平成19年12月25日の記者会見記録
ID番号 N11893 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成19年12月25日10時32分~11時5分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
新しい地域経営の計画ですが、年内に決定して公表する予定と伺っていましたが、現在まだその公表という段階にないのですけれども、発表時期はいつ頃になるでしょうか。
知事
県議会としての関与の仕方について、今協議中と聞いていますので、まずそちらの動きを待って正式に最終決定と思っていました。議会は、来年、年明けに議会運営委員会を開いて協議するということだったと思いますので、その頃になれば段取りが確定できると思います。
記者
予定が遅れたことについてどのように考えているかということと、発表時期が年を越すことについての県の施策への影響等について教えてください。
知事
議会の皆様が色々考えてくださるのはありがたいことだと思っていますので、段取りはその分丁寧にしてもよいと思っています。ただ、来年度予算はかなり新しい地域経営の計画を前提としますので、予算の決定の前には新しい地域経営の計画を正式に決めたいと思っています。
記者
新しい地域経営の計画に数値目標など入っているわけですけれども、知事が知事選のときに出したマニフェストでは、そういう数値を入れるのはどうかということでほとんど入れていませんでした。今回知事に就任して新しく策定する計画に数値目標が入っているということで、マニフェスト的な位置づけとして知事の政策実行力を見ていくという意識は持っても構わないと考えますでしょうか。
知事
むしろ知事と県民とが対峙する形というよりは、今回の数値目標を設定しようということも県民の皆様からの意見、特に県議会での意見に基づいて、県民みんなで1つの目標を共有することがよいだろうということで260万円の県民所得を目指すと決めました。そこはむしろ県民みんなの意識の共有というような、従来のマニフェストサイクルの考え方からするともう少し草の根的というか、住民自治的と言いますか、そういう形の目標設定だと思います。
記者
緑資源機構の大規模林道事業についてお伺いしますが、来年度の政府予算編成で緑資源幹線林道建設が国は事業を継続しないということを正式に決定しました。全国で50億円の交付金は交付するという内容なのですけれども、県として来年度以降の林道建設についてどのように考えていらっしゃるのかお聞かせください。
知事
政府予算が決まる前の段階から、林野庁の予算要求をベースに事務的に新しい事業のあり方について協議をしてきたところです。岩手県としては、国の事業としてやるのが筋であろうということを主張してきたのですけれども、政府案として予算案は確定しましたので、それをベースにもう一歩踏み込んだ協議をすることになると思っています。そういう中で、県としてどれだけ役割を引き受けることになるのかということは、まず協議をしてみて調整をしていきたいと思います。
記者
その方向性というのは、いつぐらいまでに決めようと思っていますか。
知事
予算の関係ですので、執行していく時点に間に合えばよいと思っていますけれども、相手のあることなので、なかなか締め切りを設けにくいことではあるのですが、一方、今までは国として内閣全体としての意思がまだ確定しなかったので本格的な協議に入れなかったのですが、今は本格的な協議に入れると思っていますので、それほど時間をかけずに結論を出したいと思います。
記者
来年度の予算編成に間に合うように決めたいということでよいのでしょうか。
知事
できるだけ速やかにということです。
記者
先ほどの地域計画のことに関連して伺います。前回の記者会見時にも聞いたのですけれども、県議会の関与を検討されているということなのですが、どの程度まで考えていらっしゃるのか確認させてください。
知事
県議会として会期末の最終日に議論が始まって、続きはまた来年ということになっているようなので、まずそちらの動きを待って、執行部としては特に何か新しい提案をするとかという立場ではありませんので、そちらの議会の調整を待ちたいと思っています。
記者
4月下旬に知事に就任して、一生懸命取り組まれてこられたと私たちも見ていますが、知事にとって、何が2007年のトップニュースだったのか教えてください。
知事
