平成22年1月18日知事会見記録

ID番号 N5035 更新日 平成26年1月16日

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平成22年1月18日 10時30分から10時50分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がございませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
民主党小沢幹事長の秘書の逮捕の件なのですけれども、幹事長は続投を宣言されまして、一部の世論調査などでは、やめたほうがよいのではないかというような声も結構多いようなのですけれども、改めて続投宣言されたことについて、知事のご所感を教えてください。

知事
まず、世論調査の関係については、土曜日の党大会での小沢幹事長の発言の中身をわからないと判断できない内容だと思うのですけれども、多くの人はその内容を知らないままにアンケートに答えていると思うので、アンケートの結果については、そういうものと受けとめていればよいのではないかと思っています。
それから、幹事長辞職云々ということについていえば、去年のいわゆる西松問題からの流れがあると思うのです。今や、西松問題での大久保秘書の逮捕というのは不相当な逮捕だったということが見えてきていると思うのです。最近の裁判で会社側の総務部長だった人がダミー団体だとは思ってなかったと、正規の政治団体と思ってやり取りしていたという証言をしていますし、それに先立つ会社側の裁判の中では、裁判官の方から談合、口利きの見返りというようなことではなかったということが言われています。そもそも巨悪につながるものだというのは裁判所が否定しているし、政治資金規正法上の問題についても適正だったということを相手側が発言をしている。まだこの裁判の結論はでていないので、中身について確定したとは言えないのだと思うのですけれども、そういった内容で逮捕することは適当でなかったということは、もう言えるのではないかと思います。
そして、去年、私は民主党県連大会に出て、「今年は政権交代で国民宰相が実現するのですよね。原敬が平民宰相であったのであれば、小沢一郎さんは初めて、国民が自らの意思で政権交代の中で選び出す初めての国民宰相になる。」ということを言っていたのですけれども、それがあの不相当な逮捕によってぶち壊しになってしまったと。だから、日本の政治にとってかなり深刻な問題なのだと思います。
その流れの中で、「あの逮捕はあれでよかったのだ」ということを無理に理屈付けるために今回の逮捕に至っているとすれば、これはやはり幹事長を辞めるわけにはいかないというのは当然なのではないでしょうか。これで変に辞めてしまって、あたかも「そういう巨悪はあったのだ。だから、去年代表を辞めたのも当然だ。」みたいな話になったら、これは、去年日本の政治が取り返しのつかないゆがみを受けてしまったという事実が無になってしまいますからね。だから、そういう日本の民主主義を守るためにも幹事長職を辞めるわけにはいかないという、そういう局面なのだと思います。

記者
土曜日の党大会では、そこら辺のご自身の今までの経緯も含めてご説明を幹事長はされていましたけれども、それについては知事はご覧になって納得されましたでしょうか。

知事
ええ、納得できました。あとはちゃんと検察側とやり取りをしていて、土地を買うのに立て替えて出したポケットマネーについても逮捕前に検察と弁護士との間できちんとやり取りしたということが明らかにされたのは非常に大きいと思います。というのは、あたかも小沢氏側からの弁明、説明が全然なく、だから逮捕だという報道の流れになっていたと思うのですけれども、そうではなかった。小沢氏側から検察側に対してちゃんと説明があったという話が全然表に出ない中で逮捕されていた。そういうやり方がまかり通っているということが明らかになっているということは大きいことだと思います。

記者
県立沼宮内病院について伺います。地元自治体が昨年末に、今年4月に無床診療所化予定の沼宮内病院について最大1年延長することを医療局に申し入れていましたけれども、先週末に県医療局が地元の要望について譲歩するような条件を提示しました。地元自治体は、それに関して受け入れの意向を示していますので、そのような流れが強まっていると受け止めていますが、知事は当面、沼宮内病院の件に関しては、地元と協議を尽くすというようなお話しされていたかと思うのですが、今回の医療局の対応についてどう受けとめられるか教えてください。

知事
医療局からそういう方向で対応したいという説明は事前に私にもありました。医療局としては医師不足が深刻化する中で限られた人材を全県でどのように配置するのが県民の命と健康を守るために最大限効果的かという観点から進めていくわけでありますけれども、ただそれは他の民間のお医者さんたちとか、民間の病院とか、そういったところとの連携の中で最大限県民の命と健康を守っていこうという話ですから、岩手町の町当局や地元の皆さんの努力でそういう民間も含めた連携の形をつくっていきたいということには、県としてもしっかり協力していかなければならないという考え方で、私も医療局の対応には賛成をしました。

記者
小沢さんの話に戻るのですが、今日になっても民主党内からも説明責任がまだ尽くされてないのではないかという声が出ています。しかもそれが閣内であったり、いわゆる小沢チルドレンの中であったりします。そういったことに対して知事はどのように思われていますか。

