平成21年11月16日知事会見記録

ID番号 N11649 更新日 平成26年1月16日

印刷

(平成21年11月16日 10時30分から11時23分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
第1の発表事項は、新しい長期計画の最終案についてです。新しい長期計画については、去年の10月に総合計画審議会に諮問をしまして、6月に審議会から中間答申をいただき、計画素案を県から公表し、そして9月にアクションプランを加えた計画案を公表して、2度にわたるパブリックコメントや地域説明会等を実施しました。今月6日に総合計画審議会から最終答申をいただいて、それを踏まえて今回、計画の最終案となったところです。
計画の名称については、「いわて県民計画」といたしました。県民みんなでつくり、そして県民みんなで行動をしていくという意味で「いわて県民計画」です。副題は中身をわかりやすく3つの視点と基本目標を組み合わせ、「ゆたかさ・つながり・ひと~いっしょに育(はぐく)む「希望郷いわて」~」にしました。12月県議会にこの計画の承認議案を提案します。県議会で承認された後は、計画の普及推進に向けた概要版の作成やシンポジウムを開催し、県民への計画の浸透を図っていきます。
発表事項の2つ目は、琉球ジャスコにおけるいわて盛岡デーでのトップセールス等についてです。11月27日の金曜日から29日の日曜日にかけて、沖縄県の石垣島と沖縄本島に出張します。沖縄県とは15年前から石垣島との「かけはし交流」が続いています。また、去年の岩手・宮城内陸地震の際には、琉球ジャスコ株式会社から義援金の寄附をいただき、沖縄県立八重山高校からは県民を励ます温かい寄せ書きが贈られています。
11月28日の土曜日は、12時から琉球ジャスコ株式会社との意見交換会に出席、午後1時から物産フェアのいわて盛岡デーが開催されるジャスコ南風原店において盛岡市の谷藤市長とともに店頭トップセールスを行います。
その前日の11月27日の金曜日には、八重山高校と石垣市長への表敬訪問を行い、そしてかけはし交流会石垣支部主催の歓迎交流会に出席します。岩手と石垣島との交流の架け橋になった元岩手県職員で故人の菅原邦典氏の記念碑にも立ち寄る予定です。
今回の出張を通して沖縄県内の関係者の皆様へ震災復興支援への御礼の気持ちをお伝えし、また両県における文化、教育、経済、観光の活発な交流につながることを期待しています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いします。

記者
新しい長期計画を「いわて県民計画」という名称にされたということですけれども、この計画に盛られたものを実現していくための一番の課題、重要視していかなければならないことというのはどのように知事はお考えでしょうか。

知事
今回のこの「いわて県民計画」は、いわば希望インデックスのような機能を持っていると思います。県民一人ひとりが将来に向かっての志、農業分野で頑張りたいとか、観光の分野で頑張りたいとか、あるいは教育、福祉の分野で頑張りたいとか、そういった人たちの志にマッチしたこの県の方針とか、政策あるいは構想とか、そうしたところを見て、なるほどこういう方向性で自分もやっていこうとか、そういう県民一人ひとりが希望を持ち仕事や暮らしに役立てていただければよいと思います。これは、これからの県職員にとってもそういうインデックスとして役立て、それぞれの部署においてこの計画の方向性に沿いながら、さらに発展させたり、膨らませたりしていくような事業を立案したり、また決まっている事業のやり方を工夫したりとかして、まずは私も含め県職員がしっかりこれに取り組んでいかなければならないのですが、それが県民一人ひとりの自分や、また周りのためのアクションと相まって岩手全体が「いっしょに育む希望郷いわて」になっていけばよいと思っています。

記者
計画が議会で承認されたら、県民への周知にいろいろとアナウンスで取り組むというお話でしたけれども、それを聞いた県民が岩手県はこういうことをやるのだというふうなところで止まってしまえば今までの計画と変わらないと思います。問題は、その先にあって、この計画の名称に意味が込められていると思うのですが、その辺のところの意の用い方といいますか、県民の主体性の引き出し方というところの知事の進め方についてお伺いします。

