平成19年11月29日の記者会見記録

ID番号 N11895 更新日 平成26年1月16日

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開催日時:平成19年11月29日10時32分~11時12分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
マレーシアでの県産品のトップセールスについてお伺いします。知事が直接行かれて色々展開してきたわけですが、その成果と、今後の県産品の定期的な輸出にどうつながるのか、その可能性についてお伺いします。

知事
イオンマレーシアのフェアは、12月9日まで開かれているのですけれども、持っていったものは大体全部売れるのではないかという売れ行きでありまして、先週の月曜日、火曜日と私が行っている間にもシイタケが売り切れてしまうとか、ホタテが売り切れてしまうとか、もう飛ぶように売れて、早い段階で品切れになってしまうものもどんどん出ていて、かなり人気あるという手ごたえを得ました。マレーシアで普段売られている同じ種類のものよりもそれぞれ値段がかなり高いわけですけれども、例えばリンゴであれば1個1個袋をかけて傷がつかないように、虫がつかないように守り、また色をよくするためには適切に日の光にも当てなければならない、そういうことを1個1個きちんと手間暇かけて作っているのだということを私も英語で現地の人に説明したりとかして、大分そういう理解も進む中で、岩手の産品、これは農、林、水産、まためん類、おせんべい等の加工品も販売し、あと工芸品も持っていったわけですけれども、非常に売れ行きがよくて、アジア向けの県産品の輸出ということに大きな手ごたえを感じたところであります。

記者
売れ行きとかが好調だったということですが、実際に海外行って、知事が海外の方々と接して県産品をアピールして、改めて県産食材の強みとかというのを感じたと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

知事
まずはクオリティーの高さです。品質の良さですね、それは味の良さでもあります。そして、安全、安心というところ、きちんと科学的な最先端の方式で安全を守りながら、また伝統を守りながら手間暇かけてやるという精神も守られているということで、安全、そして安心ということで、これは国際水準、群を抜いているということ、そういったところがやはり大きいと思います。

記者
今後の定期的な輸出も考えていると思うのですが、それに向けた課題というのは何であるかと思っていますか。

知事
こうしたフェアが、かなりうまくいく背景として、それだけアジアの側にも所得水準の上昇、また日本の中でも岩手のものに対する需要増大などが情報的にも知られてきているということだと思います。マレーシアの農林水産省の農業局長さんと会って話をしたのですけれども、もうフェアではなくて岩手コーナーを常設できるくらいのところまで来ているのではないかという話が向こうからありました。ですから、もうできるところではそういう岩手コーナーの常設化というところまで目指していける状態になっていると思います。今回はイオンマレーシアのショッピングセンターを舞台に開催したわけですが、マレーシアの中でも首都クアラルンプールなど一部のところでしたので、より広い領域に広げていくことが課題だと思っています。今県庁の担当で検討してもらっているのは、東南アジアでマレーシア以外の国でも同様なフェアをやれないかとか、また常設店という意味では中国大連におけるアンテナショップのオープンということを大連側と協議しており、そういったところが当面の課題だと思っています。

記者
今のマレーシアの質問に関連して伺いますが、先ほどマレーシアの農業局の幹部の方から岩手コーナーを常設できるような状況になっているのではないかというような話を伺ってきたということなのですけれども、それを受けて今後例えば継続的に輸出したいということが1つあると思うのですけれども、どのような数値でやっていくとか、どう協議していくとかのスケジュールがありましたら教えてください。

知事
今回はイオンマレーシアのフェアでやって、農業局長の話もイオンマレーシアの人も一緒に聞いていますので、まずはイオンマレーシアでそういう常設化ができないかという話を進めていくところからスタートします。そういう意味では、数字的にいつまでにどのくらいとかというよりは、売ってくれる人がいないと売れませんので、そういう売ってくれる人との調整ということになります。

記者
1つ確認したいのですけれども、来年はどこで開催する予定なのかということと、25日までの数値実績について知事に報告が来ていますか。

知事
数量的なものについては日々変わっていて、最新のものはまだ私は見ていません。来年どこで岩手フェアをやるかということもまだ協議中で、正式には決まっていません。

記者
2点お伺いしたいのですけれども、1点目がマレーシアでのフェアについてです。2,500袋の米を持っていかれて、25日までで350袋ぐらい売れているという話を聞いているのですけれども、今回レセプションを開催されて国と岩手県というような形で外交的なルートから米を売り込んだというところが1つのポイントだと思うのですけれども、今後それを拡大することができるような手ごたえを知事ご自身が感じられたかどうかということと、今後それを継続するために必要なことを何だと考えていらっしゃるかお聞きします。2点目が人事委員会の勧告についてですが、今回の県議会には提案なさらないということで、それについての現在のお考えをお聞かせください。