これは色々な分野が同じくらいの重要性で、パソコンのデスクトップにそれぞれウインドウが10も20も同時に開いているような感じなので、並べかえはなかなか難しいところです。色々なことが同じ平面上に並んでいまして、観光振興のことですとか、自動車、半導体を中心としたものづくり振興ですとか、医師不足対策、そして平泉の世界遺産登録の件、文化芸術振興の話、国体の招致、スポーツ振興など、本当に色々なことが横並びで、草の根コミュニティーの振興もやはりデスクトップに置いてあります。ほかにもデスクトップに置いてあるものばかりで、どこかのファイルの中に入れているのではなくて、デスクトップに保存しているという状況です。
記者
知事になられたということ自体は、知事の中でどれくらいの順位なのでしょうか。
知事
それは1番といえば1番、番外といえば番外と言えます。それを前提としてほかのニュースがいっぱいあるのですけれども、今年一年を漢字で表わすと何かというのを自分なりに考えてみたのですが、「県」の一字に尽きると私は思っています。そういう意味では知事就任は今年の自分にとって最大の一番のニュースです。
記者
「けん」というのは、岩手県の「県」という漢字ですか。
知事
はい。脳内メーカーの結果が県、県、県と出てくるような感じです。
記者
日本全体では今年の漢字は「偽」という文字になってしまいましたが、改めて来年に期待することとは、今漢字一文字でおっしゃられましたけれども、漢字一文字も含めてどのような年になればよいと感じていらっしゃいますか。
知事
「希望」の年になることを希望しています。
記者
漢字で一字だと「希」ですか、それとも「望」のどちらでしょうか。
知事
「希」という字の緊張感が、来年にはふさわしいという感じがありますので、どちらかというと来年は「希」の年という感じです。
記者
先日の競馬組合議員協議会の中でありました県競馬組合と東北映像が交わしている合意書のことについて、改めてもう一回お伺いします。テレトラックの賃料の値下げ部分について、平成21年度以降に組合が負担するという文言が入っていると思うのですが、このことについて議員の方々からは、ほかの会社にはコスト削減などで我慢してもらっているのに、なぜここだけ特別扱いなのかというような言葉も出ていたのですけれども、実際問題として6億円以上も新たな負担を組合が払えるのかどうかも含めてこの合意書どおりに債務を履行する考えなのかどうかをお伺いします。
知事
そもそも債務ではないという考えですから具体的な数字もないということです。そして、私が引き継いでいますのは、その合意書も引き継いでいるのですけれども、新計画のスキームも引き継いでいまして、赤字になったら廃止、そして赤字にしないように売り上げに合わせて年度の途中でもコスト削減をしながらやっていく。そのコスト削減については受託企業も含めて関係者で話し合いをして、その話し合いの場も運営協議会とか、コスト調整部会とか、そういう中で作業をしてコストを決めていく。その結果を予算の案として競馬組合議会の承認を得て執行していくと引き継いでいまして、そういう中で合意書が原因となって黒字が不可能になるとか、合意書が原因になって立ち行かなくなるとかということはないと考えています。
記者
先日の協議会でも債務ではないという説明が度々あったと思うのですが、要は具体的に言うと変更契約した約6億円分の金額について、今後東北映像と協議を続けて、それについて減額する若しくは合意書にはこうなっているけれども、実際には我慢してもらう方向で話を進めるという理解でよいのでしょうか。
知事
まず、私のレベルでも、またそれ以下のレベルでも合意書をめぐる協議は、組合と企業との間ではしていない状態です。何をしているかというと、来年度の事業経営の見通しについて、既に競馬組合議会の皆様にも報告したところですが、その内容に沿って来年の委託料の交渉をしているところであって、そういう中で6億円とかという話は出てきていないということです。
記者
出てきていないというのは、今の時点で出てこないにせよ、東北映像も企業という形をとっている以上は、6億円というのはかなり大きな額だと思います。多分向こうにとっても避けて通れない話だと思うのですけれども、今後協議をしていくご予定はあるのでしょうか。
知事
まずは、来年度の契約でありますし、そして来年必要があれば年度の途中でもコスト調整の議論をすることになるでしょうし、そういうことがなく来年比較的平穏に進めば、来年度末にまた翌年の交渉ということになると思いますけれども、そこも新計画の枠組みの中で関係者間で議論をして、競馬組合議会にも認めてもらえるような、イコール県民に認めてもらえるような契約をするということであります。
