平成21年10月9日知事会見記録

ID番号 N11657 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年10月9日 10時から10時30分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
3点お聞きします。
1つは、昨日、台風18号がそれて、見た目には大きな被害はなかったのですけれども、これから沿岸部のほうなどで被害が出てくると思います。改めて、台風の通過についてと今後の対応について伺います。
2点目は、昨日、県警が不正経理を公表しました。6年間で約2億1,500万円という巨額な額が不正経理されているという件についてどう思うのか。
3点目は、花巻空港の名古屋便が休止ということについて、どう受け止めて、今後どうしようとしているのかお聞きします。

知事
台風は非常に巨大な、10年に1度の大型台風ということで非常に警戒していたわけですが、県の災害対策本部を立ち上げるような災害にならなかったことはよかったと思っていますけれども、あちらこちらにいろいろな被害が出ています。まだ調査中のところが多いのですけれども、きちんと被害状況を把握して、適切に対応するようにしていきたいと思います。
それから、県警の経理の問題については、警察は大変重要な組織ですから、きちんと実態を解明し、そして再発防止のための体制づくりをきちんとやって、県民の信頼にこたえてほしいと思っています。
3番目の花巻名古屋便の関係ですけれども、これは今、世界経済の異常な状況でビジネスユースや、また観光関係も落ち込んでいるわけでありますけれども、本来、将来性のある便であると思いますので、運休を撤回してもらえるように航空会社に働きかけていきたいと思います。

記者
県警の約2億1,500万円というこの額をお聞きになって、素直にどう感じましたか。

知事
こういうことは1円でもあってはならないことですから、きちんと再発しない体制にしてもらわなければならないと思います。

記者
今の関連ですけれども、県警の不正経理に関して、これによって県が2008年度決算の提出を少し先送りしたりとか、今後も審議がどうなるかわからない状況なのですけれども、そういう状況についてどのように受け止めていらっしゃるかということと、改めて県のほうの不正経理はすべて調査が終わって、「ない」ということでよろしいのか、この2点教えてください。

知事
決算については、以前は12月議会で行われていたものを翌年度予算の審議の前の段階として、9月議会できちんと決算の審議をするように提出することなったわけですので、経済、雇用の危機、そうした中で暮らしや仕事を守っていく、また岩手の経済、社会の足腰を強くしていく、そういう予算、決算の関係は、やはり9月議会で審議していただかなければと思っていましたので、審議に入るということは県民のためにも大変よい選択を議会でされたと思っています。
県警の決算の取り扱いについては、いろいろな議論があるようですので、そこは議会の判断を尊重しながら対応していけばよいと思っています。
それから、知事部局等のほうの経理に関する対応といいますか、今回の県警の経理を受けてということについては、そもそも昨年度の経理の問題で総括をいたしまして、およそ法令に違反するような会計の処理をしないようにということを職員の間で徹底し、また相互チェックの体制も改善したり、あるいは充実させたりすることで再発を防ぐような手だてを講じてありますので、基本的にはそれがきちんと機能していれば問題ないと思っています。しかし、今回のことがありましたので、平素から不正な経理がないようにという体制はみんなで努力してつくってはいるのだけれども、今朝の庁議でも私から改めてちゃんとやるようにして、そしてもし問題が発見されたら適切に監督者あるいは監督部門に報告するようにということを庁議で伝えたところです。

記者
先日、国の補正予算の見直しについての概要が発表になったのですけれども、知事はその概要をご覧になって、本県への影響と、お感じになったことを教えてください。

知事
自分で県の予算を策定するにあたり、本予算は毎年ゼロベースで最初から見直していくというような、今民主党政権がやっているような作業を県では2年前からやっているのですけれども、ぎりぎりこれは削る、これはやらないという決断するときというのは、何をやるかの対比で決まっていくのです。ですから、削った分、何をするのかということとの対比なのだと思います。そういう意味では、来年度の本予算に子育て支援や高校無償化とか、また雇用対策的な新機軸も検討されているようですけれども、それとのセットで見直しが岩手の県民の暮らしや仕事にもどのように役に立っていくかということだと思います。基本的な方向性としては、国民=住民のためになるような見直しが行われていると評価してよいと思っています。

記者
特に直近で困るような削減は、なかったという認識でよろしいのでしょうか。

知事
全体の方向性としては、よい方向に向かっていると思っています。

記者
先日の県議会の常任委員会で、花泉の地域診療センターを廃止するという条例の改正案をめぐって、委員会がかなり時間がかかりました。その委員会のやりとりの中で、医療法人白光について、書類の不備だとか、様々な不安というか疑問の声が上がったわけなのですけれども、知事ご自身は「白光」が花泉地域診療センターの場所で事業を運営することについては、今はどのようにお考えでしょうか。