知事
まず、私自身この「いっしょに育む希望郷いわて」という基本目標を繰り返し口にしていくことが大事だと思いますし、それから「ゆたかさ・つながり・ひと」という3つの視点、そして県職員もそれぞれ自分の担当について政策の柱とか、そういうことを機会あるごとに関係者、関係する県民の皆さんと共有していくような、そういう態度が求められると思います。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
先週、鳩山総理に提出された会計検査院の検査報告について伺います。
岩手関係では、盛岡市で、昨年度の内部調査を40%近く1,600万円余を上回る数字が出るほか、八幡平や北上市でも同じように20%から30%ぐらい内部調査より多い数字が指摘されました。昨年、県の不正経理で内部調査された立場として、内部調査をこれほど多く上回る指摘額が出てきたことについてどう受けとめられましたか。
それから、県警は過日公表した内部調査と同じで、新たな指摘はなかったのですけれども、県警からこの前の内部調査を受けた後の対応について何か報告などがありましたら教えてください。

知事
県警からは、9月議会で県警が発表していく、それについて事前に報告があったということ、これは9月議会で私から答弁していることでけれども、それ以降は特にやりとりはありません。
そして、全体的なことについてですけれども、県が去年このことを総括して、そして再発防止策としてまとめたような、ダブルチェックが働くように決裁を責任者が確認できるようにすることとか、それから判のつき方でも省略をしないとか、そういった具体的な庶務、会計のいろいろな制度の改革をやっていかないと再発防止をきちんとやれないのだと思います。また、そうした制度の改革と同時に意識の改革が必要で、この意識の改革ということについては、1つは決まったことをきちっと守るということと、もう一つは、一見それと逆説的ではあるのですが、今のやり方で本当によいのかという視点を持つということです。この2つは、本質的には一体のことであって、本当にコンプライアンスを守り、遵法精神を貫くには常に今のやり方でよいのかという視点が必要です。そうした制度の面と意識の面とで足りなかった部分がさきのような結果として出てきているのでありましょうから、その点をそれぞれの自治体がしっかり取り組んでいかなければならないと思います。

記者
政府の行政刷新会議の事業仕分けで、農道整備事業などたくさんの事業が廃止とか、見直しの対象になっています。例えば、現場の意見を聞いていないとか、強引だとかという批判も出ているようなのですが、その中でも岩手県政にも影響なり関連があるものが含まれていると思います。その点について、知事はどのようにお考えになっているのかお伺いします。

知事
事業仕分けは、ああいうものとしてありのままに受けとめれば、参考にすべきところを参考にして、主として国の予算編成にですけれども、役立てていけばよいものだと思っています。これ裏を返すと事業仕分けがそのまま結論というわけではないということであって、やはり1時間という限られた時間の中で、またいろいろな分野から参加されて行っているということは異なる視点、珍しい視点で今までなかったような切り口から国の予算を分析していくという点ではよいと思います。そういうフレッシュな視点というのは、いろいろと参考になっていくと思いますけれども、ただ私も事業仕分けすべてを把握しているわけではないのですが、ざっと見ていますと趣旨がよくわからない、効果がよくわからないという、よくわからないからアウトというのが多いと思います。これは1時間の間に担当者が相手を納得させられなかったからアウトということでもあるのですけれども、そこはそういうものとして本質的に内容がない、あるいは内容が問題だから納得させられなかったのかもしれないし、あるいは本当にコミュニケーション上の技術的な問題で納得させられなかったのかもしれないし、そういったところはそういうものだとありのまま受けとめつつ、参考になるところを参考にしていけばよく、そういうものだと思います。

記者
全部の事業を把握しているわけではないということなのですけれども、報道なり知事自身のコネクションで仕入れた情報の中などで、これはちょっと事業仕分けの結果として納得がいかない事業というのはありますでしょうか。

