平成21年7月21日知事会見記録

ID番号 N11675 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年7月21日 10時30分から11時)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、「企業ネットワークいわて2009in東京」についてです。県では、首都圏の企業を対象にして岩手県の立地環境や産業振興施策などを紹介して、岩手県への工場立地、開発拠点の立地等を図る目的で、7月29日に東京帝国ホテルにおきまして「企業ネットワークいわて2009in東京」を開催いたします。
当日は、県内に立地している企業に撤退や生産能力の縮小が相次いでいる中で、これまで以上に企業誘致に力を入れていくことをPRしたいと思います。
今年度の特徴として3つ挙げられます。1つは、対象となる企業の業種として、初めて食産業や医療、健康産業を主な対象としていること、2つ目は関連する地元企業2社のトップの方から講演をいただくこと、3つ目は交流会においてできる限り岩手の食材を活用した料理を提供することです。
私が行うプレゼンテーションの中でも、経済危機の中にあっても岩手はビジネスパートナーとして頼れる存在であることなどをPRして、イベントを契機として新たな企業の誘致、また既に岩手に進出している企業の工場増設等を実現していきたいと思います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。
無ければ幹事社からの質問に移らせていただきます。
先週行われました全国知事会議ですけれども、直轄事業負担金の一部を支払わない場合を認めるとか、政党支持の見送りなど、非常に何かと注目が集まったわけですが、知事会に参加されての所感をお伺いします。

知事
まず、地方財政の危機的状況で、あと3年くらいで全都道府県を合わせた地方財政が破綻するというデータをきちんと示しながら、このままではだめなので地方交付税の増額でありますとか、それから地方消費税の増額でありますとか、そういった抜本的な財政措置や税制の改革をしていかなければだめだということについてきちんと決議できたところがよかったと思います。
それから、今回独自の新しい行動としては、直轄事業負担金関係でいわゆる実力行使ですね、全都道府県が一緒に不払い運動も辞さないということを確認できたのは非常に力強いことだったと思います。
あとは、私が特に今回の知事会で評価したいと思っているのは「この国のあり方に関する研究会」の設立です。これは、今回知事会に提出されたこの国のあり方に関する報告書をベースに研究会を立ち上げて、来年の春をめどに知事会として取りまとめましょうということで、その報告書の中身については知事会議に先立ってシンポジウムが行われたのですけれども、いわゆる小泉構造改革なるものがいかに地方の暮らしや仕事をだめにしたかという、そのメカニズムを非常に論旨明快にしていて、要は生活を守っていくのは社会保障や福祉と同時に経済、雇用政策と合わせ技で見ていかなければならないのだけれども、ここ数年、10年くらいの日本においてはその両方が削られたり、抑制されたりしたので今こんなふうになっていると。
だから、それぞれ政策の立て直しをしていかなければならないけれども、それが本当に実効性あるのは地方においてであるということで、地方から日本を変えていくということを非常に論理的にその筋道を示した報告書に基づいた研究会を設立するということです。いわゆる地方から日本を変える、真の改革を進めるということがどういう中身なのかを全国知事会としてはっきりさせていくという非常に大事な作業に取りかかることができると思っていまして、それが今回の知事会の最大の成果ではないかと思っています。

幹事社
この質問に関連して、各社から質問があればお願いします。

記者
地方消費税の引き上げについての議論があったとは思うのですが、それについて知事自身はどのようにお考えでしょうか。

知事
実は、国のあり方報告書の中でも、今のような経済情勢であれば消費税率そのものを今の5%から引き上げるわけにはいかないだろうから、現行消費税率の中で地方への配分を増やすことが現実的ではないかと書いてあるのですけれども、私も大体そんな感じと思います。

幹事社
ほかに質問がなければ別の質問に移りたいと思います。各社からお願いします。

記者
今日、衆議院が解散されますけれども、地方の立場として今回の衆院選挙に期待することについて教えてください。

知事
地方の立場という点については、全国知事会もある意味地方の立場を取りまとめようとして、ただあまり政治そのものの中には立ち入っていかないようなスタンスで決めました。地方の立場というのはそんなところではないでしょうか。ある程度中立的にというか、選ぶのは国民イコール住民が選ぶことなので、地方としてそこをどうこうというのはどうなのかという感じなのだと思います。ただ、そういう観点から整理すると、セーフティーネットをきちんと整備するということをしっかりとやってもらえる体制をつくることが大事なのだと思います。年金、そして医療、介護、その本当の最低限の現金給付であるとか、地方におけるサービス給付の財源確保であるとか、そういうセーフティーネットの基本ですね。労働に関するルールということも含まれてくると思います。ワーキングプアみたいな形での非人道的な就労というのが恒常化しないような仕組みなどをきちんと実現できる体制を国の政府としてつくってもらうということが、地方から見た解散総選挙に期待することだと思います。

