平成30年3月20日知事会見記録

ID番号 N63028

平成30年3月20日10時30分から11時11分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 (仮称)三陸防災復興博のことについてお尋ねしたいと思います。先ほど推進本部会議を取材させていただきました。それで、23日に実行委員会でしょうか、総会も開かれるということで、詳細はその日になると思うのですけれども、この間、県議会でも議論があった部分がありまして、まずその開催期間等ですけれども、国政選挙とかが行われる時期もあるので配慮が必要だというような指摘が議会の中でありましたけれども、議会の議論を踏まえてどういうふうに持っていけたらというところ、知事(何か)ありましたら教えていただければと思います。

知事
 これは、実行委員会の決議事項で、実行委員会で提案されることについては、その実行委員会での提案をもって公表される形にしたいので、今の時点ではコメントなしとさせていただきます。

記者
 わかりました。では、23日に取材で、改めてお聞きしたいと思います。
 あともう一点、同じことに関して、先ほどの本部会議の知事のご挨拶で、三陸防災復興博という仮称ですけれども、先ほどは三陸全体を舞台にした総合的な防災復興関連行事という呼び方をされていましたけれども、名称に関しても当然、(総会)当日だと思いますが、名称については今お話ししたようなことが盛り込まれた中身になるのでしょうか、いかがでしょうか。

知事
 名称も含めた基本計画というのが23日に提案されるので、内容についてはその発表前には特にコメントはしないようにしたいと思うのですけれども、ただ基本計画全体としていい案ができたなというふうには思っています。

記者
 わかりました。ありがとうございます。
 あと、全く別件でもう一つ。今月、国(土)交(通)省の方から吉浜(釜石)道路に関して行政代執行の請求が知事宛てにあったと思います。これに関して、期限は決まっていませんけれども、吉浜(釜石)道路の整備、あるいは(ラグビー)ワールドカップ™の開催に向けて県から要望していた事項だと思っています。それで、この執行はいつ行うとお考えか、受け止めも含めてお話しいただければと思います。

知事
 まず、国の事業として吉浜釜石道路の整備は、地元のご理解、ご協力を得て、平成30年度の供用を目指していると承知しています。今回、代執行請求のあった用地については、起業者において引き続き引き渡しへの協力を求めていくとしていて、県としては今後、移転義務者の意向確認を行いつつ、行政代執行法に基づいて適切に手順を進めていきたいと思います。ということで、まずは移転義務者の自発的な義務履行イコール明け渡しを促していくというところから始まります。

記者
 わかりました。それで、逆算するといつまでにそれは成立しなければ、執行しなければいけないのかなと思うのですが、その場合に、本県か、あるいは被災3県だったかちょっと忘れてしまったのですけれども、もしそのまま今住んでいる方が同意しなければ、住んでいる人がいるところでの執行ということもあり得ると思うのです。これに関してはかなり慎重にも慎重を期すべきだと思いますし、国もそういうふうに慎重に進めてきたと思うのですが、それだけを抜き出した場合に知事はどういうふうに受け止められますか。

知事
 移転義務者の自発的な義務履行イコール明け渡しをまずは促していくわけでありますので、そうしないことということについては私は今は考えないで、自発的義務履行があることを前提に考えれば、全体としてスムーズにいくものというふうに考えています。

記者
 そうすると、義務履行を前提にしているということは、今の段階で住んでいる中で執行するということの準備みたいなのは、全く今のところは白紙になっていると受け取ってよろしいですか。

知事
 先ほど述べたように、行政代執行法に基づく適切な手続を進めていくということは、これは県としてやらなければならないことですから、そこは法律に基づいてやるべきことはやります。

記者
 東日本大震災からの復興に関してなのですけれども、来年度、平成30年度は、(平成)23年に立てられた復興計画8年の最終年度で、総仕上げになると思うのですが、それに向けて総仕上げをどういう形で指導していきたいか、また、知事はどうされていきたいか、お考えがあればお願いします。

