平成20年10月23日知事会見記録

ID番号 N11832 更新日 平成26年1月16日

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(平成20年10月23日 10時33分から11時17分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
冒頭に知事からお話があります。

知事
まず最初に、事務費の不適切な事務処理に関しまして、県民の皆様にお詫びを申し上げます。今般、農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助金にかかわる事務費について、会計検査院から不適切な処理があったとして国会報告がなされる見込みとなっています。
会計検査院による調査の報告は、来月の予定と聞いておりますが、その指摘内容を確認し、国庫補助金の取り扱いに関して関係省庁との協議を行うことになりますが、原因の究明や詳細な事実関係の確認、再発防止のための取り組みの徹底などについて、遺漏なきよう取り組んで参ります。
また、農林水産部、県土整備部以外の他の部局も含めた全庁的な確認もできるだけ早く行いたいと考えており、こうしたことを通じて、県民の皆様への説明責任を果たしていくとともに、職員に対しては常に県民全体の奉仕者としての責任を果たすよう指示、指導を徹底し、県民に信頼される県政の推進に全力で取り組んで参る所存です。
改めて、県民の皆様に衷心よりおわびを申し上げます。
なお、今回の問題を通じて国庫補助の対象経費の線引きのあり方など、国と協議していくべき課題も感じたところであり、その面での取り組みも重要だと感じているところです。

広聴広報課
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
昨日の県議会の決算特別委員会で、今議会に提案されています決算案件が継続審議になったのですが、継続審議になったことについて所感をお伺いします。

知事
議会での継続審議という判断には十分な理由があると思います。執行部としても議会に対して、様々な資料の提供、説明など、求めに応じてしっかりと対応して参りたいと思います。

記者
昨日の特別委員会でも色々指摘があったのですけれども、全庁調査をできるだけ早く取り組みたいと考えているという知事のお話がありましたけれども、いつごろを予定されているのか、現段階での見込みなどありましたらお聞きします。

知事
決算の認定が12月議会での継続審査となったことも踏まえますと、12月議会の開会までには何らかの報告ができるように進めたいと思います。

記者
全庁調査についてですが、第三者を交えて調査することについて、どのようにお考えでしょうか。

知事
調査の進め方については、今、農林水産部や県土整備部で行っている手順や、両部で行われていた具体的な事例などを参考にしながら同様な作業を進めていくことになると思いますけれども、第三者による確認が必要だと思っていますので、そうした内部的な全庁的な確認作業と併せて、第三者によるチェックを行っていただけるような手順としたいと思います。

記者
全庁的な調査という意味では、国庫補助の部分を考えていると思うのですが、国からの委託とか補助ではなくて、県単事業に関しての調査というのはどのように考えているのでしょうか。

知事
全庁調査、また第三者による確認という場合は、需用費の事務処理が問題ですので、この需用費については県単についても対象としなければならないと思っています。

記者
最初に国庫補助の対象の線引きについて、国との認識を整理しなければいけないというお話があったと思うのですが、今回出てきたケースの中で、具体的にどのようなものが対象になるとお考えでしょうか。

知事
これは、まだ会計検査院とのやりとりが最終的にセットされていない段階なので、基本的には研修とか、人事異動の際の出張でありますとか、昨日の委員会でも述べたようなところが大きい争点だとは思っています。いずれきちんと整理をして、議論をしていかなければならないと思っています。

記者
再発防止対策はこれからの部分が多いと思うのですが、納品したものを証明するものが県にはなかったという点が、チェックできなかった大きな部分だと思うのですが、今後そこをどのように改めていきたいとお考えでしょうか。

知事
預けをはじめ、まさにそういう記録が残らないということが不適切な処理でありまして、そういうやり方をしないということです。そして、適切なやり方をしていれば請求書と納品されたものと、そして受け取った品物に対して県として確認をする作業があり、そうした記録がきちんと残るような手順が既にルールとしてあるわけですから、そのルールにきちんと従っていくということを徹底させていかなければならないと思います。

記者
昨日のお話の中で、国庫補助金以外に県単の部分も含まれていたということで、いただいた補助金を全部使ってしまうということだけでなくて、年度内に全部使い切らなければいけないということが役所の体質というか、慣行の中でずっとあるのではないかと思います。そういったことを改めていかないと、こういったことはずっと続くと思いますが、その財政とか予算の考え方について、知事はどのように改めていきたいと思っていますか。

