平成20年8月18日知事会見記録

ID番号 N11846 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年8月18日 10時30分から10時58分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社は質問ありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
お盆期間中に、知事は県南方面に行かれまして、地震の被災地とか、産直施設、観光施設等々を回られて色々と激励されたかと思います。それに平泉の関係の各関連史跡も回られたと思います。まず、一連の視察等を終えて一言所感をいただきたいと思います。

知事
まず、平泉については薪能も含めて大変勉強になりました。また、それ以外に奥州市、平泉町、一関市と、あちこち回ったのですけれども、やはり地域の魅力を再発見したと思っています。初めて行くところも多かったのですが、本当に全国あるいは世界にも通用する、そういう地域的な魅力にあふれていると思いましたので、どんどん県としても積極的にPRをしていきたいと思います。
また、この「がんばろう!岩手」という観点からしますと、地域の皆様が本当に自主的に道の駅を使ってお互い励まし合ったり、また対外的なPRをしたりとか、本当に一生懸命頑張っていらっしゃる。観光関係の仕事をしている皆様もそうですし、また地域の生活者の観点から協力している皆様もいて、こういった地域のエネルギーをぜひこの「元気です!岩手」、「がんばろう!岩手」という運動にもつなげて、県としてもしっかり応援していきたいと思います。

記者
与党を中心に、今景気が後退のほうにあるということで、補正予算を組むという話が出ているのですけれども、秋の臨時国会で補正予算を景気対策として出すことについてはどのように思われるのでしょうか。

知事
この事柄の本質がわからないまま、ただただ額を増やせばよいとか、予算をつければよいという発想だと、いわゆるばらまきということでだめなのだと思います。やはり内需拡大型のあるべきグローバル化にふさわしい経済構造に転換できていないという、これは骨太の方針2008の第1章でも、経済財政諮問会議がはっきり言っているわけですけれども、そういう構造改革につながるようなことをしないとむだに終わると思います。そういう意味で、きちんと地方が元気になって地方の中小企業、地域の商店街が活力を持って、そうしたところから消費が活発化して日本全体の景気が上向くような手を打ってもらいたいと思います。

記者
今のお答えとダブるかもしれないですけれども、岩手県の知事として岩手県の現状に照らし合わせて補正を組むならどういう補正を望むというのがありましたら教えていただけますか。

知事
岩手の場合、災害関係が1つ必要なところなのですけれども、プラス原油高関係の対策を行う必要があると思います。
もう一つは、地域で頑張っていこう、経済構造を変えていこうと、内需拡大型、地方主導の経済構造に変えていこうという挑戦をしている人たちが1次産業の分野にもいます。また物づくり分野にもいますし、サービス業の分野にもいます。そういう人たちが頑張った分、報われるような予算が必要だと思います。

記者
あともう一つ、今災害対策ということで災害査定が進んでいると思うのですが、今までの査定を受けての現時点での認識として、査定が辛いとか、甘いとかがありましたらお伺いします。

知事
専門的に手続を踏みながら着実に進んでいると思っていまして、これはこのペースで進めてほしいと思っています。

記者
いつ頃、はっきり全体としての査定が出ると見ているのでしょうか。

知事
可及的速やかに迅速に対応してもらっていると思いますので、作業が終わればそこで結論が出るということだと思います。

記者
今も災害査定の話が出ましたけれども、地震発生から2カ月以上たって、次は本格的な復旧に向け、土木関係はそうなる段階になると思いますが、1年とかで完全な復旧というのはちょっと難しいとは思います。それに向けてその目処と、県内でも地震以外にも土木関係の改良とかといった工事が行われていますが、それとの優先度、兼ね合いという面も含めて今後の全面復旧についての県としての対策についてお伺いします。

知事
それぞれありまして、家屋の建て替えのような、そういう生活密着型のものについては既に県の独自の対応も決めましたので、これは本当に一日も早く元の生活に戻れるよう対応していきたいと思っています。農林業、水産業関係についても、そうした産業関係についてもできるだけ早く、少なくとも来年の様々な作付等には間に合うように進めていかなければならないと思っています。
道路、河川等のインフラについては、早く手当てして通行できるようにとか、安全を確保するようにというところは、これは迅速な対応が必要ですけれども、祭畤大橋の架け替えというか、それに替わるものには、まず設計の段階からかなり専門的な議論が必要なので、これはじっくり腰を据えつつも希望が持てるような復興ということで対応していきたいと思います。

記者
先日、岩手県における2005年の二酸化炭素排出量の最新データが公表されたのですが、基準年を6.1%上回るという非常に厳しい結果になりました。まずは、県として2010年までに8%削減ということを目標立てたのですが、まずこの数字を見た認識、評価のについて一言お願いします。

