平成21年5月18日知事会見記録

ID番号 N11761 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年5月18日 10時30分から11時6分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
発表事項の1つ目は、平成21年度県勢功労者についてです。昭和55年度から始まっています県勢功労者顕彰の今年の県勢功労者は、お手元の資料にございますように、まず岩手県農業協同組合中央会会長などとして本県農業の振興に貢献された小笠原一行様、全国自治体病院協議会会長等として全国の自治体病院事業の振興に貢献された小山田惠様、岩手日報社代表取締役社長等として本県文化の振興に貢献された村田源一朗様、このお三方といたしたところでございます。表彰式は、5月25日月曜日午前10時半から知事公館において行います。
次に、発表事項の2つ目は、県北・沿岸移動県庁の実施です。いわて希望創造プランにおいても、県北・沿岸圏域の振興は柱の一つになっています。昨年度この県北・沿岸移動県庁を行い、県北圏域にあっては八戸圏域等とのより一層の交流、連携の促進、沿岸圏域にあっては三陸沿岸の海洋資源を生かした海洋産業の振興への取り組みなど、新たな発見、発明といいますか、そういった成果がございましたので、今年も、2年目になりますが、移動県庁を今週、そして6月の第1週に実施することといたしました。
今回は、沿岸部におきまして海洋産業の振興を議題とする県北・沿岸振興本部会議を開催するほか、地域のコミュニティー活動に携わる皆さんや地域資源を生かした食産業などの振興に取り組んでいる皆さんとの意見交換、また北里大学海洋生命科学部でのキャンパストークなど、各地で地域の方々や学生と交流する場をより多く持ちたいと考えています。去年は、ふだん県庁、内丸でやっている県庁の内部会議的なことを県北、沿岸でやるというところに時間や手間暇を割いたのですけれども、そういう象徴的なことよりももっと実質的な中身のそういうやりとりに今回時間をかけようというメニューになっています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について各社からご質問あればお願いいたします。
無いようですので、幹事社から質問させていただきます。今回は2点ございます。
まず1点、新型インフルエンザです。市町村の準備態勢、防護服であるとか、そういった整備、あとマニュアル等の作成であるとか、そういったものに対して未整備の市町村が多いと思うのですが、それに対する県としての対応をお伺いします。
もう一つは、JTの盛岡工場の廃止の関係です。先日知事は、盛岡工場の廃止について東京の本社を訪れて、廃止の撤回の要請をされたが、それが受け入れられなかったということだと思うのですが、今後の対応、具体策についてお伺いいたします。

知事
まず、新型インフルエンザへの市町村における準備態勢については、これは非常に重要なことであり、国のガイドラインにも市町村の役割が具体的に例示されています。各市町村に対しましては、今年の3月末に県のほうから行動計画の策定や改定について通知しましたし、4月下旬には市町村の担当課長会議を開催し、その場で改めて早期の策定や改定を依頼したところです。今後、各市町村において行動計画の策定、実行など準備態勢が構築されるように必要な情報を提供し、また技術的な助言を行うなど積極的に支援していきたいと思います。
次に、JT盛岡工場の廃止についてですけれども、12日に本社を訪問しまして、この盛岡工場を存続してほしいという地域の強い思いは伝えることができたのではないかと思います。今後の対応については、盛岡市、またともに要請を行いました鳥取県などと十分連携をしながら、要請活動を続けていきたいと思います。

幹事社
この質問に関連して各社からご質問あればお願いいたします。

記者
新型インフルエンザの関連なのですけれども、国内でも渡航歴のない人から感染者が出て、今100人近くまできているのですが、知事はこの状況をどのようにとらえているかということと、改めて県としての大きな意味での対応ということについて、呼びかけも含めてお聞きいたします。

知事
空港での検疫で対応していく水際対策の段階から、国内で発生した場合という段階に移ったのだと思います。そうなってきますと、都道府県や市町村ごとの対応ということに段々なってきますので、岩手県としても油断せず、発熱外来はいつでも患者さんを診れるような体制になっていますし、岩手県で患者さんが出てきたらきちんと対応していくようにしていきたいと思います。

記者
今のところの発症者は関西方面なのですけれども、岩手でもビジネスなどで行かれる方、あるいはこちらにいらっしゃる方もいると思うのですけれども、特にそういった方々に対する注意なり対応なり、また特に相談のほうで受け付けるとか、そういったことは考えていらっしゃいますでしょうか。

