平成19年6月20日の記者会見記録
ID番号 N11910 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成19年6月20日10時31分~10時55分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
国政について伺いますが、参院選があるからかもしれませんが、かなり色々なことが行われていると思います。知事としてか政治家としてか、どちらかはわかりませんが、国会延長についてどのようにお考えになっているのか伺います。
また、与党自民党で強行採決をかなり繰り返しているという印象があります。例えば教育法案とかの色々な重要法案あるので、多分参院選の前に全部法律を通そうというような意図が見えて、私たち国民から見てもあまりにも行き過ぎのような感じもするのですが、その点についてどのように感じているのか教えてください。
知事
参議院議員選挙がある年には、国会の延長はしないというのが慣行だったと思います。大概それを前提にして、スタート時点から国会の組み立てを与野党それぞれやってくるものだと思っておりますし、また、政府与党では、必要であれば前年の臨時国会であるとか、あるいは参院選が終わってからの臨時国会において計画的に立法作業なり、国会運営なりを進めるものだと思うので、延長しなければならないことになったのは非常に異常なことだと思います。併せて強行採決の繰り返しも異常なことでありまして、国のかじ取りというガバナンスの点から大分弱くなっていると思います。
記者
今の発言は知事という視点の立場、それとも政治家としての立場のどちらなのでしょうか。
知事
行政の長としては決められた法律に従って、県の行政を進めていくという立場ですので、そういう意味では知事の行政の仕事からは離れた立場からのコメントです。
記者
23日が東北新幹線の盛岡開業25周年ですが、新幹線は岩手県にインフラの面、それからまちづくりの面、色々な面で貢献されてきた部分があると思います。25周年を迎えて、新幹線の役割、もたらした恩恵、そしてこれからというものをどのように考えているのか教えてください。
知事
私もちょうど高校卒業して東京の方に進学するころに新幹線が上野まで行くようになり、それまでは大宮でリレー号というのに乗り換えたりしていて、東京との距離が近づいたということがいろいろ経済的なメリットなどにつながっていったと思います。北東北の拠点という位置付けも、この東北新幹線は盛岡がしばらくターミナルだったわけでありまして、そういうところからメリットがあったと思います。その後、八戸開業になり、更に青森まで新幹線が延びようとしている中で、高速交通機関で東京につながっているという優位性だけではダメで、むしろ岩手県内、また近隣県との、言ってみると瞬間移動みたいな感じですよね。八戸も非常に近くなりましたし、また知事になってから仙台出張も結構あるのですけれども、仙台も岩手の県内にあるような感覚で私は仙台まで行っています。そういう近隣県との連携を深めていくために、今後新幹線の活用というのは可能性が開けていると思います。
記者
県の体育協会で2巡目の国体招致を決められたと思います。知事は県体協の会長でもいらっしゃいますけれども、県知事の立場として、県としては今後招致という方向で行くと思いますが、あくまでも単独開催でいくのか、広域開催をにらんでいくのか、その方向性をお聞かせください。
知事
体協としては、単独開催で、夏も冬も行うことで要望をしています。それを踏まえながら、県でも考えていかなければならないと思っています。また、国体誘致はオール県民的な事業になりますので、県議会の決議、これを体協からも求めているところでありまして、県も県議会議員の皆さんのご理解をいただきながら知事部局、教育委員会連携して進めていきたいと思っています。
記者
その場合、財政的な部分もあるかと思いますが、施設面は現在の施設を有効活用していくことになるのか、それとも新たに色々なものをつくっていくことになるのでしょうか。
知事
知事部局内、また教育委員会の担当とも議論しているところでは、基本は既存施設の活用ということです。昭和45年国体に加え、インターハイも行っていますし、既存の施設をベースに競技規則上、足りないところを補うなどの方向で考えていきたいということを議論しています。
記者
