平成19年10月12日の記者会見記録

ID番号 N11899 更新日 平成26年1月16日

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開催日時:平成19年10月12日10時31分~11時15分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
今日の神奈川県議会で知事の多選禁止条例案が可決する見通しなのですが、達増知事は知事選のときに公約として2期8年と言ったと思います。原則2期8年ということを掲げて当選されて、多選のあり方についてかなり自分を律する意味も含めてそういうことを訴えて当選されたと思うのですが、今回の神奈川県議会での条例が可決されることについて、今はどのように考えていらっしゃるのか教えてください。

知事
私も多選の弊害はあると思っています。ただ、多選を2期までで区切るのがよいのか、3期までで区切るのがよいのか、また法律で縛るのか、条例で縛るのか、そういう点についてはまだこれがよいという結論が得られていません。岩手においては、私のほうから条例を出すことはしていないのですけれども、今回の神奈川のケースは大いに参考になると思っていますので、また研究してみたいと思います。

記者
知事からは条例案として出すつもりはないということですが、条例制定には、執行部からの提案ではなく議員からもできるのですが、もし議会からそのような声が出てきた場合にどのような対応されるのかお考えを教えてください。

知事
議会提案があり、議会として議決されるのであれば、基本的にはそれに従いたいと思います。ただそこまで話が詰まってくるのであれば、私としてもいつまでも研究とも言っていられないので、意見などを言うかもしれません。

記者
達増知事のように歓迎といいますか、そういうのもありではないかとする知事もいますが、結局知事を選ぶのは住民だということで、住民の判断を妨げる制度ではないかという批判もほかの県の知事から相次いでいます。その点についてはいかがお考えでしょうか。

知事
民主主義の仕組みとして、本来であれば住民全員が集まって総参加で決める直接民主制で何でも決められればよいのだと思うのですが、それができないがゆえの方便として、首長を一人に決めるとか、議会をつくるとか、色々な手法があるわけです。日本では地方自治法上、二元代表制によることが決まっているわけですが、ほかにもタウンマネジャー制度でありますとか、議会が自治体を一元的に代表し、その議会がタウンマネジャーを指名するようなものも外国にはあります。そういう中で、任期についてもコスタリカのように4年間1期限りと決めている国もあれば、アメリカみたいに2期までと決めている国もあります。そこは一種の「方便」、「方便」とはもともと仏教の言葉で非常に重い意味のある救いのための非常に大事な工夫という意味なのですけれども、だからこそ、これをやれば絶対オーケーという仕組みがない。それぞれの歴史や社会を踏まえた上での工夫ということになってくると思うのです。ですから、有権者が納得できるような形でルールを作っていくという意味では、ルールを決めてはだめということはないのだと思います。

記者
いわて森のトレー生産協同組合の事業中断にかかわる補助金返還と延滞金がかさんでいる問題についてお聞きします。この問題をめぐって、県は補助金回収に最大限努力すれば延滞金が免除になるのではないかという主張を今議会でも繰り返しています。一方の林野庁では、「延滞金免除とは言っていません、全額補助金返還するのがまず前提です。」という主張で平行線です。2003年の11月に増田前知事と林野庁長官の話し合いというのがあるのですけれども、今までの経緯を聞いていますとカラ手形のような感じを受け取れます。知事はこの打開策をどうお考えですか。

知事
今裁判が進行中ということがあります。そして、私の発言は、これはすべて裁判の証拠になり得るのです。これはマスコミの報道ぶりというものも証拠として採用されるかもしれません。私としては、これは明らかに会社の側に非があって、そのことを裁判で明らかにし、責任をとってもらう。そこからお金を出してもらって、それで埋めるべきところを埋めるということが当然であり、社会正義にもかなっているという発言をぜひ、それを証拠として使えなどと言い始めると、これは訴訟の中に行政が関与していくことになるので、そういうことは言えないのですけれども、そういう背景のもとで私の考えは議会で答弁したとおりです。

