平成21年7月6日知事会見記録

ID番号 N11752 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年7月6日 10時30分から10時57分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
最初に、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、新しい長期計画の「岩手の未来を切り拓く構想グランプリ」の実施についてです。
新しい長期計画「岩手の未来を切り拓く構想グランプリ」を7月6日月曜日から8月7日金曜日を募集期間として実施します。
新しい長期計画は、去る6月11日に計画素案をお示ししたところですが、今回募集を開始する構想グランプリは、「いっしょに育む希望郷いわて」の実現に向け、みんなで一緒に取り組むという考え方を基本にし、10年以内を目途に実現を目指す先駆性、独自性の高い取組や新たな仕組みのアイデアを広く民間企業や団体からの後援、協賛もいただきながら県民の皆さんから募集し、県民の皆さんと一体となった計画づくりを進めようとするものです。
岩手県にゆかりのある個人や、また県内で活動を行っている民間企業、地域づくりグループなども応募対象としています。すぐれたアイデアについては「グランプリ」、「優秀賞」などとして表彰するとともに、新しい長期計画への反映について、県として検討します。
グランプリ実施の内容については、お手元に配付した資料のとおりですが、詳細は県公式ホームページの「新しい長期計画策定のページ」にも掲載されています新しい長期計画は、12月に予定している計画策定に向けて、県民の皆さんから広く計画づくりへの参加をいただきながら一緒につくり上げていきたいと考えていますので、アイデアいっぱいの構想の応募をお待ちしています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの知事からの発表事項について、各社から質問があればお願いします。
無いようですので、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、ほかに各社から質問があればお願いします。

記者
昨日、投開票された静岡県知事選についてなのですが、民主党の分裂選挙にもなったにもかかわらず、民主党が推薦された候補が当選をされました。その評価と、この結果の衆院選への影響をどのように考えておられますか。 

知事
川勝平太さんは北上川カルチャー関係で岩手県もお世話になっていまして、大変すばらしい方だと思いますので、ぜひ静岡県のために頑張っていただきたいと思います。また、海野さんも大分得票して、2人合わせると100万を超えるくらいの得票数というのはものすごいことだと思っています。静岡県知事選挙の全体の投票率も大幅アップする中で、そういう民主系候補が2人とも票を伸ばして、そして共倒れの危険性も指摘されていたのですけれども、川勝平太さんが当選したということは、衆院選にもやはりそれなりの影響はあるのではないかと思います。

記者
6月定例県議会が今日で終わるということで、大型補正予算を提案した今回の定例会について知事の見解をお聞きします。

知事
経済、雇用の危機に県が一体となって、県民一体となって立ち向かっていこうという補正予算を中心にした今回の6月議会でありますけれども、一般質問でもそういう経済、雇用情勢に関する質問や、また岩手としては、ものづくり産業だけではなくて農林水産業の自力をつけていく、観光業を伸ばしていく、そうしたところも今の経済、雇用の危機に対する重要な政策の柱なので、そういったところについても、色々な質問が出て、そういう暮らしや仕事の現場からの声も議論の中に生かされて、有意義な議会になっていると思います。

記者
一方で、国の追加経済対策ですけれども、大型補正で将来の負担が残るのではないかという懸念もあると思います。その点と、この対策の効果についてどういうふうに考えていらっしゃるかお聞きします。

知事
職を失った若い人で先行き不透明で結婚もできない、子供をもうけることもできないとかという状況の中で、財政的な将来負担というのは、みんなで力を合わせて頑張れば何とかなると思うのですが、そういう力を合わせられる人間自体がいなくなってしまう。それは子供が産まれてこないということも歯止めがかかったとはいえ、人口流出が六千何百人という規模で起きている。それもまた岩手にとっては、将来の負担を担う人そのものがいなくなってしまう。そういう意味でそういったことに歯止めをかけていくためであれば、ある程度の財政負担を力を合わせて後世代で負担してということについては、県民的理解は得られると思っています。
ただし、今回の補正予算については、岩手のせいで岩手が経済危機になっているわけではなく、世界規模の経済危機プラス日本全体として内需拡大型の構造改革ができてこなかったことで地方が大変だということで、国の責任において、国がお金を借りて、そして地方に交付金等をどんどん予算化するという流れでありますので、そこは日本国民全体として、ここは頑張りどころということなのだと思います。

