平成21年6月1日知事会見記録

ID番号 N11755 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年6月1日 10時30分から11時0分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
それでは、県政記者クラブを代表しまして、幹事社から新型インフルエンザについて質問をいたします。
新型インフルエンザへの対応といたしまして、これまで県内で数例のいわゆる念のためのPCR検査というものが実施されていますけれども、これまでの県の対応についての評価をお伺いします。

知事
PCR検査については、当初の国の基準よりも対象を広げて、簡易検査で陰性の場合でも症状等によっては念のために検査を行うなど、感染者の早期発見に努めているわけでありますが、そういう中で感染者の発見には至っていませんので、県民の安全、そして安心の確保という点では一定の効果を上げているのではないかと思います。また、いざというときに備えた感染拡大防止対策の検討や、県で備蓄している抗インフルエンザウイルス薬の放出に向けた準備なども進めているところです。
さらに今回は、関係団体との間で情報や認識の共有化を図ることに特に意を用いており、岩手県新型インフルエンザ対策連絡協議会でありますとか、市町村との連絡会議、医師会など関係団体との個別協議などを重ね、意思疎通を密にしているところです。こうした取組を通じて、県内の各界各層において、自ら主体的に今回の問題に対処するという機運が高まっているというところも評価できると感じています。

幹事社
この質問に関連しまして、各社から質問があればお願いいたします。

記者
新型インフルエンザが最初に広がった関西のほうでも新たな感染者が少なくなってきて、1人、2人という新たな確認が続いているわけですけれども、その現状認識と、県として今後の対応で少し体制、方針が変わるのか、その辺を確認させてください。

知事
関西のケースで感染者数が急激に100人を超えて増えた背景には、もともと一部の高校で相当数の生徒がインフルエンザ様の症状で休んでいたのだけれども、当時の国の基準からすると、患者に接触した人かあるいは渡航歴のある人でないとPCR検査に回さないということだったので、100人くらいに広がっていたのが全然PCR検査されずにいたという実態があり、ある一人の開業医の人が強い問題意識を持って、これは保健所で絶対検査したほうがよいということで検査したら、実は新型インフルエンザであった、調べてみたらみんなそうだったと。ですから、岩手においては季節性のインフルエンザかもしれないケースについても、ちゃんと県のほうで報告を受けて、必要性を見極めてPCR検査をする体制を組んでいます。関西のほうのケースを参考にして、ああいうことがこちらで起きないようにという体制はできていると思います。
新型インフルエンザの早期発見については、やはり油断はできないと思っていますので、そうした対策を県として今後も続けていかなければならないと思っています。

記者
今の件に関連して、発熱相談センターもずっと24時間体制を継続したままなのですが、今後も当面その体制を維持していくということでよろしいのでしょうか。それとも少しずつ緩めていくお考えはあるのかどうか教えてください。

知事
一般的には相談の件数によって実態に合わせた体制でいくのが合理的だとは思っていますが、相談件数の傾向などについては保健福祉部長から。

保健福祉部長
24時間の相談体制につきましては、国のネットワークの中に各都道府県が取り込まれており、各県限りで24時間体制を直ちに見直すとか、縮小するという状況にはなっていません。
件数については、土曜日が52件、日曜日が午後5時半までで26件ですので、件数が減少傾向にあるのは間違いないと思います。

知事
感染者というのは成田の検疫をくぐり抜けてしまった人、そういう人と濃厚接触した人とか、1人、2人出るというのはあり得るので、それを早期発見する体制というのは大事だと思っています。そして、それをきちんとやることによって、知らない間に感染が拡大していた、知らない間に100人近くにまで広がっていたというようなことがないようにできればよいと思っています。

幹事社
国の直轄負担金に関連してなのですが、各地方から批判が出る中で、国のほうも内訳を開示する動きが出てきているのですが、岩手県に対する開示の状況とその内容に関しての知事の受けとめ方についてお伺いします。

知事
昨日の夕方に担当部局のほうに国土交通省から届いたところですけれども、非常に大部なので細かいところまでは見ていないのですが、全体をぱっと見ますと、全国知事会のほうで求めていた地方が国庫補助事業で求められているくらいの内容をちゃんと国も公表するようにとしていた同程度の開示内容という水準には達しているかなというところです。
今後とも全国知事会と連携しながら県としても対応していきたいと思います。

記者
細かくはまだ見ていらっしゃらないと思うのですが、その内容自体に関しては納得できる、できないという判断は今の段階ではできますでしょうか。

知事
将来においては、直轄事業負担金という制度そのものの廃止を含めた見直しをすべきなのだと思います。特に維持管理費とか、県と市町村の間ではやってないような負担を国に対して県が求められているというところは是正をしていかなければならないと思っていますが、そういう意味で今回、今の現状が明らかになってくる中で、それを100%認めるつもりはないのですけれども、そこはしっかりと将来に向けて改革を進めていかなければならないと思っています。