知事
 平成30年度で災害公営住宅がほぼ完成を見るなど、持ち家再建用の土地の造成も含めてかなり進む見込みですので、住宅の再建につながる部分をしっかり進めていくことがまず大事だと思っています。今年の3月11日前後のさまざまな報道等を見ていても、造成はできてきたけれども、まだ建物が建っていないというような印象が目立っていたなと思うのですけれども、そこにどんどん建っていくということで、住宅でありますとか、そして商店、事業所の本設店舗等がどんどん建っていくということで、復興の勢いをつけていきながら、この生活再建、なりわいの再生、その再建、再生の次のステップにそれぞれの地域の皆さんが進んでいくことができるようにしていきたいと思います。

記者
 一方で、水門に関して、いろいろ工法の見直しなどがあるようですが、今年度計画の2割弱にとどまっていると。それも含め、知事が今考えていらっしゃる課題と認識と、水門に関して-、それ以外もそうですけれども、それをどう取り組んでいきたいか、お考えをお願いします。

知事
 生活の再建、なりわいの再生がそのように当事者の皆さんの頑張りで力強く進んでいくのに対して、安全の確保の部分が当初の計画より遅れていたり、あるいは費用が増えるというようなこと、これは県議会(の今定例会)でも計画変更の提案ということでたくさん提案させていただいて、それに対して厳しいご意見も議員の皆さんからいただいているところでありまして、事業の性質上、実際に掘ってみないと土質の実態がわからない、そしてそれが理由で工法変更をしなければならないということがかなりあちこちで出ているということが基本的な問題なのですけれども、そういったことも克服しながら、もちろん拙速になって工法を変更せずに安全を確保できないようなものを造るということでは、これは本末転倒なので、あくまでも安全の確保ということを実現するよう事業を進めていかなければならないのですけれども、まずさまざま途中の変更があっても、最終的な完成というものがなるべく遅れないような工夫を他の部分でさまざまやっていかなければというふうに考えますし、そこのところ、決して遅れていいのだ、仕方がないのだという気持ちを持たないように、安全の確保の関係の事業にも取り組んでいきたいと思います。

記者
 私も今のに関連してなのですが、第3期復興実施計画の進捗状況というのが公表されていますけれども、2017年度の計画値に対して、さまざま進捗率80%以上が9割ぐらいと、一方で実質的な遅れのパーセントは5%ぐらいあると。まず、この全体の2017年度の状況について、知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 まず、当初の計画どおり進んでいるところについては、これは関係者の頑張り、また、いろいろ用地を提供してくださるなど、事業主体以外の関係の皆さんのご協力もいただきながら力強く進んでいるということで、関係者の労をねぎらい、また、協力してくださる皆さんに感謝を申し上げたいと思います。今後の事業の進捗についても、この調子でしっかり進めていきたいというふうに思います。
 一方、遅れている部分などありますので、そこについては挽回したり、また、遅れる要素以外の部分でそこを遅れないようしっかり進めていくということに努めていきたいと思います。

記者
 今、水門の話もありましたけれども、自動閉鎖システム、そもそも震災の時に消防団員が水門を閉めに行って、多数犠牲になったということの教訓からこういったシステムを導入しようという経緯があったと思います。被災地の消防団からは、次の災害に向けて急いで整備してほしいという声もあります。今、挽回するように工夫していくというお話がありましたけれども、今後どのように工期短縮であるとか、早期整備とか進めていきたいとお考えなのか、お聞かせください。

