平成19年6月11日の記者会見記録
ID番号 N11911 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成19年6月11日15時01分~15時45分)
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
最初に知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。
知事
本日は、平成19年度6月補正予算について発表をいたします。
まず、お手元の資料、「平成19年度6月補正予算のポイント」A4横の1枚ものの両面になっているものをご覧ください。
まず、ポイントと書いてある方からです。今回の補正予算は、私にとっては初めての予算編成で、私の政策、マニフェストで選挙戦の最中に公約したものを実行に移す第一歩でございます。危機を希望に変える、そのための戦略、政策の第一歩となる肉づけ予算として編成いたしました。補正予算の規模は302億7,300万円です。なお、この中には衆議院議員補欠選挙関係の経費約2億円が含まれておりまして、それを除くと、いわゆる肉づけ予算分は約301億円となります。補正後の6月現計予算額は7,268億円となり、前年度の当初予算と比較しますとマイナス1.8%であります。
予算編成の基本的な考え方でありますが、これは私のマニフェストで言うところの危機を希望に変える2大戦略、そして政策の6本柱を念頭に置いて今後の県政運営の方向性を考えながら、その具体化を図ったところであります。
その結果、今回の補正予算には県民が直面しているさまざまな問題、雇用、医師不足、広域振興、県北・沿岸圏域振興、産業振興など、そういった課題の解決や、医療や福祉などの県民生活の向上、また安心して暮らせるような環境の整備に特に配慮して積極的に盛り込みました。
また、公共事業についても地域の経済状況が極めて厳しい状態にあることを踏まえ、産業振興や安全・安心な暮らしにつながるような事業を積極的に進めることとし、プライマリーバランスの黒字を守りながら可能な限り補正予算に計上いたしました。
予算の規模としては、平成13年度をピークとして6年連続で縮小となりました。これは、地方交付税等の一般財源の減少などにより財源の確保が非常に厳しい中で、将来の財政運営も考慮して、言い換えますとプライマリーバランスの均衡の範囲内で、基金の取り崩しに頼らず予算を編成したことによるものです。
この二つの円グラフのうちの左側が歳入の状況ですが、歳入については今回の補正の財源として留保をしていた地方交付税約50億円を充てたほか、公共事業等に充てるためプライマリーバランスの均衡の範囲内で約142億円県債を追加発行したところであります。
右側の円グラフ、歳出の状況ですが、県民が直面しているさまざまな課題の解決や県民生活の向上、安心して暮らせる環境の整備などの政策的な事業を盛り込みました。公共事業などの投資的経費についても産業振興や安全、安心な暮らしにつながるような事業を積極的に進めることとしてプライマリーバランスの黒字を守りながら可能な限り補正予算に計上し、公共事業146億円となっております。
プライマリーバランスは、6月補正後の数値で計算した結果、14億円の黒字を維持しています。これは、今後の補正等の可能性も考えれば現時点ではぎりぎりの線と考えているところであります。これによりまして、県債残高も平成17年度をピークに2年連続で減少をしています。
続いて、この1枚紙の裏側、「今後の政策推進の基本方法と6月補正予算で強化する政策」をご覧ください。今後の県政運営に当たっての基本的な考え方、二つの基本戦略、6本の政策の柱についてその考え方を記述し、6月補正予算に計上した主な取り組みについて整理をしたものであります。具体的な事業内容について説明いたしますが、こちらは「平成19年度6月補正予算のあらまし」、このA4縦長の冊子の方をごらんください。11ページから具体的な事業内容の主なものを紹介しています。まず、二つの基本戦略の第1、新地域主義戦略、新規事業として広域振興事業を計上いたしました。四つの広域振興圏ごとにそれぞれの地域資源を生かした産業振興等に向けた取り組みを展開するため、振興局の発案により事業化するもので、9事業3億円余りを計上しています。
次に、県北・沿岸振興といたしましては、県北・沿岸地域の振興に重点的に取り組むという配慮、県北・沿岸地域の市町村長の皆さんからのご意見も伺いまして、そういうご意見も参考にしながら予算編成を行いました。
次に、12ページ、いわてソフトパワー戦略です。13ページに移りまして、平泉をはじめとした文化や芸術の次世代への継承のため、平泉の世界文化遺産登録や文化芸術活動の振興に向け、取り組みを進めていく事業をここに紹介しています。
また、いわてブランド力を積極的に全国や世界に向け発信していく事業を13ページ下の方に掲載しております。