知事
マレーシアは、そもそも食糧自給率が100%に達しておらず、お米についてもタイなど他の国から輸入をしている現状です。そういう中で、日本からの米の輸入、特に岩手からの輸入ということについては、増やしていける可能性はかなりあるという手ごたえを感じました。現地の人たちの評価は高いですし、役所関係も非常に好意的だったと思います。マレーシアは、石油や天然ガスが出ますので、それで稼いだ外貨で食料を輸入できるようなところでもありまして、まずそういう輸出しやすいところからアジアに入っていくというのが基本戦略であります。
人事委員会勧告をめぐる件につきましては、人事委員会の勧告は今年度からの実施なのですけれども、来年度からということでどうかという交渉を職員団体と交渉をしているところです。妥結に至らない段階でこの12月議会に提案するということは適当でないと判断いたしまして、お互い納得の上で進めていくことが望ましいと考えておりますので、今回12月議会への提案は断念したということであります。

記者
国政と地方の話にも絡んでくる話なので知事の見解を是非ともお伺いしたいのですけれども、道路特定財源についての知事の考えを聞きたいのですが、小泉改革から一般財源化が叫ばれて、かといってこの前国交省は道路財源は満額全部使っても足りないというような見通しを出されたと思うのですけれども、知事は道路財源の一般財源化についてどのような考えを持っているのか教えていただけますか。

知事
岩手県にはまだまだ必要な道路、これから造らなければならない、整備しなければならない道路というのがたくさんあり、それもできるだけ早く整備していきたいという状況ですので、そのための財源の確保ということを国に対しては求めていきたいと思っています。お金に色はついていないわけでありまして、そういう中で最終的にはどういう形であれ財源として確保できればよいのですけれども、今の制度のもとでは道路特定財源という形でないと確保できないので、今の財政制度全体の中では道路特定財源堅持ということを岩手県としても国に対して求めているところであります。行財政の抜本改革の中で、国から地方へのお金の流れというのがもっと地方に大規模に移されて、地方で自由に使えるくらい余裕のある財源が全体として地方に移るのであれば話は別なのですけれども、今の制度のもとでは道路特定財源は意味があると思っています。

記者
となると、一般財源化に反対というような考えだと理解するのですが、自民党の中でもそういうふうに堅持すべきだという人たちと、それでは改革が後退するので一般財源化しなければならないというところがあって、そこに近く総選挙があるのでないかという思惑が重なって、色々な駆け引きがあるみたいなのですけれども、その選挙に絡めて道路特定財源の話をするというのは、どういうふうに知事は感じるものでしょうか。

知事
選挙は、国の、あるいは国民にとっての重大な争点を有権者に問う場でありますから、そこで論点が整理され、議論が活発になるということは大変結構なことだと思います。ですから、その中でそれぞれ信念に基づいて自分の意見を言うのでしょうから、あとはそれをどう判断するかという受け止める側の問題だと思っています。改革という切り口から話しますと、日本において必要な改革というのは、輸出主導型の経済構造から内需主導型の経済構造に転換するということだったはずですし、今でもそれが求められていると思うのです。輸出で外国からお金をどんどん稼いで経済成長するのではなく、国内消費が拡大して、国の中でお金が回って経済が成長していく経済構造に持っていく。それは、言い替えると地方の経済力を高め、地方における消費を拡大するということが求められていたのだと思います。細川総理大臣の時代に、それを進めていこうとしていて、でも地方でバス停を動かすことにすら国の許認可が必要で、それでは自由な経済政策とか地域振興ができないから分権が必要、行財政の改革も必要という動きがありました。それは、地方が豊かになること、内需が拡大することが目標だったはずなので、最近国の赤字を減らすことこそが日本に必要な改革という解釈で改革ということを言う人がいるのですけれども、実は国の赤字を減らすということは大きな日本の構造改革の一部に過ぎなくて、より優先されるべきは地方を豊かにするということだったはずです。その辺で優先順位がひっくり返ったりするとまずいのではないかと思っています。