知事
潜伏期間中であれば、発症1日前ぐらいまでは感染している人であっても人にうつすことはなく、発症1日前ぐらいから人にうつします。そしてまた、発症した人が人にうつすわけですから、そういう人たちとの接触に気をつけながら、うがい、手洗い、それから人込みとか多勢の人が集まる会議とか、そういうときのマスク着用など、そうした工夫をやはりしていかなければならない段階になってきているのではないかと思います。ただ、関西の何百万人、何千万以上人がいる中での、先ほどのニュースだと100人を超えたというニュースでしたけれども、そういう状況ですから、パニックにはならないようにしながら、自分でできる予防の心がけをきちんとやっていくことが今大事な局面だと思います。

記者
午後には対策本部が開かれると思うのですが、今の段階でどういったことを重点に対応するということになるのでしょうか。

知事
まず、先週末から国の対策本部会議がもし開かれれば、そこで決まる事項に対応して県でも体制をつくるということとしてあり、今日、国の対策本部が開かれそうだということで、県でもそれを受けて対策本部会議を開こうということです。国がウイルスの毒性に応じた柔軟な対応の線引きということで、休校や行事自粛などをどのくらいやるのかとか、その辺を見定めながら、県においても今まで準備してきたことの体制の見直しが必要であれば見直しをし、またさらなる準備が必要であればそういったことを進めるということが今日の課題だと思っています。

記者
おととい民主党の代表選がございまして、新しく鳩山新代表が選出されました。各社の世論調査等が今日報道されておりますけれども、比較的好意的な評価と見るのか、そうでないと見るのかという考え方もありますけれども、いずれにせよ改めて小沢代表の辞任から振り返って今回の新代表の選定についてご所見をお聞きいたします。

知事
今朝あちこちで報道されている世論調査の数字によると、総理にふさわしい人という項目で現職麻生総理を上回る数字が出ていて、大変歓迎されているようでありますから、その期待にこたえられるようにしっかり頑張っていただきたいと思っています。
それから、私は元々今回の代表選挙はしなくてよいような局面ではないかと思っていまして、かつて年金未納問題で菅直人さんが民主党代表を辞めた後、だれを代表にするかというときには、当時幹事長の岡田克也さんが代表になり、その年金問題で参院選で躍進をしたという経緯がありました。そういう代表個人のことに絡んで代表が辞任することになった場合というのは、挙党一致、幹事長あたりが周旋して新体制を選挙なしでつくるという前例があり、かつその直後の選挙でも大躍進を収めているので、今回もそのような進め方がよいのではないかと思っていました。
そういう中で選挙になって、岡田克也さんが立候補して90票ぐらい集めたわけでありますけれども、そこでちょっと心配したのは、本来そうやって党が落ちついて、何が問題になっているのか見定めながら、また、党として守るべきものは守っていくという落ちついた対応ではなくて、目の前の世間からの白い目からとにかく逃げ出したいということで、今の党の体制を全部ひっくり返して、全然違うところに逃げ込みたいといった軽いパニックが岡田さん擁立、そして選挙の実施につながっていったのかなと懸念される点です。前原代表が選ばれたときというのはそういう感じでありまして、岡田代表で郵政民営化選挙に大敗した直後、やはり突然の代表辞任を受けてパニックに陥り、小泉首相に負けないような人気者を立てて、とにかく人気で政府与党に匹敵するような新体制を作らなければいけないというムードの中で前原体制ができてしまって、そして偽メール事件の悲劇に突入していくわけであります。今回も民主党内にそういう目の前の苦しさからとにかく逃げたいというパニック的なことが少しあったと感じました。ただ、救いなのは、それが過半数には至らず、結局落ちついて対応していこうという人たちが過半数を超え、かつそういう落ちついて対応していこうという人たちがちょっとあわてふためいた人たちをも抱えるようにして、やはりみんなで力を合わせてやるべきことをやっていこうと決まったので、岡田さんとその岡田さんを支持した人たちも、ここは本当に小沢一郎さんはじめ、経験ある人たちに学んで政治の本質というのをつかんで、苦しいことがあってもそこから逃げるのではなくて、むしろ自分たちの努力でその状況を変えていく方向にまとまることができたと思います。
民意というのは、例えば今、失業問題に関心がある、経済問題に関心がある、そういうことにはストレートにこたえてやっていかなければならないのですが、単にだれが好き、あの人が好ましいとか、そういう意見はむしろ変えていかなければならない、動かしていかなければならないものだと思います。民意というのは、政治家がそれを基に動かされる民意と、逆に政治家が動かしていかなければならない民意と両方あるので、そこをきちんと分かって本当の政治ができるように皆さん育っていってくれればよいのではないかと思います。
小沢代表が辞めた直後に世論調査で岡田さんの方が鳩山さんより支持率が高い、そっちが民意だとかという話があったのですが、私が初めて衆院選に立候補したときに、選挙スタート時点で私は次点になった候補の半分しか支持率がありませんでした。ダブルスコアで相手の方の支持率が高かったわけで、それが民意だということであれば私は衆議院議員にはなっていないわけでありまして、動かさなければならない民意はみんなで力を合わせて動かしていくというのが政治ですから、今回そういう方向に一歩進んで力強いたくましい政治が段々できるようになってきているという感じがしました。こうしたこともあって、今朝報道されている数字も非常に期待が高いように表れていると思うので、頑張ってほしいと思います。