知事
 災害はいつ起こるかわかりませんので、ですから明日にも起こるかもしれないということを頭に入れながら、特に消防関係の皆さんはじめ、防災の担当者はそういう気構えでいなければなりませんので、そういう人たちの思いに応えていきたいということがありますが、一方で安全の確保に必要な変更は、これは科学的、技術的な根拠に基づいて、そこはしっかり対応していかなければならないということで、まずは安全の確保優先というところにご理解をいただいていかなければならないと思います。
 また、いろいろ発注の技術のような行政技術から、またさまざま使う材料の工夫とか、工法の工夫とかでスピードアップできる部分もありますので、そういったところはやれることをどんどんやって、遅れを取り戻せる部分については取り戻していきたいというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。別件でお伺いしますけれども、大槌町の役場の旧庁舎について、先日、町議会で解体の予算が可決しました。解体の是非をめぐってさまざま議論があったわけですが、この解体という結果について、まず知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 大槌町の自治体としての自治のプロセスとして、民主的な手続を踏まえながら、議会における決定として決定したことについては尊重したいと思いますし、またそこまでの関係者の皆さんの労をねぎらいたいと思います。

記者
 今回旧庁舎を解体するとなれば、今後風化が進んでいく中で、震災の教訓をどう後世に伝えていくか、これは大槌町の中の話にはなりますけれども、そういった課題も出てくるのだと思います。県として今後何か関わっていくというか、そういった面で支援していくというか、どのように対応されていくお考えでしょうか。

知事
 県では、平成30年度の次の年度からの復興の計画について、次期総合計画の中で作っていくわけですけれども、今風化させないこと、教訓や、いわゆる伝承ですね、事実関係や、あるいは教訓といったものを伝承していくことを次の復興実施計画の新しい柱にしていかなければならないというふうに議論をしているところでありまして、市町村におけるそういった伝承の取組に対しても、県もさまざま連携したり、あるいは支援したりしていきたいというふうに思っています。

記者
 先日、盛岡市の建設会社と雇用関係にあった(外国人)技能実習生の男性が、十分な説明がないまま福島県での除染の作業に従事していたということが明るみになりましたが、このことについての知事の所感と、あと、例えば県内での実態調査をやるですとか、県として対応を検討されている部分があればお聞かせください。

知事
 今の仕組みでは、(外国人)技能実習生の実習計画というのは、外国人技能実習機構と監理団体、受入企業で行われて、県が実習について直接関与しない仕組みになっているのです。そして、国の入国管理局や(岩手労働局)労働基準部において、必要があれば個別具体的な事案が関係法令違反となっているか調査するというような形になってはいるのです。ということで、県には情報とかノウハウがない状態ではあるのですけれども、でも岩手で生活し、岩手で働いている人については、岩手に住民票があってもなくても、そして国籍が日本人であれ外国人であれ、やはり幸福を追求できているかということについては、県として見ていかなければならないというふうにも思っていますので、まずは今回の事態について県としても情報を収集したり、またその推移を見守りながら、何ができるのかということについては考えていきたいと思います。

記者
 ちょっと話が戻るのですが、震災の記憶を風化させないというところで、大槌町の役場の解体でも目に見える形での伝承がいいのか、それとも目に見えない形でも、口承というかで伝えていくこともできるのだと、そういう意見の分かれ方もあると思うのですが、知事としての伝承のあり方についてどういうふうにお考えになっているのかというところでお聞きしたいと思います。

知事
 いろんなやり方があるのだと思います。そして、さまざま現場の声もいろいろ聞いていて、岩手沿岸各地で津波の被害の跡が残っている建物があったり、またそれに関して、あるいはそれとまた別に語り部的なガイド、何が起きたか、また教訓は何かということをやってきた人に説明する人たちもいるのですけれども、やはりそれぞれ効果がある部分もあれば、十分理解してもらっていないなという悩みも聞いたりします。ですから、やはりこういうことをやりさえすれば絶対確実に伝承できるという正解はないのだと思うのです。これは、やはりさまざまやってみたり、やり方を変えたり、また、他でやっていることを参考にしたりなどなど、考えながら実行し、また、実行の結果を踏まえて工夫していくというようなアプローチをしていかないと、風化防止、そして伝承ということはなかなかうまくいかないのだと思うのです。県としては、(陸前高田市の)高田松原のところに造られる公園と施設をまず中心にしながら、三陸ジオパークの中での遺構サイトというのの活用ということをしながら、また一方、市町村ごとにさまざま取り組んでいる取組とも情報を共有したり、さまざま意見交換もしながら、この風化防止、伝承に取り組んでいきたいというふうに思います。

