平成19年5月8日の記者会見記録
ID番号 N11916 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成19年5月8日10時32分~10時59分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
2点お伺いしますが、1点目は、知事に就任してからゴールデンウイークを挟みながら1週間がたちまして、仕事が始まっての感触といいますか、どのような手ごたえを感じていらっしゃるのかを伺います。
2点目は、午後から就任後の初めての県議会本会議が始まりますが、議会の最大会派である民主・県民会議、そして知事ご自身が所属されている民主党との距離のとり方について今までも指摘がありました。改めて議会運営の方針についてお聞かせください。
知事
まず、この1週間の感触ですけれども、大分慣れてきました。県庁の方でも大分懇切丁寧に準備をしていてくれましたし、また任期が始まってからも非常によくサポートをしてくれていますので、大分色々な情勢把握ができてきており、また、調査事項、協議事項等につきましてもかなりよい感じで県庁というところに私がプラグインして、非常に高いシンクロ率で動き始めたと思っております。
県議会との関係につきましては、私も議会という場で10年以上修行を積んでまいりまして、議会というものの民主主義におけるかけがえのなさというものを承知しておりますので、まず敬意を持って接したいと思っております。そして、知事として、行政の執行部の代表として議会に臨むに当たりまして、不偏不党、公正中立で臨みたいと思っております。今までも当選直後から記者会見やインタビュー等で議会の議長人事等も絡んだ質問などもいただきましたけれども、知事がそうした議会の自立権といいますか、議会の中で議員が決めることについて干渉することは、厳に慎まなければならないと思い、そういうことはしないできたつもりでしたし、これからもそのようにしていきたいと思います。
政党との距離のとり方については、知事就任直後、先週の1日、2日に民主党だけではなく自民党、社民党、公明党、共産党、すべての政党にごあいさつに伺いまして、平等、対等に扱っているつもりでございます。これからもそうしていきたいと思います。
記者
先ほどの県議会の質問に関連して1点お聞きします。
5日に民主党県連が知事の後継となる衆院岩手1区補選に階さんを擁立されました。その会見の席で、知事が会見の前にネクタイを託したことに対して県議会の方、自民党などの反発の声も出ています。改めてその思いのほどといいますか、そのスタンスについてお聞きします。
知事
実は私は、知事に就任してからは県産品のネクタイしか使っておりません。したがって、今まで使っていた真っ赤な鮮やかなネクタイというのはもうほとんど使わなくなるだろうということもあり、これから戦う、そういう機会も多い階さんに差し上げました。
また、これも知事としてというよりは政治家個人としてではありますけれども、民主党岩手1区の総支部長を引き継いでいただくということもありますし、そこは私を支持してくださった選挙区の有権者の皆様をはじめ、また選挙区のすべての皆様に対して自身の後継の選択肢を示していくことが政治家としての私の責任だと思い一生懸命応援いたしました。
次の1区の衆議院議員を選ぶのは有権者の皆様ですが、私の後継というか、後任というか、その選択肢をきちんとお示ししないと、衆議院議員を辞して知事選に立候補したということとの関係でかえって無責任になることから、選択肢をきちんと示していくということが政治家としての私の大きな責任だと思っております。
もう一つ、さはさりながら知事が政党に関与していくことはどうなのかという批判があるかもしれませんけれども、月刊ガバナンスという地方自治の雑誌がありまして、その中に西尾勝さんという方の記事が掲載されております。この方は地方分権に関しては日本の第一人者だと思いますが、政府の地方分権推進委員会の委員を務めたり、また地方制度調査会の副会長を務めたりされた方で、第一次分権改革の推進役になった方です。西尾勝さんはまず冒頭、都道府県議会議員選挙にも比例代表制を導入した方がよいのではないかということを言っているのです。その趣旨は、地方政治も政党本位の近代的な、民主的なものになっていかないと真の地方分権は実現できないという考え方が背景にあるわけです。
分権改革というのは政治の分権なのだということを述べていらっしゃいまして、究極的に分権とは国会と内閣で決めていたことを都道府県知事と都道府県議会が決めるということ、もともと地方分権というのは政治の分権という意味を持っている。ですから、私は地方にきちんとした政党政治を打ち立てていくということをしないで地方分権というのはあり得ないと思っておりまして、単に事務を国から地方に移せば地方分権ができるわけではない。地方に住んでいる人たちが投票行動をはじめ、政治的な行動を通じて地方に住んでいる住民が知事選を通じ、県議選を通じ、政治活動を通じて地方のことを自分たちで決めるということこそ地方分権の本質だと思っていますので、その政治的な部分においても、岩手のためにも、日本のためにも、そして人類が勝ち取ったデモクラシーというものをさらに発展させていくためにも力を尽くしたいと思っています。ポイントは、行政の中立ということを侵さなければよいと思っています。これは何度も言っていることですが、政治信条や政治姿勢で予算執行などの行政権の行使で差別的な扱いをするとか、あるいはそのような発言で脅かすとか、そういうことをしないということが知事と政党や政治との関係の中で守っていかなければならないルールだと思っています。ですから、行政としてそういう原理原則を守っている限り政治的にはかなり自由にやらせていただいてもよいというふうに思っています。