記者
テロ特措法が参院で審議が始まりました。また衆院に持って帰って再議決になるのか、それとも、色々な動きがあるかもしれません。知事はいつぐらいに解散しそうだと今の時点で思っているのか、いわゆる先見の明が非常に高い、国政の動きが見える知事に是非とも解説してもらえればと思います。

知事
これは総理大臣が決断すればいつでも解散はできるので、総理大臣次第なのです。ですから、総理が計画的にやろうと思っていても、最近の報道で出会い頭というような言葉もありますけれども、切羽詰まって追い詰められて、瞬間的にそれしかないというような格好になり、解散するという可能性というのはあると思います。

記者
となると、近く解散もあり得るという認識ですか。

知事
ええ、全然おかしくないと思います。それは、本質的に今の国会の状況というのは、自民党の総裁イコール総理大臣ということになっているのですけれども、総理総裁が誰であれ、民主党の全面支持を得なければ思うように法律を成立させられない、国のかじ取りができないという構造ですから、そういう中で国のかじ取りをしていこうと思えば、民意を問うということをせざるを得ない状況にならざるを得なくなると思うのです。それ以外の選択肢は、下野して民主党に政権を委ねるという選択で、結局どちらかしかないのです。責任を持って国のかじ取りをしようとしたら、改めて民意を問うしかないし、解散せずに国のかじ取りが機能するようにしようと思ったら、それは民主党に全部任せるというふうにするしかないので、非常に不安定な構造ですから、いつ解散が起きてもおかしくないと思います。

記者
解散は、早いほうがよいと考えますか。

知事
きちんと日本全国津々浦々、暮らしや仕事が良くなっていくような政治が行われれば、誰が総理であろうが、何党の政権であろうがよいと私は思っているので、すぐに解散をせずに新体制を作るということはやろうと思えばできるのだと思います。ただ、今は、それぞれ関係者の間の話し合い、あるいは話し合わないことによって、当面そういう可能性は限りなく少なくなっているので、新体制を作るには解散総選挙しかないという状況になっていますから、それは早いほうがよいと思います。

記者
新しい地域経営の計画案で、県民所得を260万円に引き上げるという目標が盛り込まれました。先週の審議会等々では4年間で一気に二十数万上げるのは厳しいのではないかというふうな意見も出されましたけれども、知事はこの260万円という数字について、4年後本当に達成可能と考えていらっしゃいますでしょうか。

知事
西暦2000年にはそのくらいの水準だったわけです。1つの極端な説明ではありますが、総額にして2,800億円、県民所得全体が下がっているわけです。1人当たり20万円、2,800億円というのは、大体西暦2000年から今年までに県の予算と市町村全体合わせた予算の減った総計が大体2,800億円ぐらいですので、実は県と市町村の予算が2000年の水準に復元されれば、県民所得は元に戻ります。県や市町村の歳出による波及効果というのを全然考えない生の数字だけで戻るわけです。逆に言うと、そういう国から地方へのお金がどんどん細って、地方財政が窮乏化していっているということがかなり県民所得低迷の大きな要因ということなので、今全国知事会も地方財政の復元ということ、地方交付税のことを中心に政府に求めているところであり、まずそれを岩手としても強く求めていきたいと思っております。
ちなみに、小泉内閣、そして安倍内閣にも受け継がれ、今の内閣にも多分受け継がれているのでしょうけれども、岩手であれば2,800億円、公が経済から撤退した格好になっているので、その分民間経済が自由に活動できる場が2,800億円分、増えているのだから、自己責任・自助努力でやればよいのであって、それで県民所得が低迷しているというのは、これはひとえに民間の責任だ、自己責任だというのが小泉、安倍路線の考え方なのだと思います。それを100%取り入れれば、竹中平蔵さんの理論でもあると思うのですけれども、それに100%乗ればできて当然、できないのは民間の努力不足と県が言い放って終わりということになってしまうのでしょうけれども、私はそういう考え方は間違っていると思っているので、県として今までやってこなかったような新機軸、それが新地域主義戦略とか岩手ソフトパワー戦略とかそういった新機軸なのですけれども、そういう従来型の財政出動に頼らずに県民経済を活性化し、県民所得を向上させていくような、そういう21世紀型のローカルガバナンスですね、それが地域経営ということなのですけれども、その地域経営ということで岩手の地域力を引き出して所得の向上につなげていく。そういう政府の政策転換を求めていくことと、新機軸による地域経営ということの両面作戦で1人当たり260万円という県民所得を実現するということは決して不可能ではないと思っています。
あと、もう一つ加えると、1人当たり20万円所得が減ってしまった、2,800億円岩手からお金が失われたことで、人口減少が西暦2000年には1年に2,000人が県外に出ていくという数字だったのが、去年だと6,000人が県外に出ていくという数字になっています。ですから、今の県民所得水準をそのままにしておくということは、毎年毎年6,000人いなくなっていく岩手をそのままにしていくということで、これは県としてはそのままにしておけないと思います。せめて2,000人ぐらいの水準にまで人口減少を減らしていかなければならないと思っていまして、そのためにも県民所得を西暦2000年の水準に戻すということは現実的な目標だと思っています。