記者
あと1点です。法制度的には支払わざるを得ない状況があると思うのですが、今年度の分の支払いについては、今の段階では支払わざるを得ないとお考えでしょうか。

知事
そのことも岩手だけで決めてしまうのではなくて、東北の各県、そして全国知事会と連携をしながらきちんと着実に実現すべき改革が実現するような方向で対応していきたいと思います。

記者
国体関連で伺います。25日の常任委員会で国体開閉会式会場等の選定について結論見送りということになったのですが、今後の県の対応と、その大事な会議に知事が出席しないのはおかしいのではという疑問もあったのですが、そちらに対してはどのように対応されていきたいのかお伺いします。

知事
まず、知事出てこいという話は至るところにある話なのですけれども、知事日程については総合的な判断でやっており、そこは了解をいただきたいと思っています。
それから、県としてはこの間のようなヒートアップした状況の中で無理に決めるのではなくて、できるだけ関係者ご納得の上で決めることが望ましいと思っています。冷静になって考えますと、そもそも県の大規模なスポーツ施設整備の計画というのは、現行の長期計画である夢県土いわて総合計画の中では、みたけの運動公園にかわる総合運動公園をどこかにつくる。そういう中で、紫波町とか旧玉山村とかが名乗りを上げて、それぞれから要望があり、思い出しますと私が知事に就任した年の市町村要望では玉山村に総合運動公園をという要望が盛岡市から上がってきたという記憶があります。この間、その総合運動公園を新しくつくるということに関して有識者が平成14年に出した体育施設のあり方、スポーツ施設のあり方という報告書を読みましたら、新しい総合運動公園がどこかにできた暁には県の運動公園が2つあるのは多過ぎるので、みたけの運動公園は新しい総合運動公園と重複する施設はなくしていって、何か別の形で新しい総合運動公園と連携したスポーツの一つの施設としてやっていくというような提言がありました。ただ、そうしたことは県の行財政改革プログラム、県職員を5,000人から4,000人に減らすとかというのと同じ時期に凍結ということになり、そういう総合運動公園はつくらないという状態で進んでいるわけです。でも、やはり造ってほしいという要望が2年前にはあったりもしたわけです。ですからそういう流れの中で今度の国体をどういう会場の役割分担で進めていかなければならないのかというのを考えていくには、新しい総合運動公園というのはもう凍結解除ではなく、それはないという前提の中で今ある施設をどう活用していくか。ただ、スポーツ医科学機能を持つ屋内運動施設ということについては、それはもともと新しい総合運動公園の基幹施設の一つとして想定されていたのですけれども、これは県内のすべての体育関係者、スポーツ関係者の共通の悲願というものでもあるので、この国体を契機に整備しようと。整備するのであれば、それは岩手に1つしかない県営公園の中であろうというのが県としての対応の流れなのです。
私はこの対応の流れというのは、非常に経緯を踏まえた自然な流れで無理もなく、ほとんどの県民の理解を得られると思うので、国体準備委員会での議論もそういう方向に収束していけばよいのではないかと思います。

記者
そうしますと、6月中の終結を目指すという考えでよろしいでしょうか。

知事
締め切りありきの話ではないのですけれども、一方で県営運動公園の整備というのは今年度から始めていかなければなりません。そういう意味ではそこのところを悩まなければならないのは、みたけの運動公園を国体のいわゆる主会場、私は県議会でも言っているように国体には主会場という概念はないという考えなので、一応かぎ括弧に入れて主会場という言葉を使うと、みたけの運動公園で「主会場」という考え方は去年突然浮上してきた考え方でありまして、そこの発想の背景にある県都盛岡の振興とか、あるいは子供たちに夢をというのはわかるのですけれども、ですからそこでみたけの運動公園をそういう夢のワールドカップの誘致とかJリーグの本拠地にするとか、そういうことでしか県都盛岡の振興や子供に夢を持たせることができないのか。本当にそれしかないのかということを悩まなければならないのは、そう主張している方々のほうが今悩まなければならない局面かなという感じがしています。

記者
先日、一関市の浅井市長が藤沢、平泉町に合併の研究会設置の申し入れをしました。新法の期限切れまでそんなに時間はないわけですけれども、何か県としてそこに支援できる部分など、どのようにお考えになっているか教えてください。