記者
係争中ということで、知事もお話しできにくい部分もあると思うのですが、口頭弁論が2回開かれた後に弁論準備手続というのが13回、今度14回目があるそうですけれども、このように裁判が長期化していくと延滞金として1日25万円という利息がついていきます。なかなか裁判の見通しが立たない中で、県の主張もちょっと苦しいのではないかなと思うのですが、その辺を改めてお伺いします。

知事
個別の裁判の進め方について、裁判官のやり方に行政として干渉することはあってはならないと思っていますけれども、一般的には裁判はもっと早く決着がつくように、特に経済的なものが絡んでいる場合には早い決着が望まれていると思います。

記者
繰り返しますけれども、県の主張は今までどおりということなのですか。それとも何か早期打開を求めて林野庁と何か協議を始めるというお考えはありますか。

知事
林野庁との協議については増田前知事がしかるべくやっているという認識に基づいて、今裁判のほうの対応に全力を挙げ、その結果を逐一林野庁に報告しているところです。

記者
多選禁止条例について、改めて1点だけ確認させてください。このような条例が成立すること自体に関して知事は賛成、反対どちらでしょうか、ご所感をお伺いします。

知事
まさに住民自治の世界でありますから、神奈川県民がそのようなルールを選ぶということは、1つの住民自治の発露として受け止めたいと思います。

記者
国体について伺いたいと思います。強化指定等色々と施策をやっている段階であるとは思いますが、今大会の順位は34位で、去年と同じ順位だったということについてどのように思われていますか。そして今後どのように対策を講じていきたいと思っているのか伺います。

知事
選手全員がそれぞれ本当に頑張ったと思います。そして、期待どおりの成績ではなかった競技もあれば期待を上回る成績だった競技もあり、全体としては本当によくやったというふうに褒めてあげたいという気持ちです。ただ、スポーツというのは、参加することに意義があるという面と同時に、目指すは優勝ということも同時にあるわけであって、そこは車の両輪として両方を目指して、これからも一層頑張っていかなければならないと思っています。

記者
先週ありました久慈病院での医療事故についてお伺いしたいのですが、事故が起きたこと自体は覆せないとは思うのですけれども、少々この公表の仕方に問題があったと思いまして、知事の認識を伺います。経緯を説明しますと、発表があったのが先週の金曜日の4時ごろに5時から記者会見を開きますという案内が久慈病院から久慈振興局を通じて報道社9社に連絡がありました。現在、県政記者クラブには19社加盟していまして、そのうち久慈振興局で把握している9社にしか連絡がなかったということはかなり問題だと思っています。また、4時に連絡を仮に受けたとしても、5時に久慈に着くのは通常考えて不可能です。このことについて、知事はどう受け止めているのかお聞かせください。

知事
まず、今回の久慈病院のことは医療事故という認識で、そのための対策の委員会も立ち上げ、まず深く反省し、お亡くなりになった方に対しては、本当にこれは取り返しのつかないことでおわびのしようもないのでありますが、遺族の方に対しては本当に深くおわびを申し上げたいと思いますし、また県立病院としては県民の信頼にこたえていかなければならないということで、県民全体に対してもおわびを申し上げなければならないと思っています。
医療事故という認識に基づいてそうした対応の中で報道に対する公表もあるわけで、これは迅速に、また広く公表をしていかなければならない性質のものだと思いますので、その一種の危機管理ではあるのですが、それだからこそきちんとした対応が求められると思いますので、今後はきちんと迅速にかつ、偏らず、広く報道に公表されていくようにしなければならないと思います。

