平成20年6月24日知事会見記録

ID番号 N11928 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年6月24日 10時30分から10時58分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
最初に、知事から発表があります。
それでは、知事お願いします。

知事
私からの発表事項は、平成20年岩手・宮城内陸地震についてです。まず、平成20年岩手・宮城内陸地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、負傷された方々、避難生活を余儀なくされている皆様をはじめ被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、県民の皆様や県内外から様々なご支援、ご協力をいただいておりまして、心から感謝を申し上げます。
発生直後、直ちに迅速な支援をいただきました緊急消防援助隊、広域緊急援助隊、自衛隊、海上保安庁及び県内消防機関による応援隊の皆様には多大なご支援をいただき、厚く御礼を申し上げます。
現在の被害状況につきましては、昨日の記者レクでお配りしている資料のとおりですが、まだ関係機関と連携しながら被害額を調査中の箇所もありますので、今後随時お知らせすることといたします。
今回の地震は震度6強という本県観測史上かつてない規模であり、人的な被害に加えて住家、道路、橋梁の損壊、斜面崩落による河川の閉塞のほか農林業関係、観光施設関係にも大きな被害をもたらすなど県民生活や県内産業に甚大な影響をもたらしておりますことから、被災者の救済を初め本格的な復旧、復興に向けて、関係機関とともに全力を挙げて取り組んでいく決意であります。
今後においてもまだ余震が続いていることや、雨により被害が拡大するおそれがあることから、地域の安全確保を第一としながら、国に対し災害復旧への最大限の支援を引き続き要望し、災害復旧事業費等の確保を図りながら復旧工事を進めるとともに、被災市、町の復旧、復興についても積極的に支援してまいりたいと思います。
県としては、これまでの応急対応に加え、緊急に6月補正予算を編成して復旧対策等速やかに進めていくこととしておりますので、県民の皆様や関係各位のご支援、ご協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
6月補正予算のことなのですけれども、補正額は大体どれぐらいと考えていますでしょうか。

知事
まだ査定中で、最終的な知事査定は今週中には行う予定ですけれども、100億円から200億円くらいの規模になると想定しています。

記者
今の補正予算についてお伺いします。
当初、6月補正予算は編成しない方針だったのですけれども、急遽こういう震災の関係で100億円から200億円という大分巨額に上る補正規模のようです。先ほどのご説明にもありましたけれども、この補正を組む意義についてもう一度知事の見解をお聞きします。
 

知事
基本的な考え方として、できるだけ早くにまとまった形の復旧経費を明らかにすることで、今後の復旧への足取りが強くなるよう、特に被災された皆様が希望を持って復旧に取り組んでいくことができるように、早い段階である程度の規模感の予算を編成することが必要と考えて、この6月補正に取り組んでいるところです。

記者
今回の地震では、直接的被害もさることながら、風評被害で観光面とかでも結構キャンセルが相次いだりしています。こういった状況をこれからどう打破していくか、あるいは知事自身のメッセージとしてどう伝えていくかお聞かせください。

知事
岩手県、また宮城県もかなり広い範囲で被災地から遠く離れたところでもそういうキャンセルがあったと聞いています。これに対しては、県としてもきちんと情報を発信して、被害がどういったところでどの程度起きているのか、そしてまた現在の安全環境はどうなっているのか、そういう安全情報もきちんと出すことで過剰な対応としての風評被害というものをなくしていきたいと思っています。また一方、被災地周辺もそうですし、また岩手全体として、経済的に活気があるほうが復旧にも弾みがついていくと考えています。例えば「いわて平泉キャンペーン」のようなことについては、これは予定どおりといいますか、あるいは一層力を込めて取り組んでいきたいと思っていまして、近々予定されている上野駅でのオープニングセレモニーには私もきちんと出てどんどん岩手に来てくださいという対外キャンペーンは力を入れてやっていきたいと考えています。

記者
色々なところで企業、事業所等々で解雇とか大きな被害等々受けられていますけれども、これに対する支援、あるいは県独自として被災者に対する支援等々何か考えていらっしゃいますでしょうか。あればお聞かせください。

知事
県内の被災地周辺の企業については、一つ一つに目を配るくらいの形で今被害状況の調査とか、またどういったところで困っているか、そういう相談に応じているところでございまして、そこは引き続ききめ細かく経営とか、雇用についても対応していきたいと思います。