めくって14ページからは政策の6本柱に沿った事業の紹介でありまして、1、教育、人づくりでは、いわてコミュニティ・スクール推進事業費2,500万円などが紹介されています。
まず、15ページです。医療、福祉の充実は、岩手医科大学に対する医療人材育成支援事業費8,600万円などが紹介されております。
16ページ、農林水産業の振興、環境と共生する産地づくり確立事業費、これは3番目のものですが、1億1,260万円のものを紹介しております。
17ページ、産業経済・観光の振興ということで、いわて希望ファンド、4番目の二重丸ですが、いわて希望ファンド組成・推進事業費45億円余りを紹介しております。
そして、18ページ、環境の保全・創造、ここではそれぞれ大事なのですけれども、ここに書いているほかに県境不法投棄現場環境再生事業8億円なども計上してございます。
そして、19ページ、(6、防災安全対策の強化は、地域防災力強化プロジェクト事業2,000万円などを紹介しております。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
6月補正予算により年間通しての予算の内容が示されたところですが、歳出の中で人件費、扶助費、公債費の義務的経費が約半分であり、これはかなりきつきつの財政運営だというところが正直な感想です。当初予算のときよりもその経費の割合は落ちているのですが、これは達増知事の責任でもないわけなのですけれども、この辺を減らしていかなければ知事のマニフェストで掲げる政策の実現は難しくなっていくのではないかと思います。この義務的経費が歳出の50%を占めることについての考えを教えてください。
知事
義務的経費の中には、人件費とか、また毎年、毎年同じように執行している事業とかがあります。中長期的といいますか、今回の補正はつけ加える予算でしたから、来年度予算の準備以降は、やはりむだはないのかと、さらに減らすことはできないのかというチェックはしていきたいと思っております。そうしたことと並行しながら新機軸を打ち出していけるよう工夫をしていきたいと思います。
記者
増田前知事は公共事業について削減方針をずっと貫いてきた形があり、建設業者の社長さんからは何とかしてくれという悲鳴が上がっていたと思います。それに一定程度配慮した形だと思うのですが、ある意味地方の経済状況が悪いということもあると思いますが、県債を発行してまで公共事業費を積み増した理由を改めてお伺いします。
知事
まず、必要なものはやるという原則があります。やはり地域の生活や、また産業振興の観点、それから安心・安全もポイントです。そのために必要な公共事業はやるというのが一つの方針です。それで、無理に抑制しないということもあり、プライマリーバランスの均衡の範囲でできるだけというところにあるのは、いまだ岩手の経済が県民所得の下落からまだ回復できていない状況と県民経済の停滞状況の中で、やはりプライマリーバランス均衡のもとでできるだけ減らさないようにするという、そういう基本方針を持って臨みました。
記者
補正ということもあるのですが、歳入がなかなか伸び悩むところがあり、今回は交付税を充てたということだと思います。国が地方にどれくらい税源移譲を行うとか、自由に使える金を地方へ持ってくるかということもありますが、財源の確保はかなり厳しい状況だと思います。その中で、歳入を増やしていくために、例えば、県独自の条例をつくり県民にこういうことをするので、こういうお金が必要だということを提案していくようなことを今現在考えているのかどうかを教えてください。
知事
県民経済が低迷している状況で増税、負担増というのはなかなか難しいと思っています。ただ、グローバル化が進む中で、一つはそういう世界市場で戦って勝てるものを岩手の中につくっていくという方針があるのですが、もう一つはいわゆる勝ち組にならなくてもお互い助け合って幸せに生きていけるような仕組みを岩手の中につくっていくということも大事だと思っていまして、そういう共生の理念からはそうした高負担、高福祉的なものを全く否定はいたしません。ただ、今の段階では県民経済の低迷というところが最大の危機だと思っていますので、それにまず配慮して措置しているところです。
記者
前にも聞いたかもしれませんが、今回の補正予算の編成についてのご自身の評価、また、点数つけるとしたら何点ぐらいでしょうか。
知事
点数といいますか、今回合唱指揮者になったつもりで、岩手県庁という合唱団に新しい指揮者が来て、それでまず1曲コンサートという感じだったと思います。私もどういう声が出るのか、今回やってみて初めてという感じだったのですけれども、大分いい音を出せて、かなりハーモニーもうまく出せたのではないかなということで、これはコンクール上位入賞クラスの予算ができたと思います。
記者
今回の肉づけ予算は、選挙のときの公約に沿ったものというまとめ方にもなっていますが、この中で思い入れが強い具体的な事業がありましたら教えてください。