知事
思いつくものは、今言ったようにわからないからアウトというような結論が出るような、ただそういうのもありというルールでやっていることですから、その結果についてよいとかよくないということは、直ちにはないのだと思います。その1時間の範囲で、そのメンバーでこういう意見が出て、取りまとめの人がこういう結論を出したという事実がたくさんあるわけであって、それはそのまま受けとめればよく、その一つ一つについて良い悪いの判断をするのは、別途予算の査定をしたりとか、そういう責任あるところにある人たちがやっていく作業と思っています。

記者
事業仕分けと新しい長期計画の関連なのですけれども、事業仕分けのほうで産官学連携事業の費用が半分になったりとか、診療報酬といったことにも切り込みがあったと思うのですけれども、そういった内容はアクションプランのこの2年間の運営上に支障や影響が出てくると思います。そういったものを踏まえた上で、事業仕分けとか、予算編成の中身が決まってから新しい計画を出されてもよかったのかなと思ったのですが、そこら辺はどのように思われていますでしょうか。

知事
産学官連携については、方向性についてはそれは進めようということで、箱物については抑制するというふうに前政権との違いはそこにあるわけですけれども、方向は推進しようということだと思うので、長期計画の方向性とも合致していると思います。診療報酬の関係も勤務医に手厚くというのは、まさにそういう地域医療再生という方向で長期計画とも合致していると思っています。ということで、基本的に方向性は合致しているので、むしろ長期計画が先に決まっていて、今の政府もその方向で国政を進めようとしているので、基本的には我が意を得たりと思っています。
一方、予算は国会で議決されないと決まらないことから、そういう意味では2年計画のアクションプラン、その1年目ももう半分ぐらいは終わっていますが、国の予算が正式決定されるまで待っていると来年度に入ってしまいます。アクションプランも国の予算が確定しなければだめだというような形でのつくり方ではなく、概ねの方向性を踏まえ、かつ国がどうこうというより、岩手の中の必要性、必然性をベースにして組み立てているというところが本質でもあるので、そういう国の予算決定を待たずにどんどんとプランを進めていこうというところです。

記者
今の事業仕分けに関連して、地方交付税についての抜本的な見直しという指摘がありました。一方で、先日、総務大臣は来年度の交付税は増額しますというお話もされています。交付税の額については今回事業仕分けには出てきていませんが、抜本改正についてどのようにお考えになっていますか。
あとそれに関して、知事は総務省の顧問にも先日就任されましたけれども、何か政府に対して交付税について言っていくおつもりがあるのかお伺いします。

知事
論点はたくさんありますので、いろいろな議論をしながらどんどん詰めていく作業、それは基本的に改革、改善を進めていく作業になると思うのですけれども、それはどんどんやっていけばよいと思います。重要なことは、小泉内閣時代に三位一体というスローガンのもとにごそっと削減された国から地方への予算の流れを回復させていく、そのために地方交付税の額を上げていくという、そこさえきちんと守られていけば、あとは財政、技術的なところを詰めていけばよいということだと思います。

記者
外部の方も入って事業仕分けをするというやり方を県でも今後大規模にやるとかというお考えはあるのでしょうか。

知事
県の場合はピーク時に1兆円に届かんとしていた予算が6,000億円台にまで軽く3割近く既に削減、切り込まれているところです。また、県民の声、あるいは有識者の声をいろいろな形でふだんから伺っているので、基本的には年度ごとにゼロベースで予算を見直していく今のやり方で作業を進めていけばよいと思っています。ただ、あのようなワークショップ型の県民参加の仕組みというのは、行政評価とかいろいろなところで活用できると思っていますので、ワークショップ型の県民参加ということについてはいろいろと工夫をしていきたいと思います。