記者
目標を達成していく中で、審議会でも核となる産業振興等々が必要なのではないかというふうなことを挙げられました。自動車産業あるいは半導体、観光産業等々色々あるわけですけれども、どれを機軸にしてやっていくというふうにお考えでしょうか。

知事
6本の政策の柱の中で、これは比較的オーソドックスな手法ではありますけれども、それぞれ1次産業、2次産業、観光も含めた第3次産業について、それぞれこのくらいずつ生産を引き上げるという目標値は産業ごとにつくってあります。それ全体合わせると県民所得260万円水準の実現ということにつながるような計画にしているところです。

記者
八幡平スキー場のことについてお伺いしたいのですけれども、県が2番目の株主ということになっていると思います。今シーズンの休業を決めたということなのですけれども、県の観光面から見ても大きな損失と言えると思うのですが、昨日署名も出されていますけれども、今後どのように対応していくおつもりかお考えをお聞かせください。

知事
今の会社がこれ以上営業できないということなのですけれども、ほかに引き受け先、経営可能な会社、そういう主体はないかというのを探しているところですので、県も側面から八幡平市と連携しながら、何とかほかの経営体での経営ができないものか側面から支援してまいりたいと思います。

記者
今の質問に関連してなのですけれども、側面から支援ということなのですけれども、具体的にどのようなことができるとお考えでしょうか。
あと、今スキー客の人口が減っている中で、韓国を1つテーマに取り上げて、今月もその韓国から、中国からというようなツアーも組まれました。スキーは、冬の観光のメインだと思うのですが、それを今後どのようにこれからやっていきたいとお考えか、もしくは検討を始めたいとお考えか、そこについてもお聞かせください。

知事
関心のある会社が県のほうに問い合わせてきたりとかしているのを今の会社につないだりとか、そういう関係者間の協議というのはここに至る間にも色々やってきて、そういう場などを利用しながら今までも支援はしてきましたし、これからもそういう形で情報提供、意見交換などやっていきます。あと、除雪の手伝いとか現場での手伝いみたいなこともできることはしていきたいと思っています。
八幡平スキー場については、ここに至る色々な議論の中で、リフトを全面的に新しくしたり、大型のレストハウスみたいなものをつくったりというような案もあったのですけれども、ただそこはもうどこもお金が出せないというような話になって、やはりそういう古きよき時代のレジャー産業型の生き残り策というのは、八幡平スキー場については難しいと思っています。ただ山岳スキー場としては非常に世界有数のよいコースでもあるので、そういうのがわかる、本当にスキー好きな人とかスキーができるような人たちはそういった地域のスキー場というところにも来て滑るでありましょうから、地域のローカル色豊かな、地域で守る、地域のスキー場といった形の存続ということが模索されると思っています。
韓国からのスキー客誘致については、これは岩手全体として温泉、ホテル、旅館を営業している皆様や、スキー場を経営している皆さん等々と連携しながら、あとは空港当局とも連携しながら進めているところでありまして、岩手全体としてはそうした流れはますます加速していくところでありますが、八幡平スキー場がその中でどういう位置づけになるかというところはこれから決めていくことだと思います。