知事
それぞれにマニフェストの中にも掲げたりしていた、そういう意味では一つ一つの事業に思い入れがあるのですけれども、あえて例として一つ出せば、11ページの新地域主義戦略の一番下にある草の根コミュニティ再生支援事業です。これはまだ実態調査の予算ですから350万円という規模なのですけれども、町内会や自治会のようなそういう草の根コミュニティに対して県も目を向け、応援していくという、これはかなりの新機軸の、小さいながらも第一歩を今回補正で踏み出すことができたのは非常によかったと思っております。
記者
教育関連で伺います。
6月補正で直接という意味だけではなくて、知事も非常に教育部分を重視されておると、補正にもその一端が出ているのかと思います。今週の水曜日に教育委員との意見交換会、さらには大変お得意な英語を生かして高校生の出前授業も行うと伺っていますが、改めて教育に取り組まれる知事の思いのほどをお伺いします。
知事
21世紀情報化社会において、学ぶことというのは非常に重要な、生きていくことに直結するような大事なことだと思っています。憲法に教育を受ける権利というふうに規定されていますけれども、学ぶ権利というふうに呼ぶ人もいますが、こうした権利というのは昔で言うと不当に逮捕されない権利とか、身体にかかわる権利、あるいは生存権、そういう生きるために必要な収入を得るために働く権利のような、かつてそれらが死命を制する重要な権利だったのと同じくらいに今21世紀学習権というものが重要な権利だと思うのです。ですから、岩手の子供はもちろんですけれども、大人も含めた140万の学習者の皆さんがそれぞれに必要な学びの機会を得て学ぶことができるということが、非常にこれは重要だと思っていまして、そのための色々な制度の整備については教育委員会に、主として教育委員会がやる仕事ではあるのですけれども、知事としてお手伝いできることは何でもしたいと思っていて、その一環が今度高校に出前授業に行くということであります。この出前授業に行くということは、私は教育者ではないので、むしろ学習者として、英語をやるのですけれども、こういうふうに英語を学習していくとよいのではないかという一つの提案を高校生にして、そういう学びの姿勢というのを共有できればよいと思っています。
記者
先ほどの公共事業に関する質問に関連してお伺いします。
知事は、予算編成に当たってプライマリーバランスが黒字化する範囲内で最大限公共事業をやってくれということを方針として指示されたそうですが、最大限やってくれということは、受けとめ方によっては不要不急のものまで含めてとにかく何でもかんでも詰め込んでくれというふうにも聞こえるのですけれども、これとは違うのでしょうか。
知事
各部局の中で、また査定の段階でもきちんとチェックはしているので、先ほど話したように基本的に必要なものしか予算計上はしていません。プライマリーバランスの黒字という条件のもとで目いっぱいという形ではあるのですけれども、しかしながら年を追って6月現計という当初予算とを合わせた額で、やはり公共事業費はかなり減っておりますので、そういう意味では不要不急を膨らませたということはないと言ってよいと思います。
記者
必要な公共事業という言葉は便利な言葉で、幾らでもその定義の仕方はあるのですけれども、知事にとって必要な公共事業というのはどういう公共事業ですか。
知事
生活の役に立つ、地域の産業に役に立つ、また安全・安心に役に立つという、そういう費用対効果がちゃんと出るということです。
記者
編成の方針として、プライマリーバランスを黒字化する範囲内で公共事業以外の事業に最大限充てるという手法もあったと思うのですけれども、そういったことはお考えにならなかったのでしょうか。
知事
公共事業は303億円のうちの半分にも満たないところでありますので、そういう意味では公共事業以外の教育、文化、医療、福祉、また産業や環境といったところの非公共の方に大分重心が置かれている予算だと思います。
記者
知事は査定終了後の報道陣の取材に対しても、かなりめりはりをつけてゼロのものはゼロにしたというふうにお話していましたが、ゼロにしたものがどういうものか可能な範囲で教えてください。また、必要だけれどもかなり財政的にも厳しくて今回見送らざるを得なかったというものもあったと思いますが、どういったものがあったのか教えてください。
知事
今回の補正予算に計上しなかったものの内容をお話しすることは、誤解を招くおそれがあります。議会に提案するのも基本的にはお願い、提案をするものだけを発表するわけでありまして、ある意味計上されなかったものというのは挙げていくと切りがないところもありますし、そういう意味で例示というのはご勘弁いただきたいところであります。
なお、見送るというのは、アイデアはいいけれども、まだ練られていないとか、県民の税金、そういうものを支出するところまで責任ある事業になっていないようなものは今後もう少し詰めたりしていくことによって、きちっと事業化し、予算として提案できる可能性はあるわけです。
