平成21年1月5日知事会見記録

ID番号 N11802 更新日 平成26年1月16日

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(平成21年1月5日 10時31分から11時2分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
冒頭に、記者クラブの皆様に知事からごあいさつを申し上げます。

知事
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

広聴広報課
本日は知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
今日の発表事項は、いわて花巻空港の移転オープン日、そして新ターミナルオープン記念キャンペーンの実施についてです。お手元に配付している資料のとおり、いわて花巻空港の新ターミナルについては、今工事を進めているところですが、移転オープンの日にちが、本年4月9日木曜日に決定しました。新ターミナルビルの完成予想図は配付のチラシ、また、後ろのポスターに張ってあるとおりです。
新ターミナルビルは、今のターミナルから滑走路を挟んで東側に移転し、バリアフリー化に配慮するとともに、待合室やロビーのスペースを広くして、より快適に利用いただけるターミナルに生まれ変わります。このオープンを記念して県民の皆様やいわて花巻空港の利用者の皆様に航空券やホテル宿泊券、岩手県の名産品等が当たるキャンペーンを実施することとしました。キャンペーン期間は1月15日から5月15日までのオープン前3カ月、オープン後1カ月の計約4カ月間です。この新ターミナル移転を機にいわて花巻空港を県内外にPRし、より多くの方にいわて花巻空港を利用してもらえるよう取り組んでいきたいと考えています。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いします。
無いようなので、それでは幹事社から県政記者クラブを代表して質問します。
世界的不況が続く中、新年を迎えまして、県民に期待が持てるような知事の決意をお聞かせ願います。

知事
100年に1度と言われるような世界的な金融危機が発生して、それに伴い日本国内の経済情勢も悪化しているところです。これは、いわゆるグローバル化ということで、世界中で行ってきたことが本当に正しかったのかということをもう一度振り返る、反省する、そういう機会なのだと思います。ともすればこれがグローバル化なのだということをそれぞれが勝手に決めつけて自分の得になるようなこととか、色々な偽装問題にあるようなずるいことをしてもよいのだとか、もうかりさえすれば何をしてもよいのだと、そういう人の道を離れて、とにかく手元のお金が増えればよいというようなことが世界中を覆い、日本も含めみんなが振り回された結果、こういうことになっているのだと思います。
今求められているのは人間として何が大事なのか、本当に大切にしなければならないのは何かということを世界中のそれぞれが胸に手を当ててよく考え、そういう中から本当のあるべき仕事の仕方、あるべき社会、そうしたことをみんなで本気になってしていかなければならない、そういう情勢なのだと思います。
そういう意味で、岩手県は世界でも有数の自然に恵まれ、また千年を超える歴史、縄文時代にまでさかのぼることのできるような豊かな歴史の蓄積があり、まじめで勤勉なすばらしい県民が先人の伝統を踏まえて、今色々なところで働いたり、生活したりしている、そういうすばらしい可能性と力を持っている県だと思っています。
この岩手の良さ、岩手の持っている力、それを岩手県民みんなで確かめ合いながら、本当にあるべき社会を地域の中からつくっていく、それぞれの職場からつくっていく、そうしたことを着実に進めていくことで岩手が直面する今の危機を克服していくことができることはもちろん、どのように対応してよいのかわからず混迷している日本の社会や、また国際社会に対しても、こうしていくことがよいのだというようなメッセージを発することができる県だと思います。
今年は丑年ですけれども、ちょうど60年前の丑年に高村光太郎さんが「岩手の人」という詩を発表していまして、その中で「岩手の人 沈深牛の如し」と歌っています。そして、「地を往きて走らず 企てて草卒ならず つひにその成すべきを成す」と。地道にしっかりと、しかし力強く進んでいくことで、岩手において成すべきことを成し、それが日本を変え、世界にも貢献する、そういう1年に今年はしていきたいと思っています。

幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いいたします。
無いようなので、各社からほかに質問があればお願いいたします。