記者
新型インフルエンザの関係ですが、小児等へのワクチン接種が前倒しになりましたけれども、これについて知事から何かコメントをお願いします。

知事
医療関係者の皆さんの工夫と努力のおかげもありまして、岩手でも接種スケジュールを一部前倒しすることにしました。ただ、国からのワクチンの供給が前倒しされてどんどん来るわけではありませんので、全体として足りない中でも、できるだけ混乱が生じないようにスムーズにやっていかなければならないと思っています。これは、国からの供給が少ないことを容認するものではなくて、接種を前倒ししているのだから、国からのワクチンの供給についても前倒しするように、とにかく早目、早目にワクチンを送ってほしいということです。

記者
プランを前倒ししたことで、これまで接種を受けられてない方にワクチンが行かないのではないかという懸念があるようなのですけれども、例えば医療従事者の中でまだされていない方がいるとか聞くわけですが、そういう部分についての不安はどのように解消されるお考えでしょうか。

知事
医療現場では、どういう人たちに接種しなければならないのか、特にかかりつけ医の皆さんはリスクのある病気にかかっている患者さん等の情報がわかるわけですから、接種の順番をそれぞれ現場で上手に工夫していただくことによって、必要な人たちへの早目の接種が実現できると思います。

記者
国の直轄道路の関係で伺いますが、来年度の道路関係の概算要求で、国は開通時期が近いものを優先して予算をつけるとしており、全体の予算は削減するという方針です。岩手にもこの方針で影響してくると思いますが、県としての対応はどのように考えていらっしゃるかお伺いします。

知事
内々事務的に伝わってきているところでは、日本全体の大規模な公共事業の削減の中で岩手もそれ相応に額が減り、額が減ることに伴って計画が先延ばしされていくので、まずいと感じています。そもそも国の直轄事業は本当に基礎的なインフラとして必要であるがゆえに行われているものであり、岩手の場合は基本的にそうだと思っているのですけれども、沿岸を縦軸に結ぶ道路とか、沿岸と内陸を結ぶ道路とか、やはり遅れは許されない。ここ2年間は、むしろ秋の補正予算で措置して前倒しで計画を早めていくような形で進められていますので、それが180度逆に遅らせていくというのは、あってはならないことだと思っています。
マニフェストで3年間で十何%減らすでしたか、それを単年度でやるような勢いで減らそうとしているのですけれども、これはやはり岩手は経済・雇用対策本部を立ち上げている状態であって、経済・雇用対策本部長からすると著しく景気を悪化させますので、無駄遣いはいけないし、経済・雇用のために予定にないものも増やせということもであってはならないと思うのですけれども、予定にあって必要とされているのを異常に減らすということは経済、雇用の観点から見ても適当ではないと思います。

記者
近々、国の概算要求の具体的な説明もあると聞いていますが、知事としてはいずれ何らかの要望なり、意見を強く言っていくということでよろしいのでしょうか。

知事
内々伝わってきていますので、正式な説明を待たずに、民主党県連への要望というのは、今週すぐにも出したいと思っています。

記者
先ほど行政刷新会議の事業仕分けの地方交付税についてお話ありましたが、もし地方交付税を増額した場合、それは赤字国債を増発してしまうことに直結すると思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。

知事
いろいろな切り口があるのですけれども、税収が異常に落ち込んでいる状態で、税収の落ち込みというのは租税政策のミスでそうなったというのではなく、景気の落ち込みで税収が落ち込んでいる。そういうときには借金をしてでも財政支出を確保、あるいは増やすことによって景気を引き上げるというのが伝統的な財政政策の基本であって、それで今G20諸国、中国とか、そういったG8以外の大きい国も含めて財政赤字は今年度はかなり増えることになっています。ですから、そういうのは基本的にはありと思っています。2つ気をつけなければならないところがあって、今世界中の政府が政府の赤字を増やして、単年度の借金を急に増やすようなことになっているので、それで何かミニバブルのようなことが世界経済に起きるのではないかと懸念されているので、そういうのはまさにG20のような場で政策協調、マクロ経済に関する政策協調でそこには気をつけていかなければならないと思います。あとは日本固有の問題として、財政規律との関係でどうかということがあるのですけれども、ここは中長期的に財政が健全化していくという、そういう道筋をはっきりさせて、それで国民やマーケットの信頼を勝ち得ていけばよいので、こういう経済危機のときに無理やり財政健全化に向けて大なたを振るうというところにこだわり過ぎない方がよいと思っています。

