平成22年3月5日知事会見記録

ID番号 N5026 更新日 平成26年1月16日

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平成22年3月5日 10時32分から11時

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
初めに、知事から発表がございます。
それでは、知事お願いします。

知事
今日の発表事項は、身体障がい者等に係る自動車取得税及び自動車税の課税免除についてです。身体障害者福祉法施行令が改正され、この春、平成22年4月1日から肝機能障がい者が身体障害者手帳交付に追加されることになりました。これは肝炎ウイルスによる、いわゆる肝炎問題を踏まえ、肝炎患者の皆さんに対象が拡大されるということです。この結果、肝臓機能障害で身体障害者手帳を交付される皆さんが、岩手県税における自動車取得税と自動車税の身体障がい者に係る課税免除を受けることができるようになるというお知らせです。
課税免除の申請受付は、平成22年4月1日からスタートしますけれども、その4月1日現在で自動車を所有していて、その自動車について平成22年度の課税免除を受けたい方は平成22年、今年の3月31日までに身体障害者手帳の交付申請を行い、かつ自動車税の課税免除の申請期限の5月31日までに手帳の交付を受けないと課税免除になりませんので、是非そのようにしてください。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
それでは、ただいまの知事の発表事項について、各社から質問があればお願いします。
特にございませんか。
それでは、幹事社から県政記者クラブを代表して、先日のチリ地震津波について4点質問いたします。
まず1番目、当日の県の連絡、情報収集などの一連の業務について、スムーズに行われたかどうかの評価を伺います。
2点目、養殖施設への被害が出ていますが、その被害状況の認識と今後の漁業者へのケアをどのように考えていますか。
3点目は、大津波警報の解除まで長時間かかり、予想の精度の問題点も指摘されていますが、どう考えていますか。
4点目、一番大きい問題です。避難率の低さ、9.5%なそうですけれども、この低さをどう考えていますか。
以上4点お願いします。

知事
県の防災体制については、県はチリ地震発生後、速やかに津波に関する情報収集に努めて、大津波警報が発表されると同時に災害対策本部を設置して全職員配備によって対応にあたりました。チリ地震発生後から本県に津波が到達すると予想された時間まで、時間的に余裕があったことや、また防災関係機関のご尽力によりまして、一連の業務について適切な対応が行われたものと認識しています。
被害状況の認識についてですが、県は漁協や市町村と本格的な被害調査を開始しました。その被害状況把握に努めているところでありますけれども、宮古以南の海域、陸前高田市など6市町で相当規模の養殖施設の被害が報告されていますので、深刻な状況であると認識しています。
現段階ではワカメ、カキ、ホタテなどの養殖施設のロープの切断やイカダの流出等の被害が報告されています。また、これらの施設被害に伴い、盛漁期を迎えるワカメの流出やカキ、ホタテなどの養殖施設からの落下など生産物被害が発生しています。
3月4日の昨日16時現在では、被害額は約16億8,000万円、うち養殖施設被害額が約3,100台で5億7,000万円、水産物被害が約11億1,000万円と把握しているところです。
なお、生産物、養殖施設被害については、それぞれ多くが海面下の状況でありますので、調査には少なくとも1週間程度を要する見込みです。
漁業者へのケアですが、早急な対応として、被害を受けた養殖施設について、生産物を最大限確保できるよう丁寧な復旧に努めているところです。生産物や養殖施設の被害については、漁業共済制度によって被害額の一部が補償されます。補償金が速やかに支払われるように漁業共済組合に対して要請いたしました。
施設の復興については、国の強い水産業づくり交付金や地域営漁計画推進特別対策事業などの県単独補助事業といったものを活用し、災害に強い養殖施設の整備を支援していきます。
運転資金等については、低利の制度資金の活用を促進するほか、県内金融機関へ資金の円滑な融通など要請しています。さらに、今後の詳細な調査結果を踏まえて、国に対して必要な支援を要請していきます。
予報の精度については、大津波警報から津波注意報に切りかわるまで約16時間を要したわけでありますけれども、危機管理上は最悪の事態を考えながら準備することが重要でありますので、今回の予報はやむを得ないものと認識しています。なお、今後は気象庁において予報の精度をより高めていただくよう期待いたします。
避難率の低さについては、ピーク時の避難率が9.5%という低い状況でありました。実際に避難した人数は避難所のほかにも親戚宅などに避難した方々も多数いると聞いていますけれども、避難率は低かったと認識しており、それは課題と受けとめています。今後沿岸各市町村と連携をしながら検証を行っていきたいと考えています。