また、来年度中には、民間委託の拡大という議論もすることになると思うのですけれども、そういう中でまた新しいビジネスモデルについて議論することになるかもしれません。
いずれその辺はそういう状況に応じて色々な展開があるということです。
記者
最後にもう一点お聞きしますが、テレトラックの設置に伴う東北映像の借入金がかなりの額あったと思うのですが、それについて合意書では「組合に責めはある」という表現になっていると思います。これも競馬組合議会で色々と質問も出て当局からは道義上の責めというような回答が出たりしています。それについて改めて、この「責めがある」という表現にどの程度の責任があるとお考えなのか聞かせてください。
知事
法律的にそれが債務になるものではないということです。色々うまくいくように協力というか、支援というか、信義則上の責めはあるということですけれども、債務的な金銭上の責めはないということです。
記者
先ほどの大規模林道のことでお伺いします。都道府県に移管するという政府の方針が決まったことで、県としてそれをベースにして林野庁ともう一歩踏み込んだ協議をするというお話でしたが、基本的なスタンスというのは事業を継続したいのか、あるいは北海道のように来年度の建設を休止して、第三者委員会等で本当にこの林道が必要なのかどうかという部分を議論するなど、今の県のお考えはいかがなのでしょうか。
知事
政府予算案ができる前までは、林野庁としては要求案に基づいた色々な提案をしてきていたのですけれども、その提案というのは政府全体の裏づけのまだないものなので、それを前提にした議論はできないということで、国が責任を持ってやるべき事業であろうということを言い続けてきました。けれども、政府全体として裏づけをした提案という格好になりましたから、そういうものとして受けとめ、関係市町村からは生活道路、地域振興のための道路という位置づけもあるという話を聞いていますので、そういった方向で生かす、事業を進めるということが、また今回決まった予算の枠組みで、そして県もそこに関与して進めていくのが適当かということを関係者でここから改めて議論していくということになります。
記者
県教委が盛岡市みたけの運動公園を改修するという方針を示しているのですけれども、この県教委の方針については、当然予算も伴うものになると思いますが知事はどのようにお考えですか。
知事
各部局からの予算要求の中、教育委員会からの要求の中にそれが入っているということは承知していますけれども、まだ私を含めた議論の対象にはなっていないというところで、これからの議論です。
記者
県営運動公園というのは、知事も昭和45年の国体のときの色々な思い出の地だと思うのですけれども、次の2巡目国体の会場地としてふさわしいかどうかというのは、今の段階でどのようにお考えでしょうか。
知事
これからの議論と考えています。
記者
話が戻るようで恐縮ですが、政府の来年度予算案が示されましたけれども、改めてこの部分が評価できる、あるいはこの部分は評価できないという点についてポイントを教えてください。
知事
地方交付税の減額に歯止めがかかって、そして地方再生のための特別枠が設けられたということは一定の評価に値すると思いますけれども、しかしながら税財源の抜本改革というところにはまだ踏み込まないで、暫定的な税財源の調整までしか決まっていないというところはやはり問題だと思っています。
それから、医師不足対策について大幅な予算の増額がされたことは、地方が持っている危機意識がようやく政府にも共有されてきているということで、これもまだまだ具体的にどういう事業になるのか、また抜本改革につながるのかというところは今後の課題ではありますけれども、まず前向きの一歩と思っています。
全体的には、地方に対して小さな政府を求め、そしてとにかく国の借金を減らすことを最優先にしていくという今までの傾向は、実はそのまま続いているところがありまして、地方交付税もよく見ると人件費削減という前提が続いているのは、まだよいのですけれども、投資的経費の3%削減も引き続き継続、それが前提になっていて、ほかのところがあるから全体の額は増えているのですけれども、今地方が危機的な状況の中で、本当に地方に対して小さな政府化をどんどん迫るやり方でよいのかという疑問は持ちます。またニューズウイークの最新号が世界経済は基本的に非常に順調なのだというのが特集記事になっていまして、サブプライム問題とか、原油高とか、色々な不安要素はあるけれども、世界全体がこんなに順調に成長していることは今まで歴史上なかったことで、今年は世界全体で4.9%の成長なのです。