記者
事業仕分けの関係で、知事もさっきおっしゃったようにそこでの結果をすぐにアウトと直ちにするべきではないということで、政府の中でもあくまで参考意見というような考えも多いと思います。ただ、12月の財務省査定で復活をねらっている省庁とかもあると思うのですが、それについてどう思いますか。それと鳩山総理としては最終的にはどういう判断をすべきだと現時点で思っていらっしゃるか教えてください。

知事
もともと前政権が概算要求までまとめていて、それに民主党としてはマニフェストで約束したことをやらなければならない中で、補正予算にですら二、三週間かかってしまって、補正予算にかけた日数よりも短い期間しか本予算の概算要求の見直しにはかけられてないと見受けられていますので、今のままでよいというわけではないと思います。行政刷新会議の事業仕分けの作業は大いに参考になると思います。
ただ、よくわからないからアウトというのがかなりあったようで、そのアウトというのは、まさにそういう理由で仕分けのルールの中で廃止なら廃止という結論が出たということであって、それはイコール政府としてその事業をもうやめると決めたということではないと思っています。もちろんよくわからないというのをさらに突き詰めた結果、やはり無駄だったという結論に政府としてはなるかもしれないわけで、そういうものだと思っています。
あと、財務省関係の独立行政法人や公益法人への補助金的なものについて、仕分けの対象になっていなかったという報道を目にしました。本丸は国民を直接巻き込んだいろいろ事業を減らすかどうかというあたりというよりは、むしろ天下り温存のようなために10兆円とかの規模の予算がそちらのほうに流れているというあたりが本質で、今回の事業仕分けでは、そこへの切り込みが一部の省庁についてはあったみたいですけれども、全体としてはまだまだあるのではないかと思っています。ですから、内閣の課題としては、その辺の本当に天下り温存のための無駄な予算というところを徹底して洗い出すというところを更にやらなければならないのではないかと思っています。

記者
今回、事業仕分けを行う国会議員は当初の32人から7人になってしまったのですが、3日間を終えてみて少ないとか、知事はどういうふうに思っていますか。

知事
やり方の問題であって、そこはいろいろあるのだと思いますけれども、それぞれ寺田議員とか蓮舫議員とか、主として仕切り役に回って司会進行をやっていました。だから、国会議員の関与としてはあのような感じがよくて民間から参加してもらった人などと一緒に、自分のそれまでの経験に基づいてそういう特殊な角度からの意見を述べるというのは国会議員がやらなくても、それは民間からの参加者がやって、それで機能したのではないかと思います。

記者
今週、知事は静岡県のほうにいらっしゃってフジドリームエアラインズという航空関連の会社を表敬されるようですけれども、これは何か花巻空港等との関係があるのかどうか目的を教えてください。

知事
既に1件ツアーを組んで花巻空港に来てくれています。まずは、そのお礼からと思っているのですけれども、静岡空港ができたということで静岡県にそういう地域に根差した航空会社ができたということで、そういう地域と地域を結ぶ路線でどんどん岩手のほうにも来てくださいということを言っていきたいと思っています。

記者
岩手の方への航空事業とか、ラインの拡張などに関して協力を求めるとか、参考にするとか、そういったあたりのお話はいかがでしょうか。

知事
具体的にこれというのは決めているわけではないのですけれども、今JALの問題とかいろいろな空港の問題とか全国的な議論にもなっているのですけれども、ハブ空港とか国全体にとって重要な問題があるほか、地方振興の観点から地方航空というのはやはり重要で、東京経由ではなしに地方と地方が直接結びつくとか、あるいは地方がそれぞれ外国と直接結びつくとか、そういうところで共通する志とか、あるいは共通する課題なども話し合えればよいと思います。