幹事社
今の回答に対する質問があればお願いします。

記者
先ほど、調査結果を踏まえて国に対して必要な支援を要請していくというお話でしたが、これは例えば局地激甚災害指定等といったことを指すのでしょうか、具体的にご説明いただきたいというのが1つと、もう一つは県としての対応としては、例えば補正予算を組んで必要な事業費を手当てするというようなことはお考えでしょうか。

知事
いろいろなスキームがありますので、まずは実態を把握することを考えています。

記者
その実態を把握した上で判断するというところで、今の段階ではまだ決めてないということなのでしょうか。

知事
そうです。

記者
その実態を見ていく上では、今お話しありました激甚災害などといったものも当然考えていらっしゃるのですか。

知事
条件を満たすようであれば当然そうなると思いますけれども、まずはそういう条件を満たすような状況かどうかの調査が大事というところです。

記者
私もこの間、現場取材に行ってきたのですけれども、そこで見たのは、避難所の中にはテレビもラジオもなく、防災放送も動くな、出るなばかりで、現状がわからないという不満がかなり避難者の方からも出ていまして、断片的な情報をもとにもう大丈夫だといって帰ってしまう人がいたのですけれども、そういった意味で避難所への情報提供のあり方について、県で何かお考えは、検証等する予定はございますか。

知事
そういったことも含めて市町村と一緒に検証していきたいと思います。

記者
今後、実態を調査していくというお話ですけれども、具体的にどういった部分を検証していきたいと考えておられますか。

知事
数字の背景的なところで、避難された方、また避難しなかった方々がどういう理由で、またどういう状況でいたかというようなところを調べていくことになると思います。
あとは今把握しているその数字の実態について、親戚宅に行っていたという人たち、その数字に出てない避難者がどのくらいのものであるかとか、あるいは避難した数字の中で、いわゆる災害弱者と言われるような皆さんがきちんと避難できていたのかとか、そういったところを調べていかなければならないと思っています。

記者
災害弱者の個別計画の策定状況であるとか、第一波が来た後、お帰りになった方が多かったとか、個別の課題が出ているわけですけれども、解決というか、そういった見直しにはどれぐらいのスピードで進めていきたいとお考えですか。

知事
自主防災組織は、自治会などそういうコミュニティー単位での日ごろの対策は、訓練もふだんからやっていてかなりしっかりできていたという印象がありますので、だからそういう津波のときにどうすればよいかということはかなり普及浸透していたということと、今回の避難率の数字の低さというのは、私もちょっと解せないところがありますので、そこはしっかり検証していきたいと思っています。

記者
テレビ会議で平野官房長官と津波避難に関してお話し合いをしました。あのとき国は、国も全面的にバックアップするので、なるべく避難させるようにという話がありましたけれども、国の方に対しての報告はなさったのでしょうか。

知事
消防庁が直接の担当になりますけれども、政府の方でも今回の避難状況については関心を持っていて、いろいろと検証したい意向を持っているようです。ただ、国、県また市町村がばらばらに同じ対象者に3回も調査するというのは、地元にとっても負担になりますので、うまく調整して、県と市町村でやる調査1回で国にも報告できるような感じでまとめる方向で国と事務的に調整しているところでもあり、そういう意味では政府も避難状況については関心を持っていて、県としてもそこにきちんとこたえていきたいと思っています。

記者
国に報告するということですね。

知事
そうです。
あと何時時点で避難人数何人ということについては、マスコミ発表もし、消防庁経由で政府の方にも随時報告をしていました。

幹事社
それでは、幹事社の代表質問はこれで終わらせていただいて、このほか各社から質問があればお願いします。

記者
経済・雇用対策本部会議が先ほど終わりましたが、今回の会議で新たに決まったこととか方針があれば教えてください。

知事
平成22年度予算に基づく対策について改めて確認し、その準備状況を確認したところです。あとは高校卒業予定者に関する最新の内定の数字が見えてきているので、それを踏まえつつ、4月以降の対策について改めて確認をいたしました。その他いろいろな新しい数字を踏まえながら、今やっていることのさらなる徹底、そして年度が改まって新しく始めることの準備状況の確認を総合的に行ったところです。

記者
来年春の学卒者の対策まで踏み込んだお話し合いとかは、なさったのでしょうか。

知事
市町村やその関連で商工会議所さんなど、いろいろなところの独自の新しい取組も見えてきていますし、そういったものも確認しながら、改めていろいろなメニューの整理、そしてそれぞれ取り組んでいく方向性等について確認できました。

記者
先日、県議会の費用弁償をめぐる返還請求訴訟で一部返還を命じる判決が出ましたけれども、その判決への対応について、弁護士と相談してとおっしゃっていましたが、まとまりましたでしょうか。

