平成19年6月4日の記者会見記録
ID番号 N11912 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成19年6月4日10時31分~10時55分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
先月30日の県南圏域の各首長さんとの意見交換会において、自動車産業等の振興、医師不足、藤沢町と一関市との合併等々、色々な課題が話し合われたと思いますが、知事はこの話し合いの成果をどのように認識していられますか。また。これを受けて6月補正予算に何か反映させるものがあるのかどうかについてご所見を伺います。
知事
県南という広域のまとまりが、一つの圏域として機能しているという実感を得ることができたことが一つの成果です。その中で、市町村ごと、あるいは地域ごとに色々な課題があるという共通認識を深められたことが第2の成果でして、そういう中で可能性をさらに伸ばしていく、課題を克服するための事業を6月補正予算にも反映してまいりたいと思います。
記者
医師不足の問題で産婦人科医、特に胆沢病院が今危機的な状況にあり、地元では産婦人科が廃止されるのではないかという懸念も大分出ているようです。今週、病院体制の要望に来られるようですが、改めて当面の措置として県としてどのように対処していくのかということと、その結論をいつ頃までに出すお考えであるのかということをお聞きします。
知事
岩手県周産期医療協議会などで周産期医療圏の再編について検討いただいておりますけれども、そういった専門家の意見を参考にしながら、地域の開業医の様子等踏まえつつ、県立病院等の病院間でどういう調整ができるかということを早急に調整しなければならないと思っています。いつまでということについては、締め切りを決めて結論を出すというよりは、関係のお医者さんが退職する時期とかそういう個別具体的な日にちに合わせて調整をしていくことになると思います。
記者
先週の木曜日と金曜日に愛知県と大阪府等に企業訪問に行かれたと思いますが、何社ぐらいでどういう企業を回ったのかということと、今回訪問しての手応えについて教えてください。
知事
相手もあることであり個別具体的な企業名はお答えできないのですけれども、岩手に工場がある会社の本社や進出してくれそうな会社の本社に対して就任あいさつ、そして色々な意見交換をして参りました。その中で、既に岩手に工場がある会社は、最近それを拡張したところも結構ありますし、かなり岩手の立地条件について好感を持っているという感触を得ましたので、そういった立地環境整備については県としても引き続き取り組んでいかなければならないと思いました。
また、岩手で色々進めている人材育成やものづくりに関する事業等々、そういうことの情報を伝えてきたのですけれども、先方はそういったことに対してかなり好感を持っていました。
また、名古屋や大阪の岩手に個人的にゆかりある人たちと会食するという企画もあり、非常に岩手のことを真剣に思ってくれている企業人が名古屋や大阪にもいらっしゃるのだということについて素直に感激いたしまして、そういった人たちの協力も得ながら名古屋や大阪方面での、そういう中部や西日本での岩手のアピールというのも取り組んでいかなければならないと思いました。
記者
岩手競馬について伺いますが、先週30日の運営協議会幹事会で収支計画の見直しとコスト削減調整について組合から案を示したようなのですが、売り上げの低迷が続いているなかで、収支計画について8%の下方修正で大丈夫なのかという点と、今後のコスト調整の協力をどのように得ていくのかという見通しを教えてください。
知事
コスト調整というのは、危機を希望に変える決め手でありまして、今まで単年度黒字を達成できなかった理由は、やはり、年度途中にコスト調整をするということをしなかったことが大きいと思います。毎年、このままだと今年も赤字になってしまうという時に、売上の伸び悩みに応じて年度途中にコストを削減すれば、とんとんでいける。黒字化というのはやろうと思えばできたはずなのですけれども、結局、競馬組合議会で決めた予算だからということでしょうか、予算どおり出すものは出してしまう。とにかく、売上を伸ばさなければということだけに集中していたと思います。けれども、それが失敗の本質ですから、売上に合わせて年度途中にコストを削減するということができる岩手競馬になることが、これから毎年黒字にできる体質になることですから、そこが今年度の目標というか、課題というか、達成しなければならないことだと思います。そこはもう、理論的にそれしかないので、あとは総論的な関係者の意思は、大体コストを削減するしかないというところに固まっていると思うので、具体的にどこをどう減らすという決め方の問題になっていくと思います。
記者
収支計画の売り上げ目標額を8%下方修正するということですが、このくらいで安心できる数字なのかどうなのか伺います。
