平成20年4月25日知事会見記録

ID番号 N11938 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年4月25日 10時30分から11時13分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
間もなく就任から1年になるのですけれども、振り返ってみて1年の契機に思うことがあったら教えてください。

知事
特に思うことはありません

記者
今後の県政運営について思うことがあったら教えてください。

知事
まず、今この瞬間について言えば、世界経済の透明性が悪化して日本経済も色々な数字が下方修正されてきていて、岩手県民の経済、生活を守っていくのも容易でない局面に来ていると思っていますので、油断なく対応しなければならないと思っています。
一方、県民の暮らしや仕事を守っていくための基本的な方向性は、「いわて希望創造プラン」でしっかり計画を立てていますので、それを着実に実行することでかなりの部分は対応できると思っていますが、仕事の現場や暮らしの現場を県組織全体を挙げてきちんと見据えながら的確な対応をその都度やっていかなければならないと思っています。

記者
5月に平泉の世界遺産についてイコモスの勧告が予定されています。勧告が出るまでどういう状況かわからないと思うのですけれども、その登録に向けて遺漏のないようにしていくために今後特にやっていきたいこととかありましたら教えてください。

知事
手続的にも、実質的にも、やるべきことはやっているので、もう勧告まで1カ月を切っていますけれども、あとは祈るばかりということで、私も知事室の奥の部屋に特殊な祭壇を設け、日々祈りを捧げるようにしています。

記者
祭壇というのは、平泉の浄土思想と関係あるものなのでしょうか。

知事
秘密です。

記者
世界遺産登録に関連して質問なのですが、勧告を前に平泉が抱える不安な点、登録のネックになりそうな点は何だとお考えになっていますか。

知事
ありません。

記者
もしも勧告があまり思わしくない結果になった場合に、県として何か取り組むべきことをお考えになっていますか。

知事
そのときになってから考えれば間に合うと思います。

記者
体制は整えていないということでしょうか。

知事
今は登録を視野に入れて、保存、教育、そして観光、地域振興などの準備を着々と軌道に乗せて進めているところです。

記者
移動県庁についてお伺いします。
県北・沿岸圏域を対象にした移動県庁を5月に開催するそうですけれども、この意義についてまずお伺いします。
それと、今までも県政懇談会という場で知事と住民とで色々と意見交換をしてきたと思うのですけれども、この県政懇談会と移動県庁というのはどう違うのか説明願います。

知事
県北・沿岸振興は古くて新しい課題でありまして、以前から課題としてあるのですが、特に最近は日本全体の格差社会化の中で県内においても格差があるという新しい視点も加えて県北・沿岸振興を改めて県としても体制をつくって取り組んでいるわけです。1次産業、2次産業、3次産業、その他あらゆる分野での産業振興、地域振興について、とにかくやれることは何でもやる、やっていかなければならないと思っています。以前の記者会見で「世界の中心で愛を叫ぶ」という話をしましたけれども、やはり沿岸なら沿岸、岩手沿岸、三陸というところが世界の中心なのだと。そして、県北あるいは北岩手というところが世界の中心なのだと。それはそこに住んでいる人たちにとって、そこで働く人たちにとってそこが世界の中心というのは、実は当たり前のことなのですけれども、ともすれば岩手の端のほうとか、そういう一種の錯覚によって主体性とか、積極性とかが出ないでしまうのは非常にもったいないので、まずその意識改革をねらっています。これは、そこに住んでいる皆様だけではなく、県組織としてもそういう意識改革が必要であり、県庁というのはそこが県の中心という意味ですから、それを一時的にでも沿岸や県北に移すことで本当にその暮らしの現場、仕事の現場、その場所を中心とした政策の展開を担当するみんなで真剣に取り組んでいこうという試みです。
私は、この県庁内で県職員に会うと基本的に声をかけ、あいさつをするようにしているのですけれども、驚く職員が結構います。県庁に知事がいるのは全く当たり前のことで、県知事がいるからここは県庁なのであって、知事がいない県庁が当たり前というような意識は、ふだん仕事していて、知事を意識していないということかなと思います。もしそうだとすると、知事は民意の負託を得て、だから知事の名のもとで県というのは権力的な行為も許されているわけで、知事を意識しないことは県民を意識しないことにもつながりかねないから、そういうのはよくないと思っています。象徴的になのですが、知事のいるところが県庁で、そこが県民とともに県政を展開する現場なのだという意識を沿岸や県北でも展開していきたいと思っています。