知事
私は、逆に今回の逮捕が不当あるいは不相当であったという声が民主党議員からあまり出てこないことの方がおかしいと思っています。政治資金を一時的にポケットマネーで立て替えた、それをきちんと報告していなかった。これは悪いことだと思います。訂正しなければならないのだと思います。ただ、それを理由に議員までも逮捕するというのは、明らかにおかしいと思います。
そして、もう一つ、そのことが理由ではなく、巨悪につながっているのではないかということで逮捕するのだとしても、それもやはり手順としていきなり逮捕というのはおかしいと思います。
したがって、いずれにせよ去年の大久保秘書逮捕がおかしかったのと同様、今回の逮捕もおかしいということはもっと民主党の議員あるいは日本の民主主義を守ろうとする人たちからはどんどんそういう発言が出てよいと思います。
それから、説明責任ということについてですけれども、私も衆議院議員、特に野党として政府与党の様々な不正を調査したり、追及したり、予算委員会を舞台にいろいろやってきましたけれども、「説明責任を果たせ」という言い方は私はしなかったと思います。というのは、何か問題があれば、おかしいと言う側の方がきちんと調べて、一種挙証責任というのでしょうか、関係者の話を聞いたり、必要であれば現地を調査したり、そうやってきちんと内容を固めた上で、不正ではないか、法律違反ではないかと追求するべきであり、弁解、説明しろなんて言うよりも、これは明らかにおかしいのだから大臣を辞めろとか、内閣を解散せよとか、そういう迫り方を基本的にやっていたと思っています。
だから、本当に何か深刻な事件や法律違反を追及したいのであれば、まずその人自身そういう努力をすべきだと思いますし、特に政治家のようにいろいろな調査の権限とか、ノウハウもあるような人であれば、そういうことをしないまま何だかよくわからないから説明しろというのは、政治のアマチュアであればあり得る発言だと思いますけれども、プロとしてはおかしいと思います。

記者
あと1点なのですけれども、昨年からの一連の小沢さん関連の事件で、舞台が常に岩手ということで、いろいろな報道で岩手のことを取り上げられています。それに関して岩手県知事としてどのように受けとめていらっしゃるか、改めてお伺いします。

知事
まず、先ほども申し上げましたように、この岩手から平民宰相に続き国民宰相が誕生するということをぶち壊しにされたことについては、非常に遺憾に思っていますし、またそれを正当化しようとするかのようないろいろな動きについても同様に遺憾に思っています。

記者
先ほどの沼宮内病院の件で2点確認したいのですが、今回仮に無床診療所化が延期になるとすると、県立病院の新しい経営計画の収支等々に影響があるかないかという説明が県医療局からあるかどうかということと、今の規模で時期をずらすという医療局の説明だったのでしょうか。

知事
一番の問題として、応援に行ったり、宿直したりする人たちを含め、勤務医の人たちの負担が残ってしまうという問題はあるけれども、ただ民間との連携ということを期間を区切って、そこまでには何とか話をまとめるように頑張るということであれば勤務医の人たちも納得して働いてくれるのではないかという説明は受けました。

記者
そうすると、基本的に今の規模でいくというお話だったのでしょうか。つまり、ほかの診療所に関しては一回ベッドの数をダウンサイズした後に無床化するという2段階でしたけれども、4月以降も今の規模でいって、しかるべきときに一気に無床診療所化するというようなニュアンスの説明だったのでしょうか。

知事
そこは特に今の体制を変更するものではないと理解しています。

記者
先ほどの小沢幹事長に対するご見解というのは、岩手県知事としての見解ですか、それとも一政治家としての考え方ですか。

知事
県知事としては、公党の中の問題とか、あるいは司法の手続の問題については何の権限も持っていませんので、行政の長としての行政事務の執行には当たりません。地方自治法上の知事の職務には当たりません。

記者
ということは政治家達増さんとしてのご見解ということなのですか。

知事
政治家としてもそうですし、あとは今までいろいろ人間と世の中のことについて学び、経験を積んできた一人の人間としての発言でもあります。

記者
先ほど世論調査は土曜日の幹事長のコメントの前に答えたものが多かったのではないかというお話でしたけれども、各社がいろいろな形で聞いているまちの声をトータルしてみると、土曜日以降のものも相当あったと思います。知事がおっしゃっている検察に対するご批判とか一連の見解というものが、岩手県の県民の声とちょっとずれがあるのではないかという感じも印象として受けるのですけれども、その辺はいかがでございましょうか。

知事
私自身、党大会での発言の主なポイントについては、携帯電話に入ってくる臨時ニュースなどで入手してリアルタイムで承知していたのですけれども、ただ先ほども紹介した検察と小沢氏側弁護士との間でポケットマネーについてきちんとやり取りがあったということの党大会での丁寧な説明については、今朝、家を出るときにつけていたワイドショーで放映していたのを見て、初めて見聞きしました。「あっ、これを見て聞けば納得するな。」とそのとき思ったのでありまして、だから、それ以前にアンケートに答えたというのは、党大会に出て全部聞いていた人であれば別ですけれども、そうでなければ本人による直接の説明を踏まえない回答だったのだなと判断したわけです。

記者
小沢幹事長は後ろ暗いところがないのであれば検察の事情聴取に応じたほうが、問題がはっきりするのではないかとも思うのですけれども、かたくなにこれを拒否なさっています。知事はこのあたりはどういうふうに見ておられるのでしょうか。

知事
形式の問題で、事情聴取という形式はただかたくなに拒否しているのかどうかはよくわからないのですけれども、弁護士を立てて検察側に小沢氏本人の事情を説明はしていたわけです。だからどこをどのぐらい更に検察が知りたいのかとか、そういうことは適切に検察側とご本人サイドでやりとりが進んでいけばよいと思うのです。そういったプロセスはもう少し落ちついた感じで粛々とやっていけばよいと思うのですが、そこでいきなり議員も含めた逮捕というのは、やはりおかしいと思います。

広聴広報課
それでは、以上でもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は1月25日(月曜日)の予定です。

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