知事
5年ほど前から岩手県においても、余りそうになった場合には積極的に余らせて、それをちゃんと適切に処理した上で、県単であればそれを次の年にまた何らかのことに使えるようにできるわけですから、そうしたことはどんどんやるようにということを徹底するような指導はしておりまして、最近になってそういう意識はかなり広がってきていると思います。19年度予算をぎりぎりの中で編成し、また20年度予算も綱渡り的な中で編成しているのですけれども、私が直接見た感じでも余らせるべきところは余らせて、それをちゃんと翌年の不足するところにきちんと手当てするような部局を超えた全県としての予算の使い方ということについては、かなり浸透してきていると思うのですけれども、今回のことがありましたので、特に国からの補助金について、そういう使い切ればよいというものではないということを徹底し、ルールに従うやり方を厳守し、またそういう使い切り精神のようなものを払拭するよう、さらに指導を徹底したいと思います。

記者
使い切らなければ損だという考え方になるのは、やはり補助金の性質自体が使いづらいものだということもあるかと思うのですが、それはいかがですか。

知事
確かに余った分を国に返す場合には、県で減額補正予算をきちんと組み、それに応じて国でも減額補正という予算措置をとらなければならないわけですけれども、この大きな公共事業に関して、そういう補助金の減額補正予算という措置が国においてとられることはまずないと聞いています。そうした補助金の減額の手続がとられているという前例はほとんどないと聞いていますので、そこは制度の使い勝手の悪さということも影響しているのかもしれません。
ただ、いずれにせよ一つの県で使い切ってしまえということで、もし余ればそれは国に戻って、ただでさえ国は地方への交付税、交付金を減らすとか、国から地方へのお金をどんどん減らしている中、国にお金を返さないで使い切ることで、かえってそういう地方の首を絞めていくようなことに全体としてはなるわけでありまして、そういう意味で日本全体の中央と地方の関係を考えたときに、それぞれの県がとにかく使い切ればよいというやり方でやっていくのは本当に間違った考え方だと思います。

記者
大船渡市と陸前高田市の合併問題で、27日の両市議会の臨時会で法定協議会設置に関する議案が採決される予定なのですけれども、陸前高田市長が設置反対の意見を付して関連議案を提案しています。知事はかねてから、時期的にも早期に協議会を設置して合併議論を高めることが重要だというお話をされていますが、陸前高田市長が設置反対の意見を付して議案を提案したことに対して、何かご所見があればお伺いします。

知事
なぜ反対かということがよくわからないのですけれども、もし合併に反対で自立を主張したいのであれば、自立がどういう点で良いのか、また合併のメリットはどういうことかというような議論や検証をする場が実は合併協議会ですので、そういう意見があるのであれば、むしろ合併協議会を設けるほうが住民の議論を尽くせると思います。

記者
全庁調査の件で、いつまでさかのぼって調査をするのかという点と、第三者による確認が必要ということですけれども、例えば弁護士の方など、考えている人がいれば教えてください。

知事
こういう人という候補者は、まだ具体的にはないのですけれども、1カ月くらいのところで結論まで出したいと思っていますので、早急にどなたにお願いするか、これは1人ということはないので、複数になると思います。ちなみに、10年前の食糧費問題のときには4人の専門家の方に総務部長が入った5人の委員会を立ち上げたという前例がありますけれども、そういうことも参考にしながら早急に決めていきたいと思っています。
それから、過去の分については、まず内部的に繰越金の存在というようなことについて、農林水産部と県土整備部以外の部局についても確認する作業ということができると思います。また、さらに過去については、資料等は内部的に残っていないわけでありますけれども、予算の使い切り、特に補助金の使い切りをよしとする風土というような背景の分析などとの関連で、そういうのが昔からあったのかどうかということについては、その辺をどういう形で、どこまで調べていくかということも内部のほうで決めてやるのもよいのですけれども、むしろそうした部分について第三者機関的なところに追求してもらうというのも選択肢とも思っていまして、何らかの形で過去にさかのぼることは必要と考えていますが、そのやり方についても至急決めていきたいと思います。

