声をかけ合うなどして最寄りの保健所に、電話で連絡をいただければと思います。
なお、4月18日以降にメキシコを出国された方という4月18日というのは、今から10日前ということで、国のほうでも10日間を潜伏期間として考慮していますので、それに準じた対応をするということです。

広聴広報課
それでは、各社から質問があればお願いします。

記者
ただ今の発表で、4月18日以降にメキシコを出国した方は電話でと、「電話」を強調されていましたけれども、その理由はどういった点でしょうか。

知事
もしその方が仮に新型インフルエンザに感染していた場合には、外に出ますと感染の危険性がありますので、そういう危険性があるのかどうかというところから、まずは電話で相談をいただくことが重要です。基本的に色々な相談や連絡などは電話でお願いするということです。

記者
今後の対応の中で、各保健所への発熱相談センターの設置と、各市町村への説明及び要請とあります。まず発熱相談センターは県内に何カ所設ける予定になっているのでしょうか。

知事
これは保健所の数とイコールで、保健所にそれぞれ設けられます。

記者
保健所は県と盛岡市を合わせて11カ所ありますが、11カ所ということでよろしいでしょうか。

知事
はい。

記者
各市町村への説明及び要請というのは、どういった内容を今の段階で考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
今日中に行う予定です。内容は保健福祉部長から説明させます。

保健福祉部長
本日、市町村の担当課長会議を開催中であり、その中で説明及び要請を行う予定です。現在、国のほうからこの新型インフルエンザに対する国、県、市町村の役割分担が一応示されており、県のほうで健康監視体制の様々な準備、整備をしています。いずれ市町村におきましては、適時協力をいただくとか、あと今後の話になりますが、県のほうで先ほどご説明したように各保健所に発熱相談センターを整備するわけですが、市町村におきましても国のガイドラインではセンターの設置を要請させていただくことになるとか、その他様々な関係について協力要請を行う予定です。

記者
昨日の記者会見で県民へ沈着冷静な対応をと呼びかけていらっしゃいました。まだ県内では現段階で感染者は確認されておりませんが、フェーズ4になった段階で、改めて県民へのメッセージをお願いします。

知事
沈着冷静、しかし油断せずということが基本だと思っています。今の段階では、このメキシコ渡航歴のある方の健康をきちんと見ていくことができれば岩手県内においてはかなりの安全、安心を確保できると思っていますので、そこのところはしっかり保健所へのお申し出ということをやっていただきたいのですけれども、そのほかのことについては、今からメキシコへの渡航の自粛とかの問題については国、政府からの発表など、そうしたことをマスコミを通じてきちんと把握しておいていただきたいと思います。繰り返しますが、メキシコ渡航歴のある方の健康をきちんと見るということを今やっておけば、ほかのことについては県民の皆さんは普通にしていらして構わないと思っています。仕事、勉強、生活あるいはレジャー、そうしたことについては、普通にやっていただいて、外から帰ったらきちんと手を洗い、うがいをするとか、あるいはふだんから必需品の一定の備蓄をしておくとか、そういうことも含めて普通にしていただければよいと思います。

記者
確認なのですが、新たな対応で各保健所への発熱相談センターの設置とあるのは、昨日までの相談窓口の設置と名称が違うほかに具体的に何か変わるのかどうか。
あと、感染症指定医療機関等における即応態勢の準備の支援とあるのですが、これは具体的に何を指しているのか教えてください。

知事
国のルールでフェーズ4の段階では、保健所に発熱相談センターを設置すると決まっているのですけれども、具体的には感染症指定医療機関との連携などが強化されるということです。ちょっと注意していただきたいのは、国のルールでこういうセンターを設置するということになっているのですけれども、今メキシコ渡航歴のある方に保健所に電話してほしいというのは、熱がなくてもそうしていただきたいわけであり、そこのところはご注意をいただきたいと思います。感染症指定医療機関等における即応態勢の準備の支援は、フェーズ3では情報提供や準備の要請までだったのですけれども、今日も朝から保健福祉部長が関係病院と連絡をとったりして、具体的な準備に医療機関が入っていくので、そこを県として支援していくということです。

記者
メキシコ渡航者の把握ということですが、4月18日以降にメキシコに渡航した方で県内在住者というのは、現時点で把握しているのでしょうか。

知事
まだ、情報収集を始めたところです。ただ、一方で、これはメキシコ人で岩手に旅行する人の数というのは毎年25から三十何人とかという規模であることや、あるいはメキシコから来て岩手に住んでいる在留者の数が4人とか、メキシコと岩手の交流はそのくらいの規模ですので、ただ旅行とかビジネスについてはまだ全貌は把握できないのですけれども、いずれそこは県としてきちんと情報を把握しながら対応していけばかなりの程度の安全、安心を県民の皆さんのために確保できると思っていますので、県民の皆さんのご協力をお願いいたします。