記者
今の質問に関連して伺いますけれども、知事はかねがね、平泉の世界遺産登録に関連して、平泉政庁という言葉を使っていますが、移動県庁を県北・沿岸以外に、例えば平泉で開催したりとか、ほかの県域に広げる考えはあるのでしょうか。

知事
もともとは平泉で開催しようと考えたのが先です。ただし、それは世界遺産登録になった後にしようと考えているので、その間の春、夏の頃に沿岸・県北圏域で先に開催しましょうというのが話の流れです。これは、理念的にはいつ、どこでこういうことをやってもよく、日常的な日帰り出張であっても、知事のいるところがその瞬間そこが県庁であって、草の根地域訪問で皆様と接する場合もその瞬間は、そこが県庁という意識で理念的にはやればよいと思っています。けれども本当に県庁がここに来た、ここにあるみたいにするには知事が1泊以上で滞在しないとそのような感じにならず、そこに県の幹部も集まるような仕組みがないとだめなので、今後もどんどん取り組んでいきたいと思います。
140万県民みんなが、自分が知事になったつもりで岩手のことを考える、そして県職員全員が、自分が知事になったつもりで岩手のことを考えるということが日常的にできればよいと思っているのですけれども、その一つの象徴的なことが移動県庁と思っています。

記者
間もなく知事就任から1年ということで、2年目に入るうえでどのように取り組んでいくのか知事の覚悟を改めてお聞きします。

知事
色々な切り口があるのですけれども、私は今、外務省で働いていてもおかしくないし、また衆議院議員をしていてもおかしくないのですけれども、そういったものを一種振り捨てて、今自分をかける場はここ、ふるさと岩手だという思いが去年の知事選に出た原点でありますので、2年目であろうが、3年目であろうが、それは思いとしての原点です。
知事の仕事の仕方としては、トップダウンとボトムアップのバランスと言いますか、県のあらゆる仕事は現場の感覚、現場を担当しているところからの見方と、県政全体を見ているところの見方とその両方ですり合わせて決めていかないとだめだと思っています。現場の論理だけでは全体も動かないし、また上のほうだけの論理では実際に現場で効果がなくなってしまうので、そうではない意思決定と実行方法を確立していきたいと思います。

記者
私は今日の記者会見が最後なので、知事にぜひともエールを送りたいと思っています。新聞記者の世界も「現場百回」という言葉があるのです。つまり、やはり真実に近づくには一番現場に行かなければならない。それを重ねて、重ねて初めて真実が見えてくる、本当のものが見えてくるというのが新聞記者の世界だと思っているのです。
今知事が色々とお話しされた、現場をよく見て歩いて回っているというのは決して間違いではないと思うのです。私たちの世界ではどうしてもどこかで聞きかじったことをうまくまとめて批判したりとかするようなことも手法としてはあるのですが、そういうのは全然気にせずに40歳前半の若い知事さんですから、もっと元気で頑張って、そして140万県民が幸せになるために、自分たちが世界の中心にいるのだということを実感できるように頑張っていただきたいと思います。これはエールです。頑張ってください。

知事
非常にありがたい言葉をいただきました。次の任地でも頑張ってください。

記者
今回の移動県庁で、県北・沿岸に行くということで、特にこういうものを見てきたいとか、こういうところについてはよく考えたいという点がありましたら教えてください。

知事
明鏡止水、頭を白紙にして現場に臨みたいと思います。

記者
道路の暫定税率について、政府与党は30日にも再議決して復活させる方針のようですが、それについて知事のお考えをお聞かせ願います。

知事
県としては、法律に従って条例の改正を専決処分で行っていかなければならないので、ひざを軽く曲げて足首を柔らかくしてぱっと動けるような体制でいるところです。相手からどういうボールが打ち込まれてくるかですけれども、岩手のコートに入ってきたボールは打ち返さなければならないので、今は頭を空にして待球姿勢でいるところです。

記者
仮に再議決になって再び値上げすれば、わずか1カ月の値下げだったわけですけれども、これは結局県民の生活に良かったか、あるいは悪かったのか、一概には言えない部分もあるとは思うのですが、知事のお考えをお伺いします。

知事
食べ物など色々な物価が上がる中で、生活に必需と言ってよいと思います。特に岩手は自分の車で長距離移動しなければならないケースが多いので、そういう人たちにとっては良かったと思います。