記者
明けましておめでとうございます。
本日、雇用対策・労働室が発足しましたけれども、改めて雇用に対しての知事の意気込みをお聞かせください。

知事
年末に臨時でハローワークプラザ盛岡が開いたときに、私も様子を見に行きました。やはり一人一人色々な違う事情があり、違った対策が求められているということを感じ、まさに県民一人一人に寄り添うような形で対策をしていかなければならないと思いました。何か1つの施策ですべてが解決するとか、1つの窓口で解決するとかという問題ではなくて、県としても市町村や関連の機関と連携しながら、きめ細かく地域の生活の実態でありますとか、それぞれの会社の労働の実態とかを踏まえながら適切にしっかりと対応していかなければならないと思っています。

記者
明けましておめでとうございます。
先ほど今年の抱負ということで話があったのですが、今年必ず解決しなければならないというような具体的な課題もしくは目標があったら教えてください。

知事
ものすごい暴風、逆風の中で吹き飛ばされないようにしっかり地に足をつけて進んでいく年になると思います。そういう意味では、いわて希望創造プランの4カ年計画をしっかり進めていくことをまず目標にしながら進んでいくということが、この逆風に吹き飛ばされないような、しっかりした足取りにつながっていくと思いますので、その辺が目標と考えています。

記者
具体的にこれを必ず解決するというものは何かありますか。

知事
すべてを解決したいという希望を持っていて、今の世界的な金融危機についても、これは色々な有識者がこれをすれば解決するというようなことがどんどん出ていて、私が読んでなるほどと思った中では、ニューズウイークに載っていましたが、世界経済の7%くらいの規模の財政出動というのですか、世界全体で4兆ドルの財政出動をやれば今の問題は克服できるとありました。オバマ政権は、アメリカでそのくらいの規模の財政出動をやるらしいですし、そういうやるべきことを的確にやっていけば年内にも希望に向けた展開は可能だと思っているので、日本国においてもそういう展開になっていけば岩手の県民が直面しているそれぞれの課題について、どんどん解決されていく、克服されていく年にできると思います。

記者
今年もよろしくお願いします。
知事は、先ほどの職員訓示の中で、あるべきグローバル化の新しい仕組みをみんなでつくらなければならない、どんなシステムにすべきかという答えは暮らしや仕事の中にあるとお話しされていましたが、今、日本全国で失業者が増大して、あるいはその一方で東京に人口が一極集中するという課題も生じております。この岩手において、新しい仕組みというのは、知事はどのように描いていますか。

知事
平泉の精神の自立と共生の理念です。共生については人と人との共生、人と自然との共生があり、岩手の豊かな自然を活用した農林水産業を基盤にしながら、そこで人が一緒に働いて稼いで食べていくことができる、そういう岩手ならではの産業構造を構築していくことが大事だと思います。もちろん農林水産業は、生産するだけではなく加工から流通、消費者の手元に届くところまでカバーするような形で産業化していくことが、生産者も含めて所得の向上につながっていきますし、そういう第1次産業の基盤がしっかりする上に、ものづくり産業や観光関連産業などの第3次産業も発展させていく、そして去年、文化芸術振興基本条例を制定し、環境王国宣言を出しましたが、実は21世紀の新しい経済構造改革の方向性としては文化で付加価値を付けていく創造産業と言いますが、その創造産業が花開いている都市をクリエイティブシティーとユネスコも呼んだりしていますが、そういった方向、また環境面では今ある経済構造を変えて脱炭素型社会を目指し、森林の活用とか、畜産から出てくる糞尿を利用したエネルギーや肥料といった有効活用とか、そういう岩手ならではの、岩手型というのが21世紀の世界が求めているような方向性でもありますので、そこをきちんとみんなでわかって力強く進めていくということが希望につながっていくと考えます。

記者
今お話しされた1次産業の基盤の強化というのは、長年言われながらなかなか進まないというか、就労者の減少とか、あるいは耕作放棄地の増大とか、そういう問題が生じているのですけれども、今年、特に新たに取り組むものがあったらお聞かせください。