記者
今の知事の発言に関連して伺いますが、地方分権について、知事のおっしゃられたことは全くもってそのとおりだと思います。さりとて政治家の顔と知事の顔を使い分けたとしても体は一つなので、有権者の方は達増拓也という人を見て判断されると思います。そのときに、先ほどの説明をちゃんとしなければ、知事が行政の中立と言っても、やはり民主党に肩入れしているのではないかと有権者の方は思ってしまうと思います。そのことについて、これからどのように周知していくのか、理解を得ていくのかということについて教えてください。
知事
今のようなやりとり等、機会があるごとに説明する努力をしていきたいと思います。また、そうであればこそ議会と知事とのチェック・アンド・バランスの関係という制度もあるわけでありまして、議会側から知事が行政権を不当に行使していないかということをきちっとチェックしていただかなければならないと思っています。そして、確かに首長が政党に関与したり、また政治的な活動を積極的にすることが日本ではまだあまり浸透していないかもしれませんが、これも世界中ではそれが当たり前といいますか、それなくして民主主義はないということが世界的には浸透していると思います。アメリカの州知事は政党に基盤を置いていますし、フランスの場合は知事というのがなくて県議会議長が地方行政を仕切りますし、また市長、首長は国会議員を兼職できますから、そこも政党色を非常に強く持ってやっている。そういったやり方こそが住民や国民の権利を憲法のもとで実現するためにはよいのだということをまずこの岩手から全国に広めていければと思っております。
記者
今の知事の発言に関連して伺いますが、政党による知事というものを具体的にどのような形で出していくのかということがわからないのですが、むしろ議会との中立ではなく、民主党に思い切り寄ってしまった方が、民主党の知事を選択したということの意味合いが有権者にとってわかりやすいと思います。有権者にわかりやすいように実際に岩手から発信していくのであれば、どのような取り組み、どういうところで民主党という立場を打ち出していくのかということについて、今の段階の考えをお聞かせください。
知事
わかりやすく言うと、政治というのは非常に自由な世界、何でもありと言ってよいと思います。しかし、行政というのは、これは非常に抑制的に権力は行使されなければならなくて、憲法を初め地方自治法とか、法令、条例、規則等にしたがってやっていかなければならないわけであります。その点を守った上であれば政治的な部分では裁量の幅を有するものと考えます。そういう意味では実は欧米や、最近はアジア諸国でもかなりそういう首長が政党を基盤にして政治的に色々特色を打ち出しているケースはありますけれども、それに比べると、抑制的にやっています。おっしゃるとおり、もっとはっきりさせた方がわかりやすいという指摘もあちらこちらからいただいています。ただ、その辺はそれこそ自由にやらせていただきたいというところでありまして、岩手において地方政治というものを発展させ、よりよいものにして、そして原敬首相や齋藤實首相、米内光政首相がそれぞれ体を張り、また命を犠牲にして育てようとしてきた日本の民主主義を発展させていくために、ある程度クリエイティブに、自由にやらせていただきたいと思います。
記者
県職員の昼休み時間について伺いますが、今年の1月から45分間に短縮されましたけれども、これについては再三周辺の飲食店から見直しを求める声が上がっていたり、職員からも45分では短いという声も出ています。何かの会見のときに一度お話出たかと思いますが、改めて知事としてどういう対応を考えているのかお聞かせください。
知事
まず、規則は規則であります。そして、規則を変える必要があるかどうかは担当部局とも相談しながら決めなければならないことだと思いますが、まだ今の時点で規則を変えなければならないとは思っていません。
一方、昼休みの過ごし方というか、あるいは昼休みに接する勤務時間の使い方については、それぞれの課長や上司と相談しながら仕事に差しさわりのないようにといいますか、あるいは仕事をより効果的に行えるように工夫しながら勤務時間を使ってもらえばよいと思っていて、これは部署によって全然違うものと思います。庁舎内での仕事が中心のところもあると思います。しかし、できるだけ外に出て市民生活、県民生活に触れながらやっていく方がよい部署もあるのではないかと思っています。その辺はそれぞれの部署ごとに判断して対応してもらえばよいと思っていて、その中で昼休み時間を超えて外で食事をするということがあってもそれはおかしくないと思っています。
記者
例えば45分の昼休みは短いということで、1時間とした分を退庁時間又は登庁時間の終わりか始まりのどちらかを15分延ばすか早めてほしいという声も職員からあります。知事としては選択肢として今の時点でそういったことを考えていますか。