記者
知事自身はどういうふうにお考えでしょうか。

知事
今、日本全体の景気の動向からすれば、そういう生活に密着したところでの減税は非常によいことだと思います。

記者
今の関連の質問なのですけれども、再可決によりガソリンの値段が上がる方向に動きつつあるわけです。そういうふうになることを考えて、県でどのように対応していきたいか、あと知事ご自身が日本にとって、生活に密着したところでの減税はよいことだ思う中で、再可決をどのようにとらえているかを教えてください。

知事
まず、サーブがきちんと入ってくれば打ち返すのですけれども、空振りしてしまうかもしれません。サーブのボールを上げて、空振りしてしまったら、こちらは打ち返す必要はないので、現状どおりということになるわけですから、そこは相手がどういう球を打ってくるか見極めるしかないと思っています。

記者
昨日、岩手競馬の運営協議会が開かれまして、開幕から9日間の発売額が計画値を下回っているという状況なのですけれども、これを受けてどのようにお感じになっているか教えてください。

知事
去年と同じく、新計画という、仮に売り上げが落ち込んだとしても、コスト調整をして赤字を出さない、黒字にしていく仕組みがあるので、そのとおりに進め、ファンの期待にこたえ、県民の信頼にこたえる岩手競馬を運営していきます。

記者
岩手競馬の関連なのですけれども、計画値については去年の馬インフルエンザなどがあった中での最低を目安に設定しているはずなのですけれども、今年は更にそれを下回っています。要は、底が見えない状態が今も続いているわけなのですけれども、入場者は増えても売り上げ自体が伸びないという状況の中でますます厳しくなっていくという認識ではなくて、あくまでも知事自身としてはどこまでもコスト調整を行っていけば何とか大丈夫だという考えなのか、それともある一定のところまで来た場合に決断をするのか、その辺についてお考えをお聞かせください。

知事
潜在的な需要を掘り起こすことは必要だと思っています。ただ、私としては潜在的に競馬をしたくない、勝ち馬投票券を買いたくないと思う人に無理に買わせることは良くない、つまり民心の中に射幸心をあおって、そういうことにお金をどんどんつぎ込ませることの先頭に公の者が立つのは良くないと思っています。そういう意味ではテレビの宝くじのコマーシャルは、やり過ぎだと思っています。もう少しおとなしく宣伝してもよいのではないかと思います。ただ、その程度の宣伝での潜在需要の発掘というのは岩手競馬として行ってもよいし、行うべきだと思っていて、東幹久さんにも協力をお願いしているところでありますので、それはそれで行っていきます。ただ、そうした努力というか、働きかけの結果、岩手県民や全国のファンが、岩手競馬にはこのくらいのお金しか出しませんという一種の民意があれば、民意に従うのが行政の当然のあり方だと思っています。

記者
このぐらいしか出さないということが民意ということなのですけれども、売り上げがどんどん下がっていき、それではさすがに関係者の人たちは暮らしていけない、赤字も増えていくとなった場合は、毅然とした対応をとらざるを得ないということでよろしいのですか。

知事
そのことについては、1年の間に4回、5回競馬関係者が集まって議論して、決断していく仕組みがありますから、その仕組みを使ってうまく運営していければと思っています。

記者
2点ほどお伺いしたいのですが、1つは道路特定財源に絡んだ政局についてなのですけれども、民主党が問責決議をやるか、ならないかというところで揺れています。これについて5月に実際に値上げしてから、更に批判が高まった段階で問責決議するほうがよいのか、あるいは再可決の段階でやったほうがよいのか知事自身はどのようにお考えでしょうか。

知事
問責決議は、可決されればもう参議院はその内閣を相手にしないということですから、議員立法について審議したり、あるいは独自の国政調査は行っても、内閣提案の法律とか、あるいは内閣総理大臣や閣僚が出席しての審議等は行わないと決めることです。そういう意味では、内閣不信任案とイコールと言ってよいのだと思います。二院制である以上、参議院の問責決議というのは憲法論的に言って衆議院の内閣不信任と同じだと思います。これは国会の権能として、参議院でやりたいときにやればよいわけですが、やはり民意を反映した行動としてとられるのが望ましいと考えます。しかし、タイミングについてはいつやってもよいのだと思います。

記者
もう一点なのですけれども、昨日設立された「いわて未来づくり機構」についてですが、経済同友会の永野代表幹事が盛んにお話しされていましたが、県民所得の向上には1次産業の発展が欠かせない。それについては、遊休農地の活用などが重要ではないかと。極めて金融マンらしい発言だとは思うのですけれども、遊休農地を活用するには企業の参入を積極的に進めるべきだと。併せて企業の参入を進めることでM&Aも進んで大規模化も進むということをお話しされていたのですが、知事自身は企業の農業への参入、それに伴う大規模化を進めるかどうかということについてはどのようにお考えでしょうか。