県の遊休地の処分がなかなか進んでいないという現状のようなのですが、何度入札にかけても応札がない物件や、活用のめどが立っていない物件について、このままずっと同じように放置というか、所有していくだけなのか、それとも何か新たな活用策とか模索していったりしなければならないのか、どのようにお考えなのか伺います。
知事
県民所得が大幅下落し、それがなかなか回復せず、マクロで見て岩手県内にお金が少なくなっているここ数年ですので、そのため、そうでなければ売れていた物件が売れていないということもあるのだと思います。需要と供給の関係での需要がないと売れないということはありますが、需要につながるような売り方もあるのかもしれません。基本は県民の財産でありますから、色々研究しながらむだにならないように努めていきたいと思います。
記者
昨日も開かれた競馬の事業運営監視委員会のことをお聞きします。委員長はこの委員会の中で、自治体として違法性がなかったかどうかというところと、妥当だったかどうかというところで検証しているという話だったのですけれども、これによって岩手競馬のここまで膨らんだ赤字を解明できるというふうには、昨日まで見てきて思えなかったのですが、知事ご自身はこの違法性について検証するというところで、岩手競馬の赤字というのは解明できるのかどうか、どのようにお考えでしょうか。また、今後赤字を増やさないためのアドバイスなどもこの委員会から出てくると思うのですが、そういう役割をこの委員会で担えるのかどうかという点をお聞かせください。
知事
監視委員会は監視委員会の要綱に基づいて設置され、またその要綱に基づいて検証して、報告や、助言などを出していただくということであり、そういう意味では具体的な報告や、助言を待っているのが知事の立場と思っています。
一方では、構成団体である岩手県知事の立場や、また競馬組合の管理者の立場から経営の改善については不断の努力はしていかなければならない立場ですので、そういう意味では、並行して色々勉強したり調べたりしながら、コスト削減や売上増のさまざまな政策をリアルタイムでとっていかなければならないと思っています。
記者
知事はマニフェストで競馬の赤字が膨らんだことについて検証されるとおっしゃっていたのですが、それはこの監視委員会で検証するという考えなのか、それともまた改めて達増知事ご自身が別の機会を設けて検証するご予定なのか教えてください。
知事
色々なやり方があると思っています。競馬組合議会でも、議会は議会で独自の検証をしなければならないのではないかという議論があると聞いています。色々なところで様々な検証が行われることは、悪いことではないと思っていますし、この間の競馬組合議会の際にも、私なりのその時点で調べたりしての考えを述べたりしているところでありますので、そういう総合的な取り組みの中で競馬問題が克服というか、解決されていけばよいと思っています。
記者
競馬の監視委員会のあり方についてお尋ねします。
昨日で3回目ですけれども、構成団体の県が検証資料を作成して委員に検証のポイントということで問題点を委員に提示する、あるいは資料の中にここが問題だったということでアンダーラインを引いています。このことは見方を変えると委員への誘導ともとられかねないのではないかと思います。増田知事が設置を表明したときに第三者機関を設置して、きちんとどんなところに競馬の重要な問題点があったのか、きっちりと精査したいというお話だったのですけれども、こういうやり方では果たして第三者機関としての設置意義というのはあるのかどうか疑問に思えるのですがいかがでしょうか。
知事
県は監視委員会の要綱の中で農林水産部農林水産企画室が庶務を行うということで、庶務として関与しています。全体の進め方等はあくまで委員会の自治として行われていると理解していまして、委員会の方からの要望に沿って資料を庶務的に用意しているのだと思います。
記者
委員会のスケジュールでは、7月に取りまとめをするという予定になっています。昨日までの議論を見ていますと、あと1カ月で取りまとめをするというのは非常に厳しいのではないかと見ているのですがいかがでしょうか。特に、精査する上でまだ疑問点というのはあり、必要に応じて7月の取りまとめ時期を遅らせるとかというお考えはありますか。
知事
そこは基本的には委員会の自治としてそのように決めて、7月に取りまとめを行うということですので、その結果を見守りたいと思います。
記者
昨日閣議決定された骨太の方針について、どのように見ているのか伺います。
知事