記者
対策の効果で期待されること、効果についての見通しをお聞きします。

知事
雇用調整助成金等、工場でマンパワーが余っているのだけれども、従業員の解雇をしないで研修などで雇い続けている会社に助成金を出すということはかなり利用されています。それのおかげで失業しないで済んでいるという人たちかなりいますので、これは引き続き重要な政策だと思っています。
あとは中小企業も中小企業金融の緩和によって年末、年度末の危機をクリアしてきているが、これがまた夏場に差しかかってもう一山ありますので、そこを何とか乗り越えるというのは新たな課題だと思います。そういう個別に困っている人、困っている会社を支えていくということに加えて地域全体の景気の下支えということで環境対応自動車補助とか、そういった地域全体の経済を下支えしていく効果のある政策というのも期待が持てると考えています。

記者
静岡県知事選の話に戻るのですけれども、今回の選挙は民主党の鳩山代表が虚偽献金問題を抱えて、そちらのほうの影響というのも注目あったと思うのですけれども、今回の選挙においてその問題が影響したかどうか、どのようにお考えかお聞かせください。

知事
静岡県の有権者の皆さんが感じる色々なことの中では、あまり大きいウエートは占めなかったという感じではないかと思います。

記者
一方で各社の世論調査で、今回の問題について鳩山代表の説明責任が果たされてないのではないかという意見が多かったわけなのですけれども、知事自身そのことをどのように考えておられるのかということと、小沢代表代行はそういった政治と金の問題で代表を辞任するという形になったわけですけれども、鳩山さんについては今回代表の座をおりるような、そういった責任があるのかどうか、その辺どのように考えているのかをお聞かせください。

知事
小沢前代表の場合には、「党が一致結束してやっていくために」という党内ガバナンスの観点がかなり判断に大きいウエートを占めていたと理解していますけれども、今の民主党内は一致結束した状態にあるので、そういう観点はあまり問題にならないと思っています。
説明責任の問題については、ほとんどの人、多くの人が釈然としないのはそのとおりであると思います。というのは、普通、虚偽記載が問題になるのは、色々な人からお金をもらっているのにそれを隠してヤミ献金にして、便宜供与を図ったり、あっせん、口ききを行ったりするのに、今回はその正反対で、自腹を切って、もらっていない人からお金をもらったことにするという処理の仕方なので、何でそういうことをするのかという疑問は払拭しないのだと思います。そういう意味で納得できるかと聞かれて、できないという人が多くを占めるのは当然かなと思っています。

記者
知事自身は、改めて鳩山代表がきちんとその説明をより詳細にするべきだとお考えでしょうか。

知事
事実関係の説明については、もう尽きていると思います。不思議な事件が起きたということで、そういうわだかまりは残るのですけれども、そこはまず勝手に自分の判断でそういうことをしていた秘書に対してきちんとけじめをつけるということで責任を果たされればよいのではないかと思います。

記者
先ほどの補正予算のことにも関連するのですけれども、岩手の有効求人倍率5月の分が0.32倍ということで、県内では過去3番目の悪い数字ということになりました。先週、知事は北上のほうにいらっしゃって、北上の雇用の現状ですか、そういったことをご覧になってきたと思うのですけれども、そういった岩手全体並びに中部地域の現状をどのようにご覧になったのかということと、補正予算との関連でどのように対策していくということについて教えていただけますでしょうか。

知事
ここまで有効求人倍率が悪くなってくると、本当に今職を失っている人が職に就くということは、ますます難しくなっているのだと思います。やはり右肩下がりの経済情勢というのは、格差社会化してしまうわけです。何とか運よく職に就いている人たちは職に就いたままでいるのですけれども、本当にちょっとした何かの違いで職を失うことになった人たちはなかなか元に戻れない。そういう差がますます開いていくということであって、やはりマイナス成長というのは本当に世の中を悪くするということなのだと思います。ですから、できれば早くプラス成長にしていかなければならない。そのために、困っている人たちへの個別の対応というのはもちろんきちんとしなければならなくて、生活を支えていく住居の提供ですとか、そういったことは必要なのですけれども、やはり経済全体を浮揚させていくようなことを、これは本当に行政も知恵を絞ってやっていかなければならないですし、民間などもそれぞれこういう情勢の中だけれども、自分の会社少しでも売り上げを伸ばし、一人でも多く人を雇えるようにしていくという努力と工夫をあらゆるところでやっていかなければならない。本当にみんなで力を合わせてプラス成長回復を目指していかなければならない局面だと痛感しています。

記者
先週知事がいらっしゃった北上地域ハローワークの中の管内の有効求人倍率が0.19倍で、そこの管内では最も悪い数値だったのですが、色々と説明を受けたと思うのですけれども、そういった説明とか現場をご覧になってどのようにお感じになりましたでしょうか。