知事
あくまで住民本位で話は進むべきで、住民が納得してないところを県が無理やりというのはだめだと思うのですけれども、住民は合併したいという流れなのに段取りがなかなかついていかなくてそうならないということについては、県はそういう段取りを進めていく支援とか、今まさに川井村と宮古市との間でやっているような協議をどんどん進めていくための支援とか、また話が進んでいった場合の色々な地域振興、コミュニティ支援の財政支援とか、そういったところも県はちゃんと準備はしていますので、住民本位に考えてそういう方向性が出てきたら、そこは全面支援していきたいと思っています。

記者
先週の会見でも出た話題なのですが、無床化の懇談会が先週の住田町ですべて終わりました。恐らく全部の会場で共通した不安の声が色々と出たと思うのですが、それに対する知事のお考えを改めてお聞かせください。

知事
総じてベットがない無床化そのものに関する不安や心配については、近くのベッドのあるところとの役割分担をする、医療ではなく介護で寝たきりの方のお世話が必要ということであれば、介護施設の入所や在宅のケアであるとか、色々な形で分担してやっていける無床化に伴う不安や心配というのは克服可能だという印象を受けました。あとは直接的な不安、心配のほかにそもそも地域のいわゆる過疎化が進んでいくことによって、将来その地域がどうなっていくのかということに対する漠然とした、しかし大きな不安、そこは色々な産業振興的なことも含めた地域振興の枠組みでしっかり対応していかなければならないと思いました。
それから、自分や自分の家族の将来の健康に関する漠然とした不安として、今は具体的に病院に診てもらうという状態ではないのだけれども、いざというときにやはりベッドがないと困るという将来の健康についての漠然とした不安のようなことについては、県民の医療リテラシーといいますか、医療や健康に関する基礎知識を県民全体で向上させていく必要があると感じました。それはよく言われるのは子供が37度の熱出したくらいであれば、それは夜間救急に飛び込まなくても翌日に近くの開業医に行けばよいというようなそういう話から始まって、寝たきりを治していくには、入院してしまうよりむしろ家庭で、在宅でケアをしたほうがずっと回復する可能性が高いとか、そういう基本的な医療、健康知識を県民みんなで共有できる仕組み、これはそれぞれ県民が自分で勉強しろと言っても難しい世界ですから、もっと行政と医療と住民が一緒になって地域医療をつくっていく体制の仕組みづくりを県がしていかなければならないと思ったところです。

記者
国体の関係でお伺いします。盛岡に1種の陸上競技場をつくるという盛岡市側の意向については簡素効率化からいうと望ましくなく、スポーツ医科学センターをつくるというニュアンスのお話をずっと聞いてきました。専門委員会の調査に基づいて事務局案で北上を開会式会場にしたいという議案が提案されて、盛岡側から異論が出てきたわけですけれども、開会式会場が盛岡か北上かというこの1点について、知事が専門委員会の答申に基づいて北上開催を今お考えになっていて強く訴えたいのか、それともどういうことなのか、改めて説明していただきたいと思います。

知事
専門委員会の検討結果は、よく錬られていて合理的だと思いますけれども、そう言ってしまうと知事も北上ありきで突っ走ろうとしているみたいに言われてしまいかねないのですが、北上ありきではないのでありまして、むしろ本当は新しい総合運動公園を紫波か玉山か、または矢巾町も名乗りを上げていたような記憶もありますけれども、本当はそこで開催するはずだったわけです。だから、北上というのは最初からあったわけではないし、逆に言うとみたけでやるという話も最初からなかったのです。だから、盛岡か北上かという選択はどちらもなかったものであって、もともとあったのは、夢県土いわての総合計画12年計画の中で新しい県営総合運動公園をつくるというのがあったわけで、本当はそこで国体を開催するはずだったのだけれども、それがつくれない。さあ、どうしようというところから話は始まっているわけです。その中で、既存の施設を最大限活用する中で、北上開催が合理的なのではないかという案は、それはよく練られた合理的な結論だと思います。
繰り返すと、それは北上、盛岡の綱引きの中で盛岡を無視して北上ありきでそう言っているわけではなく、総合運動公園という新しい大型施設をつくれなかった中で、さあ、どうしようかという話としては非常に合理的な結論なのだと思っています。

記者
今月の最終決定までの過程の中で、知事が先頭に立って北上開催で落ちつくように働きかけなり動いていくお考えはございますか。

知事
県としては、本当はそういう総合運動公園をつくってなければならなかったのに、今そういうのがないというところで、さあ、どうしようかということですから、それはあまり積極的にこうでなければだめというような、強く言っていくような話というよりは関係者がそういう経緯を踏まえて自然に1つの結論に落ちつくことが望ましいし、それができるのではないかと考えています。

広聴広報課
これで記者会見を終わります。

次の定例記者会見は6月11日(木曜日)の予定です。

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