知事
一つのやり方として、大きな可能性があると思います。

記者
県としてそういったことをリードしていくような施策を今後やっていく可能性はございますか。

知事
今でもどんどん大規模にやっていきたいという担い手を応援したり、岩手大学と連携して「いわてアグリフロンティアスクール」のようなことをやっています。
また、今農業をやっていない企業、法人が農業参入しやすくなるよう農業参入企業相談センターなども設置して着実に企業の参入は進んできています。
ただ、こうした取り組みが企業、法人に農業を開放しているといった実績までには達していないのですけれども、昨日の永野会長の提言というのもそうですが、県内そういう意見がどんどんあって、また我こそはということがあれば、県としても検討すべきだと思います。
 

記者
道路財源の話に戻るのですけれども、相手がサーブを空振るかもしれない、そうしたら、打ち返せないということだったのですけれども、空振ると県の財源に穴が開いている状態が続くわけです。あまり待ち続けているわけにもいかないと思うので、その点についてのお考えをお聞きします。あと少し古い話になるのですが、2月議会定例会の最終日に道路財源に関して立場の違う意見書が2つ出てすごい議論になりました。それで県議会での与党というか、民主会派が提案した意見書というのは必ずしも知事のお立場とはぴったり合っているものとは思えなかったのです。それについてどのようにご覧になっているのかということを教えてください。

知事
どこかの新聞に書いていましたけれども、自民党の中にも国債を出すしかないのではないかという議論が出てきているのだそうで、予算案としてこれだけの道路をつくるということはもう政府与党として提案し、そしてそれは衆議院のほうで可決されて成立しているわけですから、それを実現する責任というのは今の政府与党にあるのではないかと思います。

記者
県議会に意見書が2本提出され、最終的に政和・社民の意見書が可決したと思うのですけれども、民主・県民会議が出した意見書というのも必ずしも税源に穴があくということにあまり考慮していないというか、すぐに道路財源を廃止しろという話だったと思うのです。
この意見書のことについてはいかがですか。

知事
そうでしたか。

記者
そういったトーンでとらえていたのですが。

知事
岩手には、道路は要らないという内容でしたか。

記者
ということではなかったです。

知事
では、よろしいのではないでしょうか。

記者
間もなくゴールデンウイークが始まります。このゴールデンウイークの過ごし方についてお伺いします。
間もなく就任1年なのですけれども、まとまった休暇となるのは久しぶりだと思うのですが、どういう休暇にしたいとお考えですか。

知事
メーデーの日は、メーデーへの出席と、幾つか仕事を入れていますが、それ以外は休むことにしており、かなり休暇をとります。そこで何をするかは、まだそれほど詰めて決めていません。ただ、外国に行ったりとか、あるいは岩手を遠く離れてどこかへ行くという予定はないので、先日購入した木村カエラさんの「+1」というアルバムをまず聞き、あとはテレビを見たり、本を読んだりして過ごそうかと思っています。

記者
先ほど明鏡止水という言葉を使っていましたけれども、例えば岩手の山中にこもって2年目の戦略を一人でお考えになるとか、あるいはこの1年をじっくり振り返ってみるとか、そういう時間などは設けたいと思いますか。

知事
実は、今ここにいても目をつぶればそういうことはできるので、あえて山にというのは考えていませんでした。でも、それもよいですね、山に行くという話は魅力的だなと、今聞いていて思いました。

記者
移動県庁のねらいの部分のお話で、県民や県職員の自分のいるところが中心だ、知事のいるところが中心だという意識改革というのはわかったのですけれども、もう一つ対外的な意味で県はこういうことをしたいのですというこの移動県庁を行う意義というのはどこにあるかということを伺います。

知事
対外的には、やっぱり岩手の沿岸、岩手の県北、そこは非常にすばらしいところで、地域資源も豊富、ぜひ来てくださいという、そういうメッセージを出す、そういう機会にしたいと思います。

記者
移動県庁という県政懇談会とは別の形で県北・沿岸でまず新しい取り組みを実施することを通じて、県民に自分はこういうことをやりたいというご自身の伝えたいメッセージがありましたら教えてください。

