平成20年1月15日の記者会見記録
ID番号 N11891 更新日 平成26年1月16日
開催日時:平成20年1月15日10時30分~10時57分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。
最初に知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。
知事
今日は、「希望王国いわて文化大使」制度について発表します。従来実施していました「銀河系いわて大使」が、平成18年度末で委嘱が終了しており、それにかわる新たな大使制度として「希望王国いわて文化大使」を定めました。
この制度は、お手元の資料にありますように、岩手県に理解や共感、愛着等を持つ県外在住の方々に岩手県の文化を中心とした魅力等を情報発信していただき、岩手のイメージアップと岩手ブランドの確立に向けた県の取り組みに寄与いただくとともに、岩手ファンのネットワーク拡大にも資するものとして実施するものです。学術、芸能、文化、食文化、スポーツ、マスコミ等、各分野から、まず首都圏地区で61人の方々にお願いしたところです。
明日、1月16日に第1回の大使意見交換会及び懇談会を東京都内で開催することとしていまして、首都圏以外の地区についても今後順次委嘱を進めていくこととしています。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
今回から「希望王国いわて文化大使」ということですが、名称変更された理由、「銀河系いわて大使」の取り組みの総括、今後期待したいものを教えてください。
知事
「銀河系いわて大使」制度は、大変効果があったと思いますし、私も衆議院議員時代、色々なところで「私、いわて大使やっています。」という方に会いまして、非常にそれぞれの方がやる気を持って岩手の宣伝してくださっていたと思います。それをさらに発展させようということで、各地の県人会は県人会としてそのネットワーク、また活動を発展させていく。また、誘致企業の推進とか、岩手の経済、産業関係の応援団として、在京、在大阪等主要な地区ごとに岩手産業人会という仕組みがありますので、それはそれで発展させていく。そうした2つの県人会ネットワークと産業人会ネットワークと区別したものとして、文化に重点を置いた大使制度として発展させていこうというのが今回の趣旨であります。この県人会ネットワーク、産業人会ネットワーク、文化大使のネットワークが3本の矢といいますか、この3つの柱で岩手の県外アピールを進めていければと思います。
記者
前の増田知事がおやめになるときに、東京に行っても岩手の応援団として頑張りたいと言っていたのですけれども、今回の大使になるというお話はなかったのでしょうか。
知事
今は総務大臣ですから、総合的に岩手を丸ごとよろしくお願いしますという感じです。「希望王国いわて文化大使」は、まず首都圏地区で61人ということですけれども、これで終わりではありませんから、また色々と検討したいと思います。
幹事社
幹事社から1点だけ質問させていただきます。職員の給与減額なのですが、今回3年間でかなりの額を減額すると組合に提案されていますが、これに対する知事の基本的なお考えをお聞かせ願います。
知事
給与の特例減額は本来あるべき姿ではなく、人事委員会による給与勧告制度のもとで、条例で決定された給与を支給するという本来の仕組みに沿って給与をきちんと支払っていくことが望ましいわけでありますけれども、やはり岩手の直面する財政危機を克服していくために、私としても心苦しい気持ちではありますけれども、やむを得ず苦渋の判断ということで提案しているものです。
幹事社
組合側は、かなり強く反発しているようですが、組合員の理解が得られるようどのようなスタンスで交渉を進めていくのかお伺いします。
知事
やはり給与勧告制度、公務員、地方公務員の給与制度の本来の趣旨からすると極めて例外的な措置でありますので、そういう点について職員団体のほうから指摘いただいているということは聞いておりますし、その指摘には理由があるものと考えています。
交渉については、地方公務員法の中にも交渉のルールについては詳細な規定がありますし、きちんとルールに沿った交渉を進めていく中で、私の気持ちもきちんと伝わるように工夫をしていかなければと思いますし、また県民生活を支え、県民の所得の向上や生活の向上という、そうした事業を最低限確保していくためにも協力をお願いしたいという、その辺の現状認識、また目的を達成するための手段ということについては、交渉の中で相互理解を図っていきたいと思います。