記者
先ほど今回の予算は指揮者としての役割を果たして満足しているというお話でしたが、来年度予算については同じような立場で臨むのか、もしくはご自身はメインボーカルみたいになって、県庁の職員の方はバックアップみたいな、そういうふうな方針に変えていくのか、その辺次回はどういうふうに臨むのかというところを教えてください。
知事
色々なスタイルがあるのだと思いますけれども、私は指揮者型がよいのではないかと思っています。ただし、指揮者は練習の段階でこういうふうに歌うのだという指導というか、指示はしますので、準備の段階では色々こうした方がよいのではないか、ああした方がよいのではないかということは言っていくのですけれども、実際に予算を執行していくのは県庁職員で分担してやっていくことでもあるので、ちゃんとわかった上で措置していかないといけないので、そういう意味で特に予算のような大事なものを知事がひとりよがりに決めることはよくないと思っていまして、そういう意味でちゃんとチームとしてつくっていきたいと思っています。
記者
今の質問の関連でもあるのですが、財政当局が予算を削ったが知事査定の段階で復活したものとか、あるいはあらかじめ知事の政策枠みたいなものがあって、これだけは盛り込んでほしいといった知事独自のいわゆる達増カラーというものを出した事業というのはあったのでしょうか。
知事
全体が達増カラー以外の何物でもないという303億円になっていると思います。
記者
事務方が上げてきた部分以外にご自身で、これはやはりぜひ県政推進のために必要だといって盛り込んだ予算というのはあるのでしょうか。
知事
そういうのがちゃんと上がってくるようにするのがリーダーシップでありまして、うまくいったと思っています。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
コムスンの関係についてお伺いします。
報道されているとおりで、厚生労働省もかなり厳しい通知を都道府県に出したと思いますが、グッドウィルの折口会長は、最初は自分のグループ内に譲渡すると言っていましたが今はほかに売却するとか、いろいろ動いていまして、まだはっきりとしていない状況です。厚生労働省の通知を受けて、事業所の許認可権は知事にあると伺っています。コムスングループが同じようにまた更新したい、事業所を開きたいといった場合に知事はどのような対応をされるのを教えてください。
知事
当初言われていたような脱法的な事業譲渡はしないように工夫をするみたいなことを伝え聞いているのですけれども、やはり利用者本位に考えていかなければならないと思っており、利用者が余りに不安になるようないいかげんなやり方とか脱法的なやり方というのは制度の趣旨に合わない、認可を出す趣旨に合わないのではないかなと思います。
また、制度にのっとって、今は県の方でもさまざまな不正がないか、調べているところでありまして、その過程で、明らかな法律違反等が見つかればそこは認可取り消しとか、法律に従った処分はしていかなければならないと思っています。
記者
不正な行為により処分を受けた事業所に対して、また同じような事業をさせてよいのかという点についてはどう思われますか。
知事
今の介護制度は、民間のイニシアチブで、一種市場原理を導入してやろうということになっていますから、利用する側がこんなのではだめだと思う事業者は参入してきてもだれも契約せず、利用せず、市場から自動的に退出するという、そういう考えがあるのだと思います。ですから、行政のところでチェックしてはじくというよりは、市場原理で退出させるというのが制度の趣旨だと思うのですが、しかしながら、市場原理100%でやるわけにはいかないので、ちゃんと行政としても見ていかなければならないと思います。
記者
先ほどのお話にありましたが、不正等があれば厳しく対応するということでよろしいですね。
知事
はい、そのとおりです。
記者
今日も暑いのですけれども、もうすぐクールビズの取組みが県の中で始まるし、今日の議会運営委員会でも一つ議会内でのクールビズの検討についてお話し、提案があって、これから話をしていくと思うのですが、議会が実行することになった場合は、知事ほか県の執行部の方、本会議等でその趣旨に則って対応するのかということをお聞きします。知事は就任以来県産品のネクタイをしていますけれども、ノーネクタイのときに何か別の県産品を身につけるとか、アピールするような手段を考えていらっしゃるのか教えてください。
知事
