平成21年11月2日知事会見記録

ID番号 N11653 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年11月2日 10時31分から10時57分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
私からの発表事項は新型インフルエンザ対策についてです。昨日、岩手県内で初めて新型インフルエンザ感染患者の死亡が確認されました。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
インフルエンザの流行状況と適切な受診についてですが、県内では定点医療機関を受診したインフルエンザ患者数が、10月12日から18日までの1週間に1カ所当たり12.27人となり、注意報発令基準の10人を超えましたので、10月22日付で注意報を出していたところです。その次の週10月19日から25日の1週間には警報発令基準である30人に近い29.11人にまで大幅な増加を見たところです。
県民の皆様には、改めて手洗いやうがい、そして不要不急の外出自粛など感染予防対策に一層努めていただくとともに、万一感染して医療機関を受診する場合には事前に電話等で連絡をして、その指示に従って受診をする。軽症の方はできるだけ平日の日中に受診をする。症状がないにもかかわらず、念のための検査目的で受診することは避ける。こうしたことを心がけていただいて、医療機関へ過度の負担がかからないような適切な受診に努めていただいて、外来医療体制の維持と確保にご協力をいただきたいと思います。
次に、新型インフルエンザワクチンの接種についてです。新型インフルエンザワクチンは、今日から医療従事者以外の県民の皆様に対しても接種が開始されることになります。新型インフルエンザ対策の重要な選択肢が1つ増えたわけでありまして、今後有効な手段となることを期待しています。ただし、確保できるワクチンの量には限りがあります。したがって、まず妊娠中の方や基礎疾患をお持ちの方、そして幼児など重症化のリスクが高いとされる方々に優先的に接種することとされています。本県におきましても既に公表されています接種スケジュールに沿いまして、順次行っていくこととしていますので、県民の皆様にはご理解いただきたいと思います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。

記者
知事から医療機関への過度な負担がかからないよう、平日の受診を勧めたり、念のため検査は自粛するようにという呼びかけがあったわけですけれども、現在受け入れる側の医療機関の現状は大変だと思うのですけれども、それついてどのように認識されて、県としてどのような支援や対策をとっているか教えてください。

知事
休日、夜間がかなり厳しい状況になっていると聞いていますが、平日の日中に電話で連絡をとりながら受診をしていただければ受診できないことはない状況だと思いますので、そこのところを丁寧にやっていただければ、きちんとした受診機会を確保できると思います。

記者
今日の呼びかけも県の一つの施策、対策だと思うのですけれども、具体的に医療機関に対して県でこういう状況を踏まえてやっているということがありましたら教えてください。

知事
随時医師会を通じるなどして開業医の皆さんや病院関係ともやりとりは随時行っていますので、これからも現場の状況をきちんと踏まえた対策を進めていきたいと思います。

記者
ワクチンの優先接種についてですけれども、本日から妊婦と基礎疾患を有する者のうち1歳から小学校3年生の最優先対象者が受けられることになります。2歳の女児が盛岡市で亡くなるという痛ましい例が出まして、いろいろこれから調べる部分もあるとは思うのですけれども、この優先接種のスケジュールについて要件を緩和したりとか、そういった変更の可能性というのはあるのでしょうか。

知事
優先の順番については、国が人命最優先で、専門家と検討した結果、こういう順番でいくと決めたので、その順番を入れかえるようなことはしてはならないということになっています。ですから、基本的には順番どおりにやっていくしかないのですけれども、1つの優先接種対象者のグループが早く終われば次のグループに早く進めるので、そうしたところで工夫できないか。もちろんある対象の皆さんの中で、打ちたいのに打てなかったみたいなことがあってはならないので丁寧にやっていく必要はあるのですけれども、早く終われば早く次に進めますので、そこをスムーズにやっていくことがポイントと思っています。

記者
その意味では、ワクチンの確保といいますか、その辺はまず滞りなくというふうに考えてよろしいでしょうか。

知事
そうですね、今のところ現場の先生方と相談しながらきちんと準備しているというところです。

記者
今のワクチン接種に関してなのですが、10月19日から始まった分はすべての医療従事者にまで行き渡ってなくて、今日からの部分も医療従事者の分が含まれていると聞いています。こういった現状を知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
現場によって若干のでこぼこ、早い遅いとかというのは出てくると思いますが、丁寧にきちんと受けるべき人が受けられるということを確保しつつ、できるだけ早くやるという工夫をそれぞれやっていかなければならないということだと思います。