これは、10年前に比べると2ポイントも上昇しているという中で、日本だけそういう世界の成長から取り残されている状況です。ですから、時々言うのですけれども、それは本当の構造改革というのがなされていないからだと思うのです。本当の構造改革は内需拡大型の経済構造に改革すること、特に地方が豊かになり、地方において消費が伸びて、それで国全体の経済が成長していくような構造に変えることが目標であったはずでありまして、世界的にもそうやって地方がどんどん力をつけている国々において経済成長が順調にいっているのだと思います。日本は、そういう世界のトレンドにほぼ唯一逆行しているのではないかと考えます。アフリカの強権主義の国1つと、太平洋の島の国2つ、計3つの国だけが経済がマイナス成長していると書いてありましたけれども、日本はそれに近い状態なわけでありまして、単に国の赤字を減らすというだけの構造改革ではなくて、日本の地方、特に地方における経済構造を改革するという真の構造改革を実現するような国の予算というのを工夫していかないと、なかなかアクセルとブレーキを同時に踏んでスピンしてしまうような感じの予算になりかねないというところを危惧しています。
記者
先ほどの質問に戻るのですけれども、厳密には4月末で1年目を終えるということになりますが、この1年知事として歩いてみて、岩手の色々な問題があると思うのですけれども、どうお感じになったのか率直なところを聞かせてください。
知事
経済情勢がなかなか大変で、また社会的にも色々な問題が発生している中で、本当に岩手の皆様は地域の暮らしの現場や仕事の現場で頑張っていて、それで何とか岩手全体として底が支えられているという実感を受けました。岩手全体として何とか年を越せそうだという感じがしていますけれども、それは本当に草の根の、県民の皆様の努力でそうなっているので、県として、きちんとそれにこたえて、県民の潜在力をもっともっと引き出して、今の県民のこの力というのは、もっと高い所得につながってしかるべきだと思いますし、また、より安心して安全に暮らしていけるような環境につながっていくべきものだと思いますので、来年以降、さらに県として頑張っていかなければならないと思っています。
記者
次に、この一年が率直に言ってどんな一年だったかということと、知事がキャッチフレーズにしています希望王国岩手につながる一年だったのかどうかについて聞かせてください。
知事
まず、危機意識の共有ということが色々な形で出来たと思います。これは、統一地方選挙がそうでしたし、また、夏の参院選プラス衆院選岩手1区の補欠選挙もそうでした。この国政選挙を通じても岩手県民全体として、やはり国の政策転換を迫っていかなければならない、より生活本意の政治、行政をしていかなければならないということが確認された一年だったと思います。危機意識の共有に基づいて、岩手においては私のマニフェストをベースにしながら、新しい地域経営の計画というものを提示いたしまして、これについて県民的な議論もしていただいて、県民所得の目標も掲げながら進んでいこうという方向性ができてきたところだと思います。県議会では、いわば最後の仕上げについてどうしようかという議論をしてくださっていると思っていますけれども、いよいよ来年からはそういう危機意識や、やるべきことについても意思を共有して、そして希望に向かって進んでいける、そういう一年のスタートになるのではないかと期待しています。
記者
おとといの有馬記念で、有馬記念史上2番目という高額配当の5万8,000円の単勝を勝った馬がマツリダゴッホであり、馬主さんが岩手、八幡平の人です。岩手競馬にも10頭近い馬を出しているということで、非常によいニュースのような気もするのですが、今後馬主さんも含めてマツリダグループに期待することなどあれば感想も含めてお伺いします。
知事
有馬記念1着ということに、岩手競馬全体としてもぜひあやかりたいと思います。大分稼がれたのではないかと思うので、その力で岩手競馬の方にも貢献していただければ勇気百倍だと思います。
記者
レースをご覧になっていましたか。
知事
有馬記念は見ていませんでした。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
知事
それでは、皆様、よいお年をお迎えください。
次の定例記者会見は1月4日(金曜日)の予定です。
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