記者
 私も今のに関連してなのですが、先日の東日本大震災津波復興特別委員会の方でも、新たな次期総合計画の中で、復興計画の中に安全の確保、なりわいの再生、暮らしの再建のプラスとして、未来のための伝承・発信という4本柱で構成するという部分が昨日紹介されたのですけれども、知事が今おっしゃったように、未来のための伝承・発信の部分ですが、そうすると例えば、震災遺構等も踏まえて、市町村で管理する部分とかにも積極的に関与していくという考えなのでしょうか、県としては。

知事
 多分、全ての地方自治の分野と同じように、市町村において市町村の責任でやるべき部分と県の責任においてやるべき部分と、まず役割分担はあります。そういう役割分担を前提としながら連携してやった方が効果的なところは連携しますし、あとは県として政策的に支援すべきと判断したところについては支援していくというふうになります。

記者
 そうすると、震災から7年が経過して、そういった伝承・発信の部分、今までずっと震災遺構に関しても議論は続いてきたと思うのですが、そういった意味で今、7年経過して、新たにそういったところに県として関与するというか、積極的な姿勢を示すというのはどういった意味があるのでしょうか。

知事
 特に県外において復興フォーラムをやりますと、丸6年とか丸7年とか経った最近でも高い関心を示していただき、また今からでも何か支援したいという強い思いも示していただいているところでありまして、そういうのを形にしていかなければならないというふうに思います。
 そして、そこはやはり人と人との直接の触れ合いの中で、地元の側もそういったことを確認できるというところもありますので、そういうこともあって、2019年の防災復興行事というものもやらなければならないなというふうに思っているわけですけれども、1つは風化防止という、悪いことが起きないようにというネガティブな方向からのアプローチなのですけれども、もう一つはそれをうまくしっかりやることで、全国的な、あるいは海外にもつながる防災の向上に被災地として貢献することができるでしょうし、そうした生きがいに対する貢献ということが被災と復興の時にいただいた支援に対する感謝、恩返しになりますし、また、復興のその先の地域づくりの中でも防災に関して貢献できる地域づくりということが大事になっていきますので、この県の次の復興の実施計画の中での柱にしていかなければと、こういうふうに思っています。

記者
 わかりました。ありがとうございます。すみません、あと別件ですが、森友学園の問題についてです。財務省の文書改ざんということで、野党側は内閣総辞職に値するというような意見もありますが、まず知事の所感をお願いします。

知事
 今問題になっているのは、国会答弁や国会議員への提出資料に関する問題で、そこは憲法に書いているとおり、内閣は国会に対して連帯して責任を負う、国会というものは背景に国民がいるわけですから、内閣の国会、ひいては国民に対する責任というものが問われていると思います。そういう意味で、総理大臣を筆頭に内閣のあり方としてこれでいいのかということが今国会で議論されているのは当然だと思いますし、そういう批判が日本中に広がっているというのは当然の成り行きだと思います。

記者
 それを受けて内閣の支持率も大分下がっておりますようですが、その辺はどのように捉えていますか。

知事
 まさに内閣の支持率が下がるというのは、内閣はこれでいいのかという思いが国民に広がっているということなので、ですから内閣としての責任の取り方が求められているのだと思います。

記者
 たびたびすみません。今、森友学園の話が出ましたけれども、私も文部科学省の件でちょっとお尋ねします。名古屋市で、学校での講演を前文部科学事務次官の前川喜平さんがするといった時に、市教委に報告を文部科学省は求めてきて、事実上市教委は突っぱねた形になっているということが報道されましたけれども、これに関して、知事、報道をご覧になってどのように受け止められましたか。