記者
今の渡航歴の関係ですけれども、今の段階で県に相談などがあった中には、4月18日以降にメキシコを出国した該当者は、情報として入っていないのかどうかという確認と、県人で今メキシコにいらっしゃる方がいるかどうかという情報把握はされているのかという点、それから感染症指定医療機関は、今幾つ指定されているのかという点、それから発熱相談センターの設置は今日設置したという理解をしてよろしいのか、お伺いします。

知事
岩手県人の渡航状態、またメキシコ在住状態等々は、今のところ調査、情報収集中であり、今後新型インフルエンザ問題に関しても災害対策に準ずるような報道関係の皆さんへの情報提供イコール県民の皆さんへの情報提供ですけれども、そういったことをきちんとしていきたいと思っています。
それから、医療機関の仕組みについては保健福祉部長から説明させます。

保健福祉部長
感染症指定医療機関の数は9病院です。
保健所への発熱相談センターの設置は、今朝ほど通知を発したところです。
あと1つ補足ですが、当面は、保健所にご相談があって、実際どこで外来を受けるかということになるわけですが、通常、発熱外来と言っていますけれども、それにつきましては基本的には感染症指定医療機関を中心にお願いしたいと考えています。発熱外来で、さらにスクリーニングされ、指定医療機関のほうに行くということになるわけですが、仮にある程度受診対象者が増えてきますと、発熱外来をある程度設けなければいけませんので、そうなると9病院だけでは対応できない可能性もありますので、その辺のところは状況を判断しつつ考えていきたいと思っています。当面はこの指定医療機関を中心に発熱外来を設置するという予定です。

記者
指定医療機関は、今回の件に関連して既に県のホームページにわかりやすく情報を掲載しているのでしょうか。
それから、渡航歴の連絡ということがありましたけれども、直接指定医療機関に具合が悪いからといって行くのではなく、保健所に連絡をし、指示を受けてから対応してくださいというスタンスなのでしょうか。

知事
保健福祉部長から説明させます。

保健福祉部長
後者についてはそのとおりです。まず、基本的には保健所にお電話をいただいて、そこで色々とご相談いただいてからの対応をお願いしたいと考えています。
あとは指定医療機関につきましては指定されていますが、発熱外来の設置する病院につきましては、今最終調整していましたので、最終的なご了解をいただければその時点で公表したいと思っています。

知事
感染症指定医療機関の9病院の名称を読み上げてください。感染症指定医療機関がどこにあるのか、皆さんにイメージ持ってもらえるとよいと思います。

保健福祉部長
盛岡市立病院さん、北上済生会病院さん、それから県立病院の遠野病院、千厩病院、大船渡病院、大槌病院、宮古病院、久慈病院、一戸病院、これが9医療機関になっています。
ただ、先ほど申しましたように、その前の段階の発熱外来については、それ以外の病院につきましても現在調整中ですので、それにつきましてはご了解いただいた段階で公表したいと思っています。

記者
確認なのですが、この新型インフルエンザの対策本部は、県の平成18年に定めた対応指針に基づく設置ということでよろしいのでしょうか。

知事
そのとおりです。

記者
発熱相談センターは今日をもって設置ということだと思うのですが、発熱外来はいつの時点で設置ということになりますか。最終的な調整が終われば今日中にもということにもなりますでしょうか。

知事
保健福祉部長から説明させます。

保健福祉部長
発熱外来は、国で言う第2段階、いわゆる国内で発症者が出た時点で発熱外来を設置しますので、あくまでもその時点からの設置になります。現在は、それを想定いたしまして、事前にご了解をいただいている段階だとご理解いただければと思います。

記者
その発熱相談センターに発熱の相談があった場合の収容は、通常の感染症の対応ということで感染症指定医療機関に収容されるということでよいのでしょうか。ちょっと想定しづらいですけれども、発熱外来の設置前に県内で疑い症例が出た場合はどうなるのでしょうか。

保健福祉部長
担当の課長から説明させます。

保健衛生課総括課長
発熱外来設置前に疑い症例が出た場合はどうなるのかということですが、発熱外来設置は、今部長が申し上げましたとおり、国内発生の段階で設置いたしますので、その段階で疑いということであれば通常の検査なりをして、そこで症例を新型インフルエンザなのかどうかを見ることなります。
 

記者
今回のH1N1型の豚インフルエンザと確認するまでの時間は、どのくらい要しますか。

保健衛生課総括課長
どういう形で最終的な検査をするかということにつきましては、国に確認中です。

記者
仮に入院患者が出てきた場合に、まず最初に感染症指定医療機関、その次に結核病棟を有する医療機関、その次にそれ以外の医療機関と進んでいくと思います。それ以外の医療機関に対する、もっとフェーズが進んだ場合の要請というのは現段階でしているのでしょうか。