知事
皆様に自分が主人公という意識を持ってもらいたいということです。それで、県政ということについてもお客さんになるのではなくて、自分が知事になったかのごとき、そういう意識とか、主体性とかを持ってほしいということが私のメッセージです。

記者
そのように皆さん主体的に色々なことに取り組んでもらうことで、もっと県がよくなっていくということですか。

知事
はい。岩手は材料はあります、自然環境、そこからとれる産物、またそこで生産される製品、そしてそれが十分世界に通用するというのも確信があるのですけれども、ただ意外に確信を持っている人が少ないというか、持っていない人も多いということもこの1年でわかりましたので、そこはやはりそれぞれに持ってほしいと思っています。

記者
最初の質問に戻ってしまうのですけれども、この1年を振り返ってという問いかけに対して、「特にありません」と即答されていましたけれども、知事でいらっしゃればこの1年県民の人たちに対して自分はこう思ってやってきたと、それはどうでしたかと、問いかけるボールを返す意味でもその質問には答えていただきたかったのですけれども、「特にありません」とした答えについて、特に過去を振り返らないとか、そういう主義、信条を持っていらっしゃるのであればよいのですけれども、そうでなかったら一言だけでもこの1年を振り返って、言葉をいただけたらと思います。

知事
ちょっと空振りしてしまったという感じですね。次からは空振りをしないように素振りの練習をしてきたいと思います。

記者
次回というと1年後ですか、そのときはお答えいただけるということでしょうか。

知事
よくわからなかったのですけれども、何が聞きたいのですか。

記者
要は、知事としてこの1年、自分自身はこう考えていた、こうやってきたということを県民に言ってほしいということです。

知事
紋切り型に県民をひとくくりにして気軽にぽんと言葉をかけられるような今日の気持ちではないです。やはり県民それぞれが色々な問題に直面していて、そこを一つ一つ解決していかなければならないということを県組織を通じ、また県に属さない色々な民間や組織や個人と一緒になってやって、夕べもまたそういう作業をやっていたわけですけれども、そういう中で紋切り型にこの1年の岩手はどうだった、この1年の自分はどうだったと何かぱっと言える心境にはありません。

記者
それは、この1年という区切りにおいても、議会としてまだ走り続けている最中であって、過去を振り返るにはまだ早いという理解でよろしいのですか。

知事
今私がその質問の直前に1分ぐらいかけてお話ししたその言葉のままです。言い換えられるとニュアンスが違ってきてしまうので先ほど私が言ったとおりの言葉です。

記者
先ほどの移動県庁とか地域の話とも絡むのですけれども、あちこちのコミュニティーなどを回っていらっしゃって、一方で広域振興圏ごとに振興局を4つにする再編の計画もつくられつつあるところだと思います。期限も随分前倒しにされたので、それにかける思いと、あと4つに再編する「岩手四分の計」ですか、その4という数字で、民主党が出している基礎自治体300というのとどうしてもくっつけて考えてしまうのですが、それとの関連があるのであれば教えていただきたいと思っています。

知事
この間の議会で言っている方針をそれほど変更していないです。

記者
増田前知事のときに4つにするという時期は、かなり先の話だったと思うのですが、それを2010年の春からに実施するということについて教えてください。

知事
それはこの間の議会で述べたとおりで、速やかにすべきという議会の決議もあったし、特に県北・沿岸振興を考えたときに県北振興の局、沿岸振興の局という体制をいち早くつくるべき、かつ、県南圏域については、既に大分そういう実態ができてきていて、そういう市町村を越えた北上川ものづくりネットワーク等との連携が最近の企業誘致にも非常に効果的に作用しているので、それを早く実現しようという趣旨です。

記者
民主党が出している衆院の選挙区に対応する自治体とは関係があるのでしょうか。

知事
民主党だけではなく、政府のほうの道州制ビジョン懇談会だったかでも将来は300の基礎自治体という話は出ているそうですし、そもそも日本青年会議所が10年以上前に出したものでも全国を300くらいに分けるということで各県を4つか5つかに分けるプランというのがあって、高知県も4つぐらいに分けられて、それぞれが維新市とか、船中八策市だったかの何かそういう市の名前になっているとか、そういう考えというのはかなり昔から広くあったと思います。

記者
それに沿ったものだということですか。

知事
いいえ、我々がやっているのは、あくまで岩手の実態に即してみんなで考え、議会の指導もいただきながら決めてきたことです。

広聴広報課
よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月7日(水曜日)の予定です。

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