知事
かなりひどい状況ではあるのですけれども、北上市長さんをはじめ、市当局が先手を打って会社訪問をして、一人でも雇ったままにしておいてもらうようにする、また離れた人もまた再採用、再雇用をしてもらうようにするというような、そういうきめ細かい働きかけを必死でやっています。歯を食いしばって悲鳴を上げる余裕もないということで、そういう悲鳴がともすると盛岡内丸にいると聞こえてこなかったりするのですけれども、歯を食いしばりながらそういう内なる悲鳴を上げたいけれども、上げないで頑張っている。そして、一人でも暮らしや仕事を守るということで現場で頑張っているという姿をうかがうことができたと思います。これは商工会議所の皆さんもそうで、官民それぞれ必死になってかなりの衝撃、経済的な衝撃を受けているのですけれども、それをはね返そうと頑張っているので、県のほうでもしっかり支えていかなければならないと思いました。

記者
告示された東京都議選の次期衆院選への影響について、知事はいかがお考えでしょうか。

知事
都議選というのも都議選独自の都政のテーマがあったり、それぞれの選挙区事情とか固有の要素もあるのですけれども、細川連立政権が誕生したときのように国政を先取りする動きが都議会議員選挙で起きるということはありますので、変化が起きればそれは衆議院選挙の先取り。変化が起きないのであれば、それは都政の固有事情でそうなっているということなのだと思います。

記者
2点伺いたいのですが、明日、知事は国交省と厚労省を訪れて来年度の政府の予算の要望に行くということなのですけれども、特に強く打ち出したいところをどのように考えていらっしゃるのかということと、今議会でかなり4月の無床化の影響について、県の施策の見直しを回答するようなこともありました。その全般的な見直しの方向性について、知事はどのような姿勢で臨んでいくとお考えなのかお聞かせください。

知事
明日の政府関係に要望に行く件については、地域医療再生が共通テーマになっているところがあります。国土交通省のメーンは、岩手県内はまだまだ道路整備が必要だという話の中でも、都南川目道路について、宮古方面の沿岸と内陸を結び、特に最近循環器系の緊急搬送などといった緊急搬送が増えている命の道路でもあるということを再び説明し、費用対効果の数字だけではないという話をする予定です。厚生労働省は地域医療再生に向け、医師不足対策と、特に今年は新しく地域医療再生のための総合的な政策を国でもきちんと考えるべきだという新しい、これは要望というより提案事項なのですけれども、そういう話をしに行く予定です。
もう一つの質問は何でしたか。

記者
県議会でも議論されましたが、無床化に対する痛みを和らげる施策の見直し、タクシーの送迎の回数だとか、そういう話が出てきたのですけれども、随時見直ししていくという姿勢で考えていらっしゃるのかを伺います。

知事
いわゆる足の問題、移動手段の問題については、端的に言えば当初、地元の受けるダメージが過剰に予測されていたということだと思います。予測ほどにはダメージがなかったということです。他方、ダメージゼロではないので、全然何もしないというわけにはいかないという中で、どういう手当てが望ましいか、合理的かということをそれぞれ地域の中で病院サイドと地域のほうで相談しながら決めていってもらえばよいと思っています。

記者
不正経理問題で新たなものが出てきたということがありました。それは全庁調査のときには預けではないということで、見過ごされてきた部分だったということなのですけれども、そうしたものがまだあるかもしれないということで、改めて何か調べるというお考えはお持ちですか。

知事
錯誤、わかりやすく言うと勘違いということで、預けということの定義を勝手に緩く解釈していたことで見逃しが1つあったわけでありますけれども、全庁的に出先も含めて同様の勘違い、錯誤していた例がないかどうかは調べました。その結果、無いという報告を受けていますので、今回の錯誤については発覚したところにきちんと対応すればよいと考えています。

記者
大阪府の橋下知事らが自治体首長でグループを立ち上げて、次期衆院選で支持政党を表明することについて、知事はいかがお考えでしょうか。

知事
政治活動は自由でありますから、自由にやっていただければよいと思うのですけれども、ただ、私の場合でも、県議会での説明とか、あるいは県民との関係などを踏まえて行っており、政治活動というのはそう簡単なものではないと認識しています。また、そもそもやる以上はいいかげんにやってはならないものです。特に、そういう支持政党を決めて表明するなどという話になってくると、決める際の民主的な手続きを含め、民主制というものが担保されない政治活動というのはかえって世の中を乱し、非民主主義的な悪影響を世の中に及ぼしますので、そうならないことを祈ります。

広聴広報課
以上で記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月21日(火曜日)の予定です。

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