記者
今回の地震なのですけれども、岩手県南並びに宮城県北ということで、この間、両知事そろって激甚災害指定に関しても要望を行っていましたけれども、両県の復旧に向けた連携についてお考えがありましたら教えてください。

知事
私がブラジルから日本に戻ってきて、成田空港から一関市に車で向かっている中でも村井知事とは電話で話をしまして、連携ができるところは色々な連携をしてやっていきましょうと確認したところです。両知事が揃って各省庁大臣、副大臣の方々に要望を一緒に回ったのもそういう連携の一環でありますが、また現場でも情報交換とか、色々な手伝いみたいな形の連携は行われていると聞いていますし、今後もそうした両県の連携をきちんとやっていきたいと思っています。

記者
平泉の世界遺産登録の関連で、2点お伺いします。
先週末からユネスコの政府代表部が委員国への働きかけを始めたと思うのですけれども、近藤大使からその後、知事のほうに感触等の連絡はきていますでしょうか。

知事
ブラジルから戻ってきて岩手に向かう車の中で近藤大使からも、まずは地震に対するお見舞いという趣旨の電話をいただいたところです。その中でいよいよ各国に対する働きかけが進んでいるということで、こちらからも改めてよろしくお願いしますというようなやりとりをしたところです。

記者
具体的に感触等のお話は何かございましたか。

知事
個別具体的な話は出ませんでした。

記者
7月2日からケベックでいよいよユネスコの世界遺産委員会が始まりますけれども、間近に迫ったこの委員会に向けて知事の期待感を一言お願いします。

知事
今回イコモスの勧告で登録延期になったということもあり、私も委員国の大使館や総領事館を訪問したりとかしました。もともとは登録が決まったらどんどん平泉について積極的に東京にいる外交団、あるいは国内にいるそういう外交関係にもどんどん伝えていこう、広めていこうと思っていたのを前倒しでやるような格好になったと思っています。そして、本当は登録が正式に決まったら改めて平泉の価値を県民で確認し、そして対外的にも発信していくということを色々考えていたのですが、既に登録延期ということを受けたがゆえに色々な平泉の町民の皆様をはじめ、また奥州市、一関市の皆様、そして岩手の多くの県民の皆様がそれぞれ色々な形で、これはマスコミの皆さんもそうなのですけれども、平泉の価値を確かめ合って対外的にも発信していくということを前倒しで始めていただいているという実感を得ています。
そして、平泉を通して平泉の固有の芸術的な文化に触れていただくのはもちろんなのですが、これは岩手県民のためというよりも、世界の皆さんに平和の理念や環境の理念ということを改めて自分なりにそれぞれ自分の中で深めていただくきっかけにこの平泉の世界遺産登録というのは大きな役割を果たすのではないかということでずっと取り組んできているわけです。その思いが改めて深まっておりまして、やはりぜひユネスコ世界遺産委員会には平泉を世界遺産と決めていただいて、そして世界人類がそれぞれ自分たちを高めていくその材料の一つに加えていただければと思います。

記者
地震の話に戻るのですが、まず地震の被害の中で、今知事もお話したように自宅から避難なさっている方々がかなりいると思うのですが、そういった方に対する県独自の住宅補助は考えていますでしょうか。もう一点は、今回の地震が県財政の今後の見通しに及ぼす影響、特に財政調整基金もまた取崩すことになるかとも思うのですが、そのあたりもお伺いします。

知事
まず、地震が発生して1週間、10日と経過しているわけですけれども、まずは安全の確保が第一でありまして、救助とか、避難とか、そういったところにまず精力を傾注していたところなわけですけれども、だんだん復旧のほうにエネルギーを割いていけるような形になってきていますので、具体的な住宅再建支援の方法についてはこれからだと思っています。改めてそれぞれの被害の状況と、そして今後のこの生活設計のそれぞれの意向とのすり合わせ等もあるかと思います。そういう中で、何が必要かということをきちんと見定めて、そして被害を受けた方々がそれぞれ希望を持って復旧に取り組んでいけるような措置は県としてきちんとやっていきたいと考えています。
今後の財政見通しへの影響については、かなり大きい被害で、被害額も集計中ですが、どんどん増えているところです。そういう意味では、国の補助率が高まる激甚災害指定をぜひ早期に受けられるよう国に引き続き要望していきたいと考えています。県の財政状況は、ある意味綱渡り的な状況ですから、今回の地震によって、より苦しくなるということは否定できないと考えていますので、少しでもダメージが緩和されるように国のほうには、まず激甚災害指定のことがあるのですけれども、交付税の算定に配慮してもらうこととか、起債についてスムーズに行い、また起債部分を後で交付税措置することとか、そういったところを本当にきめ細かく、かつ大胆に支援していただくよう国のほうに要望していきたいと考えています。