知事
今までと違う動きは色々なところに出ていて、地元の銀行さんを初めとした経済界も非常に農林水産業に関心を持って新しいビジネスを進めていこう、そして地域の中で物やお金が回っていく、そういう経済構造をつくっていこうというかなり強い覚悟を持たれていると感じています。県としてもそういう意欲のある生産者、また担い手になりたいという人たち、そして地元の経済界の皆さんと連携をしながら、今まで以上に農林水産業の担い手が力強く、そして数の上でも増えて働いていけるように支援をしていきたいと考えています。

記者
これは今年の県政の重要課題の一つととらえてよろしいのでしょうか。

知事
そうですね、重要課題の一つと言ってよいと思います。

記者
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
知事は、今年、初夢を見ましたでしょうか。

知事
初夢は、色々な夢を見ました。私は、夢は結構たくさん見るほうなので、家族とか、同級生とか、身近な人が出てくるような夢をたくさん見ました。

記者
披瀝できるもので知事の仕事とかかわるようなことで、何かありましたら教えてください。

知事
今年の年末年始というのは、非常に身近なところに回帰していくような風潮が世の中全体にあったのではないかという気がします。初夢もその影響を受けているのかと思いますが、家族とか、地域とか、都道府県とか、テレビをちらちらと見ていても都道府県をテーマにした番組が結構多かったような感じがしますし、そういう夢を見ていました。

記者
先ほど重要課題の一つとして1次産業の基盤強化を挙げられましたけれども、昨年は前半を中心に特に自動車産業の集積とかといったことにも力を入れてきました。一方で、今年は1次産業の基盤も強化するということで、県の限られた予算の中で、「二兎追う者は一兎も得ず」という言葉もあるとおり、両方やっていくよりはどちらかに集中するということも選択肢の一つになってくると思うのです。両方同時並行で進めていくのか、それとも限られた資金をどちらかに集中的に投入して強固にしていくのか、その辺の見解がありましたら教えてください。

知事
まず、全体としてなるべくお金を使わないようにというのがあらゆる分野について共通した考え方であります。ですから、何か施設整備とか、あるいは補助金でばんばんとやっていくというよりはマッチングとか、情報の提供とか、そういうコンサルタントとか、広告代理店とかがやるような仕事を通じて地域の付加価値を高めていくようなアプローチを県としても重きを置いていかなければならないと考えています。
また、この1次産業、2次産業、3次産業、それぞれ岩手は豊かな可能性がある一方、現状はまだまだ満足できないところにあるので、これはいわて希望創造プラン4カ年計画の中でもそれぞれ全力で取り組んでいく形になっていますし、またそもそも県民所得、雇用情勢、人口減少への歯止めにしても、とにかく見込みのあるものについては何でも手を出していくというアプローチが今求められているのではないかと考え、取り組んでいるところです。

記者
何でも手を出してということですけれども、所得向上のため、製造業の企業誘致などを図っているわけですけれども、今回のような不況の風が吹くと一気に雇用面が不安定な部分もあって、新たな問題が生じてしまいます。そういう意味で企業誘致の怖さみたいなものがあるかと思うのですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせください。

知事
数千人規模で今職を失っている人がいるということは、非常にゆゆしい問題であって、真剣に取り組んでいかなければならないと考えているのですが、一方そうした会社、企業が全部合わせると数万人という単位の雇用を今こういうご時世の中で確保してくれているということで、やはりそういう力のある企業というのは雇用の面で全体としては頼りになるということだとも思っています。
そういう意味では、特に過去に景気が悪化する中で撤退するということが深刻な問題としてあったわけですので、撤退せずに地域に溶け込んで、誘致企業というよりも地元の企業だというふうになってくれるような企業にどんどん立地してもらうということについては、これからも力を入れていかなければならないと思っています。