記者
どうしてそういう事情になったのかということを病院などに聞きましたら、遺族の了解が取れたのが遅かった。どうしても3連休前ということもあってなるべく早く皆様にお知らせしたかった。こういうケース、医療事故自体が珍しいことなので、対応をどうしてよいかわからなかったと話されました。ただ、県立病院は2次医療圏ごとに運営協議会を年に1回か2回開いていると思いますが、そうした連絡はきちんと県庁記者クラブに来ているのです。ですから、それを前提にするとどこに連絡すべきかわからなかったという言いわけは成り立たないと私は思っています。そうしたことを含めて危機管理の面で問題があったのではないかと思っています。うがった見方すれば広く知らせたくなかったのではないかと思われても仕方ないと思うのですが、その辺もう一度知事の認識をお伺いします。

知事
危機管理において初めてだからとか、めったに起きないことだからということは理由にならないと思います。危機だからこそ、遺漏のない対応をきちんとしていかなければならないわけであって、その点は県全体として反省していきたいと思います。

記者
BSEの関係で伺いますが、県議会では2つの委員会で全頭検査の継続を求める請願が採択されまして、恐らく今日の本会議でもそういう結果になると思われます。この前知事は答弁で、まずは国への働きかけを第一にするとお話しておられましたけれども、県議会では県独自での継続検査ということも盛り込んでの採択ということになりそうなのです。採択された場合の対応についてはどうお考えでしょうか。

知事
県としての取り組み方については、県議会に代表される県民の意見を取り入れながらきちんとやっていこうと思っています。BSEの検査については、これは各県の知事とも議論をしているのですけれども、基本は全国的に共通の基準で検査をきちんとやるよう国に求めていこうということで足並みをそろえていますので、そういった形で今臨んでいるわけでありますけれども、県政運営に当たっては、県民の声、県議会に代表される県議会の声が重要ですので、きちんと踏まえて対応したいと思います。

記者
今のところはそういう方針でいくということでよいと思うのですけれども、もし国がやらないこととなり、独自でやる県がかなり増えてきた場合にどのような対応をされるのでしょうか。また、来年度予算編成にもかかわってくると思うのですけれども、その結論をいつごろまでに出されるのかお聞かせください。

知事
他県が検査する中で岩手が取り残されるということはあり得ないと思います。そういう意味では、補正予算で対応できるような工夫をしなければならないと思います。

記者
岩手競馬についてお聞きしますが、今度3回目の収支計画の見直しに入らざるを得ないと思います。県議会の一般質問でも見通しは甘かったのではないかという指摘があったのですけれども、3回見直さなければならなくなった要因というのは何だったのか改めてお聞かせください。次に、厩舎関係者とか関係企業では、もうこれ以上のコスト削減は厳しいという意見もかなり出ています。どういう方針で今度のコスト削減に臨むのかお聞きします。

知事
大きな原因は、当初予算が売り上げを過大に見込んだ甘い見通しのものであって、まずそこが主要な原因だと思います。当時、岩手県議会でも半分くらいの議員がこれではだめだと反対していたわけで、その当初予算とのギャップが実際やってみたら、やはり出てきたということだと思います。
私は、当初新計画のスキームに従った年度途中のコスト削減については、早い段階で思い切り下げるほうが、その後余裕を持って経営できるのではないかなということも考えていたのですけれども、そこは関係者の方々の話し合いの中で、余裕を持ってさらにコストを下げて、余ったら来年使うみたいなやり方では、かえって勤労意欲の面とか、風評被害的な面とかのマイナス要因も大きいので、均衡ぎりぎりぐらいを見据えたコストカットの仕方が望ましいということで、かなりの額を削減しました。それでも、今2億円くらいまだ足りないということなのですけれども、その足りない分のコスト削減を行うというスキームが機能して、関係者の話し合いを始めようというところです。したがって、具体的にどこで幾ら削減ということは、これから話し合って決めることですので、今の段階では決まらないのですが、ただ新計画という、赤字になったらもうそこで競馬は廃止というルールを理解した上で、コスト削減を春、夏にした際も、感触からすると、とにかく年度を通じて赤字にはしないということについては、関係者は強い覚悟を持っているという印象を受けていますので、今年度分についてはコストの引き下げによる黒字の確保はできると思っています。