知事
県民生活にも色々影響があるという報告も受けていますので、そこは今のやり方でよいのかどうかというのは今のやり方をもう少し続けつつ、見直し的なことは必要だと思っていますけれども、今の時点ではルールを変えなければというふうには思っていません。
記者
選挙のときに希望王国マニフェストを出され、それを実際に実現されていくにあたり具体的な施策の策定が行われていると思いますが、今の進捗状況といつ頃までにどこまで、どういう形で出されるのかということをお聞きします。
知事
まず、6月補正予算の中にどういった形で盛り込めるかということをそれぞれ関係部署に検討してもらっているところです。また、県の長期計画とか、色々な中長期的プランとか、そういった中に反映させられないかという研究といいますか、検討もしてもらっているところでありまして、その作業はよい感じにスタートしたと思っています。早いものについてはまず6月補正予算に反映させるということです。その後も秋までにとか、色々なスキームに合わせながら随時マニフェストでお約束したことを県行政の中に具体化していきたいと思います。
記者
それは、特に増田知事の40の政策というような形でまとめるのではなくて、プランの中に組み込んでいくという形で実行されるということですか。
知事
そのやり方も含めて、まさにそういった40の政策はこうだったというような議論も既にスタートしていて、そういう形でするのがよいのか、あるいは他のやり方があるのかというところも既に検討に入っていますので、決まり次第どんどん発表していきたいと思います。
記者
2点伺いますが、6月補正予算の関係で、知事はかねてから県民の生活にかかわる指標を重視するとおっしゃっていたのですが、今回の補正予算では、どの指標をどうするという形で予算をつけていくのか、具体的なその指標があれば幾つか教えてください。
知事
そこも申しわけないですけれども、検討中ということでして、そこは予算の概要と同時に発表できる形になるのではないかと思います。
記者
次に、ジェットコースターの事故の件について、県内での調査状況とか、今の状況を伺います。
知事
例えば、ジェットコースターは盛岡市内にもありますけれども、そこは盛岡市を通じて調査、検査をしてもらっているのですが、そのような情報を県でも把握しながら遺漏のないように努めているところです。
記者
岩手競馬についてお聞きしますが、開幕から1カ月たちまして前年度より売り上げが3.5%下がっています。4月分は計画比4%減という状況なのですが、この現状をどのようにとらえているのでしょうか。今後売り上げ増、コスト削減に向けててこ入れが必要と思いますが、どのような対応をとられるのか伺います。
知事
就任前に、予想よりも低い売り上げになってしまうのではないかということは予想して発言していたのですけれども、その予想のとおりになっていると思っています。したがって、一つは、まず売り上げの落ち込みにはそれぞれの理由がありますので、その原因となっている問題を克服することで売り上げを増やすことについては、努力してもらわなければならないですし、コスト削減も必要だという思いを強くしております。こうした問題意識は5月1日から競馬組合側にも伝えてありますし、また構成団体としての県の担当にも伝えているところであります。早い段階で、きちっと見直し、黒字が出せるようにになるための見直しが必要だと思っておりまして、そのことはもう先週から、そして今日も関係部局に伝えているところです。
記者
早い段階とは、具体的にいつ頃を目安にとお考えでしょうか。
知事
四半期ごとに見直すスキームになっていますから、その最初の見直しのところで安心できるところまで改革しておくことが必要ではないかと思っています。
記者
先ほどの知事の発言の中の政治と行政の関係について伺います。具体的に言いますと7月に参議院選挙があります。先日の衆院岩手1区補選の発表のときにも知事が立ち会われていました。かなり自由にクリエイティブにやるという話ですけれども、規則とか憲法に違反しない段階で、知事として選挙にはどの程度かかわるつもりなのでしょうか。その辺を少し具体的にお聞かせ願います。
知事
行政の執行者としては、決してその地位を利用して選挙運動をするようなこと、例えば、応援しないと予算をつけないぞとか、首長に対して応援しないと暗黒時代になるぞとか、そういうことは私はいたしません。また、政治家個人としては、これは本当に自由にというところが大事で、それも同じ志を持つ仲間や、支持者の皆様と一緒につくっていくものなので、それはそれで勝手気ままにやるわけではないというところがありまして、それがまたデモクラシーの発展ということの一つの形だと思っているのですけれども、そういう中でクリエイティブにやっていきたいと思っています。
記者
簡単に言いますと、それぞれ演説会とか色々ありますけれども、応援にも機会があれば、時間があれば大いに参加されるということでしょうか。
知事
そこも今の段階では白紙です。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は5月14日(月曜日)の予定です。
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