記者
現在2回とされている接種の回数が、年齢層によっては1回でよいとされた場合、スケジュールの前倒しを検討している自治体もあるのですが、こういった動き自体はどのように見てらっしゃいますでしょうか。

知事
専門家の判断を基準にしていかなければならないと思いますけれども、無理のない形でできるだけスムーズにという工夫についてはそれぞれの現場で行ってよいことだと思います。

記者
そういう意味では、岩手県も一つの参考にしていこうということでよろしいでしょうか。

知事
焦って本末転倒になってはいけないので、そこは無理のない形できちんとやっていく、できるだけスムーズにやっていくということだと思います。

幹事社
それでは、幹事社から県政記者クラブを代表して質問させていただきたいと思います。
まず、1つ目が津付ダム建設事業の評価について。先週の29日の大規模事業評価専門委員会で津付ダムについての答申の内容が示されましたが、どのように受けとめていますか。
2つ目が来年度の組織再編について。来年度から組織再編を行う予定のようですが、そのねらいについてお聞きします。

知事
津付ダムの建設事業評価についてですけれども、5月25日から先週の29日まで現地調査も行った上で、7回にわたって委員会が開かれ熱心に議論いただいたことに対して委員の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
事業を継続するという県の評価は妥当であるという内容になっていると聞いています。大規模事業評価専門委員会から正式に答申をいただいた上で、その内容を踏まえて県としての対応方針を決定することとなります。
次に、来年度の組織再編についてですけれども、今策定中の新しい長期計画を着実に推進していくということと、それから広域振興局の支援機能の充実という観点などから検討を進めてきたところです。具体的には、本庁における政策の立案推進機能の強化、広域振興局の支援機能の強化、4広域振興局体制の移行にあわせた本庁の組織体制のあり方についてというポイントについて見直し作業を進めてきました。これらの課題に対応するために、第1に各部局横断的、共通的な重要課題や地域課題にかかわる政策形成機能の一元化、第2に県民に対する情報発信機能を含む知事のトップマネジメント機能について機動的に対応できる体制を構築、第3に厳しい行財政環境を踏まえた総務部の後方支援機能の充実というこの3つを目指して総合政策部、地域振興部、総務部を秘書広報室、総務部、そして政策地域部に再編整備するという内容です。
この部及び部相当組織の再編に当たっては条例改正が必要でありますので、12月議会への提案をめどに今詰めの作業を進めている段階です。

幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いします。

記者
津付ダムの関係なのですけれども、この間の最終回の大規模事業評価専門委員会になって初めて、治水事業について30年から50年ぐらい遅れるということが示されました。そこら辺の説明不足なども委員会で厳しく指摘があったと思いますが、そのことについてどのようにお考えでしょうか。

知事
ダム部分の期間は19年くらいなのですけれども、河川改修部分については環境への影響に配慮したこと、また漁業者の漁期の問題等に配慮したことでもっと時間がかかるということなので、内容的には合理的な説明だったと思っています。

記者
ただ、今ごろになって工期がさらに延びるということが示されたことで、もうちょっと早目にわからなかったのか、早目に説明できなかったのかという意見もありましたけれども、そこら辺はどのようにお考えですか。

知事
昔ながらの河川改修のやり方で一気にやれば早くできたということであって、事実関係としてはそれはそれで正しい情報だったと思います。しかし、今回の委員会審議の中でより環境に配慮して、また漁業者の漁期等にも配慮したほうが望ましいという流れの中で、それを踏まえた新しい数字が出てくるということは、基本的によいことだと思っています。

記者
県側の説明に対して、その内容は合理的であるとか、よいことだと今おっしゃられましたけれども、委員会の中では各委員の方から県の方針に対してしんらつな意見もかなり出されていました。一例を挙げれば、県のずさんは計画は認めたくないですとか、非常に問題があるが、妥当と書きたいというような意見が出されています。何でそういう意見が出されるのか、それなのに事業が妥当になるのかということを委員長に聞いたところ、前回の5年前の委員会で事業継続になっている。そこで、それ以降5年の間に大きな変更がなければ、これは継続とせざるを得ないのだということで、委員会の限界というものを指摘されていました。そういった委員会をもとに判断するというのはなかなか難しいという部分があったりするのですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。