記者
今回の衆院選は、政権交代がもしかしたら起こるかもしれないという選挙になりますけれども、知事ご自身としてどのように期待していらっしゃいますか。

知事
個人的には政権交代が本当に現実的なものになってきて、大変よいことだと思っています。もう13年、14年前くらいから私も日本に政権交代が必要ということで色々と活動をしてきたわけでありますけれども、ようやくそれが実を結ぶときが来たかなということで、最後の詰めが大事なので、政権交代をしようとする人たちが、これはそういう方向で投票しようとする有権者の皆さんも含めてですけれども、自分たちの手で新しい日本をつくろうとする人たちが最後の最後まで油断なく、きちんとその仕上げをしていくことを期待したいと思います。

記者
2件伺います。1つは政権交代に関連することなのですが、これは知事としてというよりも政治家として伺ったほうがよいかと思うのですけれども、今まで取材をしてきて、色々な各県で自民党を支える基盤が今激しく揺れていて、集団離党や支持基盤が急に自民党支持を切りかえるというような現象が起きています。けれども、岩手県においては、あまりそういう動きがない。これはつまり既にそういうものが終わってしまったという理解でよろしいのでしょうか。

知事
そうですね、小泉内閣のころから伝統的な自民党の支持基盤の崩壊現象というのは始まっていたし、また小泉首相ご本人がそういう支持基盤を破壊しようと意図してやっていたわけですから、これはもう雪だるま式に加速していく話なので、小泉首相から次の総理へと次々に交代していっても支持基盤の崩壊というのはどんどん止まらないで進んでいるということだと思います。
岩手においてはそうした全国的な流れも一部にあるのだとは思いますけれども、他の都道府県では自民党を支持するような職域とか、地域性のところに住む人たちがいた中、岩手においては早い段階から改革派のほうを応援する、日本を変えていこうという側を支持するという流れがあったので、今全国で起きているようなことと今の岩手の現状にずれがあるとすれば、その辺が背景ではないかと思います。

記者
最近、ブログを書いておられますが、それについて今のところやってみての感想をお聞きします。

知事
コメントがゼロだったらどうしようと思っていたのですけれども、いくつかコメントもいただいていますし、また「新しい長期計画」(素案)の基本的な考え方や背景にある理念など、事務的に説明する機会がないような部分について、ブログスタイルであれば、わかりやすい例も引きながら説明できると思います。ブログも何でもありのブログもよいのかもしれないのですけれども、テーマを決めたブログというのは、すごく効果的だということを感じています。

記者
今のところは、身辺雑記を含めて何でもありの内容でやられるおつもりはないですか。

知事
何でもありのブログですと、ある知事さんのブログを見たら、1つの書き込みに書いたことと関係ない批判、罵詈雑言のようなコメントを含めて3,000ぐらいのコメントが入っていました。だから、何でもありだと炎上しやすいというのでしょうか、書き込む側も何でもありになってしまい、タレントさんブログだと何でもありのブログでも書き込まれる内容は非常に祝福的な内容が短くコメントされていくような感じで、それはよいなと思いながら見ているのですけれども、やはり公職にあり、また自治体の長として色々な県民生活や他県に住んでいる人たちも含めて、森羅万象にかかわる立場にあって、何でもありのブログはなかなか難しいのと考えています。

記者
衆院選関連で3つ質問させていただきます。まず1点目が、改めてなのですが、今日解散ということで、知事が今後衆院選にどのように関与するというか、加わっていくか、そのスタンスをお伺いします。

知事
そこは自由に参加するということでありますけれども、団体とか組織であれば機関決定をきちんとして、そのとおりに動いたりするわけですが、個人はもっと自由な政治参加の仕方でよいと思っています。ですから私の個人的なそういう政治活動についても基本的に自由にいきたいと思っています。

記者
それは、つまり民主党の候補予定者を応援するという具体的な行動に出るということですか。

知事
そこは先方の都合もあるでしょうから、無理にあちこち押しかけて回るということは考えていないのですけれども、要請などがあれば前向きに検討したいと思っていますし、そういう意味で自由に対応していきたいと思っています。