ネクタイ以外にまだアイデアがないので、そこはこれからの工夫になっていきます。私は衆議院がクールビズを正式に導入する前から、議院規則の中に開襟シャツもオーケーと書いてあったので、衛視さんにとめられそうになったこともあるのですけれども、すごく暑いときには開襟シャツで本会議場に入ったりしていたので、暑いときには涼しい格好をしてよいと思っています。クールビズの趣旨は、薄着をするところに趣旨があるのではなく、冷房をかけ過ぎないということが趣旨だと思うのです。ですから、我慢できる人というか、そういうのが好きな人、高校生でも一年じゅう学生服を着ているというのを誇りにしている人もいるので、そうしたい人はそうしてよいと思っています。要は、冷房をかけ過ぎないというところがポイントだと思うので、ある程度そこは個人の服装の自由だと思っています。私は暑がりなので、もし議会がいわゆるクールビズ導入ということをするのであればノーネクタイで出ることが多くなると思います。
記者
県のクールビズの取組みは夏至の日に合わせて実施するということですが、前倒しなど弾力的に運用した方が県の経費の削減にもなるし、CO2の削減にもつながると思いますがいかがでしょうか。
知事
そこは関係者に相談してもらおうと思います。
記者
札幌市とかが試行していますサマータイムについては何かお考えがありますか。特に岩手の中でも朝晩涼しい気候を使って早目に仕事を切り上げて余暇とかスポーツに興じるということは非常によいことだと思うのですがいかがでしょうか。
知事
論点はもうほとんど煮詰まっていると思っていまして、要はサマータイムを導入した方が朝明るくなってもまだ寝ているという事がなくなり、かつ夜遅くまで明るいところで活動できるのがサマータイムのメリットですよね。反対論としては、いやいや日本はむしろ朝野球とか早朝にスポーツとかする風習があるし、夕方以降は夕涼みと言って暗いところでそぞろ歩きをすることが昔から伝統なのだという、そのどちらをとるかだと思うのです。ですから、論点は大分絞られてきているので、そこを中心に議論していけば結論は出せるのではないかと思います。まだ今の時点では、どちらとは言えません。
記者
庁内で議論していく場をつくるという考えはありますか。
知事
生活習慣とか商習慣、ビジネス等に根差している問題なので、国全体の議論もビジネス界とか経済団体の方からいろいろ提案があったと聞いていますから、役所主導でそういうのをやっていくよりは民間からのアイデアとか機運が盛り上がってくる方が望ましい課題なのではないかと思います。
記者
県環境保健センターがアメリカの政府機関から有機フッ素化合物の共同研究を受け入れる方針を固めたということですけれども、米国の政府機関が岩手という地方自治体を研究のパートナーに選んだこととか、岩手の技術を高く買ったということについて知事はどのように思われますか。
また、今後の見通しについてどのように考えているのか伺います。
知事
アメリカの環境保護庁が県の環境保健研究センターと一緒に有機フッ素化合物の人体への影響について共同研究をしたいということについてですが、アメリカの環境保護庁は、これEPAと略されていて、本当に地球温暖化の問題から、そういう環境関係については世界的な権威と言ってもいい団体ですから、そこと岩手県の環境保健研究センターが共同研究できるというのは非常に誇らしいことだと思っています。
今回EPAのアンドリュー・リンドストローム博士が6月29日に岩手に来て環境保健研究センターと協議をして、9月には協力協定の締結と聞いており、岩手県としても地域はもとより人類全体に対して環境面で貢献ができればよいと思っています。
記者
盛岡市議会の政務調査費の関連で伺います。
直接知事とは関係がないと思いますが、これ県都の議会の話なので岩手県のイメージダウンにもつながるような話だと思います。問われているのは、政治家の法律に対する規範意識の、法令順守の意識の問題と、それから政務調査費に関するモラルの問題だと思うのですが、知事はこの件に関してはどういうご所見でしょうか。
知事
事実関係を断片的に報道で聞きかじっている程度ですので、余り責任あるお答えはできないのですけれども、政務調査費の制度や使い方、また公表、情報公開の仕方というのは本当に政治家自身、議員自身が議員同士で相談して決めていくことでもありますので、そこは本当にクリーンで、かつ公のお金、税金から賄われているお金ですから、アカウンタビリティという観点からもきちんとしていくことが民主主義の原則だと思いますので、今回のことをきっかけにそこのところをきちっとよい方向に持っていければよいと思っています。
記者
今日の高校野球東北大会で、一関一高が5対0で青森山田に勝ちまして、優勝しましたが、お祝いのメッセージをお願いします。
知事
それは本当に「でかした」と言ってあげたいです。一関はこの間の一関市長さんとの懇談でも、いわば中東北という東北の中心に位置するところなので、頑張れという話をしてきたのですけれども、東北の中心で東北一になって、更に全国に向かって頑張ってほしいと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は6月20日(水曜日)の予定です。
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