平成20年9月25日知事会見記録

ID番号 N11836 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年9月25日 10時32分から10時57分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、幹事社からの代表質問はありませんので、各社質問があればお願いします。

記者
昨日、麻生内閣が誕生しましたが、改めて知事ご自身の言葉として、麻生内閣への所感と解散総選挙の時期についてお伺いします。

知事
一日も早く解散総選挙をしたほうがよいと私も思っていましたし、自民党総裁選挙の中でも基本的に「選挙をするその総裁を選ぶ総裁選」だという中で今回の麻生総裁、麻生内閣ができたと思っていますので、国民にとって意義のある衆議院議員選挙を行うということがまず第一だと思います。速やかにマニフェストを明らかにして国民が政権選択をできるようにしてほしいと思っています。
その場合、与党側ですから、前回のマニフェスト、これは郵政解散のときのマニフェストですけれども、そこで約束したことのうち何がどうなっているのかということをはっきり総括していただきたいと思います。特に大事なのは、いわゆる小泉改革路線と決別をするのか、それとも小泉改革路線を引き継いでいくのかという点です。そこをはっきりさせないとなかなか政策本位で政権を選ぶという衆議院議員選挙になりにくくなると思うので、その辺をはっきりさせてもらうことが大事なのではないかと思っています。

記者
今、知事が小泉路線の継承なのか、決別なのかということをお話しされましたけれども、知事ご自身としてはどのように思っていらっしゃいますか。

知事
安倍内閣、福田内閣が間に入って非常に混乱してしまっているのだと思います。一種迷走という感じでしょうか。それで、国民の人気を得るためには小泉改革の継承を掲げなければならない。ただ、実質的には傷んでしまった国民の生活や国民経済を回復させるためには小泉改革的ではない政策にかじを切っていかなければならないということで、結局、両方が中途半端になって迷走した状態だと思うので、そういう意味でもここではっきりさせておくことが重要なのではないかと思います。

記者
岩手競馬についてお聞きしますが、前の記者会見で日本ユニシスさんにお手紙出したということだったのですけれども、その後、ご返事はありましたでしょうか。

知事
今週に入って返事は届いています。

記者
どんな返事だったのでしょうか。

知事
ちょっと、幾つか会社側に確認したいことがあって調整中ですので、それを踏まえて今度9月30日の競馬議会のときに報告をいたしたいと思っています。

記者
いつ、どちら様から届いたということでしょうか。

知事
細かいところについては、今、正確にはお答えできませんので、後で担当からお答えしようと思います。

記者
お手紙は、知事のお名前で出しましたけれども、日本ユニシスさんからはどちらの名前で返ってきたのですか。

知事
それは社長から管理者、達増拓也あてです。

記者
2点お聞きします。麻生内閣のことになるのですけれども、まだ発足したばかりですけれども、政治家としての麻生さんをどう評価されているかということと、一関にも遊説演説会に来ましたけれども、総裁の選ばれ方についてお答えください。

知事
政治家の評価というのは、1つは何をすると言っているかによって決まりますので、マニフェストができてくるのを待ちたいと思います。あとは過去に何をしてきたかということも政治家の評価としては大事なのですけれども、小泉内閣の主要閣僚として小泉改革を推し進めた、特に三位一体とか、実質地方切り捨てになってしまったところに総務大臣として関与していたという点については、反省して、もうそういうことはしないということで今後臨むのか、それとも国の財政の穴埋めをするために地方切り捨て的なことを今後もするのかというところが問われるのではないかと思います。

記者
総裁の選ばれ方についてはどうでしょうか。

知事
総裁の選ばれ方ですね。これは特定政党が政党のルールに基づいて行うことで、内部的な手続でありますから、特にそれについてはコメントはありません。

記者
いわゆる事故米の問題なのですが、県内でも本来食用に転用することがない事故米を原料にした加工食品が学校給食に出回っていました。県でも情報収集していると思うのですが、これについての見解と今後の対策についてお伺いします。

知事
非常に遺憾なことだと思っています。給食は子供たちが口にするものですし、本当は食育ということで、給食などを通じて食べるものの大切さ、食べることの意義、そういうことを学ばなければならないときに大人の勝手というか、邪悪なもうけよう主義で、そういう場が大きく損なわれてしまったということは、本当にあってはならないことだと思います。
まずは、そういう不正な横流しをした関係者が厳しく取り締まられることが重要だと思っています。また、性悪説を前提にして子供を守るためのことをしなければならなくなるということは不幸なことではあるのですけれども、やはり二度とこういうことがないように原材料の吟味とか、取引先の吟味など子供に近い側のほうで工夫をしていかなければならないのではないかと思います。
あと一方では、岩手の正直で誠実に生産する農林水産物の重要性がますます高まっていると思っていますので、純情ブランドに象徴されるような安心安全な農林水産物を今までもしっかりつくってきているわけですけれども、さらに質、量ともに拡大していくことが日本の食料基地としての岩手の使命だと思っています。

記者
別の関係なのですけれども、9月補正予算の中で災害復旧の関係で小規模農地に対するものであるとか、風評被害対策も入っているのですが、今後はこれまで行き届かなかった、より細かい部分に関してメンテナンスをしていくといった意味合いがあるのかお伺いします。

知事
今まで岩手が経験したことのない強い地震でありましたので、多くのことが初めてだったわけです。そういう中で、小規模農地等災害への補助や、また風評対策への踏み込んだ支援というのは全国でもあまり例がないようなところまで踏み込んでいると思うのですけれども、そこは県のそれぞれの担当が被害を受けた皆様や、それを取り巻く地域の皆様と非常に密なやりとりをする中で、今は現場の声を反映してつくっていったものでありまして、そういう意味では草の根から必然的にできてきた事業ということで県議会のほうに提案させていただきたいと思っています。