記者
繰越金の存在があるというのは、例えば帳簿とかそういうのが残っている5年とかが、めどという感じでしょうか。

知事
5年分の記録が残っているので、そこは調べられるということです。

記者
岩手競馬の民間委託の件で今月中に決めるということですが、もう時間もないのですけれども、そのめどはいつを考えていますか。

知事
これは、来週中に管理者・副管理者会議を盛岡、奥州両市長さんと私による会議を開いて、そこで結論を出したいと思います。

記者
先ほど不正経理の再発防止策についてお話しされていましたけれども、具体的にどういったものを想定しているのか教えてください。

知事
まずコンプライアンスの確立をするのだという意識を確立し、逆に言うと予算を使い切りさえすればよいという考え方を180度転換していくような意識改革ということがあると思います。
そして、担当者一人に任せ切るのではなくて、ダブルチェックができるような組織の仕組みの問題、その組織のあり方についても改革をしていく必要があると思います。そういう職員一人一人の意識の問題ということと、そしてもう一つ相互にチェックを行いながら、コンプライアンスをきちんと守っていける、そういうシステムの改革、そこが再発防止策というところの柱になっていくと思います。

記者
コンプライアンスの確立というと非常に目に見えないもので、なかなか難しいと思いますが、今知事の頭の中に、システムとしてこういうふうにしたらよいと考えているものがあれば教えてください。

知事
ちょっと抽象的なのですけれども、ダブルチェックということです。一人に任せ切らないということだと思います。それを決裁の流れとして、文書管理のルールとしてやっていくか、あるいは組織、人事の体制の組織ということで改良していくのか、あるいは第三者的なチェックが担当の部局に入るような仕組みでいくのか、そこは色々なやり方があると思いますので、検討していきたいと思います。

記者
その再発防止策については、いつごろ打ち出す予定なのでしょうか。

知事
これは12月議会までに一定の報告を議会にできるようにと思っていますので、その中に盛り込んでいければと思います。

記者
昨日の議会の中で、この不正経理の問題について6月に知事に報告が上がってから、あるいは今回報道で発覚してから対応が遅かったのではないかという批判が少なからずあったと思うのですが、改めてそういった批判をどのように受けとめているのかお伺いします。

知事
私もそこは非常に段取りが悪かったと反省しています。思えばマスコミ報道があった初日の私のインタビュー受けたその内容がテレビに映ったり、新聞に載ったりしましたけれども、自分で見たり読んだりしても、これは全然方向性も定まらず、心ここにあらずみたいな、リーダーシップを全然感じないような対応だったので、本当はあのような対応というのはやってはいけないし、もうしないようにしたいと思っています。本来秘密にしておかなければならないことについて、それをすぐ説明しなければならないという矛盾の中で、結論としてはこれは積極的にどんどん情報開示をして、議会をはじめ県民の疑問にきちんと答えていくことが最善と判断して、そういう対応をするようにしたのですが、ただそこまでに二、三日かかってしまったというのは、対応の遅さというそしりを受けてもやむを得ないと思います。

記者
競馬対応で、来週に管理者・副管理者会議を開いて結論を出すということですけれども、先日、日本ユニシスが記者会見を開きまして、現段階での組合への回答内容を示したが、収支計画の具体的な数値とか、年間の売上総額、あるいは賞典費総額をどの程度想定しているかという部分については提示しませんでした。この件について、管理者として現段階でどのようにお考えなのか、評価しているのかしていないのか、その辺をお伺いします。

知事
現行方式と比べて、良い企画提案であるのかということを判断する材料としては、少し足りないと思っています。その辺のところを競馬関係で働いている関係者の皆さんにも今色々確認をしているところではありますけれども、最初の印象としてはちょっと足りないという印象です。

記者
具体的には、どのあたりが足りないとお考えなのでしょうか。

知事
レースの数を4割ほど減らし、レースを極端に減らすことで1レース当たりの売上を伸ばすということなのでしょうけれども、4割レース数を減らすということは1レース当たりの売上が平均4割アップしないと現状維持にすらならない、現状よりも売上が悪化してしまうわけです。そうなると、確実に今よりも悪い内容になってしまうわけですが、そういう意味では1レース当たり4割以上ちゃんと売上が上がるという根拠とか、あるいは売上額がもし今よりも確実に減るようなレース構成であっても、今ですら競馬議会議員さんから、今のようなコストカットの仕方ではもうそろそろもたないのではないかと言われている、それ以上のコストカットをしようということであれば、それは一体どういう内容のコストカットなのかとかということがわからないと、今の仕組みよりも良い仕組みとは言い切れないと思っています。