知事
いろいろな問題点の指摘や批判的な意見は、貴重なご意見ですから、それらを参考にし、意見を踏まえながら仕事は進めていかなければならないと思います。
それから、大きな事情変更がなければ結論が同じになるということについては、それも一つの判断なのだと思います。ですから、そうしたいろいろな意見も出していただき、また論理的な議論の組み立てで一つ結論を出していただくということは意義あることだと思います。

記者
一方で、委員長ご自身は国の情勢などを踏まえてダムに対する考え方は大分変わってきていると。委員会では、限界があるのだけれども、知事であれば当然そういった事業の中止も含めた考え、そういう裁量を持つということでかなり期待しているような部分もあったのですけれども、委員長は直接は言ってはいないのですけれども、反対派の人たちの声なども含めて知事がどのような対応をされていくのか、改めてお伺いします。

知事
附帯意見として、ダム建設事業に対する国の方針や予算配分方法の見直し、新たな環境保全対策などの要素で、計画の参考資料になっているいろいろな数字に大幅な変更が生じることが明らかになった場合には、また専門委員会に内容報告して再評価の要否について意見を聞くことと付されていると聞いています。そういう意味では国の方針や予算の大きな変更があった場合に、県としても専門委員会と随時相談するような、そういう意見を踏まえながら県でも対応していけばよいと思っています。

記者
大きな変更があった場合に、また委員会に諮ったりしなければいけないのですか。知事ご自身が決断されるということはないのですか。

知事
今まで専門家の皆さんの議論や、また地元の皆さんの要望等に基づいて進めてきた事業ですので、基本は専門家の知見と地元の要望に基づいて決めていくことが望ましいと思っています。

幹事社
それでは、そのほかに各社から質問があればお願いいたします。

記者
さきの一関市長選で与野党相乗りをしてしまったということで、民主党県連は幹部の4人の処分を党本部に求めることにいたしましたが、そもそも都道府県知事選の場合、地域事情に配慮して、県民党ということで戦う方もいらっしゃる中で、こうした与野党相乗り禁止ということになると、いたずらに政党対決色を濃くしてしまうのではないかと思うのですが、知事はその点についてどう考えるか教えてください。

知事
地方の政治においても政党というのは大事なのだと思います。国民=住民には、様々な要望がある。そういった主権者の意思を個別に行政にぶつけているだけでは、民意の反映はできても民意を統合して事を動かしていくことはなかなかうまくできません。そういう民意を統合していくものとしての政党の存在というのは、やはり民主主義にはなくてはならないものだと思っていまして、地方主権がどんどんこれから進んでいこうとする中で、今まで以上にますます地方政治における政党の役割というのは重要になってくるのだと思います。そういう流れの中で、それぞれの政党、また、それぞれの政党の地方支部がどういう工夫をして選挙に臨んでいくのかとか、日常の活動をしていくのかということが大事だと思います。

記者
党本部としては知事選とか政令市長選ということなのですが、岩手県の場合はすべてを対象にしており、そうはいっても厳し過ぎるのではないでしょうか。

知事
それは正に地方支部は地方支部として自由にやっていくことが分権的な運用だと思いますので、それぞれ政党ごとあるいは支部ごとに工夫されていけばよいのではないかと思います。

記者
在日米軍再編問題に絡んで、普天間飛行場の移設で岡田外相は嘉手納との統合案ということを言っていまして、防衛大臣はそうは言っていない。アメリカ側もこれに対して反発しています。今月の中旬にはオバマ大統領が初来日するわけですが、日本政府としては今後アメリカ政府に対してどういうふうな対応をしていくべきなのか、そして結論を政府としていつまでに決めるべきものなのかを教えてください。

知事
橋本龍太郎総理大臣のころに沖縄米軍基地関係の対応方針が決まっていったと記憶しているのですけれども、それから10年以上経過してしまっているわけでありまして、一種負の遺産的なものを残されているのだと思います。いろいろな意見が交わされ、国民がそれを見ながら、国民もいろいろな意見を言う。そういう中で一気に結論に持っていくというやり方もあるのではないかと思います。

記者
では、来年の名護市長選まで待つ必要はないということですか。

知事
本当は10年くらい前にいったん決まっていたことではあるけれども、ただその内容に問題があったから実行できてないという事案です。どうすればよいかを早く決めるのはなかなか大変だとは思うのですけれども、早ければ早いほうがよいということが一方にある反面、地元の意見は尊重されていかなければならないのでしょうから、民意を見定めるということも一方では大事だと思います。

広聴広報課
それでは以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月9日(月曜日)の予定です。

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