平成20年7月14日知事会見記録

ID番号 N11924 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年7月14日 10時30分から11時03分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
先週、日本航空から県に原油高で今度減便も含めて検討していますというような状況の説明があったと思うのですけれども、減便対策について何かお考えあれば、また具体的に直近でこういった要望するなどの予定があれば教えてください。

知事
まだ具体的な提案があったとは聞いていません。検討状況についての報告が事務レベルで行われたと聞いています。
岩手にとって困るような話になってきたら要望とかはしなければならないと思っていますが、まだ今はその段階ではないと考えています。

記者
平泉についてお伺いします。世界遺産委員会から戻られた職員の方から現地での報告を受けているかと思うのですが、その報告を受けて、改めて知事の今後の取り組みについての意気込みを教えてください。

知事
会議の様子やその前後の会場の様子などについて報告を受けまして、かなり平泉はすばらしい遺産で、世界遺産にふさわしいという認識というか、気持ちというか、そういうものが国際的に広がっているという感触を得ました。あとは世界遺産に登録するための理由づけのところで今回はすべての関係者の合意には至らなかったけれども、合意目指して時間をかけて調整しましょうという結論が出たということが登録延期という意味なのだと改めて認識したので、今後、国、県、関係市町、そして専門家の力を合わせて登録に向けて改めて頑張っていこうと思っているところです。

記者
震災から1カ月たちます。改めて今までの県の体制、それから今後の復旧に向けた意気込みをお聞かせ願います。

知事
まず、災害対策本部長不在の中で初動を求められ、関係者の連携もよく、迅速な対応ができて、特に避難、救出のところ、国や他の県や市のヘリコプターや人員の応援もいただいて、最初のところが迅速にできたというところが本当にありがたかったと思っています。
その後、危険箇所の解消には民間の建設関係団体、民間有志の皆様の尽力もあって、土砂ダムの水抜きの作業も非常に早く行われました。そして避難していた皆様も本寺小学校体育館から親戚のお宅であるとか、そしてまた旧小学校の校舎にみんなで移るとかしています。それぞれ被害を受けた皆様は大変な状態が今もなお続いてはいるのですけれども、そういったところ、生活の再建、そして復旧、復興に向けて、きちんと進んでいると考えています。
夏の観光シーズンを目前にして、風評被害対策にもますます力を入れていかなければならないと思っています。そういう地域全体の、県全体の活気というものも復旧、復興に弾みをつけていくでしょうから、だんだんそういう復旧、復興のところに力を入れて風評被害対策にもさらに力を入れて「頑張れ被災地」、「頑張れ岩手」というような形で進めていきたいと思います。

記者
住宅関連の県独自の策を考えていると思うのですが、現段階でどういうものになるかという具体的なものはあるのでしょうか。

知事
色々な仕組みを調整中で、今この瞬間には具体的にこうするというのは決まっていないのですけれども、できるだけ早く決めたいと思います。

記者
今週、政府に予算関係の要望をされるということなのですが、この中では地震関係の内容も新たに含まれるのでしょうか。

知事
そうですね、地震関係のさらなる支援について、関係省庁に要望してまいります。

記者
もし何か具体的なものがあれば二、三教えていただけますか。

知事
農林業関係では、支援の対象の拡大ですとか、支援の充実とががありますし、公共土木関係でも局地激甚の追加指定のようなことも視野に入れつつ、補助でありますとか、あとは国が直接行う分野の充実でありますとか、そういったところを具体的に要望をしてくる予定です。

記者
平泉の関係ですけれども、登録延期を受けまして、いわて平泉年は行わないものの大半の事業は実行されると先週お話しされていましたが、今後、県民の世論を3年後に向けてモチベーションの維持のための知事としての運動など、そういったものを何か行う考えはありますでしょうか。

知事
まず、今年度については平泉事業をはじめ県民の理解を深め、対外発信能力をつけていく取り組みをきちんとやっていきたいと思っています。あとは、地震の風評被害対策とも重なってくるのですけれども、登録になっていればこの7、8月のあたり平泉政庁という、移動県庁平泉版のようなことをする予定だったのですけれども、移動県庁という県の幹部全員が移動というところまでいかなくても、少なくとも知事本人は改めて平泉の資産を回ったりとか、夏でお祭りもありますので、平泉やその周辺のお祭りに出たりとか、そういった活動を行いたいと思います。来週は大船渡を中心に海フェスタがあって沿岸に行きますし、また7月下旬から8月初旬のあたりは、八戸と県北との連携で県北振興の一環として八戸を訪問して、三社祭を見てくる予定です。あとは盛岡さんさ踊りには私もパレードに参加する予定です。ということで、沿岸、県北、県央、県南と一通りこのシーズンに回って歩きながら、世界遺産登録を目指す意味では「頑張れ平泉」、「頑張れ岩手」というキャンペーン展開をしたいと思いますし、それが同時に地震の風評被害対策的な「頑張れ被災地」、「頑張れ岩手」という、岩手全県を挙げて頑張っていこうというものに結びつけていきたいと思います。