記者
確認ですけれども、日本ユニシスが提案しているその内容よりは、現行方式のほうが現段階では評価するということでよろしいですか。

知事
いや、まだその結論は出していないところですが、今のやり方はそれなりの合理性を持ったやり方であって、9年ぶりの黒字達成を去年やり、そして今年度も黒字という、2年連続の黒字ということが実績としてあり、それなりの今のやり方よりも、提案を受けているものが良いという判断は今のところ難しいと考えています。

記者
日本ユニシスが収支の見通しを出していなかったということなのですけれども、彼らが出し得ない理由として、今の委託先になっている色々な企業と組合を交えて、その部分のコストを詰める協議が全然できていないからだとしていたのですが、それはそれで一つの理由という気もするのですけれども、そういった彼らの主張に対してはどのように受けとめていますか。

知事
収支の見通しを示してほしいということは、4月、5月の企画提案募集の要領の中に既に記載されていたことでありまして、実はその時点で明らかにしてほしいことではあったわけです。そしてまた、先ほど説明しましたように、そういった収支見通しという中に基本的な経営戦略というのが出てくるわけです。とにかく1レース当たりの売上を拡大するということなのか、それとも今以上の劇的なコストカットをやっていくということなのか、それがやはり分からない。そういう収支というところにそういう考え方が出てくるわけですから。また、基本戦略のところから、関係者と一緒に決めていこうというのは、今回の公募の趣旨ではありませんので、そこはちょっと違うと思っています。

記者
民間委託拡大の決定について、最終判断はこれからということですけれども、発言からも察するとおり、日本ユニシス案を採用することはまずないだろうということを前提にお伺いするのですけれども、この約半年間、民間委託拡大に向かって民間企業と拡大の方向性を探ってきた。結果的には、ほとんどその議論に入れなかったわけなのですけれども、この半年間で今後の競馬にとって何か得るものというのはありましたでしょうか。

知事
前提部分については、まだ決定はしていないということで話をさせていただきますけれども、私の個人的な印象としては、大幅民間委託、民間企業の側からすると大幅な受託ということになるのですが、やはりこういうご時勢の中で大幅な受託をするということは、非常に難しいことなのだという印象を受けています。当初、民間企業が持っている、最初1年目、2年目損をしても、3年目、4年目、5年目でカバーできれば良いとか、あるいは、ほかの事業の利益がどんどん上がっていくことに資するのであれば、競馬事業がその企業にとって赤字になったとしても取り組むというような考えは、こういうご時勢の中ではちょっと甘いというか、それだけの余裕を持って、また中長期的な見通しを持って競馬事業に参入していこうという決断をするのは、なかなか今のご時勢、有数の民間企業であっても難しいのかなという印象を個人的には感じています。

記者
今回の交渉の中では、日本ユニシス側は当初より秘密保持契約というものを持ち出してきて、結果的にそれが協議に入るのを防ぐ形になってしまったわけなのですけれども、そういった民間との交渉のあり方等について学ぶところとはありましたか。

知事
そこは、まさに民間企業の場合、1社ごとに全然違う社風とかスタイルとか、経営方針とかがあると思いますので、そこは予断を持たずに相手ときちんと交渉ができれば良いという考え方でやっていましたし、そこについては特に感想的なものはありません。

記者
秘密保持契約についてですけれども、最終的に5者契約という案が出てきてまとまりかけたという経緯もあったわけなのですけれども、もうちょっと早い段階で5者契約ということを、向こうが出さなくてもこちらから出していたら、もしかしたらその状況は変わっていたかもしれないという可能性もあると思います。そういった融通さがもっとあってよかったのではないかという気もするのですけれどもいかがですか。

知事
できるだけオープンな中で検討作業を進めていきたいという発想が最初からあり、そこで公募制で今回行ったわけです。実は、大幅民間委託ということは、委託は委託なのでありまして、個別に平素からこれはと思う会社に接触して交渉をするということはできるわけです。一般公募のような手続をとらないで、内々にこういう条件でどうかとか、色々なやりとりはできるのです。ただ今回は、民間の知恵をいただきたい、競馬組合も特別地方公共団体で、働く人は公務員ですから、そういう公務員にできないような発想を出してほしいという、その発想を審査員の皆さんにも見てもらい、オープンな中でそういうアイデアを検討していきたいという発想だったので、そういうアイデア自体秘密にしたいということに対して、こちらのほうで早い段階からこうすれば良いというのは、やはりちょっと難しかったと思います。