記者
先週の会見で県内首長選に関連して、知事は特定候補を応援されても、その後は行政の長としては公正中立、公平性を保つというお話をされたと思うのですが、各首長からの陳情の方法が党県連もしくは幹事長室に一本化するという話がありまして、実際に民主党さんと戦われた、もしくは民主党さんが推された首長さんが知事にお願いするときは公平中立を保たれるとは思うのですけれども、民主党県連さんですとか、あとは幹事長室の場合は、あくまで党の組織なので、どこまで公平性が保たれるのか懸念があるのですが、そこら辺についてのご所見をお伺いします。

知事
政府与党が一体であるという、イギリス流の議院内閣制でそういう運用を行っているのですけれども、自民党政権の時代にも、東京で東北開発委員会という東北関係の議員さんが集まる会議が開催され、そこに各県の知事を呼んで意見を求めるというようなことをやっていましたし、岩手の中でも県連主催で中央からゲストを呼んで、県内各市町村やいろいろな団体から要望を聞くということをやっていたと思います。私は政治家でもあるから、そういう会合などに呼ばれて、都合がよければ出ていたわけですけれども、私が出られないときは担当部長等一般職の県職員を代理で出して、政府と政府、地方政府と中央政府との関係に準ずるようなものとして対応していました。だから、民主党政権の下でもそのように政党支部が窓口になって政府につなぐというやり方は有り得ると思いますし、そこがきちんと変な形にならずに行われるかどうかというのは、それは万人からチェックされていかなければならないところでしょうけれども、そういうやり方そのものについては、認められるものではないかと思っています。

記者
万人からチェックがされていかなければならないということは、裏を返すと場合によっては中立、公平性を保てない可能性も出てくるということととらえてもよろしいのでしょうか。

知事
自民党政権が行っていたときのそういうやり方については、私としては、これは明らかに不公正だと感じることはありませんでした。だから、そのとき以上に開かれた体制で草の根の暮らしや仕事の現場の声をどんどん国政につないでいこうという趣旨で今民主党内閣、政府与党で制度設計しているようですから、その趣旨どおりに行われればよいのではないでしょうか。

記者
9月16日の特別国会で鳩山総理が首班指名されてから2カ月になりますが、ここまでの内政、外交の政権運営の評価と、あとは注文や提言をしたいことがあればお伺いします。

知事
私は草の根の暮らしや仕事の現場の声といった民意をきちんと政策に反映させていくような仕組みを早くつくってほしいということを政権交代当初から言っておりましたけれども、党の都道府県支部、県連が窓口になって、それを幹事長室経由で政府につないでいくという仕組みがようやくできたので、これがいかにしっかり運用されていくかが肝心だと思っています。ただ、ここまでそういう仕組みができてみると、改めて党の幹事長を内閣に入れるということをやっておけばよかったと思っています。そのほうが本当の政府与党の一元化、そして草の根の民意が内閣にきちんと入っていって、そして内閣として統一的な意思決定ができるようになるので、今からでも遅くないので、内閣改造で小沢幹事長を内閣に入れるということをすればより良いシステムになるのではないかと思います。

記者
今のご質問の回答の関係なのですが、小沢幹事長を内閣に入れた場合のポストはどういうものを想定されているのでしょうか。今まであれば国会と官邸のパイプ役といったら官房長官でもあり、今は国家戦略室の担当の方もいらっしゃいますけれども、それについてはどうでしょう

知事
新進党とか自由党などで議論していたときには、政調会長が官房長官で、幹事長は無任所の国務大臣という案が確かあったと記憶しています。実際には内閣の中にあって主な仕事は党との調整なわけでありますから、特定の役所組織を担当するというのではなくて、まさに総合調整担当の無任所大臣ということと思います。

記者
新進党、自由党のときにはなかったポストで国家戦略室、また局になるのでしょうけれども、その担当大臣に今、菅直人さんがいらっしゃいますけれども、そこはそれには当てはまらないでしょうか。