記者
再三お話しされているこの「頑張れ岩手」は、知事自身の色々なものに負けないというメッセージとして展開していくという解釈でよろしいのでしょうか。

知事
もともと「いわて希望創造プラン」として岩手の所得の向上とか、そういう人口流出に歯止めがかかるような、みんなが暮らして稼いでいける、そういう岩手を目指す県政全体の活動の中に平泉の世界登録を目指すということも位置づけられていたわけですし、また地震というのはそういうものに対するダメージとして発生しているわけです。ただ復旧、復興の活動を通じて、亡くなった方、けがされた方を思うとそう簡単には言えないことではあるのですけれども、県全体として頑張ろうという方向で盛り上がることで被害を受けた皆様の生活再建にも資すると思っていますので、そういう震災対策ということについても「いわて希望創造プラン」の方向性の中で取り組んで、黄金に光り輝く岩手を目指す中に位置づけて取り組んでいきたいと思っています。

記者
先ほどの局激の関係なのですが、具体的には先日要望もありましたが、奥州の胆沢区と考えてよろしいのかということと、あと農林被害の関係なのですが、林地とかでなかなか算定されないといった問題があるかと思います。具体的には現時点で国の制度の問題点は色々言われていますが、その点についてお伺いします。

知事
7月から8月にかけてほぼ毎週のように災害査定の作業は行われまして、基準に達するのであれば局激指定となることについてはまだあきらめていないということです。ただ、根本的に制度の見直しという働きかけについては、方向性としてはそういう問題意識を持ちつつ、機会があれば国にも提案ということではあるのですけれども、今はもう少し具体的な要望、緊急度が高い要望のほうを優先させていく格好になります。

記者
日航のJALの関係なのですが、平泉も絡んでなのですけれども、県では現在、大規模事業評価委員会に花巻空港の平行誘導路についての諮問をしていると思います。諮問の理由の中には平泉の世界遺産登録で観光客が大幅に増えることが予想されるという項目も理由づけの中にはあるのですが、世界遺産登録にはならなかった。それから、現在の状況、原油高も含めてJALがどうなるかわからない。この関係は国内の定期便だから何とも言えないのですが、国際定期便について大型のチャーター便が、これまでは要望としてはあったようですけれども、あるかどうか不透明な状況あると思うのですが、評価委員会にかかっている事案ではあるのですけれども、そこへの影響をどのように御覧になっているかお伺いします。

知事
花巻空港の整備については、基本的に国際的には、国際便、外国からのお客さんが増えていくだろうし、また増やしていきたいということです。今のままだとせっかくのチャーター便の就航希望を断らなければならなかったりとか、また国際定期便には全然対応できないとかという状況であり、それではだめだろうというのがこの整備の趣旨でありますからそういう意味では大きな影響は受けないし、むしろこういう状態であるからこそ国際関係の便についてはより整備が重要になってくるということではないかと思います。

記者
国会のほうなのですけれども、これから8月末の臨時国会に向けて、一つは内閣改造があると思うのですが、その内閣改造に関して御意見とかあればお伺いしたいのが1点です。それから9月には民主党の代表選があると思うのですが、代表選をめぐってはやるべきである、やらないべきだという声が出ていると思います。これに関して、代表選をやって政策を戦わせるべきと考えるか、あるいは政権交代に向けて事を起こさないという状況がよいとお考えなのか、そちらについては政治家としてお伺いしたいと思います。

知事
民主党代表選については、民主党の国会議員をはじめ民主党関係者にとって問われているのは、誰を代表にするかということです。ほぼみんなが、小沢一郎代表がよいということあれば、または、この人がよいのだとか、私が出るとか、そういうことがなければ自然と選挙は行われないことになってしまうわけです。つまり、関係者にとっては選挙するかしないかが問われているのではなくて、誰を代表にするかが問われているので、その結果、大多数が1人の人に集中するとしたら、無投票、無選挙で選ばれるということは全然問題ないと思っています。
ただ、民主党と直接関係ない、つまり代表を選ぶ立場にない人にとっては誰を代表にするかという問題ではないのでしょうから、それぞれの自由な意見の表明として、やったほうがよいとか、やらないほうがよいとかというのはあり得るのだと思います。
内閣改造については、やはりそういう話が出てつくづく思い返されるのは、内閣というのは国会の多数党が組織するものなのですけれども、今の衆議院の多数というのは2005年のいわゆる郵政民営化選挙で選ばれた国会議員たちの中で自公が3分の2をとっている、そういう衆議院の構成に基づいて今の内閣が構成されている中で、それが本当に民意なのかということです。ですから、やはりもう少し民意に即した内閣にしたほうがよいのではないかと思っています。例えば、郵政民営化について法律的には一段落しているのだから、今の衆議院はもう目的を果たしているから解散して総選挙をするとか、あるいは自民党のほうで内閣改造までして何かやりたい、新しいことに挑みたい何かがあるのであれば、そういう政策を掲げて民意を問う総選挙をするとかです。何となく内閣改造より総選挙というほうが筋なのではないかという気がしています。