小泉内閣のスタートと同時に始まった骨太の基本方針なのですけれども、結果的には格差拡大の基本方針だったのだと思います。私は、小泉内閣の5年間というのは格差拡大5カ年計画の5年間だったと言っているのですけれども、そういう今までどおりのやり方ではもたないということで大分様変わりしているのだと思います。ただ、様変わりした結果が、あくまで今までどおり小泉流のものを引き継いだ骨太なのだという建前の中で、また族議員的に、或いは官僚主導的に先祖返りするような形で色々な方向性が盛り込まれるなど、非常にわかりにくいごちゃまぜのような印象を受けております。
記者
骨太の基本方針の中で地方に関係があるのは公共事業の件ですが、3%削減をずっとやってきたわけですけれども、今回は選挙前とか、色々な面もあって数値目標が盛り込まれていないのですが、この点についてはどのようにごらんになっていますか。
知事
あまり関係ないといいますか、混乱を反映しているということだと思います。
記者
昨日、県が正社員の雇用拡大を中小企業に要望されたということですが、県内で非正規雇用が増加しているという現状についてどのように認識されていますか。
知事
一般論として、非正規雇用ばかりが増えるのは望ましくないことだと思っています。というのは、本来正規雇用で採用すべき人が非正規で採用される、正規雇用を望んでいる人たちが非正規で雇用されるということで、一種ミスマッチのような形の中で会社側のコスト削減というのが優先され、働く側の立場が弱くなっている。それは、実は個人消費の縮小とか、景気の低迷とか、回り回って企業の首を絞めることにもなっているわけで、ですから本当に自分の生き様としてフリーターがよいという信念を持っている人とか、非正規の方がよいという人たちの分の非正規を残すことは必要なのかもしれないのですけれども、それ以外は正規雇用を原則としていくことが望ましいと思っています。
記者
県でも多くの臨時職員の方が働いていると思いますが、知事が替わられて、今後方針が変わるということは考えていますか。
知事
県の場合は行財政改革の中で、むしろ人件費の抑制、そして人員についても増やさない方向で進めていますので、民間の本来正規雇用すべき採用を非正規で採用するというものとは違うと思っています。
記者
昨日のニュースを見て、企業の方に聞いたりすると、県内に大きな企業はなく、県やほかの自治体が事実上大企業みたいな存在であって、中小企業の方からすると、うちに正社員を採用してほしいと言われても、県内の景気がよくない中で、知事のおっしゃることと同じだと思うのですが、景気悪いので雇う余裕がない。そうすると、要望しても正社員の採用が増えるかというとなかなかそう簡単に増えないと思いますが、県として職員の採用を増やすとか何か方法を考えていないのでしょうか。
知事
県の場合は、不景気だから採用を減らしているわけではなくて、ガバナンスの構造改革として、いわゆる小さな政府と言うとわかりやすいかもしれませんが、そういう方向性で進めており、むしろプライマリーバランス均衡の範囲内で事業については景気浮揚型の策を別途とっていますので、そういうことで貢献していきたいと思っています。
そして、県内企業が苦しいことはわかります。繰り返し言うように国の政策の結果で地方からお金が奪われて、払いたいお金も企業の手元にないという時代なのですけれども、ただそこで安易に労働環境を悪化させていくと、かえって地方の経済、社会がどんどん損なわれて、一種植民地状態のような経済社会状態に岩手全体がなってしまう。そうなると、本当に自立も共生もないことになってしまいますので、何とか苦しい中でも正規採用を増やすということを訴えていきたいと思います。
記者
先ほどの競馬の監視委員会の件で、ちょっと納得いかない部分があるので、もう一度質問します。
知事は、監視委員会の自治の問題であり、それを尊重するというお話をされていましたけれども、例えば構成団体の県が検証のポイントとか、あるいはここが問題であるというところにアンダーラインを引いたりするということが、委員会の自治の過度な干渉に当たらないかどうかどのようにお考えでしょうか。
知事
その判断は委員の皆様、委員会が判断することです。昨日の議論を見ていましたけれども、むしろそういう資料をつくってもらい、その資料をベースに議論するという方針でやっているのだと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は7月4日(水曜日)の予定です。
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