記者
再び平泉のことでお伺いしたいのですけれども、仮に世界遺産委員会で登録延期となった場合に、今後も登録を目指していくべきなのか、それともいったんあきらめたほうがよいのか、今の段階での知事のお考えをお聞かせください。

知事
平泉の文化遺産が世界遺産にふさわしいこと、また世界遺産登録されることによって、今まで平泉というのが視野に入っていなかった世界の皆さんに平泉に行ってみようとか、調べてみようとか、そう思ってもらえるようになるというのは、これは世界全体にとってよいことだと考えていますので、登録に向けた努力を引き続き続けていくということになると考えています。

記者
そうすると登録を目指して、もし仮にだめだったとしても目指して頑張っていくということでよろしいですか。

知事
今はこの7月の登録を目指して色々やれることはやっていこうという姿勢で臨んでいるわけでありますが、ケベックでの会議の結果については、基本的にはその結果が出てから決めることと思っています。ただ、基本的な流れというのでしょうか、方向性としては平泉のことを県民が理解を深めて、そして県外に発信していくという、そういう努力を続けていくという基本方針には変わりなく、そういう方針の方向の中に世界遺産登録を目指すということは変わりなくあるのではないかと考えます。

記者
昨日、漁船の転覆事故で県人の被害者も出ました。かなり大きな事故で、県人にかかわる災害、事故の大きなものが続いていますが、どのような心境でしょうか。

知事
昨日知らせを受けて大変ショックでありました。今、原油高など漁業は大変厳しい情勢の中で、一方では食に関する国内の消費者の関心の高まりとか、色々な外国への輸出の可能性とか、水産業について今が追い風でチャンスなのだから、どんどん担い手が増えるよう、水産業にどんどん頑張ってくださいというようなことをずっと最近言っていましたので、そういう中でこういう事故が起こるというのは本当にショックを受けています。亡くなった皆様には本当にお気の毒であり、ご冥福をお祈りいたしますし、また行方不明の方が一刻も早く救出されることを祈っています。色々原因究明なども行われていくのだと思いますけれども、こういうことが再発しないように県としてもこのことを自分たちのことと受け止めて取り組んでいきたいと思います。

記者
宮城県で村井知事が行方不明者の救出を自衛隊に打ち切る要請をしていますけれども、知事としてはそれをどのように評価されますでしょうか。

知事
これは現場の判断ですから、それは第三者的にとやかく言うべきことではないのではないかと考えています。規模の縮小ということで、引き続き捜索は行われているということだとは思いますけれども、ただ規模縮小せざるを得ない、そういう決断を迫られたというのは苦渋の決断だったと思いますので、心情お察ししますけれども、コメントということについては控えさせていただきたいと思います。

記者
地震で予定より早く繰り上げるということになりましたが、南米出張の感想、所感がありましたらお願いします。

知事
パラグアイのアスンシオン、ピラポ、イグアス、3つの県人会を訪問し、そしてリオデジャネイロ杉村公使のお墓参り、そしてサンパウロも50周年記念式典そのものは欠席となったのですが、その前夜祭には参加をしまして、サンパウロを中心としたブラジルの県人会の皆様や、またブラジルの中で独立して県人会があるベレン県人会の代表、さらにはアルゼンチン県人会やニューヨーク県人会の代表の皆さんにも会うことができまして、岩手県民と外地の県人の皆様の心を一つにする、そういう一助となればというのが今回の訪問の目的だったのですけれども、それについては十分進めることができたのではないかと思っています。
県人の皆様が仕事で成功し、そしてそれぞれの国や地域の発展に大いに貢献されていることは大変すばらしいことだと思いますが、それを支えているのが岩手出身であるという、そういう思いが岩手との心のつながりがそうしたことを支えているということがよくわかりましたし、今この岩手において生活したり、働いたりしている我々もそのことを誇りに思って、そういう外地にいる県人の皆様との心のつながりということを今の岩手の力を高めていくことにもつなげていけるのではないかと思いました。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月7日(月曜日)の予定です。

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