記者
学校の再編について伺いますが、先日の議会で知事は2010年度以降も学校の再編を進めていくとお話していました。人が減っているので、仕方がないと思いますが、知事はマニフェストで教育立県をうたっているので、それとの整合性をどのように図っていくのでしょうか。次に、再編を進めていくと、結果として交通の便とか、経済的な事情で通学できない家庭が出てくる可能性もあって、現実に川井村ではそういう声も出ているようなのですけれども、そういった世帯に対してどのような支援をされていくのかお聞きします。

知事
まず、人口減少については、私は基本的には人口減少には歯止めはかけられる、経済の低迷が人口を過剰に減少させていると考えていますので、経済情勢や、また社会環境がよくなっていけば出生率が下げ止まり、上がっていくとか、また社会減が減っていくということがあると思っています。ただ、今の幼稚園児や小学生ぐらいの生徒が、10年後ぐらいに高校生になっていく人数については減っていくのです。これはなかなか下げ止める工夫が難しいところでありまして、そうした異常な人口減少とは違う少子化のトレンドというのはあるものですから、それには対応しなければならないと思っています。小中学校の場合には地域の市町村で小中学校を運営し、その地域で教育を受けられるということが重要なのですが、高校の場合には就職、進学という将来の進路にきちっと対応していけるということが重要になります。その分、小、中学校以上にそうした要素が入ってきて、地元でなければだめだと、今住んでいる場所でなければだめだということについては、高校の場合はそういう将来の進路という要因をより考慮しなければならない部分があると思っています。もちろん地元で学びたい、地元において教育を受けたいというニーズは高校においてもあってしかるべきなので、あとはバランスの問題になっていくわけですが、そうした中で再編して、一定の規模を確保して将来の進路に役立つような教育を受ける権利を保障するという工夫はしなければならないと思っています。
よって、通学困難な家庭あるいは生徒への支援というのは、考えていかなければならないと思っています。

記者
今話された一定の規模というのは、大体どれぐらいを指すとお考えですか。

知事
そこは色々な専門的な議論もあるところだと思うので、ここで私から具体的な数字はちょっと出せません。また、地域との話し合いも必要な部分だと思います。ただ、正確な数字は思い出せないのですけれども、これではちょっと規模が小さ過ぎるのではないかという、2学級確保できないとか、定数に地元からの進学が半分に満たないとかといった現行の基準が1つの目安です。

記者
先ほどの岩手競馬に関連してなのですけれども、先日南部杯という大きなレースがありました。目標値に対する売り上げが低迷してしまいまして、今の現状をどう認識しているかという部分と、南部杯に限ってどういう部分に売り上げの伸びなかった要因があったと考えているのか改めてお聞きします。また、今後の対応なのですけれども、コスト削減だけではなくて、売り上げを伸ばす部分について知事ご自身はどのように考えているのか伺います。

知事
今正確に思い出せないのですけれども、中央競馬との兼ね合いで南部杯については売り上げが思ったより伸びなかったと記憶していまして、それがまず大きかったと思います。あとは、馬インフルエンザの発生で夏のころの売り上げがかなり落ち込みまして、一方馬インフルエンザの沈静化に伴って売り上げは回復をしてきていまして、この間の週末でしたか、自場分では計画を上回る売り上げも実績として出てきているところです。馬インフルエンザ騒動といいますか、レースそのものにはあまり影響はなかったのですけれども、風評被害と言っていいのか、色々な騒動、混乱、そういった総合的な理由でかなり落ち込んでしまったということからは、急速に回復してきていると思います。ですから、今後は修正した見通しの100%水準に沿ったような売り上げの動きをするのではないかと今私は考えているところです。売り上げ増は、色々な要因があり得ると思っています。景気がよくなればそれが一番なのですけれども、「どんど晴れ」の最後の週あたりで加賀美屋が経営危機で破綻しそうになったときに、それまでの加賀美屋を利用したことのある人たちが全国で一斉に加賀美屋を守れみたいなことをして、加賀美屋が守られたという劇的な展開がありました。岩手競馬に関しても、この間、日高地方で軽種馬の生産をしているところから、種付け権利を提供いただき、それで冠のレースをやるという助け船がありまして、そういったところから岩手競馬を守ろうという、あるいは経営の抜本改革に関して研究させてほしいとか、色々な申し出が、インフルエンザ騒動で苦しんでいるあたりからたくさん救いの手が差し伸べられてきていまして、災いが転じて福となるということもあると思っています。そうした盛り上がりが競馬ファンの皆様の盛り上がりにもつながれば、競馬組合の現場で死にものぐるいの対応をすることで、売り上げ増というのは、これからかなり可能性はあると思っています。