知事
判決文はいただいているのですけれども、まだ検証作業しているところでありまして、今後の対応についてはその検証作業が終わってから判断するということになります。

記者
先日、原口総務大臣が委員会にツイッターの関係で遅刻されたということがありました。知事もホームページ上で随分つぶやかれているようなのですけれども、ツイッターをめぐってはなりすましの問題とか、あるいは一部にはツイッター中毒になっている政治家も多いのではないかというような様々な指摘もあるようです。そのツイッターについて、この一連の問題も踏まえてどのようにお考えでしょうか。

知事
情報発信することによって、またそれに関連するいろいろな情報を収集することができるというところが魅力だと思っています。私についていえば岩手の特産品やいろいろなイベント情報などを流していると、「こういうのもありますよ」という情報が寄せられたりして大変便利だと思ってますし、岩手県の県章に関しては、それをつくった人は江刺の及川さんというデザイナーだという、県の中にもそういう資料が残っていなかったようなことについて教えてもらったりとか、そういう意味では私自身がいろいろ学ぶのに非常に役に立っていると思っています。
なりすましについては、アカウントそのものは同じものをほかの人は使うことができませんし、またなりすまして何かやって、それが多くの人にすぐフォローされるわけでもありませんので、あとはメディアリテラシーで、受け取る側がツイッターの機能というのをよく理解した上でやれば既存のホームページやブログなど、そうしたものが果たしている役割とまた違った役割というのをツイッターが担っていくことになるのではないかなと思います。

記者
大臣が委員会に遅刻されたということについてはどのようにお考えですか。

知事
大臣が委員会に遅刻するのは、これはよくないことで、あってはならないことだと思います。

記者
知事は、いわゆる公務の合間もつぶやかれているかと思うのですけれども、そのあたりは十分留意されているのでしょうか、どのような形で更新されているのでしょうか。

知事
執務室のパソコンや自宅のパソコンから、また携帯電話を使って入力したり閲覧したりしています。それは、ほかのいろいろな紙媒体の情報を読んだり、あるいは何か書いて指示を出したりとか、そういう読んだり書いたりするのと同じような感覚でやっているところです。

記者
先ほどの津波に関連するのですけれども、例えば県内ですと久慈の湾口防波堤はまだ整備があまり進んでない状況です。湾口防波堤は災害には一定の効果があると思うのですが、国はコンクリートから人へということで、公共事業は今後も削減される懸念があるのですけれども、今回、津波を経験されて、そういう公共事業を今後どのようにお考えになるのか教えてください。

知事
津波が来る前の時点で、私も大分冷や冷やしていました。というのは、3メートル級の大津波が実際に来たら、それに対応できるような整備がまだされていないところが岩手の沿岸にはあり、道路も、国道45号線ですらそのくらいの大津波が来ると浸水が想定されるところもまだ残っています。やはり防災という観点からのそういうインフラ整備というのは大事だということを今回改めて思いました。
港湾についても、これは昨日の参議院予算委員会でも桜井充参議院議員が仙台港の整備について前原国交大臣に激しく迫ったと聞いていますけれども、全国的にかなり港湾は縮減というのですか、整備を減らそうという動きについては私も懸念を持っていまして、久慈をはじめ整備が必要なところにはきちんと整備をしていかなければならないのではないかと思っています。

記者
それについては、国に対しても今後要望など機会があればやっていかれますか。

知事
来週、物産展や知事会の会議などのため東京に出張しますので、その合間を縫って日程が調整できれば港湾についても政府の方に県の考え方を伝えたいと思います。

記者
政治資金規正法に関し、鳩山首相が企業・団体献金を禁止する形でということで改正案の作成の指示をしました。そういう指示の内容に関して、知事のご所見を伺います。

知事
私は、かねてから、寄附も政治参加の一手段でありますからなるべく自由な方がよいのではないかという基本的な考え方ではいたのですけれども、これはルールでありますから、選挙あるいは政治活動というのは、国によって全然ルールが違いますし、その国なりの伝統文化や、あるいはそのとき、そのときの考え方によって適切なルールを設定していけばよい世界であります。そういう意味で、去年政権交代が起きて日本の政治を大きく変えていこうという中で、こうした企業・団体献金について見直していくということについては良いことなのではないかと思っています。

記者
ただ、知事が冒頭におっしゃったように、できるだけ自由にと。一連の政治と金の問題が出たときも、例えば建設業者であっても、政治に参加する権利はあるのだという知事の持論だったと記憶しているのですが、それとの整合性というか、関係はいかがでしょうか。

知事
ルールの問題でありますので、お金を出す以外にもいろいろな政治参加のやり方はありますから、全体として憲法が保障する「市民権」、市民として政治に参加していく権利の抑制にならないような形で進んでいってもらえればよいのではないかと思います。

広聴広報課
以上で記者会見を終わります。

次の定例記者会見は3月24日(水曜日)の予定です。

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