知事
公募の結果、「白光」さんからの応募があり、そして県医療局、一関市、一関の広域組合とで審査をした結果、100点満点ではないけれども、合格点になったということで話が進んでいるわけです。去年の今ごろは岩手競馬の民間委託に応募してきた民間企業があり、競馬の場合には合格点には達しなかったのだけれども、ちょっと可能性もあるので、契約に向けての協議の中でいろいろな不備な点が補われていけば、契約もあり得るということで協議し、当初は合格点に達していなかったわけですけれども、議会においてもぜひ契約しろという意見もあったというのが去年の状態でありました。
最終的な契約をきちんとした形でできればよいと思っており、また合格点というのは契約について十分見通しある、見込みがあるという判断を関係者がしたということですので、そうであれば基本的にその方向で段取りが詰められていけばよいと思っています。

記者
今議会で手続が前に進まない場合、来年1月と言われている開業時期に影響が出るということでしょうか。

知事
今、一部の議員さんからいろいろと問題点の指摘があったということで、それについては医療局から説明もその後されたと聞いています。一方、議論の中で問題点を指摘する言い方に関してはちょっと行き過ぎもあったのではないかという声も議会の中にはあると聞いています。そういう意味では、県医療局と一関市と広域組合とで公募審査した結果をベースにしつつ、地元の皆さんの声が尊重され、有床診療所が欲しい、必要なのだということが実現していくような形で進んでいくことが望ましいと思っています。

記者
今ご説明の中で行き過ぎだったという声も議員からあったということなのですが、知事ご自身はこの間のやりとりを医療局から聞いて、どういう感想をお持ちでしょうか。

知事
去年、競馬組合の民間委託議論については全く逆の方向から、合格点には達してない企業だけれども、ぜひやるべきだという意見があり、議会はそういういろいろな意見が出る場でありますので、そういう発言の中で、県民にとってためになるような議論が行われればよいと思っています。
他方、去年議会での私の発言で、少し大きい声で答弁をし、やや憤りを込めて答弁した際に、そういう激高するのはよくない、議会に対して失礼だみたいな話もあり、私としては言っている中身については何ら問題がないし、ある程度感情を込めるというのは議会にあっても許されると思っていたのですけれども、議会全体としては、そういうのはよくないという判断もされたりしたケースもありましたから、その話し方、また特に内容との関係でそこが問題視されるということはあり得ると思います。

記者
昨日の空港利用促進対策会議を聞いていて、担当課のほうからいろいろと改善案、対策案などが出ていたのですけれども、こう言うと失礼ですけれども、いま一つインパクトに欠けると感じました。恐らく全国各地とも同じことか、それ以上のことをやってくるのではないかと思うのですけれども、今のところ、これから路線維持を陳情されるに当たって、何か知事なりのアイデア等がございますでしょうか。

知事
地道な対応が基本になると思っています。愛知万博があった年にとても高い利用率だったというのがあり、そういう大きいイベントが効果を持つということはあるのですけれども、一方それはその年にしか効かない、その年並みの効果がその後もずっと持続するわけではないというところもあります。
ビジネスユースでは、なくなると困るという声がかなりありますので、そういったことをちゃんと目に見える形で商工関係団体からの声という形にまとめていただくとか、そういった工夫も含めて利用者の声がきちんと反映されながら、それが航空会社のほうにもきちっと届いていくような、それから利用者というのは今利用して、それで困るという人たちのほかに潜在的な利用者ということもあるわけですから、そういったところをやはり地道にやっていくことが大事なのではないかなと思っています。

記者
話題が変わるのですけれども、高校野球の菊池雄星君の進路が注目されていますけれども、知事ご自身は国内に残るのがよいのか、それとも海外で活躍するのがよいのか、どうお考えでしょうか。

知事
あまり大人が騒いで、少年の未来に対していろいろなプレッシャーをかけるのはよくないと思っていますが、まず賢明な選択をしてほしいと思っているのですけれども、彼はそう間違った変な選択はしないのではないかと思っています。そういう意味では、自由に自分の進路を選んでもらい、選んだ後はいろいろな形でできるだけそれを応援、支援していきたいと思います。
国内で野球をしていこうというのであれば、それをいろいろな形で応援、支援できるのではないかと思いますし、また外国でやっていきたいということであれば、不便、不自由を解消するような協力とか、支援とかもいろいろとできるのではないかと思います。いずれにせよ、自己実現ということが全うできるように周りの大人も支えていくことが大事なのではないかと思っています。

記者
高校の再編問題なのですけれども、今年度で新整備計画の期限が切れて、先月答申がありました。高校の小規模校は教育の機会均等化というだけではなくて、県北、沿岸の振興という点からもいろいろと影響があると思うのですが、知事ご自身は高校の小規模化に関して将来どういうふうな方向で進んでいってほしいとお考えでしょうか。