知事
この間の競馬組合議会で競馬議員さんから指摘がありましたけれども、風評被害ではないのかとか、岩手競馬はもう終わってしまったと思っている人もいるのではないのかとか、そういう指摘が競馬組合議会であったと思います。そういう逆風の中で、これは気をつけなければならないのですけれども、あのくらいの売上に対する未達率ということは、コスト削減などがもうできなさそうだな、廃止はもう決まったのも同じだなという雰囲気が広がれば、もっと収支は悪化、売上は落ちる可能性もあると思いますし、逆に、やるべきことをやることによって、来年も再来年も続く、岩手競馬が再生されたのだなと思えば、売上増にもつながっていくと思います。そういう生き物なので、そこの数字をどうやってぴたりと当てるかということよりも、存続に必要なことを、やるべきことをしっかりやるという態度こそが勝負であって、そこをきちっとやりさえすれば、どのくらい売上が落ちるのかというのは、2次的、3次的な問題だと思っています。
記者
岩手競馬に関連して質問します。収支均衡のために売り上げを下方修正する一方でコストを削減していくという手法は、仮に売り上げが伸びない場合はそういう手法が繰り返し続くこととなります。しかし、こういう手法にもいつかは限界がくると思いますが、今の段階でその限界点をどのようにシミュレーションしているのでしょうか。
また、こういった手法について本当にやっていけるのかどうか、その辺いかがお考えなのか伺います。
知事
人口減少率と同じで、人口減少というのは、いつまでも続くものではないと思います。今のまま人口減少すると何年後かには人口ゼロになるという計算になるのですけれども、人口ゼロになるというのはあり得ないので、どこか下げ止まるところは必ずあると思います。これは、競馬の売上も同じことで、どんどん下がってゼロになるということはあり得ないと思います。一定の売上というのは必ず底があるはずなので、ゼロに向かっていつまでも下がり続けるということは、あり得ないと思います。ですから、その辺の底になっても黒字を出せる体質になっていれば、永久に存続可能であります。もちろん売上は生き物というところがあって、潜在的な可能性を掘り起こせば、売上がもっと早い段階で下げ止まったり、あるいは上向いたりというのもあり得ないことではないと思います。
記者
参院選の公示まで1カ月、衆院の岩手1区補選の告示まで1カ月と、共に1カ月後に迫っています。知事は、以前国会議員を務めていましたけれども、今回の国政選挙、特に参院選で問われているものというのは何か、あるいはその争点というものは何か、首長の立場からどのようにお考えなのかお伺いします。
知事
首長の立場といたしましては、県や市町村の選挙管理委員会を通じて適正な選挙を行うことが務めであります。6月補正予算には岩手1区補選の選挙の経費も予算として計上いたしますし、それを適切に執行して明るいさわやかな清潔な選挙を行うということが知事としての使命であります。ちなみに、政治家といたしましては、そこは自由に活動させていただくということでございますけれども、今は知事としての答弁をさせていただきたいと思います。
記者
政治家としてはいかがでしょうか。
知事
先週1週間の日本政治の動きを見ていますと、異常事態と言える出来事がありましたが、本来、あってはならないことが発生したと思います。したがって、今の日本政治の有り様を大きく変える、そうしたことがこの夏の国政選挙には望まれていると思っておりまして、その方向でできることがあれば力を尽くしていきたいと思っています。
記者
今お話された先週1週間の日本政治の異常事態というのは、何を指して異常事態ととらえているのですか。
知事
一つは、松岡農水大臣の自殺ということ、もう一つは年金について、記録不備により、5,000万件の宙に浮いたデータがあるということが発覚し、それをめぐって、河野議長もいかがなものかというような混乱が国会にあったということです。
記者
先週、国の人口問題研究所で公表した統計で、岩手県の人口が30年後には104万人位となり、場合によっては100万人を切るという結果が示されました。その要因として都市部への人口流出とかありますが、それによって岩手県の場合は、中山間地が限界集落ということになると思います。この推計人口の結果をどのようにとらえているかということと、中山間地の人口流出にどのように対応していくべきと描いているかを教えてください。
知事
私は、この公表結果は警鐘であって、今のままだとこうなってしまうからそうではなくなるように頑張りなさいという警告、励ましだと思っております。子育て支援、少子化対策、また出産に伴うハードルを下げていく、そういう色々な工夫を政策的にきちんと、あるいはもっと取り組んでいくことで少子化に歯どめをかけ、また地域づくりによって人口流出に歯どめをかけていくことで、推計どおりにならないようにしていかなければならないと思っています。