幹事社
各社から質問があればお願いいたします。
記者
今日で臨時国会が再延長の末、閉幕しますけれども、参議院選後の衆参ねじれと言われる中での臨時国会を総括してどのように受けとめているでしょうか、お聞かせください。
知事
色々ハプニングや驚くような展開もあった臨時国会だったと思います。本質的なところでは、夏の参院選で示された民意、生活本位の政策への転換、格差の是正、地方切り捨てではなく、地方から経済や暮らしが良くなっていくような政策への転換という方向での取組について、もう少し政府与党が積極的に国会に諮っていく工夫をすれば実のある国会になったのではないかという気がしています。
記者
地方の知事という立場あるいは生活、国民という立場から見て、ねじれという現象がそれまでの国会のありように比べて良い方に向かっているのかどうかという点と、その理由について教えてください。
知事
去年の春の通常国会のように、とにかく強行採決の乱発というやり方にならなくなっているというのは、非常によいことだと思います。それぞれ真剣に、慎重に、丁寧に審議をするようになったということはよいことだと思います。本当に国民にとって必要なことで、国民の大多数が歓迎するようなことであれば、衆参でねじれていようが、1つの結論を出していくということはできないことではないと思うのですが、まだそこのところがうまくいっていないという感じがします。
記者
臨時国会が終わって通常国会が18日から始まると、焦点は道路の暫定税率の話になり、それが解散含みかという話だと思うのですが、ほかの自治体で暫定税率がなくなった場合に、その県に与える道路整備の状況について試算が始まっています。例えば青森県だったら幾らぐらいの試算で、この道路ができなくなってしまうとか、具体例が出てきているのです。その試算があるかないかで、地方からの訴えというのは説得力を持つものになると思うのですが、岩手県では、そのような試算をするつもりがあるのかないのか教えてください。
知事
今現在、私自身としてはそういう作業の必要性を感じていません。それは、与党側は暫定税率維持ということで案を作っているようですし、野党側は暫定税率を廃止する分、何か地方への財源を大きく増やして自由に使えるような、そういう地方財源の充実を図るとしています。ただ、それはまだ中身がよくわからないので、ちゃんと地方における道路整備を賄えるくらいのものが来るかどうかというのはもう少し見てみなければわからないのですけれども、いずれにせよ、それなりに地方のためにという基本方針ではあると思っています。また、与党側もよく見てみると道路財源のかなりの部分を道路以外にも使えるようにしていく一般財源化ということに踏み込んでいるところがありますし、それはそれでどのぐらいそれがマイナスになるのかというところが気になるところでもありますし、それぞれの案に良いところもあれば悪いところもあるという感じですので、国会審議を通じて地方のためになるような結論を出してほしいと思っています。
記者
国会審議を見ながらという形になるという理解でよろしいですね。
知事
はい。
記者
県でも原油高対策を進めるにあたり、灯油の補助について、やろうと思ったその理由と、現在の原油高に対する認識を改めてお聞かせください。
知事
2月の補正予算で措置するという前提で、市町村と調整を進めているところです。やはり市町村から大分深刻な現場の状況、福祉灯油の実施の必要性等々、そういう話を伺っていますので、それを県もしっかり支えていくという考え方で調整を進めているところです。今週も大分冷え込むようでありまして、福祉灯油の問題は、すべての県民に一律に支援をするという話ではなく、ふだんから色々な事情で生活上の困難に直面している方々に対してこういう灯油高、原油高という緊急事態において何をすべきかという問題でありますので、ふだんどのように困っているのかという、生活保護を受けている方々でありますとか、寡婦、母子制度の適用を受けている方々でありますとか、様々な福祉施策をふだんから受けている皆さんの暮らしの状況、事情など、そういったところに合わせた措置が必要でありますので、その辺は市町村にきめ細かい対応をしていただかなければと思っています。突き詰めれば一軒一軒、その家に対してはこういう支援がこういうときに必要というのが色々あるのだと思うのです。ですから、これは一律の所得保障政策というよりは、本質は個々の世帯や個々の個人に対する地域での支え合いという、それが福祉灯油という制度の事業の趣旨と思っていまして、そういった地域事情、現場の状況をわかってきた市町村がそれにあわせてまず手を打つわけでありますし、それを県も支援していくことだと思っています。