記者
2点目なのですが、今回の衆院選での知事が考える最大の争点は何と考えますでしょうか。

知事
争点までいかないところが今の恐ろしさでありまして、例を挙げれば、自民党さんなのですけれども、マニフェストがどうも複数になりそうな感じになっているではないですか。政党として一つのマニフェストに絞れないとすれば、そういう政党は選挙に参加する資格はないと思います。そうなってくると、そこには、自民党さんをめぐっては争点はないという感じで、そもそも自民党さんが選挙における選択肢ではないという状況に今なりつつあるのだと思います。
ですから、そういう中でほかの選択肢において、どれを選ぶのかというような選挙になっていく場合の争点なのですけれども、民主党の政策は比較的明確に出てきていて、マニフェストの骨子ももう既に明らかにされているところだと思います。ほかにそこと比較したり、何か選択の余地があるところがあればそれをどう選ぶかということなのでしょうけれども、そういう中でむしろ有権者の側、政党の外にいる方々から、こういうふうにしてほしい、ああいうふうにしてほしいという注文をつけるパターンが最近見えてきています。そういう意味では、与えられた争点の中でどっちがよいかというような選挙になるのではなくて、それぞれ暮らしや仕事の現場でこれだけ困っているのだからここをこうしてくれ、ああしてくれという、草の根的な参加型の選挙になっていくのではないかという感じがいたします。

記者
最後、3点目なのですが、全国知事会でマニフェストの点数評価を特別委員会でやるということで、希望者は参加できるということですけれども、達増知事は参加する意向はありますでしょうか。

知事
マニフェストの評価は前回参院選のときにもやっている作業で、中立的に、専門的にマニフェストを評価するのが上手な知事さん方が委員になってやる体制になっていて、私はなかなか中立的な気持ちで作業に参加するのは難しいのではないかと思っていて、そういう意味で私はその委員会には入らないほうがよいと思っています。

記者
衆院選の関連でお聞きしますが、小沢代表代行の国替えの話は以前くすぶっていて、結局ぎりぎりまで結論が出ないのかなというところですが、岩手に根をおろして活動されている達増さんから見て、この国替えをめぐる議論というのはどういうふうにご覧になっているのか教えてください。

知事
岩手県民として、あるいは県民の代表と言ってもよいのかな。やはり総理大臣になるかもしれない政治家はぜひ岩手から立候補していただきたいと思っています。

記者
この点に関して、知事は小沢代表代行から何か情報はお持ちなのでしょうか。

知事
全然、最近は直接の接触はございませんので、特に情報はもらっていません。

記者
改めてなのですけれども、ようやく今日、解散という流れになっておりまして、知事自身エンジン全開というか、高揚感といったものはあるのかどうか、そこをお聞かせください。

知事
先ほども少し言いましたけれども、13年前あるいは選挙の準備からすると14年前から日本における政権交代を目指して政治の道で色々やってきていますので、それを本当にいよいよ実現するときが来ているという、そういうすごい歴史的な思いはしています。
13年前の選挙、私が初当選したときの選挙は新進党が政権交代するかもしれないと言われつつ、結局そうはならなかったのですけれども、その直後に出たニューズウイーク紙がおもしろい論説を載せていて、「日本国民は歴史上初めて自分たちの手で政府をつくる、そういう機会があったのだが、それをしなかった。」というふうに書かれていて、あれから13年経って、今本当に日本国民は自分たちの手で新しい政府をつくるチャンスを今日の解散で正式に手にするわけであります。そういう力強い民の力というものを実際に行使して、政権交代をできるくらいの国民というのはこういうグローバル化の中での危機的状況をも乗り越えていくことができるでしょう。日本国民が一段高い新しい段階に進化する、そういうときが今来ていると思っています。

記者
2点お伺いしたいのですけれども、先ほど衆院選での応援の話が出ましたが、具体的に政権交代に向けて、知事はどのように貢献していきたいかということを知事のお言葉でいただきたいのと、今回の解散を名付けるとしたら、知事は何解散と名付けますでしょうか。

知事
こういう局面になってくると達増拓也にできることというのは、そんなにないのではないかという感じもしておりまして、自由にやりたいとは思っているのですけれども、まず国民、またこの地方、地域にあっては住民の民意のありようとか、民意の方向性というのをきちんと見定めながら、その中で自分の役割を見つけてやるべきこと、やらなければならないことに取り組んでいこうと思っています。政権交代で世の中をこうするだとか、街頭での直接的な訴えとか、草の根の人々一人ひとりに働きかけていく作業などというのは、今国政にかかわる専門的な皆さんが中心に行われるような局面だと思っています。
今回の解散に名前を付けるとしたら「日本国民自立解散」かな。国民が本当に自立していく一歩となる解散。それはイコール地方が自立する一歩でもありますので、本当の地方分権というのが可能になるような、そういう新しい政府をつくる「日本国民自立解散」というふうに名付けたいと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月27日(月曜日)の予定です。

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