記者
今年もよろしくお願いします。
先ほど知事は新しい岩手型の社会ということで、環境についても触れておりましたが、それについてちょっとお聞きしたいと思います。環境に関することでございますと、森林産業であるとか、バイオガスであるとか、そういったようなお話がありましたけれども、環境に優しい社会という理念はできてきたと思うのですが、具体的なものとして進んでいかないというか、そういったものも多々見受けられると思います。具体的に岩手型の新しい社会ということで、産業として環境分野をどのように盛り込めるのか、知事の中でアイデアとかありましたら教えていただければと思います。

知事
ペレットやチップの木材を燃料にするということについては、おととしの19年度から企業関係のほうに軸足を移してきたわけですけれども、今まで重油を燃やしていたのをチップボイラーに切りかえたという会社が実際に登場してきていて、それがちょうど原油高もあってコスト的にもよかったし、またそれがエコを重視している会社ということでお客さんにも評判がよいということで、そういううまくいくケースが増えてきていると思います。北海道に次ぐ全都道府県の中で最大の森林県の岩手でありますから、そういったところから始めて、環境志向の経済構造へと進めていきたいと思います。

記者
今の北海道に次いでの森林もあることはあるのですが、自然環境という意味では、緑は多いのですけれども、緑の質というものが実は東北の中でも一番低いというふうに岩手は言われておりまして、人工林とかの手入れがうまくいっていないところもあるのですが、そこら辺についての森林政策について、環境を利用して経済的なところも得られれば一番よいとは思うのですが、自然保護というか、環境保護に関してもある程度配慮していかなければいけないと思うのですが、そこら辺はいかがでしょうか。

知事
いわての森林づくり県民税もいただいていまして、これで間伐をどんどん進めていこうということでやっているのですが、これをもう少しソフト的な事業にも広げて、それで県民の理解を深め、そして色々な参加を広げながらやっていければよいと思っています。

記者
今日から通常国会が召集されます。年頭に当たりまして、改めて今の政治の有り様を知事はどう見ているのか、それと今年必ず衆院選が行われますけれども、どのような政権が望ましいか、知事のご所見をお伺いします。

知事
岩手県民として、一県民として関心が一番あるのは小沢一郎民主党代表が総理大臣になるかどうかということです。今年中に衆議院議員選挙は必ずありますので、小沢一郎総理大臣が誕生するのかどうかということが岩手県民として非常に関心がありますし、また、一県民としては是非、かつ一日も早く小沢総理大臣に誕生していただきたいと思っています。
そして、先ほどオバマ政権の大胆な経済政策を紹介しましたけれども、日本の場合、そういう思い切った財政出動を行うことについては、現下の政治不信がありこれ以上借金を増やすことは絶対だめだという世論が形成されているのだと思います。したがって、借金を増やし、財政出動しさえすればよいということではないのですけれども、いずれにせよ今までやったことがないような思い切った手を打っていかなければならないという局面の中で、やはり信頼できるリーダーシップというのが非常に大事だと思うのです。様々なマスメディアの世論調査で今の日本の総理大臣よりも総理にふさわしいという数字が出ている小沢一郎さんについては、オバマ大統領に勝るとも劣らないリーダーシップを発揮して日本の経済的危機を克服することができると私は思うので、そういう意味からも一日も早い小沢一郎総理の誕生を期待したいというのが年頭の国政に関する思いです。

記者
職員訓示のときも机の上にありましたが、記者会見場の演台にもある金色のベコの由来、あるいはどこのものなのかとか、何か紹介するところあれば紹介していただきたいと思います。

知事
「岩手のもの」です。そして、これは黄金の國の黄金の牛です。牛は岩手の象徴でもありますし、またかつて金を運んだり、あるいは塩を運んだり、色々なものを運んだ経済的繁栄の象徴でもありますので、今年一年金のベコッコにあやかって岩手を本当に良い年にしていきたいという思いで飾っています。

記者
このベコは、1年間飾っておくのですか。

知事
今日はここに飾っていますが、色々なところに色々な形で登場してもらうことになるのではないかと思います。

広聴広報課
よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は1月13日(火曜日)の予定です。

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