記者
さきに質問が出た住宅の再建についてもう少し伺いたいのですが、岩手県の被害状況のまとめを見ると全壊の家屋は1棟で、半壊の家屋は4棟しかないのですが、そのほかの部分でも困っている人たちが多いと思うのです。その方々、そうした全壊とか半壊の方々以外への対策という部分について知事はどのように考えるのかということと、被災者生活再建支援法では全壊とか、大規模な半壊というのが対象になっているのですが、知事としてその部分でどのように支援していきたいというお考えかお聞かせいただけますか。

知事
被災者生活再建支援法の機械的な適用だけでは足りないと思っていまして、そこをどう補うかということを今調整している段階です。そこは低利の融資の仕組みというのがある、その利子補給みたいな支援の仕方もあるし、あるいは被災者生活再建支援法に近い、かかる費用を現金で直接補償するようなやり方もあります。あとは義援金、寄附金など内外からいただいているものの活用という中で、そういう生活再建支援的な活用というのもあり得ますので、そういった対応をどう組み合わせるかということを今調整しているところでありまして、最適な組み合わせで対処していきたいと考えています。

記者
地震と平泉と両方にかかわってくる先ほどの風評被害ということ、「頑張ろう岩手」と関係するのですが、大阪のくいだおれが閉店して、くいだおれ太郎が別府温泉に慰安旅行に行ったと話題になっています。会長が希望王国いわて文化大使なのですけれども、夏の観光シーズンに岩手に招待してみようというような考えとかありましょうか。

知事
色々なアイデアを考えたり、集めたりしているところではあるので、その考えも参考に、彼の日程を調べておくようにします。

記者
今回の震災と県財政についてお伺いします。今回の震災によって、県財政も影響があると思われます。圧迫要因になるのではないかと思うのですけれども、今年度の当初予算の編成の際、今後3年間でプライマリーバランスを均衡する見込みと説明があったわけなのですが、今回の震災によって、このプライマリーバランスの均衡という見通しは、目標どおり3年間で保たれるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

知事
災害関係の県債は、かなりの部分を地方交付税で措置される仕組みになっていますので、中長期的にはそれほど大きな負担にはならないのではないかと考えているのですけれども、そのためにも災害関係の地方交付税がきちんと措置されることや、それ以外の普通の地方交付税がまたどんどん減らすということにならないように、今度の要望の中でも総務大臣にそこをしっかり要望したいと思っています。今週は全国知事会もありまして、そこでの最大のアピールの一つが去年に引き続き地方交付税の回復という、これ以上減らさないとか、あるいはちょっと減らすのにブレーキをかけるとかというのではなく、元に戻すということをやってもらえれば、なお一層このプライマリーバランスの均衡というのはより確かなものになってくると思うのですけれども、その辺、国にも働きかけながらきちんとやりくりして均衡を目指して頑張っていきたいと思います。

記者
あともう一点ですけれども、前の知事のときのお話しなのですが、岩手競馬に巨額の構成団体融資をする際に、特に沿岸の市町村長から、災害対応のためにも財政調整基金の取り崩しというのは慎重にすべきだという要望が去年の3月だったでしょうか、そのあたりにあったのです。今回震災という大きな被害に見舞われたわけなのですけれども、財政調整基金の取り崩しについて今後、年度末に向けて検討していくものだとは思うのですが、震災と関連して、この取り崩しについては、知事はどう考えていらっしゃいますか。

知事
今、基金がほとんどないがゆえに災害対策が滞っているということはないのですけれども、一方そういう基金はある程度あることにこしたことはないわけでありまして、そういう意味ではどんどん取り崩すということはしないで済むならしないほうがよいと思います。

記者
テレビを見ていると東国原知事が岩手県にやってくるようなのですけれども、お会いする予定とかはあるのでしょうか。

知事
岩手県広告業協会が主催で行うもので、当該団体からはまだその話は聞いていなかったので、私もテレビのコマーシャルで見て、あっ、来るんだと思っていました。あさってから全国知事会で会いますから、本人に色々その辺を聞いてみようと思います。

記者
先ほどの財政調整基金の関係で追加でお伺いしたいのですが、2月に発表した中期財政計画の見通しで、財政調整基金は災害対応のために残すという形で、50億円を残して取り崩すような形だったと思います。先ほど、なるべく取り崩さないほうがよいという話だったのですが、そのあたりの計画の関係で今後どういった対応を考えているのかお伺いします。

知事
その計画中で、かなりの額を取り崩すことにしているのは、給与の特例減額とかも組み合わせる中で、必要な財源確保の組み合わせとして取り崩す格好にしていますので、あれは必要な取り崩しと考えています。そういう中で50億円の災害用の基金は、今後県内の別なところに別な災害が起こる可能性もあるということを念頭に、ゼロにはしないということについて意義があり、ある程度の基金はあったほうがよいので、そこは昨年度末に公表した、中期財政見通しの枠組みはそのままやっていきたいと考えています。

広聴広報課
よろしいでしょうか。それではこれをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月28日(月曜日)の予定です。

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