記者
先日、来年度の予算編成について基本的な方針が発表されまして、来年度予算編成については部局枠を廃止して、それを知事の裁量で徹底する予算枠に大きく変えるという方針が示されたところですが、これについて幾つかお伺いします。まず知事の来年度の予算編成に当たっての意気込みといいますか、どういった点を重視して来年度の予算編成に臨みたいかということを伺います。もう一つは、増田前知事時代に導入された部局枠については、導入の際には各部局の自己決定、自己責任というフレーズが使われて、各部局の裁量を重視するような形の仕組みだったわけですけれども、今回それがなくなることによって、結果的には部局ごとの裁量が狭まるおそれもあるかと思いますが、この点についてはどのようにお考えになった上で、今回の方針決定に至ったのかお伺いします。

知事
一言で言うと危機を希望に変える予算編成をしたいと思っています。国からの地方交付税の減額がこのまま進んでいきますと毎年100億とか200億とかという単位で事業などの支出を減らしていかなければ成り立たない予算編成となり、そうした中でそういう100億とか200億とか減らすということは、普通にやっていたのでは県の機能の縮小、県政の縮小ということになっていくだけになってしまいます。自治体は事業官庁から政策企画官庁に転換すべきだなどということを言う学者さんもいるのですけれども、私も外務省で働いていた経験があるのですが、外務省はお金を使う事業をやるのはODAをやっている経済協力局だけで、ほかのところは全部人件費と文房具代と出張旅費でだけで仕事をするのですが、それで交渉とか、会議とか、首脳会談とかで経済問題とか、社会問題を解決していく。県においてもそういうマンパワーのところで事業予算というものを全然使わないで問題解決をしていく、県民の生活向上、経済の発展に役立つようなことをしていくというところにかなりシフトしていかなければならないと思っています。これがうまくいけば、予算は減るけれども、県が県民に対して行うサービスは増える。県民所得の向上とか、県民生活の改善というところでの成果はかえって上がっていくということも可能だと思っていますし、そうしなければならないと思っています。それが危機を希望に変えるということであり、そのためにはかなり縦割りを超えた事業の見直しが必要な局面なのでゼロベースで、知事のところ、これは三役、庁議メンバーというところで全体を見直し、部局に完全に任せてしまうところは減らしてしまうのですけれども、逆に何か新規の事業、新しい時代にマッチした企画とかについては青天井でどんどんアイデアを出してきてよいということにもしています。ですから、一定のシーリングをかけて全事業何%ずつ減らせみたいな縛りをかけて、あとは自由にやれというやり方ではなく、むしろクリエイティブな自由な創造力については大いに発揮してもらえるようなやり方ではないかと思っていまして、今の局面はそういったやり方で危機を希望に変えていかなければならないと思っています。

記者
宮城県でみやぎ発展税が成立する見通しになりましたが、こういった新税が地域の産業集積に貢献すると見ているのでしょうか。また、そういったものが地域の産業集積に寄与するのであれば、本県としても同様のものを考えていくというような余地はあるのかどうか教えてください。