記者
知事査定が今日から始まりますが、改めて編成方針をご説明ください。
知事
一つは、選挙のマニフェストで訴えていた「新地域主義戦略」とか「岩手ソフトパワー戦略」とかの2大戦略、また政策の6本柱、その公約をできれば着手、また具体的な着手までいかなくても方向性を示すような予算にしていくことが第一と考えています。
もう一つは、プライマリーバランスの均衡という目安に従いつつ、できるだけ県民生活、県民経済を向上させるような予算にするということだと思っています。
記者
胆沢病院の産科を廃止するという方針が県から伝えられているというふうに一部で報じられていますが、県の方針では廃止と決めているのかどうか伺います。
知事
そこは関係者と調整をしながら応急処置的な人の張り付けをしていかなければならないのですけれども、私のところでそう決めるというよりは現場の実態に即しながら決めていくという感じでこの問題は受けとめています。
記者
今後、地元の自治体等と話をして決めていくということですか。
知事
今週、奥州市長が県庁にいらして話も伺いますし、そういったことを踏まえて進めてまいります。
記者
昨年来話が出ています東芝の工場拡張の件ですが、今後、東芝に企業訪問して誘致を要請する予定があるかどうかという点と、誘致について北九州とかなり争いになっていますが、現状の見通しとして勝算はあるのかどうかお考えを伺います。
知事
個別具体的な企業訪問の計画については、相手もあることなので明かすことはできません。企業誘致の見通しも、最終的には当該企業の経営判断というところになりますので、県庁として立地環境の整備、また狭い意味での誘致企業、企業立地環境整備ということだけではなくて、岩手全体が希望王国岩手と呼ばれるような方向に向かってそういう新しい地域振興が行われ、またソフトパワー戦略といったことで広い意味での人材育成、県民の意識改革とか、そういう総合的な施策をきちっと実行していくことで、決めていただく立場ですから絶対こうなるということは県の方からは言えないのですけれども、そういう中で他県に比べてよい政策を今行っており、これからもっと取り組んでいくという思いはございます。
記者
岩手競馬について伺いますが、先ほどコスト削減を進めるというお話で、売り上げに底は必ずあるのでそれに合わせたコストであれば運営できるというお話だったと思いますが、この前出たコスト削減の案というのも、昨年かなりもめました賞金の削減とか映像関係の削減とかになっています。毎回ここの削減をやり続けて、削減にも限界があると思いますが、1カ月程ご覧になって、何で岩手競馬にこんなにコストがかかっているのか、どういうふうに見ていらっしゃるのかを伺います。
知事
そこは運営協議会とか関係者で話し合いを持つ場がありますので、今の段階で予断を与えるようなことは、私からは言わないように控えております。
記者
競馬に関して、廃止は念頭にないとお話されましたが、それは今年度は存続に向けて全力でやるという決意的なものなのか、それとも廃止は赤字であってもしないということなのかを伺います。
知事
赤字なら、これは自動的に廃止です。ただ、行政というのは一か八かでやるものではないと私は思っておりまして、法令に従って、議会の決議に従ってやるべきことをきちっとやる。今やるべきことは、黒字で存続ということなので、そのために全力を尽くすということです。
記者
先ほどの参院選と衆院補選の関係での政治家としてのお答えの中で、先週1週間の政治の動きというのが異常事態だったというお答えがありましたが、まずどうしてそういう異常事態に陥っていると政治家として見るのか。そのありようを変えなければならないということでしたけれども、具体的にどういうふうな姿に変えなければならないのか、そのためには何が必要かという3点を教えてください。
知事
国民の生活の実態をきちっと見据えて、そして国民の生活がよくなるようにしていくためにどういう改革が必要なのか、そしてどういう政策を実行していけばよいのかを明確にすることだと思います。現状は、結果として国としては適切な改革を進めることができないでいるし、必要な施策を実行できていないという点が問題だと思います。ですから、国民本位の、国民の生活を向上させていくような本当の改革と、それに必要な政策を実行していく政府を実現するような、大きな政治の変化というものが今求められているのだと思います。
記者
その変化をもたらすためには何が必要なのでしょうか。
知事
政権交代をすれば一発でオーケーだと思いますし、それに近いことが起きることが望ましいと思っています。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は6月11日(月曜日)の予定です。
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