記者
今の件に関連して、小沢前代表が今回代表代行という形で選挙対策で残る形になりましたけれども、それについて一部では権力の二重構造ではないかという指摘もありますが、この点についてはどのように考えていますか。

知事
孔子様が理想の国とした周の国をつくった周公は、太公望呂尚を抜擢して、外交、内政、軍事等を全部太公望に任せるのですけれども、だれもそれを二重権力とかは言わないわけでありますし、分かり易い例を挙げると「レッドクリフ」。劉備玄徳は諸葛孔明に大体外交も内政も軍事も任せるのですけれども、それを二重構造とはだれも言わないわけでありまして、見識のある人が能力のある人に色々と仕事をやってもらう、やらせるというのは世の中を良くするための基本ですから、それはしっかりやってもらわなければならないと思います。

記者
13日に県の人事委員会から夏季の特別給についての勧告がありました。県としての対応を臨時議会等含めて教えてください。

知事
勧告を尊重するという基本姿勢に立ちながら、また地方公務員法に定める給与決定の諸原則を踏まえ、さらには現在の厳しい経済社会情勢等をも総合的に勘案いたしますと、やはり今回の人事委員会勧告の実施ということが今必要と考えており、職員団体との協議を進めている、そういう段階です。

記者
もし実施する場合の臨時議会の日程等はまだ決めていないということですか。

知事
職員団体との協議の進み方の中で、職員団体側の理解も得られてくる中で、県議会の日程、臨時会の日程についても決めていく、そういう段取りになると思います。

記者
知事含めて特別職について、人事委員会勧告を受けて何か考えていることはありますでしょうか。

知事
特別職も例外にはならないと考えていますので、一般職の職員と同様の対応が必要ではないかとも考えています。

記者
知事から見て鳩山新代表はどういう政治家でしょうか。そして、どういう性格の人柄の方なのか、県民に分かり易くご紹介ください。

知事
周の周公とか三国志の劉備玄徳みたいな人だと思います。歴史に残る人の模範になれるようなリーダーだと思います。

記者
選挙間近ですけれども、代表としてのどのような活動、行動を期待したいでしょうか。

知事
党の地方活動で一緒に地方を回って、街頭演説などを一緒に行って歩いたことがありますけれども、小沢一郎さん同様、普通の皆さんに非常に目が配られ、また色々な対話、会話を楽しむ方だし、人気もあるし、様々な方に対してすごい丁寧に応じていて、「こういう人は多くの人に慕われるのだな。」と思いましたし、生活の現場とか、普通の人一人ひとりが今何で困っているとか、そういうところに配慮が行き届く人です。今、日本のリーダーに一番必要な資質がこうした困っている人にきちんと気持ちが行き届くということだと思うので、是非そういう方向で活躍してほしいと思います。

記者
鳩山代表になったことで新しく友愛という2文字が前面に出てきているようですけれども、この友愛についてはどういうお考えをお持ちですか。

知事
私が衆議院議員として立候補し、また活動するようになったころ、新進党という政党に所属していて、そこでもこの友愛という言葉は大事なキーワードとしてありましたので、私もその友愛という言葉にはすごい親しみがあるというか、大事な言葉だとずっと思ってやってきています。また、民主主義、欧米の立憲政治の原点において掲げられた言葉でもありますので、アメリカの革命とか、フランス革命とか、そういったところでも友愛という概念が主張されていましたから、世界に通用する政治につながっていくのでよい言葉だと思います。

記者
民主党の代表選の関係でお伺いしたいのですけれども、先ほど知事は、今回代表選の必要はなかったのではないかということをおっしゃっていたのですが、この代表選を行ったことによって挙党態勢にとっては多少マイナスの面があるのかどうかというお考えと、知事ご自身が鳩山さんの支持拡大なり、代表選を行わないで話し合いでという方向で何か動かれたのかということを教えてください。