知事
 あれは、見た感じ、聞いた感じ、言論弾圧として行われていると思われますので、問題外だなというふうに思っています。どういう講演だったのか、前川元次官の講演がどういう講演だったのかを純粋に知りたくて調べ、そしてそれを参考にして、自分の関係でも前川(前)次官を呼んで話をしてもらおうかなという、そういう純粋な気持ちで問い合わせているのではなくて、けしからんという発想がまずあって、それで問いただしているというスタイルと見受けられますので、けしからんという時に、それを自分の意見として発信していくのは、それは文(部)科(学)省であれ、文(部)科(学)省に言いつけたと言われている政治家であれ、けしからんと思うことはいいのですけれども、それは自分の責任で意見として出すべきだと思いますが、ただ権力を持っている人たちがそうでない人の発言についてけしからんということは、やはり表現の自由を抑制する効果があるわけですから、そもそもそういう発言自体控えなければならないし、まして問い合わせという権力行使をするというのは問題外の仕業だと思います。

記者
 そうした中で、国、県あるいは国、県、市町村との連携というのは、特に岩手にとっては復興などを中心に連携すると、協力したり、情報交換するということは当然大事なことだと思うのですけれども、片やそういう事例があって、今回は文部科学省でしたけれども、例えば文部科学省から同様なことが県教委や、あるいは市町村教委に求められた時に、どう対応すべきかというのは、知事としてはどうあれば望ましいと、毅然として突っぱねるべきなのか、その点はどうお考えですか。

知事
 普通にしていればいいのだと思うのですけれども、普通というのは日本国憲法を尊重し、擁護するという、公務員はそもそもそうする、地方公務員も含めそうするものなので、その辺を踏み外さなければ変なことにはならないのではないかと思います。

記者
 先日、久慈市長選(挙)の投開票がありまして、結果としては現職が再選を果たしたということで、元県議の嵯峨壱朗さんが出馬をして選挙戦になったわけですけれども、まずこの結果について知事の受け止めを教えてください。

知事
 これも久慈市の自治体としての自治のプロセスとしてそういう結果が出たということで尊重したいと思います。
 また、遠藤譲一市長は、今までの4年間、久慈市の東日本大震災津波からの復興と平成28年台風10号からの復旧・復興というものに力強く取り組まれ、またそのほかのさまざまお祭りとか、そういう地域振興関係のイベントなどでもさまざま工夫をされたりしていて、ぜひこの調子で次の任期も久慈市民の皆さんのために頑張っていただきたいなというふうに思います。

記者
 今、お話の中で台風10号の言及もありましたけれども、県組織としては新年度、復旧復興の推進室はなくして、復旧が進んだからという背景があるとお聞きしていましたけれども、今後台風被害を受けた県内の市町村をどのように新年度以降バックアップしていくかという、県の姿勢を教えてください。

知事
 部局ごとに持っている農林水産関係や商工関係、あと観光もそうですね、そういったそれぞれの部局ごとの支援事業でこの後は復旧復興を進めていくことができるこということで、そういう体制にしていくのですけれども、ということで年度が替わって人事異動もあるのですけれども、そこは引き継ぐべきところはしっかり引き継ぎ、また異動しないでさらに続けてやる皆さんは、この調子でぜひまた次の年度も頑張ってほしいと思います。

記者
 すみません、たびたび。ちょっと前後して恐縮なのですが、私も森友学園の文書改ざんの件でお伺いしたいのですが、先ほど内閣の責任の取り方が問われているというお話がありました。野党側からは総辞職すべきであるとか、大臣を辞めるべきだとか、さまざまな声が上がっているわけですが、知事としては内閣の責任の取り方としてどういった(のが)望ましいとお考えなのでしょうか。