知事
岩手の場合、誘致企業増設、既に進出している企業の増設や、また新規企業の設立に当たっては、かなりのインセンティブを既に用意していまして、そういう優遇措置に関しては全国トップレベルのものを既に用意していると思っています。要は、何を提供するかというところで頑張っていくことでありまして、宮城県はそのためにも新税創設ということで、そこは色々議論もあって、最終的には議会でそう決めたようでありますけれども、岩手の場合はそうした新税をつくる余力はちょっとないかなと思っていまして、しかしながら今ある資源を総動員して既にそういうインセンティブはスタートしているところでありますので、この線に沿って頑張っていきたいと思います。

記者
発展税についての評価はいかがですか。

知事
やってみないとわからないというか、そういう徴税できる余裕がその県の経済にあって、しかも徴税した成果を全体として県の経済、県民の生活が全体としてプラスになるような使われ方をするのであれば、それは大変結構なのではないかと思います。

記者
先ほどの高校再編の件で追加してお尋ねしますが、宮古高川井校のお話については地元でも随分反対もあるようですし、議会の各会派からもすぐに廃止するのはまだ早過ぎるのではないかというような意見もあるようなのですが、その辺のお考えをお聞きします。次に高校再編については、地域の活性化とか、経済についても考えなければいけないというお話をずっとなさっていますが、あのような広大な地域に対しても具体的な廃止の方向を示しているところについて、例えば生徒の交通手段ですとか、具体的なそういったビジョンを持っていらっしゃるのかということをお聞きします。

知事
川井校の問題については、教育委員会で来年度募集に関する結論を近々出されるということを聞いていますけれども、その前に県議会も開かれて色々な議論があるところでありますから、そうした議論を踏まえて結論を出してほしいと思っていますし、県としても県議会で出ている議論、また教育委員会事務局で川井村や、また地元関係者の皆様と色々話し合いをしていると聞いていますので、その結果を生かして、要は一人一人の教育を受ける権利というのをきちんと全うしていくことが大事だと思っていますので、県としてもそれに役立つことをしていかなければならないと思っています。
また、経済効果のようなことも県は地域振興とか、産業振興の観点から見ていく必要があると思っていますので、川井分校のその後のあり方、あるいは川井村全体の今後のあり方について、そこは県も責任を持って見ていかなければ、そして対応していかなければと思っています。

記者
先日、知事と県議会議員の資産が公開されました。公開されたのですが、制度が従前のままで、今回も普通預金については公表の対象にならないなど一部では批判もあったようです。増田前知事は、知事本人以外の扶養家族までも公開の対象に含めた条例案を一時県議会に提出して、それが否決されて、その結果として自主的に家族、奥さんの資産も公開するというような経緯があったようですけれども、達増知事にはそのような資産公開のあり方を見直すような考えがあるかどうか、さらに言えばご家族の資産を自主的に公開されるようなお考えがあるかどうかお伺いします。

知事
普通預貯金については、私の場合は4月30日時点というのは衆議院議員をやめ、岩手県知事になり、口座を移したり、現金の移動も多々ある中での一瞬なので、4月30日時点の数字というのはあまり意味がないと思っているのですけれども、ルールとして公開せよというルールになっても構わないと思っています。けれども、今の立場になって安定し、今の給与が入ってくる口座を開いたのも4月30日の後になってからですから、何かそういう実態を反映した情報が、かつ誤解なく伝わるようにしたほうがよいのという感じもします。ただ、どこに口座を開くかとか、県内の金融業振興の観点など、その辺どこまで公表してよいのかという配慮も少しあります。配偶者の資産についても、公表というルールになれば公表はやぶさかではないのですけれども、過去の県議会の中で、そこまではやらないほうがよいのではないかという議論があったこともあって、公開はしていないところです。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は10月24日(水曜日)の予定です。

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