記者
今日から会見の後ろ側にあるとおり、「がんばろう!岩手」のバックパネルがあると思うのですが、これまで「元気です」Tシャツを着ていらっしゃったと思うのですけれども、今後寒くなるということで、違ったPRの仕方をされるということなのでしょうか。

知事
今日は県議会にこの格好で出ますので、ネクタイをして記者会見に出ています。このバックパネルは、民間企業と合同での事業で使ったものがあり、ほとんど材料代をかけずにつくることができるということで、今回つくったというところが直接のきっかけですけれども、県として県内外に伝えたい「がんばろう!岩手」というメッセージと、そして「黄金の國、いわて。」というメッセージが、ある意味出そろっているというところもあって、こういう形でもさらに伝えていければということで、こういうしつらえにしたところです。

記者
先ほどの事故米の関係ですけれども、今後県としてどのように食育に取り組んでいくかというところをお聞かせください。

知事
まず、原材料を調達する現場のところで一層の慎重さとか、あるいは工夫が求められると思いますので、そういったところをしっかり支援していきたいというのが一つですし、あとは危機を希望に変えるという点では、食の安心安全を真剣に考える、そういう関心が高まっていますので、改めて食の大切さ、そして安心安全な食を生産することの大切さ、そしてそれを岩手でしっかりやっていくことの大切さというのをそれぞれ徹底していきたいと思っています。

記者
先日なのですけれども、岩手県北の久慈、洋野の漁業者の方が青森県に対して海の境界線のことで裁判を起こしましたが、そういった交渉の中で、県もある程度一定の関与はしてきたと思うのですけれども、そういった裁判ざたにまでなってしまったことについての感想をお聞かせください。

知事
岩手県としては、青森県と連絡をとりながら話し合いによる調整を今まで進めてきたわけでありまして、そういう意味では今回漁業者が行政訴訟をせざるを得なくなったということは残念に思っています。基本的には話し合いによる解決を目指していきたいというのが岩手県のスタンスです。

記者
重ねてですが、青森県境だけではなくて宮城県境においても、また、問題自体は全国各地であるという話なのですけれども、先ほど話し合いでということでしたけれども、それぞれ他県と接する海の境をめぐって、今後県として具体的にどのような道筋で解決を進めていくのか、お考えがあればお聞かせください。

知事
かなり専門的な分野でもあるので、まず事務レベルで詰めた議論を行っていくということが大事であり、それは今までもやっていますし、継続的に行っていきたいと思います。あとはそれぞれの漁業関係者の理解というのが決定的に重要であり、それが問題解決の根本なので、そのそれぞれの両県の漁業者が話し合いをしてうまくやっていけるような漁業者への働きかけというところをしっかりやっていきたいと思います。

記者
ちなみに、行政訴訟においては、県はあくまでも、原告側が漁業者ということでありますので、直接訴訟にタッチすることはないと思うのですけれども、訴訟自体には県としても後方支援的に青森との調整ですとか、そういった役割というのは果たしていくのでしょうか。

知事
裁判の中では、裁判所から県の意見を求められた場合には県がその考えを示すという立場にいますので、裁判については、裁判所のそういった判断に任せるという格好になりますが、漁業者間の話し合いということから問題の解決に持っていくという努力は、別途並行して続けていきたいと思います。

記者
宮城との県境をめぐってはもうかれこれ10年以上、青森県境についてもこのままいけば長期化という形になりそうなのですけれども、例えばいつぐらいまでに何とか解決のめどをつけたいというのがあればお聞かせください。

知事
領土問題は粘り強く取り組んで、またそれを紛争にエスカレートさせないというのが基本だと思いますので、締め切りを決めて無理をするというよりは、論理というか、筋道に従って関係者が納得していくというプロセスを大事にしていきたいと思います。

記者
県立大の谷口誠学長が任期限りでお辞めになる意向を見せているのですが、谷口学長と知事は実際1年半ぐらいしかないと思うのですけれども、県立大の谷口学長の功績というか、どのように仕事ぶりを見ていらっしゃったのかということと、次の学長がだれになろうとも県立大を取り巻く環境というのは今非常に厳しい状況だとは思うのですが、今は独立行政法人になりますけれども、県の出資金も多く入っていますので、岩手県における県立大という役割をどのようにとらえているのかということをお伺いします。

知事
谷口学長からは学長選考会議の進行状況について報告を受けているところであり、そういう中でしっかりよい人を選んで引き継いでいきたいという方向性を伺っているところです。
谷口学長には、まず10周年という大きな節目を県民の大学としてしっかり迎えるという大変大事な役割をきちんと果たしていただいたと思っていますし、それを未来につなげていくという、そういう方向性、いい方向につくっていただいていると思っています。
西澤学長のもとでロケットスタートといいますか、そういう出発をした県立大学を独立行政法人化する中でうまく軌道に乗せていくということをしていただいていると思いますし、ソフトウエア関係で多くの業績上げているということをそのまま伸ばしていただいているのに加えて「シンク・グローバリー・アクト・ローカリー」という、グローバルな意識を持ちながら、また地域に根差して行動していく、いろんな国際連携もふえていますし、また学生の地域でのボランティア活動も非常に活発に行われていて、そういう岩手県立大学の発展の中で、非常に大きな貢献をしていただいていると思っています。
岩手県立大学の将来については、やはりこの岩手県民の大学として、大学に進学したいという県民のしっかりとした受け皿になるとともに、地域で活躍できる人材、そして今グローバル化の時代には世界に通用するということが地域で活躍できることにもつながりますので、そういう高度な、あるいは専門的な教育をしっかり施すことができる大学としてさらに発展していってほしいと思っています。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は10月10日(金曜日)の予定です。

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