知事
 やはり事実関係を明らかにすることがまず必要で、事実関係が明らかでないと、例えば総辞職したとしても、なぜ総辞職するのかわからないというような形の総辞職というのもまた好ましくないのではないかと思います。
 そして、今回の事案というのは、なぜこんな今まで日本の官僚組織がやったことがないような、そういう虚偽答弁や文書改ざんを重ねてきたのかというもののもともとには、教育勅語の暗唱に象徴されるような、かなり復古主義的といいますか、戦前賛美のような学校を小学校として新たに作り、そこの名誉校長は総理夫人がやるというような、教育勅語を戦前のような形で暗唱するというのは、戦後日本が衆議院と参議院のそれぞれの決議でもうやらないと決めたことであって、戦後の教育基本法体制の下ではあってはならないような教育を義務教育課程でも、幼稚園だけではなくて、義務教育課程でもやろうという、それを実現するために国会での虚偽答弁と文書改ざんを重ねたという、内閣としてはかなりとんでもないことをやろうとしていたということがだんだん明らかになってきていると思うのです。
 そもそも今の内閣は、日本をどういう方向に持っていきたいのかということ、それはいわゆる安保法の関係とか、いわゆる共謀罪の関係とか、秘密保護法とかとの関係もあるわけですし、そういった全体としてまずけじめをつけるというようなことが今求められているのだと思います。
 去年の解散総選挙なぞ、虚偽答弁と改ざん文書による情報をもとに民意を問うていた、国民の信を問うていたわけで、解散総選挙として失敗しているわけですよね。あってはならない形の解散総選挙になっている。そういう選挙結果に基づいて組閣されている内閣としてのありようという、その責任の問題ということも含まれると思います。

記者
 失敗している解散総選挙、そういった前提で選ばれた内閣ということになるかと思いますが、そうすると内閣のあり方、けじめのつけ方というのはどういったのが望ましいのでしょうか。

知事
 そこは、内閣の側から出してもらわないとでありまして、それでいいのだと、虚偽答弁、文書改ざんを重ねながら、日本を戦前みたいなことにするためには何でもやるのだと宣言し、それでも国民はついてくるかと開き直るやり方もあるのでしょうけれども、ただそうなるとあとは司直の手に委ねられていくのかなということになるのですけれども、司直の手を煩わせずに自ら責任を取る方がいいのだとは思います。

記者
 いまだその真相が明らかになっていないという中で、佐川氏であるとか、総理夫人であるとか、証人喚問というような話も出ていますけれども、その真相解明のためにどういった対応がいいとお考えでしょうか。

知事
 そこは事実関係を明らかにしていくための段取りについては、国会の自治の中で決めていってもらうというところもあるのだと思いますけれども、かなり今回の件については国民全体としてどういうふうに持っていけばいいかというのは世論調査の結果にも表れてきているので、そういう民意を尊重しながら取り進めていけば、そんな変なことにはならないのではないかなというふうに思います。

記者
 重ねて申しわけないです。この森友問題で、東京の政局の問題とかもあるとは思うのですが、そもそも公文書を改ざんしてしまったということは、この岩手県も含めてたくさんの公文書を日々積み上げている中で、そういった東京だけではなくて岩手も含め日本全体の行政の信頼を傷つけるものになってしまったのではないかと思うのですが、首長としてそういう意味でも憤りというか、公文書が改ざんされたということの意味といいますか、どういうふうに捉えていらっしゃるか、改めて伺ってもいいでしょうか。

知事
 そういう意味で、なぜこういうことになったのかという事実関係が明らかにされないままでいますと、およそ公文書というのは信頼できないというような風潮が日本に広がり、そこは中央も地方も区別なく、およそ公文書というのは信用ならない、そして納税する場合も納税者側が文書を作って納税していくわけですけれども、納税の側だけ厳しくそういう文書作成義務が課されていていいのかというような気持ちにもつながって、実際そういう納税ということをテーマにした集会とかデモとかも日本のあちこちで起きているようですけれども、そういう風潮が日本中に広まるというのは非常に好ましくないですね。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

 次の定例記者会見は3月26日(月曜日)の予定です。

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