記者
県に問い合わせてきている企業もあるということですけれども、どれくらいあって、それをもう紹介しているのかどうか教えてください。

知事
企業名等については、差し控えさせていただきます。

記者
先ほどの新しい地域経営の計画の所得目標についてなのですけれども、今回の12月議会でもその辺を中心に議論が交わされるのではないかなと思うのですが、議会を通じた県民への説明の機会ともなると思うのですけれども、所得を上げるという地域経営計画の重点目標についてどういう態度で、どういう方向で議会で説明するのかお伺いします。

知事
実は、目標を達成するには、それは県組織だけでできることではなく、むしろ県組織ができることというのは非常に限られていて、140万県民みんなが力を合わせなければできないことです。社会主義国における計画経済というのは、中央政府であれ、地方政府であれ、こうと決めた計画にそこに住んでいる人たちを強制的に従わせて、おたくの会社はこれだけつくりなさいと、その値段は幾らですと、それを人口何人のこの町ではこれだけ消費するのですという配給制みたいにして、生産量とか価格とかを全部政府が決めて、そのとおりに5年間なら5年間実行して目標を達成するというのが社会主義型の計画ですけれども、我々の実施しようとしている計画というのは全然そうではなく、それぞれの経済主体が何をどれだけ生産するか、幾らで売るかとか、あと消費する側も何をどれだけ消費するかというのは基本的には自由に決めてやっていく話であります。そういう中で、現状が今のまま続いていくと毎年6,000人ずつ若い人中心に県外に出ていくような岩手になってしまうという事実をお互いに確認し、そして西暦2000年には1人当たり260万円の所得水準を実現していましたが、そのときには県や市町村の予算は今より2,800億円多かったです。予算が復元すれば、それは一発で目標は達成されるけれども、国の政策も関係あります。そういう中で、西暦2000年と同じくらいの県や市町村の予算が無いような中でも県としてのそれだけの経済力、生産力というものを発揮していくためには、どの産業分野でどういったことが進んでいけばよいかという目安とか目標は県で色々なプラン、プログラムを提示していきます。そういう中で、うちも技術開発をこのくらいのペースで進めていこうとか、工場の拡張をこのくらいのペースで進めていこう、雇用、新規採用はこのくらいずつ、特に県内からはこのくらいずつやっていこうというようなことをそれぞれ、みんなで進めていかなければならない話なわけです。ですから、140万県民がそれぞれに納得しながら、またその気になって、そしてお互い情報交換しながら進めていかなければならない作業でありますので、県議会での説明、質問に対する答弁というのはその入り口であり、また最重要な作業であると思っています。県議会でのやりとりも通じながら県民が総力を挙げて目標を達成できるような体制を目指していきたいと思います。

記者
先ほどお話しがあった人口減少の関係で1点お伺いしたいのですけれども、先日総務省で大都市圏への人口流入が集中しているというまとめが発表されました。それで、特に東京への流入が激しくて、今年既にもう9万人で、昨年のペースを上回っているということです。首都圏だけで見ると13万人ちょっとぐらい去年流入していて、これはバブル期並みの水準ということなのですけれども、それはつまり地方から都市に人が流れているということだと思いますが、どうして今こういう現象が起きていると知事は見ていらっしゃるか。それに対して岩手として何をしていくべきかという、その2点お聞かせください。

知事
1番大きい要素は、お金の問題で、岩手はこの6、7年で毎年2,800億円ずつなくなってしまったわけですけれども、東京の方は逆に毎年お金の量がふえています。お金がたくさんあるところが物は売れる、お客さんは来る、また給料も払えるという、お金がたくさんある所ほど人が集まりやすくなるということが基本的な背景にあると思います。ですから、岩手で人口流出を止めるには岩手の中にもやはりお金が一定量あるようにするということが必要だと思います。それが県民所得向上を目指すということであります。
ただ、世の中お金だけではないというところもありまして、ソフトパワー戦略とか新地域主義戦略というのは、お金を稼げるようにするための攻めの戦略であると同時に、お金が思うように稼げなくても地域の中で誇りを持って暮らしていくための守りの戦略でもあって、そういう都会に出ることによって、色々心の問題でありますとか、また誇りの問題とか、犠牲にするところもあるわけです。そういったところでお金の不足を補っていけるだけのそういう心の豊かさとか誇りですとか、一言で言うと希望ということだと思いますが、希望というのが岩手にちゃんとあるようにしていければよいと思います。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は12月12日(水曜日)の予定です。

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