知事
民主党になってからもネクストキャビネットで幹事長は無任所国務大臣だったような記憶もあります。その辺は調べてもらえばその都度のネクストキャビネットで幹事長が何をやっていたかはわかるのですけれども、国家戦略局というのはそのときはなかったわけです。ただ国家戦略局というのは今まで旧政権の経済財政諮問会議がやっていたことを更にパワーアップさせたということで、あれは政府と民間の調整みたいな感じなのでしょうか。ですから、政府と党との調整というか、統合というのはそれと別にあってもよいのだと思います。

記者
そうすると、今は閣僚の数は決まっていますので、現在ある閣僚のポストを削ってでもということでしょうか。

知事
数字が絶対ではありませんので、日本のためによりよい仕組みに合わせてその辺はどんどん変えてもよいと思います。

記者
今の関係で確認したいのですけれども、前政権のときの感覚で言うと、与党というのは政府、時の政権を与党の立場でチェックするというような部分があって、それで例えば政調会で法案審査をやったりとか、総務会がいろいろ発言したりとかがありました。政権が変わったわけですから、それは踏襲する必要はないと思うのですけれども、幹事長が閣内に入ると確かに一元化は進むかもしれませんけれども、そういった意味でのチェックというか、政府と与党の立場の違いみたいなものがなくなってしまうような弊害、あるいはもっと端的にいえば民主党の幹事長の権限、支配という人も言いますけれども、そういった傾向が強まるのではないかというようなことが懸念されると思うのですが、そのあたりいかがでしょうか。

知事
究極には総理代表の権限を強めるということだと思うのです。総理代表の権限が強くなって、そして日本が直面する課題について情報が総理代表まで上がり、そして決定も総理代表の下で迅速に行われていく。ただ、そういう情報が上がっていくことと決断が迅速に行われていくことを幹事長もまた内閣に入ってすぐそばでサポートすることで、基本はそれは総理代表機能の強化ということになると思います。そして、総理代表の下にはほかの内閣の大臣たちとか政務三役などの政府のルートが置かれ、慣れてきたらそういう改革の志を同じくする官僚たちにもどんどん仕事を任せていかなければならないと思います。丸投げではだめなのですけれども、私も県庁内でいろいろ仕事を県職員にやらせるというか、やってもらうというか、指導しながらですけれども、そういうふうにまず政府のルートで進めていって、あとは幹事長から党につながるルートでは、党にいろいろな役があって、そこで民意をどんどん吸い上げるという機能を果たしているので、政府与党一元化の中でそういう役割分担がうまく機能していけばよいと思います。それぞれの部署の中で党のほうから上がってきた民意と官僚がお膳立てしたものが対立したら、そこは閣議やあるいは関係閣僚会議で決定したりすればよいのでしょうし、あるいは各省政策会議のところでもんでもよいのかもしれません。それを国会の委員会や本会議の平場のほうでそういう政府対与党の場をつくるかどうかということなのでしょうけれども、それをやり過ぎると野党の質問時間がなくなるというところがあります。だから、二大政党制的な運用で野党にそういう政府与党のチェックをがんがん激しく、どんどんやってもらうためには国会の平場の議論の場は野党の時間、野党を主役にするように時間を配分して、政府と与党の間の調整は国会の外、つまり政府の中でやるようにするというのがよいのではないかと思います。

記者
逆に民主党の代表がもっと党務に大事な部分だけは関与するべきではないかというような声も聞かれるのですけれども、幹事長が入閣されるという形のほうが一元化のためにはよいと思われますか。

知事
代表は既に党の代表でもありますからね。その運用の中で、今は党務、選挙は幹事長にお任せしますみたいなことになっているのでしょうけれども、そこでどれだけ代表としてはこう考えるというのを幹事長に言って、幹事長を指導していくかというのは、それはそれで今のままでも、あるいは幹事長が内閣に入ってからでも代表のリーダーシップとして自由自在にやればよいのではないかと思います。

広聴広報課
以上で記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月26日(木曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。