記者
先ほど、このご時勢ではなかなか引き受けてくれるところを探すのは難しいという話だったわけですけれども、企業側にアイデア自体が企業秘密なのだと言われると、オープンな場での交渉はできないということになり、かつ、なかなか引き受け手先がいないという中で、これから民間委託拡大の可能性を探っていく上で、どのようにしていくことがよいと考えていますか。

知事
そこはこれから考えていかなければならないと思います。一方、今回の一連のやりとりの中で、先ほども収支見通しについては、むしろ競馬組合の職員の知恵を借りたいとか、途中の段階でも経営のやり方、新しいやり方について一緒に考えていくほうが良いということを言われており、そういう意味では企業限りでアイデアを作っていくより、競馬について詳しい、今までずっとやってきた競馬組合の中にこそ改革のアイデアやノウハウがあるのではないかというアプローチをこの半年受けてきたところもあります。今年度、東幹久さんにコマーシャルをやっていただいたり、薄暮レースの開催とかの新機軸がうまくいき、そういったこともあって昨年度に比べて、昨年度は3回もコスト調整したのが、今年度は1度で済んでいるというところもあります。そういう意味では現行方式をベースにした地道な改革、改善的なことも、むしろ民間からそういう方向性に評価を得ているのという印象を感じました。

記者
まだ最終判断は出ていないわけなのですけれども、仮に今回がだめだとしても、引き続き公募という形になるのか、それとも直接の交渉になるのかはわからないですけれども、民間委託拡大の方向性は保持し続けるということでよろしいのでしょうか。

知事
劇的に事態を改善するような野心的な取り組みということについてはあきらめないということでありまして、そういう野心的な取り組みの中に民間の活用ということは、選択肢としてあり得るのだと思うので、そういう意味ではあきらめずに中長期的に事態を劇的に改善できる方法を模索していきたいと思います。

記者
先ほど野心的な取り組みというお話しがありましたけれども、これをやるには多少の赤字が出る可能性も覚悟しなければならないと思うのですが、今の単年度収支均衡という存続条件のもとでは、そういった冒険心というのはなかなか表に出しづらいとと思います。その辺の兼ね合いというのはどうしたらよいのでしょうか。

知事
だからこそ単年度赤字をかぶれるような民間の大々的な参入というのが一つの事態の打開につながるのではないかというポイントがそこにあるわけです。ただ、去年の統一地方選前からの県民的な論議があり、そして統一地方選を通じて示された民意というのは、基本的には赤字にならなければ競馬は存続してよい。ただし、競馬を存続するなら単年度赤字も認めないというのが示された民意だと思っています。それは非常に合理的なやり方であり、地道な改革、改善ということで去年、今年と対応できています。本当に議会議員さんをはじめ、各方面から誤解されているのではないかという印象を受けているのですが、そういう野心的な事態の抜本改革というのを模索していることは、決して今の地道なやり方では絶対だめだと思っているから、そういう冒険を試みているわけではないのです。今の地道なやり方でもよいのだけれども、よりよいやり方があれば、そちらに進んでいくことが合理的だと考えているので、そういうダブルトラック、二重の方針を持ってやっているわけです。これは、過去の色々な競馬改革がこのやり方しかないという一つのやり方で決めて、失敗し続けてきたということからも、今やっていることを着実にやりながらも、ほかのやり方も常に模索するということが成功の秘訣ではないかと考えていることなので、取り組んでいるということです。

記者
そのダブルトラックでやっているということなのですけれども、今の置かれている状況とか、もともとの行政的な色合いを考えると、もしかしたらこの案でいけば何とかなるかもしれない、でも多少のリスクも伴うというような案に果たして踏み切ることはできるのでしょうか。

知事
そこは、1つは体力のある民間企業の全面的参入ということであって、そういう冒険のリスクをかぶる、リスクを冒して利益に挑戦するというのは、まさに民間企業の本質だと思っていて、逆に特別地方公共団体というのはリスクを冒してはならない存在だと思っているので、ですから競馬組合主体でやっていく以上はどうしてもリスクを冒さないやり方が基本になっていき、それはそれで堅実なやり方ではあるのですけれども、それと民間企業のリスクを冒して利益を追求するやり方を適切に組み合わせることで、抜本改革ができればそのほうが良いので、模索しているということです。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月4日(火曜日)の予定です。

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