知事
まだまだ努力の余地があると思っています。そして、CO2の削減は、それが地球温暖化対策になると同時に、やはりライフスタイルを健全にしていくといいますか、無駄がなく、自然に優しく、また人にも優しい、そういう生活の構造改革というようなものでもありますので、しっかり進めていきたいと思います。

記者
今知事もお話されましたけれども、ライフスタイルの転換ということなのですが、今は2010年という目標を立てていますけれども、最終的には脱炭素型というか、化石燃料からの転換というのが最終目標だと思います。2010年に限らず、その後、国や国際情勢も見なければいけないと思うのですが、中長期的な考えとして岩手はどのように向かっていくべきと考えかお聞きします。

知事
秋のいわて環境王国展に向けて、現状認識、将来の方向性を整理する必要があることと、またエコハッちゃんのCO2ダイエット・マイナス8%いわて県民運動の後、どういう方向性を持っていくかということもあり、有識者の皆さんにそこを検討していただく場を設けて、そういう中で将来長いスパンでの岩手における環境への取り組みを定めていきたいと思っています。

記者
有識者の意見を聞く場なのですけれども、そこでは数値目標的なところまで組み込むような感じですか、それともそれにこだわらず、全体的な感じで議論をしていく場という感じになるのでしょうか。

知事
私が期待しているのは数値目標というよりも、より本質論的な理念にかかわる部分というのでしょうか、地球全体がどうなるということについてはかなりデータや知見は積み重なってきていて、このままだと何十年後、こうなるというのが見えてきているわけですけれども、それに対して岩手の地で何ができるか、何をすべきかということを広い視野に立って検討してもらえればと思っています。

記者
岩手競馬について伺います。民間委託拡大の交渉を今、日本ユニシスとしているわけですが、交渉の状況と、どのような提案がなされているかお伺いします。

知事
交渉の状況については、適宜発表すべきときに競馬組合として発表していきたいと考えています。

記者
出走手当を減らして賞金を厚くするという提案がされているというような報道もありますが、その点について知事のお考えはいかがでしょうか。

知事
いずれにせよ、だれでも調べようと思えば調べられるように、競馬組合として色々な情報はオープンにしていますし、また特に深く調べたいということについてもお答えしていますので、そうしたデータに基づいてきちんとした議論をしてもらえばよいのではないかと考えています。

記者
夏休みなのですけれども、どのように過ごされていたかということと、印象に残ったことを教えてください。

知事
まず、お盆に入る前にお墓参りなどは済ませ、親戚回りも済ませて、お盆期間中には奥州市、平泉町、そして一関市のほうを訪れ平泉の文化遺産を改めて勉強したり、また、色々な地域の観光資産など地域力の現場を見て回りました。
平泉の資産については、改めて非常に勉強になりましたし、また地域の観光や地域力の現場についてはその魅力を改めて強く感じましたので、これは県としても積極的に、対外的にPRしていきたいと思っています。個人的にもやはり岩手はすごいということを改めて再認識しましたので、夏休みが終わって、また張り切って仕事に戻りたいと思います。

記者
風評被害対策などで積極的にPRしていきたいということだったのですけれども、今後また何か対策として具体的に考えていることはございますか。

知事
当面、この休み明けに東北の知事が一堂に会する会議や大会のようなものがあって、そこで発言したり、講演したりする機会がありますので、そういったところでPRしていきたいと思っています。北海道・北東北知事サミットでは、各道県協力して風評被害対策を進めようということを確認できるのではないかと思っています。

記者
8月15日の終戦記念日に靖国に参拝する国会議員連盟とかありますが、知事も国会議員時代、靖国に参拝されていたときもあったと思います。今年、福田首相は参拝を見送っていましたけれども、知事はA級戦犯の分祀論についてはどのようにお考えなのか、所見をいただきたいと思います。

知事
霊というのはそもそもどこにでも存在するわけで、霊の本質論からすれば、東条英機元首相の霊はここにも存在すると言ってよいのだと思います。だから、分祀という考え方については、その関係者間で合意された独特の作法として特定の日時、特定の場所であることをするのが霊と交流するやり方だということを決めてやられているのでしょうから、その関係者間で決めることと思っています。本質的には霊というのは遍在しているものであって、あるところから霊を取り除こうとすることは、ただ、そういう考え方とか、作法は、宗派によってはあり得るのでしょうけれどもね。
なお、霊の問題ですから、行政の長としてはああすべき、こうすべきということは特に言わないつもりです。