知事
後者については、今回は何もしておりません。そういう代表選挙の有権者になっているような議員さんとの接触や働きかけなどは全然行っておりません。
元々、小沢代表公設秘書逮捕問題ということについて、それを理由に代表を辞任することはおかしいという、代表は辞任しなくてよいという、そういう党役員会の基本的な理解がある中で、しかし辞めろ、辞めろという運動が党内的に起こってきたわけです。その状態のままでも来る総選挙に勝てないことはないけれども、より勝利を確かなものにするために身を引いて挙党態勢を作ろうということで小沢代表が辞めたわけですので、そういう趣旨からすると何か小沢離れ的な、反小沢的な方向に党を持っていこうという形で選挙戦に臨もうとするのはよくないと思いながら見ていたわけです。ですから、私は選挙なしで新代表を選ぶような形になる方がかえって頼りがいのある本物の政治になると思っていたのです。今回、岡田代表も反小沢、親小沢ではないのだということを強調しながら運動していましたし、投票した人たち、支持した人たちの中にはそうではなかった向きも見受けられないこともないのですが、いずれ最終的には雨降って地固まる的にそういう人たちも包括するような挙党一致態勢ができたということで、悪くはなかったと思っています。ただ、先ほど言ったような困難に直面して右往左往するようなところが今回見受けられたと感じたので、そこはやはり克服してもらわなければだめだと思っています。
ただ、民主党批判ばかりしているような感じになるとバランスを欠くので、あえて指摘しておくと、去年、福田総理総裁がやはり自分が総理大臣だと選挙に勝てないということで、自ら犠牲になって身を引いて、その後で自民党総裁選挙を華々しく行って、その勢いで新しく選ばれた人気のある総理総裁の下で総選挙を行うというシナリオを政府与党が覚悟を決めてやった。そういう去年の総裁交代劇というのが大失敗に終わってしまっているわけですよね。だから、それに比べると今回の民主党側の代表交代劇というのは非常にうまくいったケースと言ってよいと思います。

記者
民主党が新体制になったことで政権交代は実現に近づいたのでしょうか、それとも遠のいたとお考えでしょうか。
2点目は、鳩山新体制の中で小沢一郎前代表はどんな存在であるべきだとお考えかということをお尋ねします。

知事
まず、小沢一郎さんがどういう存在であるべきかというと、そうですね、太公望呂尚か諸葛孔明かというところなのですけれども、年齢とか見た感じからすると、諸葛孔明よりよりは太公望呂尚でしょうか。釣りが好きですし、だからそういうのがちょうどよいのではないかと思います。「封神演義」という若い世代の皆さんは漫画やアニメで太公望呂尚を知っているかと思いますけれども、ああいうイメージでとらえてもらってもよいのではないかと思います。
そして、今朝報道されている民主党への期待感、鳩山首相待望の数字みたいなのを見ていますと、基本的に政権交代への流れというのはとうとうたる大河のようになっていて、政権交代は時間の問題という状況になっているのではないでしょうか。

記者
確認なのですけれども、小沢総理誕生の芽はもうなくなったと知事自身お考えでしょうか。

知事
それはみんなで決めること、また国民の民意に沿って決めていくことでもあり、芽がなくなったということは全然ないと思います。

記者
知事自身は、いずれもう一度小沢さんに再登板してもらいたいというお考えでしょうか。

知事
私が1つ特別に期待しているのは、この間もロシアのプーチン首相を間近で拝見する機会があったのですけれども、やっぱりまだ若いなというか、大国ロシアをリードし、かつ世界の様々なことを世界のリーダーたちと話し合って決めていくには、小沢一郎さんみたいな人に指導されたほうがよいのではないかと思いました。それはオバマ大統領もそうなのです。あとは中国の胡錦濤さんもちょうど小沢一郎さんと同じ世代の人なのですけれども、そういう世界のリーダーたちの先輩、同僚として、世界を仕切っていく日本の総理大臣として小沢一郎さんが一番よいし、ほかにはなかなかいないのではないかと思っています。ですから、世界の中の日本の果たすべき役割を考えたときに、小沢一郎さんが総理大臣にならないと世界が治まらないという局面が出てくるのではないかと思っています。

記者
今の関連で確認です。例えば総代分離のようなものを想定しておっしゃったのか、それとも将来的な先のこととして、鳩山さんがかわった段階の後のことを想定しておっしゃっているのですか。

知事
そういう難しいことは念頭には置いていなくて、周公と太公望とか劉備玄徳と諸葛孔明といった体制は立派な体制なので、それで日本が治まり世界もうまくいっていくのならそれでよいと思いますが、ほかの役割分担の方がよいという局面が出てくれば、そのときに役割を交代すればよいのではないかと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月25日(月曜日)の予定です。

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