知事
これも生徒、少年、少女、子供たち本位に考えて決めていくことが大事だと思っています。地域振興や財政的な配慮など教育以外の論理があり得るのですけれども、まずは教育の論理をちゃんと軸にして検討され、決められていくべきだと思います。その教育の論理の中では、中学校を卒業した子供たちが未来に向かっていくときにどういう教育を受けることがよいのか、どういう学びの場が確保されることがよいのかということを軸にして検討が進めばよいと思っていまして、そういう意味では教育委員会のほうでいろいろな方々の意見も参考にしながら、そういう方向で検討が進んでいると思っています。

記者
先ほど開かれました経済・雇用対策本部会議について伺いますが、9月7日の開催から1カ月たちました。いい意味でも悪い意味でもこの1カ月、どのように変わったという認識か教えてください。

知事
生産活動の回復が見られるとか、自動車の小売販売数が大きく伸びるとかのよい材料も見られます。また、地域ごとには新しい誘致企業が入る、スタートするという好材料もあります。しかし、全体としてはまだまだ悪化の度合いが緩んだということであって、悪い状態が続いているということには変わりがないので、働きたくても働けない人がたくさんいる状態、そして、来年の高校新卒者の求人不足など非常に大きな問題がありますので、そこにはしっかり取り組んでいかなければならないと思っています。

記者
公共事業の市町村負担金についてなのですが、例えば最近であると大阪府の橋下知事が市町村負担金の廃止を言及したり、全国各地で市町村、国の直轄事業のほうにあわせ、市町村負担金の廃止の表明も相次いでいるのですが、岩手県としては今後どのように考えているかお伺いします。

知事
全国知事会で議論されているのは、目的と異なる施設の整備に使われていたり、不適切な事務費に使われているようなものは直ちに廃止すべきということですが、岩手の場合、市町村と県の関係ではそうしたケースはないわけです。さらに進んで、全面的な廃止にするかということについては、国と県との間についても負担金がなくなる分、全体事業費が減少してしまったのでは、かえって地方の疲弊につながるとか、いろいろな議論があるところです。県と市町村の関係においても、県と市町村の適切な役割分担と、それぞれが実施する場合に必要な財源の確保がきちんとできればそういう方向に改革していけばよいと思います。
ただし、今の国と地方の財政の現状が厳しい中にあって、県と市町村が協力し合ってその地域に必要なインフラの整備を進めているというようなところもあり、なかなか直ちにやめるというのは難しい状況と思います。ただ、国も含めて役割分担や財政負担のあり方がねじれたり、ゆがんだりした関係というのはできるだけすっきりさせていくことが望ましく、そういう方向で検討を進めていきたいと思います。

記者
今各市町村に対して市町村負担金についてのアンケートをやっていると聞いたのですが、市町村の意向次第では廃止の可能性もあるということでしょうか。

知事
お互い納得できるようなすっきりした関係に進んでいければよいと思いますので、その際、市町村の意見は大いに尊重しなければならないと思っています。

記者
先日、地域医療など医師確保の問題で東京に行かれて活動されたと思うのですが、どういった方とお会いして、何を話されて、その効果はいかがだったのかお聞かせください。

知事
来年度予算の概算要求のやり直しが10月15日をめどに行われるということで、基本的には鳩山内閣は、国民=住民によい見直しをしていくだろうという期待感はあるのですけれども、地域医療の問題については新政権ができてからあまりマスコミを通じて報道されることもなく、それがきちんと鳩山内閣の中で問題意識持たれていて、ちゃんと来年度予算にも反映されるのかということは、会って話をしてみないとわからないし、もしそこがちょっとおざなりになっていたとしたら、岩手を含め全国の地方、地域医療にとって非常に問題なので、提案、要望という形で、原口大臣をはじめ出張中の人には会えなかったのですが、そこはちゃんと紙を渡してもらえるようにし、厚生労働省と総務省の政務三役に会ってきたところであります。
長妻大臣は、ほかのいろいろな重要課題で特に忙しくて、地域医療について頭に入ってなかったらどうしようと思っていたのですが、長妻大臣もしっかり地域医療の危機的状況をわかっていて、何らかの策を来年度予算に講じていくということについて検討しているということだったので、一安心しつつ、またそういう確認、念押しの作業をやはりやってよかったと思っています。

記者
要望のやり方について、何か今後見直すところがあれば見直すというお話しだったのですけれども、今回の活動はそういったことに向けての一つのあり方という形なのでしょうか。

知事
気になるときに気になることについては、迅速に意見交換を行い、そういったことがふだんからうまくいっていれば、年に1度の統一要望みたいな特別のイベントのようなことはしなくてもよいという印象を改めて受けたところです。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は10月23日(金曜日)の予定です。

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