知事
まず、今はフェーズ4でも、まだ国内に患者が発生していない段階の対応であって、基本的にやるべきことは水際対策と健康観察というその2本柱なのです。水際対策のほうは主として成田空港とかを舞台にして行われるわけでありますけれども、地方自治体として地域を守るという観点からは、健康観察をきちんとやるということです。先ほどおっしゃられた色々なその後の対策というのは、国内で感染者が出たという段階でそれに対応する措置をしていくことになります。もちろん今行う準備ということで発熱外来の準備を始め、スタートしているところです。

記者
メキシコ渡航者の把握ということで、メキシコに限定していますけれども、それ以外への地域へ行った方の対応はどうなるのでしょうか。

知事
報道を見ていますと、メキシコ以外の国で感染者として出てきている人というのはメキシコに行って帰ってきた人であって、メキシコから帰ってきた人以外のルートの感染者がどんどん増えてきた段階では、それにふさわしい対応がとられると思いますけれども、今の段階ではメキシコ渡航歴のある方の健康観察ということをまずやらなければならないと思っています。これはもちろんケース・バイ・ケースでありまして、例えば、アメリカでもどこでもよいのですけれども、自分はメキシコに行っていないのですけれども、メキシコから来たばかりの人でものすごいインフルエンザの症状みたいな人と接触をして、自分もちょっとインフルエンザ的な症状が出てきているのだがという方がいれば、急いで保健所に相談をしてほしいと思います。

記者
メキシコ、メキシコと先ほどから言われていますけれども、国内で発生のない段階で、今報道を大きくすることによって、メキシコという言葉に過剰に反応したり、ヒステリックな対応になってしまう可能性もあるかと思います。その辺で冷静な対応を改めて一言いただきたいです。

知事
そうですね。きちんと県のほうで情報を把握して、必要な対応を専門家ができるようにしておけば県民にとっての安全、安心というのは高いレベルで確保できますので、軽挙妄動、数年前にメキシコにいたことがあるような子供をいじめるとか、そういうことは絶対しないでほしいと思います。

記者
国では、メキシコ渡航者について乗客名簿の追跡を行うという方針を示していますが、県でもこれは行うのですか。

知事
保健福祉部長からから説明させます。

保健福祉部長
国からまだ通知等は来ていませんが、今のところ国のほうからそのような要請等が来るものと考えています。

記者
そうすると、来た場合は県のほうでこれを行うという形になるのですか。

保健福祉部長
課長から説明させます。

保健衛生課総括課長
詳細については来ていませんけれども、大まかな流れとしては、検疫所のほうでメキシコから帰国された方について、本人の同意を得た上で、保健所にそのリストが来るということになっています。保健所でまたご本人に確認して、同意が得られればメキシコを出国してから10日間程度健康観察をしていただき、それで何か症例、症状等がある場合や心配なときは、ご本人から保健所に連絡していただきますし、ご本人からのお話がなくても保健所で定期的にその方に連絡をとって健康状態を確認するという流れになるという一応の大まかな流れの連絡は来ています。あくまでメキシコを出国してから10日間という期限付きといいますか、その期日、期間においてということです。

記者
確認なのですけれども、4月18日以降のメキシコの渡航歴の把握というのは、あくまでも保健所に電話で申し出てくださる方の情報を待つということでよろしいのでしょうか、それ以外に何か県のほうで情報収集するのでしょうか。

知事
強制力あることは今の段階ではできませんし、やりませんけれども、待っているだけではなくてそれぞれの担当部局、商工関係者でありますとか、色々な団体、これから市町村にもお願いしますし、そういったルートを通じて何かメキシコとの交流事業を最近やってなかったかとか、そういう人の行き来がないかということを調べて情報把握に努めることにしています。

記者
発熱相談センター等の電話回線なのですけれども、青森県では今年度の予算で増設を計上しているようです。岩手県でそうした対策をまだとってなかったと思うのですが、現在の状況で電話等の相談に対応できるのでしょうか。

知事
まず、遠慮なくどんどん保健所のほうに電話をしてほしいということはお願いしたいと思いますし、電話の回線を増やすことはそんなに難しいことではないので、きちんとニーズに対応していきたいと思います。

記者
必要に応じて予算等をつけることもあり得るということですね。

知事
総務部には予算であれ、人員であれ、全面的に保健福祉部を支援するようにとは既に言ってありますし、全庁的に対応していきたいと思います。

記者
今日これからまた豚インフルエンザというのがどんと広がるのですが、豚の生産者の風評被害等に対して、新たに取り組まれることはあるのでしょうか。

知事
国も新型インフルエンザという名前を正式に使い始めることにしていますし、昨日の会見で私はメキシコインフルエンザと呼ぶと言っていたのですけれども、県のほうも新型インフルエンザという呼び方を使います。
そういう意味で、気をつけなければならないのは豚ではなくてヒトだということで、豚については昨日も申し上げましたけれども、日本にいる豚、あと食肉もそうですけれども、安全でありますので、むしろ健康のためにはどんどん食べていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

広聴広報課
以上をもちまして臨時の記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月11日(月曜日)の予定です。

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