記者
国会の中でも新しい国立の追悼施設の建設の論議がなされていますけれども、この新しい追悼施設の建設についてはいかがお考えでしょうか。

知事
霊の問題なので、行政の長としては特にこうすべき、ああすべきとは言わないようにしようと思っています。

記者
先ほどから県南の視察について質問がありましたけれども、こういうお盆期間中に視察に行くというのは、東京とかに行くよりは非常に意義のあることではないかと思っていますけれども、この「がんばろう!岩手」のキャンペーンのマークというのでしょうか、緑と青の、これは宮城のDCキャンペーンでおにぎりの形したかわいらしいマークがありまして、これに比べると非常に味気ないなという気がするのですけれども、何か公募とか、このマークについて県民から募ったりして使うお考えとかはないでしょうか。

知事
様子を見ながらという感じです。県からの働きかけと県民から自主的に色々出てくるものとのバランスが大事だと思っていまして、このお盆休み中に回って歩いたところでもそれぞれお店で自主的に「がんばろう!」と地域の名前を書いたネームプレートをつくっていたりとか、あと「がんばろう!」と地域の名前を書いたTシャツを独自につくっていたりとかあって、この瞬間はもう少しそういう自主的、主体的な取り組みを見守るというか、励ましつつ、それがどのくらいになるか見たいという気持ちもあります。その辺の兼ね合い、バランスを図りながら、県としてやったほうがよいことについてはやることにはやぶさかではないのですけれども、今は、ちょっと様子を見ながらと思っています。

記者
一部報道機関の取材に対して、ユネスコの松浦事務局長が3年後は非常に有望だということと、平泉の推薦の枠組みを変えるよう求めているというコメントがありました。登録延期の際にお聞きしたのですけれども、知事は現段階で、9つの構成資産については、どのように今後していくべきだとお考えなのか改めてお聞かせください。

知事
枠組みを変えるということについては、私もよくわからないところがあるので、ちょっと研究したいと思っていますが、いずれにせよ前回出した推薦書のままではアウトということですから、新しい推薦書をつくらなければならないということで、新しい説明の仕方をみんなで工夫していくということだと思っています。そこは地元を始めとする県民の皆様や広く宮城県とか、東北とか、あるいは過去からの色々な歴史で平泉にかかわってきた人たちの受けとめ方とか、それは西行とか松尾芭蕉とかを含めてなのですけれども、そういう流れの中で歴史的、地理的にも自然で、また国際的にも理解されるような説明、無理のない説明ということと思うのです。だれにでもすっと納得できるような、そういう推薦書をつくっていけばよいと思っていますが、具体的な中身についてはこれからみんなでつくっていくことだと思います。

記者
具体的には専門家の方々でその議論を煮詰めてということになるのですけれども、仮に平泉町だけの資産になる、あるいは奥州市、一関市を外すという結論になるかどうかというのはこれからの議論だと思うのですけれども、その辺をこれから知事としてはどのように見守っていくというお考えでしょうか。

知事
今ある市町の枠組みというのは何百年前にはなかったものでありますし、また合併の議論があるわけですから、それを最優先させることはないのだろうと思っているのですけれども、今の9つの資産それぞれに根拠があって、取り上げられ、結びつけられているわけで、その説明の仕方についてはやり直せということなのですけれども、それぞれの価値が否定されたわけではないと思います。説明の仕方を工夫していく中で、推薦資産がおのずと決まってくるのだとは思いますけれども、要はほとんどの人が納得できるような形に進めていければよいのだと思います。

記者
今オリンピックで県の選手頑張っています。女子ホッケーは残念ながらメダルはなくなりましたけれども、サッカーは今晩の試合で可能性があります。知事もご覧になっていると思いますけれども、改めてエールを送っていただきたいのです。

知事
サッカーはすごいですよね、初戦はあれっと思ったのですけれども、だんだん調子がよくなって本領発揮という感じになってきていると思うので、この調子で頑張ってトップをねらっていってほしいと思います。

記者
今日はどこで応援する予定ですか。

知事
試合時間は、何時からでしたか。

記者
現地時間で9時からです。

知事
であれば自宅で応援という感じです。ちなみに、前に記者会見でどういうところに注目するかと聞かれたときに、番狂わせみたいな意外な人が好成績を残したりすることに注目していると言っていたのですけれども、その意味でフェンシングの太田選手はすごいと思っています。私が知らなかっただけで、フェンシングに詳しい人であればアテネ大会にも出ているし、今回の成績は予想できたのかもしれないのですけれども。就職先がなくて困っているということですから、岩手の会社、企業に呼びかけたいと思うのですが、岩手としてもフェンシングというのは結構やられていると思うので、太田選手に岩手の企業に就職してもらえるとよいのではないかと思っています。もしそういう会社があるのであれば、県としても何かお手伝いしようかと思いますので、名乗りを上げていただきたいと思います。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は8月25日(月曜日)の予定です。

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