そういう中で、灯油が高いがゆえに適切な暖房とか、保温できなくて体を壊してしまうとか、色々な悲惨なことが起きないようにすることが目的だと思いますので、これは県の担当も含めてですが、関係者が気合いを入れて努力しなければならないところだと思っています。
記者
関連して伺いますが、来週、県民生活安定の対策会議が開かれると思うのですが、そこに向けた総合的な対策についてのお考えをお聞かせください。
知事
福祉灯油事業以外にもそれぞれの産業関係、農林水産業でありますとか、原油高に関連した穀物等の原材料高など異常現象が起きていますので、きめ細かくそれぞれの現場に対応した措置ができるように、アンテナ高くして、視野を広げてそれぞれの担当には情報の収集と解決に当たって知恵を絞る努力と工夫を求めていきたいと思います。
記者
岩手競馬ですけれども、昨日で通常開催が終わりまして、計画を0.6%上回っているようです。これで収支均衡黒字は、まず大丈夫だとは思うのですけれども、このことに対して知事の所感をお聞かせください。
知事
これは、関係者の皆様の石にかじりついてでも岩手競馬を守るという覚悟、そして年度途中何度もコスト調整をするという、そこを乗り越えた努力の勝利だと思っています。もちろん、それを実現したのはファンの皆様、そして赤字になったら廃止、存続のためには毎年、毎年黒字にしていかなければならないというルールを見守り、またきちんとやっていくのであれば存続オーケーという信頼を寄せてくださった県民の皆様のおかげだと思っています。来年度以降もファンの期待にこたえ、県民の信頼にこたえるということを原点にして、関係者一同頑張っていけば、今年のような形で、赤字に陥らず、黒字経営で進めていくことができるのではないかと思います。
記者
18日に民間委託拡大の説明会があると思うのですけれども、興味を持っている社あるいは参加予定の社があるかどうかお聞かせください。
知事
9社から申し込みが来ていると聞いています。これは、予想より多い数字であり、やはり関心が高いのだと思っています。
記者
先ほど道路特定財源の話が出たのですけれども、岩手県議会では一般財源化しないでくれという決議を出していると思います。知事は就任当初、政治家としての達増拓也と行政の長としての達増拓也は別ですというお話をされていたのですが、今回のこの問題については、どちらのスタンスで臨むのかを改めてお聞かせください。
知事
法律事項ですので、法律を提案したりとか、あるいは提案の賛同者になったりとか、国会議員はそういう立場にあるのですけれども、私はそういう立場にはありませんので、そういう立法府の人に比べれば、今の制度を前提とした対応に軸足があるということです。これは、政治家として、行政としてというよりも、いずれにせよ、法律の改正とかは国会議員の方々がやっており、政治家としてはそういう立法作業に対してどちらをどう応援するかみたいな話も出てくるのかもしれませんけれども、達増拓也の時間の使い方としては、そういう政治活動に力を入れるよりは、今の制度を前提としながら、その中での県としての予算の最適配分の調整とか、様々な対応の指揮をとる方に、つまりそれは行政の長としての活動ですけれども、そちらの方に時間を割かなければと考えてやっています。
記者
政治家としてお伺いしたいのですけれども、先週の国会で新テロ法案の採決に小沢代表が直前で欠席されたということがあったわけですけれども、一部批判とかも上がっているのですが、政治家達増拓也としては、あの判断をどのようにご覧になったか教えてください。
知事
採決を欠席するというのは、例えばその法案そのものへの抗議の意を示すとか、あるいはその日、そのときに採決が行われることになった、そういう段取りそのものを批判するとか、色々な意味合いがあると思います。特に政治の世界では、私もちょっとおなかが痛かったからトイレに入っていたと言いつつ、本音では抗議の意を示したいがため、採決に出なかったことがありました。そういう経験から見るとあのタイミングで欠席されたことには理由があると感じています。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は1月21日(月曜日)の予定です。
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